著者
IKEDA Shin S.
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.16-03, 2016-06

I construct data on the numbers of workers and suicide victims in their working ages in Japan from 1980 to 2010 for each of 10 occupation classes and for males and females separately. I document a complex transition of the job profiles of occupation classes, and establish a correspondence between Japanese and international job classifications. Four general characteristics of occupation-wise suicide risk in Japan emerge from graphical analyses of constructed data. First, heterogeneous aging patterns of suicide deaths and numbers of workers create complex aging patterns of suicide rates. Second, the age-adjustment and stabilizations of suicide rates are crucial for an accurate measurement and a fair comparison of suicide risk for workers in each occupation or over the entire economy. Third, the surge of overall suicide risk in Japan since 1998 might be driven by that in few occupations for each gender. Particularly, (a) a high suicide-risk profiles for male workers in agricultural, forestry and fishery and jobless categories has been stable over time, hence not a main culprit of such surge, and (b) less informative patterns of female suicide rates may be a consequence of the cancellations of higher suicide risk in some occupations and lower suicide risk in any other occupations during such surge. Fourth, gender- and occupation-wise pattern of suicide risk is further confounded with heterogeneity across regions.
著者
榊裕亮 井上亮文 星徹
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.199-200, 2013-03-06

近年,就寝時に利用されることを想定したデジタルコンテンツ市場が注目を集めている.本研究では,没入感の高い仮想添い寝を体験可能なデジタルコンテンツ鑑賞システムを提案する.本システムでは,寝床に設置されたかまぼこ形のスクリーンの上に仮想的な添い寝者を投映する.ユーザの上方にあるスクリーンには,仮想的な添い寝者が朗読する絵本に関連した映像が投映される.ユーザはジェスチャと赤外線ポインタを用いることで,仮想的な添い寝者や絵本の世界とインタラクションが可能である.本稿ではプロトタイプと評価用コンテンツについて述べる.
著者
磯山直也 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-153, no.6, pp.1-8, 2013-05-17

近年,インタラクティブシステムのためのユーザ行動認識手法が多数提案されている.情報提示システムがインタラクティブになることで,観客はシステムを自らの体で経験して楽しむことができ,システム提供者もより豊かな表現をすることができる.ユーザ行動には様々なものがあるが,システム設置の制限などの理由により,既存のシステムは特定のアクションの認識に特化しているものがほとんどである.本稿では,平面に複数の加速度センサを装着することで,行われたアクションの位置や強さを認識する手法を提案する.小型の加速度センサのみでシステムを構成することにより,デバイスが目立たずに,汎用的に設置することが可能である.これまでに2度の長期的なメディアアートでの使用を通じて,提案手法の有用性を確認した.
著者
堀合 啓一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.644-647, 2016-06-15

航空交通管制システムの無線機器の多くは,半世紀前の技術に支えられていて,セキュリティは考慮されていない.一方,GPSやADS-Bなどの比較的新しい技術を利用したシステムについても,急速に進化したソフトウェア無線技術を利用することで,低コストで攻撃が可能な状態であることが判明している.航空交通管制システムの仕様の変更は,世界的な合意が必要で長期間を要するため,場合によっては独自の対応が必要となる.実際に遭遇した事例等を契機に代替機能の確保や非常時を想定した訓練を実施している国も存在している.重大なインシデントの発生を待つことなく,適切なリスク分析に基づく計画的な対応が求められている時代となっている.
著者
佐藤 康太
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of National Institure of Japanese Literature Archival Studies (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.12, pp.35-56, 2016-03-14

本稿は、近年新たに「大学史料編纂室」を設置した立正大学を事例に、年史編纂事業から大学アーカイブズへの発展へ向けた動向について考察するものである。まずアーカイブズ設立前史として、これまで立正大学において行われてきた周年記念事業(大学史編纂)に係る組織の変遷と、その過程で収集された大学史資料の保存管理状況や、現在までの伝来経緯をあきらかにする。つづいて、立正大学における「文書保存要領」などの現行規程類を参考に、今後の資料収集計画(レコードマネージメント)について展望を述べるとともに、その実践へ向けた現状の課題を整理する。また、先行研究に拠りつつ、実際に立正大学史料編纂室が所蔵する資料群に対して、適用可能な編成理論について検討をおこない、その有力な選択肢の一つとして「シリーズ・システム」について触れる。最後に、その実践として、現在計画中の「シリーズ・システム」のイメージを参考とした、リレーショナル・データベースによる目録検索システムの導入についても、その概要の一部を紹介する。なお、本事例における大学史資料の来歴検証の結果として浮き彫りとなった、大学組織内におけるアーカイブズの存在意義やその在り方についても、若干の私見を述べる。The purpose of this paper considers Rissho University which established “university archives” newly in recent years about the trend for the university archives establishment in a case.First of all, it's checked about establishment commemoration business of the past and a change in its organization in Rissho University. And I make it clear about management conditions of the university record collected by the process of the university history compilation. Second, future's view for decision of a record collection plan and the practice and problem are described by making reference to a present regulation of “documentary preservation point” etc. in Rissho University. Next when classifying a university record material group of Rissho University, applicable classifying process theory is considered and “series system” is taken up as one of the strong choices. Finally, The part of the outline is also introduced about introduction of the material catalog search system by the relational database which made the image of “series system” reference that it’s being planned at present.
著者
森 順子
出版者
人間環境大学
雑誌
こころとことば = Mind and language (ISSN:13472895)
巻号頁・発行日
no.8, pp.47-60, 2009-03-31

シェイクスピアが作品の中で主要人物に国有の名前をつけないということは稀である。 マクベスの妻は始めから終わりまで、マクベス夫人と呼ばれる。これはマクベスとマクベス夫人との緊密な関係を象徴するものである。二人は独自の方法で愛し合う。マクベスとマクベス夫人に特有な夫婦愛の実体を心理的な側面から分析解明する。
著者
山家 雄介 中村 聡史 アダム ヤトフト 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.88-100, 2008-06-26

ブログなどの普及により情報発信の裾野が広がるにつれて,Web 検索結果から有用なページを発見するのは困難になる一方である.最近ではユーザのブックマーク行動を集約することによって価値のあるページを抽出する,ソーシャルブックマークのような取り組みがさかんになりつつある.本稿では,ソーシャルブックマークにおけるページのブックマーク数などの情報を用いて,検索結果のページの内より有用なものを上位に提示する再ランキング手法を提案する.次に,提案手法を多数のクエリに対して適用し,検索結果に含まれるページの順位変動率や,ページの種類などを調査・分類し,どのような検索目的に本アプローチが有効なのかを明らかにした.
著者
那須野 薫 奥山 晶二郎 中西 鏡子 松尾 豊
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.2044-2053, 2015-10-15

近年,Twitterのデータを用いて選挙結果の予測を試みる研究の報告が活発である.本研究では,選挙結果を高い精度で予測するモデルの構築を目指し,社会学で古くから選挙当落の重要な要素の1つとされてきた選挙地盤を定量的に測定,指標化し,この指標を用いることで既存手法の拡張を試みる.選挙地盤に関する指標は選挙地盤のリーチ,バラエティ,ロイヤルティという3つの指標を提案する.選挙運動へのインターネットの利用が初めて解禁された2013年の参議院議員選挙を対象とした評価実験の結果,本研究で提案した3つの選挙地盤に関する指標は選挙結果の予測に有効であることが示された.また,本研究で用いた手法は既存手法と比較してF値が約70%高く,選挙運動へのTwitterの活用は選挙結果に小さいものの影響があることが示唆された.
著者
坂本 真樹
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, 2016-05-01
著者
姫野 学郎 ヒメノ ガクロウ Gakuro Himeno
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.195, 2003-03-31

Two theories have appeared in the last decade in Japanese contract scholarship that are labeled as postmodernist: one is Professor Takashi Uchida’s “relational contract theory” that has been profoundly influenced by Professor Ian Macneil; the other is Professor Kenji Yamamoto’s theory that has been inspired by Professor Norbert Horn’s “Duty to Re-negotiate (Neuverhandlungspflicht).” In this short article I seek to analyze the two theories because both are focused on the performance stage of contracts – contract renegotiation. The most significant difference between the two theories is that Yamamoto highlights the tension inherent to the “Duty to Re-negotiate,”an obligation to freely agree (eine Pflicht, sich freiwillig zu einigen), while Uchida deliberately alleviates it by regarding the duty as an “immanent norm.” The reference group in the Yamamoto theory is indeed all the potential discussants (following Jurgen Habermas) whilst that in Uchida’s theory is the interpretative community of the business (following especially Hans-Gearg Gadamer). The two are related, it will be discussed, to the traditional argument about the appropriate relationship between “ratio” and “voluntas,” furthermore between Vertragsgerechtigkeit and Vertragsfreiheit.
著者
大澤幸生 松村 真宏 中村 洋
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.58(2002-QAI-003), pp.37-42, 2002-06-26

感情的な言葉に誘発されるやりとりは、知的な議論を阻害する要因として否定的に扱われて来た。しかし、本当にフレーミングは議論を阻害するのか?実は、喧嘩が楽しいのは知的快感なのではないのか。ここでは、Webコミュニティ上の会話へのテキストマイニングの結果から、この問いについて新たなアプローチをかける。
著者
赤井 友紀 山下 諒 松下 光範
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.79-82, 2015-09-18

本研究の目的は,漫画特有の表現である漫符を利用してストーリを動的に変化させるディジタル絵本システムの実現である.漫符には多様な種類があり,キャラクタに豊かな感情表現を与えることができる.また,同じ種類の漫符であっても付与する位置や数によって表現の意図を変化させることができる.提案システムでは,こうした漫符の特徴を利用し,ユーザがキャラクタに付与した漫符に応じて異なるストーリを提示することができる.
著者
西村 陽子 北本 朝展
雑誌
じんもんこん2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.43-50, 2014-12-06

本論文はシルクロード東部地域を代表する都市遺跡・高昌故城を取り上げ,従来は不正確とみなされていた地図を位相的な特徴に基づき解釈する方法を提案し,現在では所在が不明となっている探険隊調査遺構を同定できることを示す.約100 年前,日欧のシルクロード探検はこの遺跡を発掘調査し,仏教・マニ教キリスト教の遺物など多彩な出土物を獲得した.中でも特にドイツのグリュンウェーデルの調査報告は,時期の早さと細かな平面図を残していることから最も重要な報告とされている.しかしこの地図は歪みが大きく,我々は報告書と現地の遺構と照らし合わせてもどの遺構を記録したのかほとんど把握することができないという問題に遭遇してきた.本論文ではこの問題を解決するために,地図の性質に着目し地図の持つ位相的な特徴に基づいて読み解く方法を提案し,これを「地図史料批判」と呼ぶ.まず我々はグリュンウェーデルとスタインの地図を現況と比較するためにKMLファイルを作成した.さらに歪みの大きい地図の詳細な比較を支援するツールとして古地図と現代地図をピン刺し(pinning)した地点を基準に重ね合わせることができる「マッピニング(Mappinning)」を開発した.次に,地図の位相的な解釈を行う方法を提案し,平面図や古写真と現代写真,地図を使うことで古代都市遺跡の遺構同定が進むことを示す.そして最後にこれらのデータを遺跡データベースとして蓄積する構想を述べ,こうしたデータベースが歴史学・考古学に持つ意義を述べる.
著者
武田 英明 小出 誠二
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.586-587, 2016-06-15

セマンティックWebはWeb上のデータの意味的な構造を記述する,より高度な Web を実現するための技術であり,リンクト・オープン・データ(LOD)はセマンティックWeb技術をオープンデータに適用したもの, すなわち意味的な構造を持ったWebデータとしてオープンデータを提供するものである.本特集では,最近の3〜5年間における我が国のLODの進展を反映し,本格的なLODの3つの応用事例を取り上げるとともに,最近顕著な動きのあるLODに関する周辺動向も取り上げる.