著者
篠原 徹
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.41-60, 1989-03-30

Conventionally the natural and spiritual features of region (we call it “Fûdo” ) have seldom been discussed positively in our folklore. This is partly because the word “Fûdo” , which means natural and spiritual features, is much ambiguous in Japanese and that equivocal use of this word has been left to take its course both in its intensive and extensive sense. A number of people admit however that the “Fûdo” implies a sort of regional sense, sensitivity or inclination which cannot be expressed by any other wording.The “Fûdo” should therefore be regrasped in the general framework of people's recognition process of Nature, not as an object of natural science. Though this recognition was once applied in the basic theory of WATSUJI Tetsuro on which he discussed the “Fûdo” as his subject matter, his discussion developed only into his personal speculation, not into the process of people's recognition of the natural and spiritual features of regions.The “Fûdo” if it is to be defined in its intensive meaning, may be grasped as an image that can evoke a “subjectivization” of the environments which surround humans. From the standpoint of the subjectivization of environments this approach can be identified with that idea of KANI Toukichi according to which he attempted to classify the river from the point of view of the insects living therein in his ecological study.YANAGITA Kunio made no positive proposition on the problem of Fûdo. His final objective in his folkloristic works was to abstract the regional mind. He finally spellbound this mind contending that it can be understood only by persons from same regions. This paper attempted to prove that the mind is an intensive reality of the Fûdo. In the same line of understanding, such folklorists after YANAGITA as CHIBA Tokuji and TSUBOI Hirofumi, who were much interested in the problem of Fûdo, tried to break that spell.By way of abstracting an interrelation of vocabulary produced in some regions by an association, we can predict an existence of an association system such as “Saijiki” (a collection of haiku divided into four seasons), which is based on an emic image association. These predictions have been described in this paper taking up some material examples, which must be an effective approach to comprehend regional sense and sensitivity. Because the spatial range of the Fûdo is much elastic, it is not productive to understand it within the geographical framework only. The author thus proposes to rediscover our Fûdo in a folklore specialized in a study of regional sensitivity.
著者
白木 顕介 坂根 裕 杉山 岳弘 竹林 洋一
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.94(2003-HI-105), pp.33-38, 2003-09-26

DJと観客の音楽コミュニケーションを活性化させる新しいクラブ環境とこの環境をコントロールするインターフェイスについて述べる.これまでの研究では,DJ/VJの表現と観客の関係を中心にクラブ環境全体をデザインする検討はなされていない.本稿ではスピーカアレイを利用し,音が聞こえる方向を動的にコントロールしながらDJが演奏できる音響環境とインターフェイスを作成し,その効果や操作性について一般の観客とDJにアンケート調査を行った.その結果,新しいクラブ環境を使用したDJの表現とその効果に関する知見や,DJのパフォーマンスを発揮させるために必要なインターフェイスの仕様についての知見が得られ,このクラブ環境においてDJと観客の間の音楽を介したコミュニケーションを活性化できるという見通しが得られた。
著者
早川 正士
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1-2, pp.1-9, 2005-01-31

There have been accumulated a lot of evidences on the presences of electromagnetic phenomenaassociated with earthquakes. This report reviews these seismo-electromagnetic phenomena takingplace not only in the lithosphere, but also in the atmosphere and ionosphere. Observational resultsand also theoretical hypotheses are presented, and we finally suggest the importance of a newscience field, " Lithosphere-atmosphere-ionosphre coupling" .
著者
立花 亮介、松原 崇、上原 邦昭
雑誌
2015年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015-09-18

膨大で整理されていないデータから情報を抽出するには、教師なし学習が有効である。本稿では、深層学習手法のうちオートエンコーダーやボルツマンマシンをはじめとする教師なし学習に注目し、識別性能を比較検討する。
著者
堀田 和義
出版者
武蔵野大学通信教育部
雑誌
人間学研究論集 = Bulletin of human studies (ISSN:21867267)
巻号頁・発行日
no.12, pp.43-50, 2023-03-10

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著者
石倉 瑞恵
出版者
石川県立大学
雑誌
石川県立大学研究紀要 = Bulletin of Ishikawa Prefectural University (ISSN:24347167)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.95-103, 2022

社会主義はジェンダーを克服し、女性の解放を導いたのか。本稿では、旧チェコスロバキアにおける労働者としての女性像の変容に着目し、社会主義期の女性解放の本質を検証した。社会主義は、伝統的な家制度を解体して女性の雇用を促進させたが、その施策のすべてが女性解放ではなく、健全な社会主義国家建設を意図していたため、働く女性の増加に伴い少子傾向が顕在化すると、施策は女性解放から後退し、結婚、家族、子育てこそが社会主義の課題であると社会主義の本質を再解釈した。女性像は、社会主義初期のイメージである国営農場に働く生産労働者から変容した。社会主義後期における女性像は、労働力の主力であるブルーカラーと相反する。すなわち、家事・育児を担い、男性においては評価されない優美さを持ち合わせ、男性の職業領域を犯すことがない労働者、前社会主義的な女性像であり、男性にとっての好ましい他者であることが明らかになった。
著者
堀 由里
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学保育学部研究紀要 = BULLETIN OF SCHOOL OF EARLY CHILDFOOD EDUCATION AND CARE OHKAGAKUEN UNIVERSITY (ISSN:13483641)
巻号頁・発行日
no.25, pp.173-178, 2022-03-15

コロナ禍でマスク生活が続く中、幼児はマスク有りの表情から他者の感情状態を正しく認知することができるのかを試行的に検討するため、マスクをした状態の保育者(写真)や他児(イラスト)の表情と感情音声をマッチングさせる課題を幼児に行った。その結果、8試行のうち正解は半分の4試行で、表情の種類は用意した全ての表情があてはまった。またイラスト刺激よりも写真刺激の方が高正答率であった。一方、表情刺激に対するラベリングを検討した結果、イラスト刺激には全4種の感情に正しいラベリングができていた反面、写真刺激は「怒り」のみ正答で、「喜び」「驚き」「悲しみ」は誤答であった。つまり、写真刺激は、音声刺激とのマッチングにおいては正しく回答できていたが、ラベリングにおいては難しさを感じていたようだった。子どもたちが日々の生活でコミュニケーションをとるのは、イラストで表現されたような分かりやすい表情ではない。そのため、実際の人間の表情を使用した方がより現実に近い状況でのデータを得ることができると考えられる。
著者
串山 寿 三浦 洋子
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = CHIBA KEIZAI RONSO (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.66, pp.147-161, 2022-06-30

オンデマンド授業は、教員は授業の資料をアップロードし、学生は受講したい時に好きな時間に受講ができるメリットがある一方、学生の自主性に任せることによる授業の理解度のバラツキが考えられる。新型コロナウイルス拡大の影響で、オンライン授業やオンデマンド授業は当たり前になってきている中、教員は試行錯誤しながら授業を運営している。その授業の中で、履修生と教員とのあいだで直接意志の疎通のツールとなるのはチャットであるが、そこで交わされる質疑応答では、質問の内容以前に、情報関連の用語等に関して、教員としては当然わかっているだろうと思われることを学生は知らず、双方のちぐはぐさが目立ち、往々にして一方通行にもなりうる事態が生じている。主な原因は履修生の情報関連の知識不足であり、教員側は授業の他にそれらの補充もしなければならない、ということになる。そこで本稿では、オンライン授業やオンデマンド授業のイントロダクションとして、情報関係の基礎知識を教えることを念頭に、教育内容を考えてみた。
著者
串山 寿 三浦 洋子
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = CHIBA KEIZAI RONSO (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.65, pp.95-112, 2021-12-01

新型コロナウイルス拡大の影響で、本学では一定数以上の受講者がいる授業については、オンデマンド授業を実施せざるをえなくなり、さらに今後こうした授業形態は長期間継続していくと予想される。もちろん教育分野に情報化が浸透していることは数年前から顕著であったが、本学は旧態然とした授業形態を採用していて、その波に乗り切れていなかった。しかし、絶好の機会が、新型コロナウイルス拡大とともに到来した。ここで大学のオンデマンド授業をどのように展開していくべきか、教員と学生との間での様々なやりとりを通して試行錯誤を繰り返すことにより、将来、情報化を土台にした大学教育をどのように実施すればよいか、そうした課題に一つの答えを導くことができるだろう。すなわち、本稿は、大学教育の将来を見据えながら、オンデマンド授業の実施方法を、暗中模索の中で、著者らが具体的に行った記録である。 本稿では、本学学生のオンデマンド授業を開講するうえで、学生の利用環境を調査するとともに、本学学生を対象にMicrosoft Forms(以下、Forms)を利用した出席管理についてその方法を提示し、学生のアンケートデータも加味して、その有用性や課題を分析した。 さらに、Microsoft Teams(以下、Teams)を利用したオンデマンド授業を行う上で、授業資料の掲載方法について提案した。ここでは、オンデマンド授業の資料提示について、Power Automateⅲを利用して指定した時間に自動的に掲載する方法を提案する。 また、テスト方法については、Formsを利用して行うことにしたが、以前から行っていた選択式に加え、計算した値を答えさせる作問方法を紹介する。