著者
田中 誠 Makoto TANAKA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.13-21, 2017-03

英語の習得には、まずは基本である中学英文法をマスターすることが重要である。中学英文法の重要性に関する研究はこれまでも様々なものが行われている。本稿では、それらの先行研究を参考に、TOEIC L&R の問題を解く上で、中学英文法の知識がどれくらい重要な役割を果たすのかを検証することにした。調査したのは、TOEIC 公式問題集7冊の Part5の540問についてであり、使用されている単語はすべて意味・用法がわかっていると仮定した場合に、中学英文法の知識だけで解ける問題がどれくらいあるのかを調査した。調査の結果、中学英文法の知識で解答できる問題は、540問中520問であり、その割合は96.3%であった。今回の調査結果は、筆者の予想を上回る数値であった。TOEIC の該当問題の大部分が中学校レベルの文法で解けるということが明らかとなったことで、TOEIC のような難易度の高い問題を解く際にも、中学英文法をマスターすることは重要であること、語彙力の強化が必要であることを再認識させられた。日頃の英語指導においても、コミュニケーションを重視するからこそ、この2点に重点を置いた指導は重要となる。
著者
三橋 萌樹 下岡 ゆき子
雑誌
帝京科学大学紀要 = Bulletin of Teikyo University of Science (ISSN:18800580)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.11-15, 2015-03-31

Crayfish have “gastroliths” in which calcium is deposited transiently during the molt cycle from the cuticle. In red swampcrayfish, amorphous calcium carbonate is embedded in an organic matrix composed mainly of chitin. Thus the seasonalityof molting will strongly affect the number and possession rate of gastroliths in crayfish. In this study, we captured 405 wildred swamp crayfish in May-November 2014 at a small pond and stream in Tsuzuki central park, Yokohama using a net forcapturing crab or a fishing line with dried squid, and analyzed the seasonality of number of gastroliths in their stomach,degree of calcification of the gastrolith in relation with the molting cycle. Among 405 crayfish, only 48 individuals had one ortwo gastroliths, in a biforked stomach. Gastroliths were found only in May-July and October-November, and large gastrolithswere found from the individuals just before and after the molt. We also found one or two chitin matrix from the stomach ofall the individuals who didn’t have gastroliths. Red swamp crayfish are important food item of fish-eating birds such as greatcormorant, and their gastroliths and chitin matrix are found in the birds’ pellets. Here we propose a formula to estimate theintake of crayfish by birds using the number of gastroliths and chitin matrix found in birds’ pellets.
著者
餅原 尚子 松田 英里 成願 めぐみ 久木﨑 利香 有留 香織 永田 純子 坂元 真紀 前原 加奈 松元 理恵子 久留 一郎
雑誌
鹿児島純心女子大学大学院人間科学研究科紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.44-54, 2007-03-31

災害の体験によって直接の被災者だけでなく,救援者も大きな影響を受ける。海外での先行研究と同じく,わが国の救援者においても心的外傷性ストレス症状(post‐traumatic stress reaction)の割合が高いことが明らかになっている。救援者は災害現場に出場し,被災者と同じような体験をすることによるストレスを受けることになる。一方,職業的救援者であるがゆえに一般的な被災者とは別のストレス(災害出場を忌避できない。彼らには社会的な期待が大きい)に加え,特有の義務感,責任感や弱音を吐きにくい組織的風土が加わる。まして,箝口令が敷かれているとなおさらである。本研究では,消防職員,海上保安官,警察官,救急救命士が直面するCIS(Critical Incident Stress:惨事ストレス), PTSD(Posttraumatic Stress Disorder:外傷後ストレス障害)の現状について分析し,ストレスの特徴を明らかにすることを目的とした。アンケート調査を実施し,そのうち消防職員356名,海上保安官80名,警察官854名,救急救命士200名の有効回答を得ることができた。CISついては,海上保安官や警察官よりも消防職員や救急救命士に高く認められた。さらに,警察官より消防職員や救急救命士が, PTSDの症状を呈しやすいことが明らかになった。
著者
津田 左右吉
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.257-272, 1916-05
著者
関 智宏 Tomohiro Seki
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.95-108, 2023-06-30

本稿では、プロセスの視点に基づくアントレプレナーシップ研究の潮流との関連性を考慮し、本研究の検討対象となる41本の論文の内容を精査し、1つにアントレプレネリング、2つに、認知的視点および起業行動、3つに、起業機会の発見/創造・評価・活用、4つにその他、の4つのカテゴリーを導出し、後者2つをとりあげ、その内容を提示し、研究の特徴について検討した。
著者
和田 匡史 兵頭 洋樹 地神 裕史 土居 裕和 山本 憲志
出版者
国士舘大学理工学部
雑誌
国士舘大学理工学部紀要 = TRANSACTIONS OF THE KOKUSHIKAN UNIVERSITY SCHOOL OF SCIENCE AND ENGINEERING (ISSN:18824013)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.159-164, 2021-03-31

Bathing and sleep play important roles in physical recovery of athletes. Hot spring water containing high concentration carbon dioxide (CO_2 ≥ 1000 ppm) has long been applied to the patients suffering from cardiovascular diseases in balneotherapy. Clinical observations reported various effects of CO_2-hot spring immersion on human body, such as flushing of the skin, skin blood flow improvements, decrease of blood catecholamine levels,and heart rate reduction. The heart rate reduction by CO_2-water immersion might be induced by neuronal information generated in the skin [N. Yamamoto et al, 2007]. The purpose of this study is to examine whether artificial CO_2 hot water immersion facilitates physical recovery in competitive swimmers. Fourteen healthy college competitive swimmers participated in this study. The participants performed anaerobic exercise. Immediately after the exercise, they immersed their whole bodies into tap-water or artificial CO_2-water at 38 degrees Celsius for 10 minutes. To measure the sleep-wake cycle, accelerometers (FS-760 and 770, ACOS, Japan) was used. The sleep-wake data were analyzed by circadian rhythm analysis software (SleepSign Act2, KISSEI COMTEC, Japan). Sleep variables analyzed included time in bed, sleep period time, total sleep time, sleep efficiency, and sleep latency. Blood lactate concentration (BLa) was measured by Lactate analyzer (Lactate Pro2LT-1730, Arkray, Japan). BLa in recovery period was significantly lower in CO_2-water immersion than in tap-water immersion (20 min after the exercise 2.4 ± 0.8 vs 2.7 ± 0.5 mmol, p<0.05, 25 min after the exercise 1.9 ± 0.6 vs 2.6 ± 0.8 mmol, p<0.05, 30min after the exercise 1.8 ± 0.4 vs 2.4 ± 0. mmol, p<0.05,). Sleep latency was significantly shorter in CO_2-water immersion than in tap-water immersion (7.8 ± 2.3 min vs 16.5 ± 3.8 min, p <0.05). Sleep efficiency was significantly higher in CO_2-water immersion than in tap-water immersion (90.3 ± 3.5% vs 83.2 ± 4.6%, p<0.05). Therefore, these results raise the possibilitythat hyperthemia, i.e. body core temperature raise, induced by CO_2-water immersion leads to deep sleep. Deep sleep after the CO_2-water immersion seems to be extremely useful in the physical recovery from fatigue. The rapid decrease in BLa in the CO_2-water immersion suggests efficient physical recovery after anaerobic exercise. Therefore, it was suggested that CO_2-water immersion is effective for physical recovery.
著者
野村 直之
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2(1998-NL-129), pp.1-8, 1999-01-20

ConceptBaseはヴェクトル空間法と転値ファイルによる類似文書検索をコアにもつシステム。高速性と高精度を達成するために、複合語句(Concept)間の部分マッチング、関連語抽出の近似処理、などの独自の工夫を施している。その概要とともに、対象とする文書空間のスケール拡大のための新しいソリューションとして、自動分類機能と、複数文書の鳥瞰ビューを提供する最新の自動要約機能を紹介する。
著者
周 紀瑩
出版者
国立音楽大学大学院
雑誌
音楽研究 : 大学院研究年報 = Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music (ISSN:02894807)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.295-310, 2022-03-31

研究の背景日本と中国の初等教育では,音楽の学習に必要なものとして,古くから読譜を取り入れてきた共通の歴史がある。日中の両国において,読譜は,音楽活動を充実させる上で重要な役割を果たしており,読譜に関する内容の充実は,両国において古くて新しい課題である。日中両国の読譜に関する内容は,絵譜の使用に代表される共通の学習方法と,数字譜のように,中国の音楽文化に根ざした学習方法がある。したがって,日本と中国における読譜に関する内容を比較することは,双方の音楽教科書をはじめ,実際の読譜指導の改善・充実に向けた示唆を得ることが期待できる。研究の目的と方法本研究の目的は,日中両国の読譜に関する基本的な考え方,小学校音楽教科書における読譜に関する内容と方法を比較し,両国の読譜に関する現状と課題を明らかにする。そのために,本研究では,日本と中国の小学校音楽科教育課程における読譜の考え方を明らかにした上で,日中両国の小学校音楽教科書を対象とし,読譜に関する表記を丁寧に分析した。結論本論では,日本と中国の小学校音楽教育課程の基準と現行の小学校音楽教科書を研究対象に,両国の小学校音楽科における読譜に関する内容を比較して分析した。その結果,明らかになったのは次の点である。日本の学習指導要領では「相対的な音程感覚を育てるために,適宜,移動ド唱法を用いること。」,中国の音楽課程標準では「五線譜の指導には,首調唱名法を使うことを提唱する」のように,教育方針は異なるが,類似点がみられる。それは,日本と中国の小学校の音楽授業は,それぞれの楽譜の表記方法を用いて授業を行われているが,児童に相対的な音楽感覚を育成するために,両国とも移動ド唱法が使用されているという点である。また,日本では多くの学校で五線譜を用いて授業が行われており,器楽の学習内容以外は,全て階名を用いて授業を行う教師もみられる。さらに,特に地方の児童は,イ短調が分からないままに,中学校に進学してしまった児童も多いという状況がよくみられるという教師の証言もある。そのため,児童がハ長調の楽譜しか読めないので,移動ドとしての意味があまりないと推察される。一方,近年の中国では,数字譜から五線譜へ移行する傾向が強くなり,特に専門教育に向けての音楽教室では,五線譜で授業を行うようになってきている。それに伴い,五線譜教育を扱うことを望む声が社会的にも高まってきている。中国では,五線譜の場合,数字譜とは違い,固定ドで読むことが一般的になっている。したがって,数字譜の学習が五線譜につながらないという問題がみられる。以上のことにより,日本と中国の小学校音楽科における読譜の指導内容では,多方面から検討していく必要があると思う。そのため,今後は,日本と中国の小学校音楽科教育における読譜に関する指導法について,実際の指導場面の検討などを通して考察を深めていきたい。
著者
紙 博文 カミ ヒロフミ Hirofumi Kami
雑誌
経営情報研究 : 摂南大学経営情報学部論集
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.27-44, 2006-07

本稿の目的は、現在価値による測定属性が歴史的な展開過程の中でどのように認識され、展開してきたかを考察することである。そのためには、まず、現在価値測定が発展してきた背景に会計の目的観及び利益計算システムの転換があったことを述べ、そこでの現在価値測定の3つの特質((1)資産・負債の測定値として理想的な測定値、(2)公正価値の代替値、(3)事業価値の算出)が、企業評価を主体とする事業価値評価の算出に関する情報提供にあったことの検証を行っている。本稿では、現在価値測定の発展を3つの時代((1)複利計算から生命保険数理活用の時代、(2)投資意思決定への適用の時代、(3)リスクの把握と事業価値算出の時代)に区分しその考察を行なっているが、こうした考察から、これまでの記録、純利益計算中心の会計から企業の事業価値評価の会計へと、会計の進展を知ることができる。とりわけ、1960 年代以降、意思決定有用性アプローチと資産負債アプローチという会計の目的観、利益計算システムの変更が、現在価値測定の適用拡大に拍車をかけ、リスクを考慮した利子率の適用や資本コストを利子率に適用することで、予想されたキャッシュ・フローからリスクを除外し現在の価値(= 時価)が求められ、また、資本コストの適用により企業価値の主体となる事業価値が算出されるようになってきた。このように現在価値測定の歴史的経緯を辿ることでそこに会計の果たす役割の変化を知ることができる。