著者
島田 由紀子 Yukiko SHIMADA
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.97-108, 2014-03

幼児に18個の図形(三角・丸・四角、青とピンクの線画)を提示し、何かに見立てた描画の初発反応について取り上げた。初発反応に焦点をあてることで、幼児が見立てやイメージがしやすい図形の形と色について把握することができ、描画のモチーフからは、図形からイメージして描く内容を知ることができる。形や色を提示するという条件のもと、年齢差や性差にどのような差や共通性がみられるのか明らかにすることで、幼児の造形活動や指導への手がかりにすることが期待できる。 調査対象者は4歳児クラス(男児14名、女児14名)、5歳児クラス(男児14名、女児10名)の52名で、調査員との個別調査で行った。その結果、取組み数は年齢や性別を問わず約80%以上であったことから、幼児は「見立てよう、描こう」という意欲が高いことがわかった。初発反応の図形は、図形丸と図形三角が多く、幼児にとって図形三角や丸は親しみやすい形だと考えられる。線画の色はピンクよりも青の方が多く、性別による嗜好色の影響はなかった。4歳児クラスでは見立ての描画として成立するには、見立ての理解とイメージしたものを描くことの難しさがうかがえた。しかし、女児は4歳児クラスでは低い成立数が5歳児クラスでは90%と高いことから、この時期の女児の見立てや描画への興味関心の高さやイメージする力、描写力の伸びがうかがえた。色からの見立ての描画の成立数は形に比べて低く、見立ては色よりも形が優先されることが明らかになった。モチーフに着目すると、見立ての不成立の描画には年齢性別問わず、提示された図形への2重描きや塗りつぶし、図形の中や外への自由な描画などがみられた。見立てが成立した描画は、4歳児クラスの男児では「車」「メロンパン」、女児では「星」「ドア」、5歳児クラスの男児では、「家」「ドラゴンボールの玉」「おにぎり」、女児では「雪だるま」「ロールケーキ」などであった。男児の「車」や女児の擬人化された「雪だるま」などには自由画にみられる性差との共通性が、食べ物を見立てて描画することは図形からの連想語調査との共通性がみられた。 幼児が図形から何かをイメージして描画表現するには描写力が必要となるため、5歳児クラス以前では難しいことが推測された。しかし、5歳児クラスの見立ての描画では形からの成立数をみると、それまでの間にいろいろな経験をしてイメージを広げることや造形活動や生活経験を重ねることで、見立てるイメージ力も描写力も備わることがわかった。この時期の幼児が考えたり思い浮かべたりすることや、形や色やさまざまな素材を使った造形活動を重ねることが、その後の創造的な造形表現につながることが考えられた。
著者
岡澤 香津子 若林 雅人 松岡 慶樹 佐々木 伸一 水越 裕樹 竹原 恵美子
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.83-89, 2013 (Released:2013-09-05)
参考文献数
15

Objective: The present study investigated awareness and knowledge about clinical trials among pharmacists working in the Nagano Hokushin area as well as their contribution to the enlightenment of clinical trial.Methods: A questionnaire survey of clinical trials was conducted to evaluate levels of interest, impressions, sources of information, and knowledge among hospital and community pharmacists.Results: We received responses from 77 hospital and 67 community pharmacists.  The levels of interest in clinical trials were not significantly different between hospital and community pharmacists.  About impressions, hospital pharmacists thought that clinical trials were “a new development.”  Contrarily, community pharmacists thought that clinical trials were “a field that they were seldom concerned with.”  About sources of information, hospital pharmacists found that “study meetings” were the most informative.  More community pharmacists than hospital pharmacists chose “general reports, for example, newspapers and televisions” as a source of information, and similarly more community pharmacists indicated that they had “few opportunities for obtaining information about clinical trials.”  About knowledge, the percentage of correct answers about clinical trials between hospital and community pharmacists was not significantly different.  A higher percentage of community pharmacists than hospital pharmacists answered unknown.Conclusion: Hospital and community pharmacists had different impressions and knowledge about clinical trials probably because of differences in sources of information and its access.  Henceforth, study meetings involving educational material about clinical trials should be held for discussing fundamental knowledge about the methods and structure of clinical trials and for discussing case studies wherein patients consult pharmacists about clinical trials.
著者
滝沢馬琴 編
出版者
柳原喜兵衛等
巻号頁・発行日
vol.冬, 1885
著者
長野 由梨子 長濱 統彦
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.321-329, 2010 (Released:2010-12-11)
参考文献数
29

Fungi are one of the most important components in ecosystems and they occupy a wide variety of environments by virtue of their highly versatile physiology function. Recently, the presence of fungi in one of the extreme environments, deep-sea, has started to be recognized. In this article, recent scientific findings through the investigation of fungal diversity in deep-sea sediments collected from several deep-sea environments, including water depths of 10,000 m and methane cold-seep sites were described. PCR-mediated analysis revealed the presence of diverse highly novel fungal phylotypes, including new taxonomic groups placed in deep branches within the phylum of Chytridiomycota with Rozella spp. as the closest related organisms, which may provide key insights into the early evolution of fungi.
著者
井上 哲浩 Akihiro Inoue
雑誌
商学論究 (ISSN:02872552)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.55-72, 2000-03-21

2 0 0 0 OA 増村保造論(1)

著者
佐川 誠義
出版者
法政大学国文学会
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.44-53, 1997-03-24
著者
陶山 二郎
出版者
茨城大学人文学部
雑誌
茨城大学人文学部紀要. 社会科学論集 (ISSN:13440160)
巻号頁・発行日
no.61, pp.91-101, 2016-02

本稿では、いわゆる「高知白バイ事件」の目撃証言を検討した。本件は、スクールバスの運転手が駐車場から車道に侵入して中央分離帯の前から右折して反対車線に合流しようとしていた際に、右方から進行してきた白バイと衝突し、同白バイの隊員が死亡したという事件である。この事件では、過失を認める自白があるものの、その自白は真実ではないと争われ、現場のスリップ痕等の由来も争われている。他方、目撃証言については、対向車線を走っていた白バイの目撃証言と、その他の目撃証言が鋭く対立している。本稿では、この目撃証言に絞って、特に公判廷における対立する各目撃証言を検討することにより、本件における目撃証言の信用性評価の問題点を明らかにしようとしたものである。
著者
曽我 とも子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.100028, 2011

厳島神社は広島県廿日市市宮島町の海上に造営された珍しい神社である。厳島神社には、厳島の中心となる神の山と崇められてきた弥山を源流とする御手洗川と白糸川の両河川が流れ込んでいる。厳島神社本殿の裏の森である後苑は、祭神が紅葉谷(御手洗川)を通路とし、弥山から本殿へ出現するという信仰に裏付けられ、神聖な場所として人の出入りを禁じ、不明門は神の通る門であって絶対に開いてはならないとされている。<br> 厳島神社において、最も盛大な祭りのひとつが、旧暦6月17日の夕刻から深夜にかけて船上にて管絃を奏する管絃祭である。この日の日没後、北斗七星は厳島神社本殿の前方(西北)に、南斗六星は社殿後方(南東)にくる。西北は八卦の乾(☰)にあたり乾は陽の気の集まった最も純粋な「陽」である。ゆえに西北は万物を生み出す光の元でもある<b>天</b>を象徴する方角とされる。さらに旧暦6月は、北斗七星の柄(剣先)は十二支の未を指している。未とは万物が実り豊かに滋味をもたらすさまをいい、易(後天八卦)では坤(☷)であり、坤は純陰で<b>地</b>を表す。この日、弥山の祖神は紅葉谷を通り不明門から厳島神社本殿へと入る。では、その時に管絃を伴うのはなぜか。<br> 厳島の管絃は、雅楽と呼ばれる伝統的な古典音楽で、舞を伴わない合奏である。『史記』「楽書」には、楽の和は天地間の和の気を受けたものであり、和を合する作用があるため万物が生まれ、節序があるため四季における陰陽の気が1年12ヶ月の順序を決める。楽は天の道理によって作られ、陰と陽の和合は、五行を順当におこない季節をなめらかにすることで五穀豊穣となすとしている。<br> 管絃祭のすべての神事の終る23時頃には、社殿背後(南東)から十七夜月が顔を見せる。満月に合わせた管絃祭が十五夜(15日)でなく十七夜(17日)としたのは、北斗七星にちなんだものと思われる。北斗七星は、農耕の基準である季節を指し示し、海上生活の方角見にとっても重要視されていた。<br> 旧暦6月17日の夜は、山の神(陽)と水の神(陰)が出合い、天(陽)と地(陰)が楽(管絃)によって和合する日であり、厳島管絃祭は、五穀豊穣と航海安全を願う祭りと考える。
著者
大泰司 章
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1014-1016, 2020-09-15

コロナ禍での在宅勤務の阻害要因として注目を浴びた脱ハンコと電子契約であるが,メディアでの報じられ方により,すでに電子契約を利用していたユーザの中で電子署名についての混乱が生じていた.一般には知られることがなかった,こうした事実について明らかにし,解説を試みることで,電子契約のさらなる普及と,ひいては,サプライチェーン全体の効率化について述べる.

2 0 0 0 OA 絵本甲越軍記

出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1883