著者
牛久保佑樹 藤田茂
雑誌
平成23年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, 2011-09-22

Twitter上の文には新語やスラングなどの未知語が多く使用され,ツイートを理解する際の妨げとなっている.本研究では,ユーザが知りたい未知語の意味を推定し,ツイートの内容理解を支援する手法を提案する.
著者
岡田 龍太郎 中西 崇文 本間 秀典 北川 高嗣
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.1341-1354, 2016-05-15

本稿では,メディアコンテンツを対象とした統計的一般化逆作用素の構成方式を示す.これは,与えられた印象を表す単語とその重みで表される印象メタデータからメディアコンテンツを生成する機構を実現するものである.本方式は,従来,我々が提案してきた手法であるメディアコンテンツから印象を表す言葉をメタデータとして抽出する,メディアコンテンツを対象としたメタデータ自動抽出方式手法の逆演算として構成される.しかしながら,本逆演算においては一般的に,不良設定問題が発生する.この不良設定問題を解決するために,制約条件としてそのメディアの種類に応じた統計情報やそのメディアを対象とした研究成果・理論を用いる.これにより,メディアコンテンツと言葉の間の相互変換を可能とする.さらに,本方式を楽曲メディアコンテンツに適用し,印象語で表現された印象メタデータから楽曲メディアコンテンツを生成するシステムを実装する.これを用いて実験を行い,提案方式が実現されていることを示す.
著者
浅見 徹
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
文林 = Bunrin (ISSN:02886170)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-13, 2005-03-15
出版者
アジアの女たちの会

特集 韓国民主化闘争の女たち法廷陳述 李愚貞祈り民主救国宣言の妻たちある学生の母からドキュメント 女はたたかっている 大学で・工場で・言論で(1)梨花女子大の闘い(2)仁川繊維女子労働者の闘い(3)東亜日報の闘い女性と人権処刑された夫を想う 姜順姫在日韓国女性・制圧に抗して植民地政策と日本人女性 イム・ジョネ韓国女性が闘った百年の歴史アジアとの出会い方 鶴見良行
著者
小林 健人 稲村 勝樹 金田 北洋 岩村 惠市
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.172-183, 2016-01-15

近年,個人情報やプライバシについて取り上げられる場面が増加している.特に,監視カメラ映像に関するプライバシの問題が取り上げられることが多く,映像を取り扱うガイドラインも存在している.しかし,近年のプライバシ保護の概念である自身の情報のコントロールという観点から考えると,被撮影者自身によって匿名で顔情報が制御できることが望ましい.しかし,既存のシステムではそれを実現する技術的な仕組みを持たない.一方で,監視カメラは犯罪防止に利用されているため,被撮影者が犯罪者となる可能性を考慮すると,被撮影者によってのみ制御されることは好ましくない.そこで,我々は被撮影者がグループ署名と可逆モザイク技術を組み合わせ,さらに秘匿した顔を復元するために必要なモザイク鍵を犯罪捜査時のみ生成できる鍵管理法によって,プライバシ保護と犯罪時での監視カメラの有効利用を同時に実現するシステムを提案する.これによって,被撮影者は自身の顔情報を匿名で制御することができ,かつ,犯罪捜査時には,制御された顔情報を警察などに提供可能で,さらに顔が秘匿されていた被撮影者の特定が容易となる.
著者
門田 岳久
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.156, pp.201-243, 2010-03-15

本論の目的は,第一に,「文化資源化」「宗教の商品化」といった概念を用いて,現代日本における巡礼ツーリズム(半ば産業化された巡礼)の成立と地域的展開の民族誌的記述を行うことであり,第二に,市場経済や消費社会の文脈上に生成される「宗教的なるもの」を記述していく作業が,日常生活の全体を描こうとする現代民俗学的な宗教研究において,いかなる理論的貢献をなすものなのか明らかにすることである。本論はマクロからミクロへとスコープを絞っていく記述方式を採る。まず,20世紀初頭以降の日本において,「観光」という行為形式が人々に広まっていくマクロな状況を背景に,巡礼が生活世界における慣習的習俗から脱埋め込みをなされ,文化産業によって,人々が自由選択可能な「商品」としての巡礼ツーリズムへと転化するプロセスを描く。次に,宗教的習俗の商品化が,よりローカルな社会空間において具体化していく姿を示すために,新潟佐渡地方における調査事例から,地元巡礼産業の営業活動と,そこに参与する巡礼者たちの日常的実践を記述していく。ここに観察されるのは,資源化=脱埋め込みによってもとの文脈を離れた諸要素が,巡礼産業の地域活動と巡礼経験者の諸実践を媒介することで,再び日常の文脈に再埋め込みされていくプロセスである。一見「信仰」が盛んであるように見える佐渡の巡礼ではあるが,人々の宗教的経験を可能としているのは地域的伝統であるというよりも,このように巡礼諸産業に下支えされた市場経済的構造である。従って生活論としての現代民俗学は,空間的に境界付けられた小地域(村)を記述の外延として設定し,その内部の出来事をただ描くだけでは不十分である。「文化資源化」は,観察対象が「全体」においていかなる布置を見せているのかという,ミクロとマクロの相互反照性を常に考慮すべきことを,我々に要求する概念なのである。
著者
張 琪 良峯 徳和
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.149-157, 2016-03-31

Entertainment is a happy activity for people, and could help people to improve the quality of their life. Among many entertaining ways, listening to music is one of the most popular and convenient ways. In this paper, we conducted experiments to measure the brain activities using a portable EEG (Electroencephalogram) system, when the subjects were listening to beautiful music or unpleasant noise. The EEG data were analyzed after the acquisition from the experiments. Epochs of music and noise conditions were extracted separately, and their ERPs (Event-related potentials) were calculated. ERP differences between music and noise epochs were observed in several sessions. But at present the experimental results were still lack of repeatability due to the limitation of the current portable system. Further work is in plan for both experiment setup improvement and more advanced data analysis.
著者
XING Yuqing
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.16-01, 2016-04

This study investigates the impacts of rising wages and the appreciation of the yuan on the structure of China’s exports. China’s exports are classified here as ordinary exports (OE) and two distinctive groups of processing exports, pure assembly exports (PAE) and mixed assembly exports (MAE). The data analyzed here are derived from panel data covering China’s bilateral PAE and MAE trade with more than 100 trading partners from 1993 to 2013. Estimates of fixed effect models show that wage increases and the appreciation of the yuan reduced the proportion of assembly exports in China’s bilateral exports. Specifically, for a 1% increase in Chinese manufacturing wages, the share of PAE in China’s bilateral exports is expected to fall 1.6 percentage points and that of MAE to decrease by 1.1 percentage points; a 1% nominal appreciation of the yuan against the US dollar would be expected to lower PAE and MAE trade volume by 2.4 and 2.1 percentage points, respectively. The empirical results imply that rising wages and cumulative appreciation of the yuan have eroded China’s comparative advantage in the assembly of products for international markets, resulting in substantial contraction of processing exports. The analysis provides a supply-side explanation for the fall of China’s export growth.
著者
池畑 望 伊藤 毅志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3817-3827, 2011-12-15

2007年よりIEEEのCIGシンポジウムの中でMs. Pac-Manの自動操作を競う大会が開かれている.この大会以来,Ms. Pac-Manは,デジタルゲームAIの研究対象として注目を集めつつある.これまでの大会では,知識ベースを用いた古典的な手法によるAIが最も良い成績を収めているが,その性能には限界が見え始めており,知識ベースに代わる新しいアプローチが求められている.そこで,本稿では囲碁で成功したモンテカルロ木探索によるMs. Pac-Manの自動操作システムを実現し,その有効性を検証した.モンテカルロ木探索は乱数によって生成された未来局面についてのシミュレーションを繰り返すことで,専門的知識に頼らずに期待値の高い次の手を求めることができる.性能評価実験ではモンテカルロ木探索による自動操作システムは過去にMs. Pac-Man Competitionに参加したすべてのプログラムよりも優秀な成績を示し,Ms. Pac-Manにおけるコンピュータの世界記録を上回る結果を得た.
著者
村尾 忠廣
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.74(1995-MUS-011), pp.21-28, 1995-07-21

音楽分析の理論は、客観性を欠くがゆえに数限りなく唱えられる。しかし、認知音楽学や音楽心理学、そしてまた、音楽知能などコンピュータサイエンスの研究者たちが注目し、関心を抱いている音楽理論はLerdahl & JackendoffとE.Namourによる理論の二つに収斂されつつあると言ってよいだろう。このうち前者は、言語学の生成文法をモデルにしているとはいえ、シェンカ一理論に近く、古典和声に依拠しているために理解しやすい。一方、後者、ナームアの理論は「Beyondo Schenkerism」以降、マイヤー理論から独自の理論へと急速な展開を見せているため注目はされても理解することが難しい。ナームア理解の鍵となるものは、おそらく3つの原型理論、すなわちシエンカーのUrsaze、マイヤーのArchetype、そして90年代ナームアのMelodic Archetypeを区別することだろう。言い換えれば、歴史的文脈の中に今日のナームア理論を位置づけるということである。
著者
高嶋 和毅 石原 のぞみ 伊藤 雄一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1217-1226, 2016-04-15

人が魅力的と感じる画像は利用価値が高いが,魅力の程度は人の主観に左右されるため,その定義・抽出が困難である.そこで,人が画像に対して感じる魅力の程度(魅力値)を算出する研究が活発になされてきた.このような研究では,画像の色などの低レベル特徴や画像共有サイトのメタ情報が使われてきたが,主観評価との相関が十分議論されていなかった.そこで本研究では,Web上の主観評価およびメタ情報を用い,主観評価とメタ情報の関係を解析することで,メタ情報に基づく新たな魅力値算出手法を提案する.メタ情報には,画像共有サイト上のメタ情報と,メタ情報の平均値との差を用い,人の感じる魅力である主観評価には,独自に作成したWebアンケートサイトにより大量に収集した評価値を用いた.生成した魅力値算出式による魅力値と主観評価との間には強い正の相関が見られ,魅力値算出式の有効性が示された.
著者
来代 誠仁 齋藤 恵 蜂谷 大翼 中川 正樹 馬場 基 渡邊 晃宏
雑誌
じんもんこん2004論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.215-220, 2004-12-09

本論文では,手書き文字認識技術,及び画像処理技術を用いて,平城京跡から出土する木簡の解読を支援するシステムの基本設計と試作について述べる.木簡に記された文字を解読するためには,木簡の汚れ,破損,経年変化などを考慮しながら,文字を表す墨の部分を抽出し,記された文字を推定する必要がある.我々は,判別分析法を応用して,木目を含む背景から墨の部分だけを分離,抽出するための手法を実現した.また,墨の部分が欠損している場合に,ユーザが簡単な操作で情報を補足できる文字認識の手法を開発した.さらに,これらの機能をユーザと対話的に結び付けることで,木簡の解読を支援するユーザインタフェースを作成した.これらに加えて,本論文ではネットワークを用いたシステムの拡張について述べる.
著者
有田 亘 アリタ ワタル Arita Wataru
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.85-95, 2016-03-31

Is Edward Said’s concept of “contrapuntal reading” good enough in practice, but not in theory? In order to solve this problem, we consider the discussion of T.W. Adorno “Beethoven’s Late Style” in Said’s On Late Style. At the same time, we compare it with “On Fidelio” of “Cosi fan tutte at the Limits,” also by Said. Because of this comparison, we consult the playing style of the pianists V. Afanassiev and I. Pogorelich. However, this paper is intended to use the idea of classical music for social epistemology. In order to lead us to understand this, we refer to Slavoj Žižek “Against the Populist Temptation : Ode to Joy and the Turkish March.”
著者
藤岡 孝志
出版者
日本社会事業大学
雑誌
日本社会事業大学研究紀要 = Study report of Japan College of Social Work (ISSN:0916765X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.201-237, 2011-02

本研究では、フィグリーらによって開発された質問紙の日本語版による調査に基づき、今後の共感満足/共感疲労に関する質問紙の標準化に関する研究を行った。さらに、それらを踏まえた、バーンアウト対策、共感疲労対策との関連性を検討した。 データ分析の結果、藤岡(2007)と同様の結果を得ることができた。共感満足については、「仕事仲間との関係における満足」、「利用者との関係の中での満足」、「援助者の資質としての満足」、「人生における満足感」の4因子が抽出された。共感疲労に関しては、「代理性トラウマ」、「否認感情」、「PTSD様状態」、「援助者自身のトラウマ体験」の4因子が抽出された。これらは、マスラックらの作成したバーンアウト尺度との相関も高く、かつ、因子構造も同様の結果が得られた。それぞれを4群に分けて分析した結果、共感満足、共感疲労、バーンアウトの総合得点は、施設内におけるバーンアウト予防、共感疲労対策、共感満足への気づきなどに有効に活用できることが示唆された。これらを踏まえ、以下のような点が示唆された。1.共感満足尺度は、既存の標準化されたバーンアウト尺度の下位因子である「情緒的消耗感」や「脱人格化」とは負の相関を示し、「個人的達成感」とは正の相関を示すことが示唆された。2.共感疲労尺度は、消耗感や脱人格化とは、正の相関を示し、個人的達成感とは関連していなかった。3.共感満足において、勤務年数について、有意な差が見られ、10年間の見守りが必要であることが示唆された。4.援助者としての代理性トラウマ(利用児者から受ける二次的被害、二次的トラウマティックストレス)が、(援助者自身の)家族の「三次的トラウマティックストレス」と関連していることが示唆された 最後に、これらを踏まえた援助者支援における4つの課題が提示された。すなわち、1.調査対象領域の展開の必要性、2.継続的な調査の必要性、3.施設間の違いや特定施設・機関の個別性の検討、4.援助者支援学の構築の必要性。