著者
浜根 大輔 萩原 昭人
雑誌
一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会
巻号頁・発行日
2019-08-13

北海道日高町千栄から本邦で2例目となる森本ざくろ石を見いだしたので、その詳細を報告する。糠平岩体のロジン岩に伴われる緑泥石+透輝石を主体とした岩石の構成鉱物および岩石を切る脈として森本ざくろ石が産出する。分析値をCa+Mg=3で規格化し、12アニオンおよびTi = Fe2+としてFe3+を見積もった実験式は(Ca2.95Mg0.05)Σ3(Ti0.81Fe2+0.81Fe3+0.24Al0.13)Σ1.99[Si2.54(H4O4)0.47]Σ3.01O10.12であり、これは森本ざくろ石に該当する。またSi < 3となることもまた特徴的で、多くのSiが(H4O4)で置換されていると考えられ、仮想端成分であるCa3(Ti4+Fe2+)(H4O4)3の存在が示唆される結果となった。
著者
永尾 美智瑠 中野 裕佳子 田島 正教 杉山 恵理花 稲田 睦 佐藤 均
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

背景・目的:近年、カンナビジオール(CBD)の臨床的な有用性が注目されている。CBDはシトクロムP450(主にCYP3A4及びCYP2C19)で代謝されるとともに、CYP阻害作用を有することが報告されているが、in vivo研究はほとんど行われていない。本研究ではCBD動態の用量依存性について検討するとともに、CYP3Aを介した薬物間相互作用の可能性についてin vivo条件下で検討した。方法:CBD製剤として,当部門で開発したCBDナノエマルション製剤(CBD-NE)を用いた。一晩絶食させたWistar系雄性ラットにCBD-NE(5, 10, 25, 50 mg/kg)を経口投与し、経時的に採血した。得られた血漿は固相抽出後、LC-MS/MSにて血漿中CBD濃度を測定し、薬物動態パラメータを算出した。CYP3A阻害剤としてケトコナゾール(KCZ)を、CYP3A基質としては13C-エリスロマイシン(呼気試験)を用いて、CYP3Aを介した薬物間相互作用の検討を行った。結果:CBD投与量とAUCの関係は有意な上昇型の非線形性を示し、特にCBD 10 mg/kgを超える投与量において顕著であった。KCZ併用により、CBD 10 mg/kgではAUC及びCmaxの有意な上昇がみられたが、CBD 50 mg/kgでは変化がなかった。 13C-エリスロマイシン呼気試験の結果では、CBD 10, 50 mg/kgにおいてCBDによるCYP3A阻害作用が認められ、1 mg/kgでは認められなかった。考察:今回比較的速やかな吸収性を示すCBD-NEを用いた検討により、経口投与後のCBD動態の非線形性が明らかとなった。CBD高用量においてCYP3A阻害剤KCZ併用による影響がみられなかったことからも、自己代謝阻害による代謝飽和による非線形性と考えられた。またCYP3A阻害作用がみられたCBD 10~50 mg/kgにおけるCmaxは既報におけるCBDのCYP3Aに対するKi値と良く対応していた。今回の検討によりCBD高用量でのCYP3A阻害作用がin vivo条件下においても示された。過去に報告されている臨床報告も併せて考慮すると、10 mg/kg以上のCBD投与量では薬物間相互作用に注意する必要性が示唆された。
著者
嶋遥希 村上春菜 八木澤憧子
雑誌
サイエンスキャッスル2018
巻号頁・発行日
2018-11-21

<考察・展望>今回の実験で得られた実験値には有意差が見られなかった。その原因の一つとして実験精度の低さが考えられる。具体的には、培養中の液体培地の蒸発による計測サンプルの減少と濃度の変化や、培地への光の当たり方と光源からの距離の違いによって増殖量に差が出る可能性を考慮していなかったことが挙げられる。今後嫌気条件下の培養を並行して進めていくにあたってこれらの点を改善し、より正確に結果が出るようにする。