著者
秋永 一枝
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.118, pp.96-86, 1996-03-15
著者
松尾 俊彦 内田 哲也 山下 功一郎 松尾 智江 川上 雄祐 人見 敏哉 多賀 幹治 眞田 達也 山下 祐介 蔵本 孝一
出版者
比較眼科学会
雑誌
比較眼科研究 (ISSN:02867486)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.3-12, 2018 (Released:2020-05-15)
参考文献数
23

岡山大学方式の人工網膜(OUReP)は光電変換色素分子をポリエチレン薄膜表面に共有結合した世界初の新方式の色素結合薄膜型である。光を受けて表面電位変化を生じ近傍の神経細胞の活動電位を惹起する。これまでの動物試験ではこの色素結合薄膜型人工網膜を20Gの眼内鑷子で掴んで網膜下に挿入していた。今回の報告では色素結合薄膜を網膜下に挿入する使い捨て注入器(OUReP Injector)を開発してウサギ模擬試験を行った。人工網膜注入器は色素結合薄膜を注入器先端から装填する先込め方式である。注入器本体と先込め器から構成される。注入器本体の先端は内径2mmの透明なチューブで、その中を注入器の押し棒が動き、押し棒は指を離すと注入器内部の押し棒周囲のコイル状金属バネによって自然に戻る。先込め器は平板上に内径2mmの透明チューブが固定してある。直径5-10mmの円形の色素結合薄膜を先込め器平板の切込み溝に立てて、溝とは反対側のチューブ口から25G眼内鑷子を突っ込み、切込み溝に立つ薄膜を掴んでチューブ内に引っ張り込む。先込め器のチューブと注入器先端のチューブとを透明な外筒チューブで連結して、先込め器チューブ内にある薄膜を注入器本体の先端チューブ内に先込め器用の押し棒で押し込む。先込め器を連結外筒チューブと一体で注入器先端チューブから外す。薄膜が装填された注入器先端チューブ中を27G 鈍針からの眼内灌流液で満たす。ウサギの実験的無水晶体眼8眼を使って注入器の動作性を確認する模擬手術を行った。25Gシステムの硝子体手術で38Gポリイミド針を使って網膜下に眼内灌流液を注入して網膜剥離を作成した。網膜凝固によって網膜剥離部に網膜裂孔を作成し、3mmの強膜創から人工網膜注入器を硝子体中に挿入し、その先端を網膜下に進めて薄膜を押し出した。その後、網膜下液を吸引して網膜を復位させ網膜裂孔周囲をレーザー凝固し、シリコンオイルを硝子体中に注入して手術を終えた。剖検して網膜下に色素結合薄膜が存在することを全例で確認した。この試験によってOUReP Injectorの技術的有用性が示された。
著者
神田 寛行
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.98-101, 2015 (Released:2016-02-04)
参考文献数
11
著者
髙山 善光
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.131-155, 2018 (Released:2018-09-30)

本論では、ある現象を宗教だと判断する際の基準はどのような要素になりうるのか、という問題について考察する。従来、宗教の判断基準は現象的なものになるという前提がゆるぎないものであったために、ある現象を宗教だと判断する際の基準がどのような要素になりうるのか、という問題は問う必要もなかったものである。しかし近年では、宗教がある本質的な現象を指しているわけではないという見方が強まりつつある。宗教概念にかかわる研究者の間では、特定の現象にこだわること自体が忌避されるべきだと考えられている。本論では、宗教現象の世俗化と、世俗的な現象の宗教化という問題を通して、宗教の判断基準を考察する。その結果わかったことは、どちらの場合においても結局のところ、ある現象が宗教だと判断されるためには、宗教的概念を成立させている特殊な認識の形式が観察者によって発見されなければならないということである。今回は宗教の判断基準は何かという問題を扱わなかったが、本論では、その問題を扱うための基礎ができたように思う。
著者
Katsuya Yamashita Satoru Yamaguchi Takayuki Saito Yuya Yamakura Eiichiro Kanda Sento Nakai Hiroki Motoyoshi
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.271-276, 2020 (Released:2020-12-26)
参考文献数
16

A system with existing snowfall sensors, which is used to control the operation of the sprinkler snow removal system, was developed to acquire data that can be used to generate snowfall distribution with high spatiotemporal resolution. This had advantages such as low installation and management costs, as well as flexibility with respect to the configuration of its observation points. The results confirmed that this system, developed for experimental purposes in Nagaoka City (Niigata Prefecture), made it possible to generate the snowfall amount distribution as well as the precipitation rate within a 25 km × 30 km area at 10-min intervals based on in-situ measurements conducted at 16 ground-based points. A comparison of the system with other observation systems confirmed that it could detect detailed spatial snowfall variations, which could not be achieved using existing the ground-based observation networks, and provide sufficient observation accuracy for winter road management. Since many snowfall sensors are installed on the Sea of Japan side of mainland of Japan, this system has the potential for extensive application in the snowy areas of Japan characterized by heavy snowfall at temperatures of approximately 0°C.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1917年01月12日, 1917-01-12
著者
Yuichiro Kanno Rumi Ota Kousuke Someya Taichi Kusakabe Keisuke Kato Yoshio Inouye
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.1460-1465, 2013-09-01 (Released:2013-09-01)
参考文献数
34
被引用文献数
12 22 1

The myogenic differentiation of C2C12 myoblast cells is induced by the novel androgen receptor (AR) partial agonist, (17α,20E)-17,20-[(1-methoxyethylidene)bis-(oxy)]-3-oxo-19-norpregna-4,20-diene-21-carboxylic acid methyl ester (YK11), as well as by dihydrotestosterone (DHT). YK11 is a selective androgen receptor modulator (SARM), which activates AR without the N/C interaction. In this study, we further investigated the mechanism by which YK11 induces myogenic differentiation of C2C12 cells. The induction of key myogenic regulatory factors (MRFs), such as myogenic differentiation factor (MyoD), myogenic factor 5 (Myf5) and myogenin, was more significant in the presence of YK11 than in the presence of DHT. YK11 treatment of C2C12 cells, but not DHT, induced the expression of follistatin (Fst), and the YK11-mediated myogenic differentiation was reversed by anti-Fst antibody. These results suggest that the induction of Fst is important for the anabolic effect of YK11.
著者
清水 聡
雑誌
玉川大学経営学部紀要
巻号頁・発行日
no.31, pp.33-48, 2020-03-20

本稿ではドイツ政治におけるポピュリズムの動向が分析された。2009 年以降,複数の危機がEUの統治に衝撃を与えた(例えば,それらは2010年のギリシャ債務危機,2014年のウクライナ危機,2015年の欧州難民危機とテロ危機である)。2016年にはイギリスが「ブレグジット」(EUからの離脱)の道を選択した。 EU の統治は,政治的に2 つの傾向へと分断されている。すなわち,(1)エスタブリッシュメントによって統治された支配(エリートによる支配:EU サミットやEU 官僚),そして(2)大衆社会や無数の公の労働者によって支持されたポピュリズムである。これらの状況は,1990年代以降,加速し,新しいタイプの階級(貧富の傾向)を引き起こしたグローバリゼーションによってもたらされた。 ドイツ政治の事例においては,極右政党であるドイツのための選択肢(AfD)が欧州難民危機の後,党勢を拡大した。2017 年,ドイツにおいて連邦議会選挙が実施され,キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が246 議席を得て第1 党となり,ドイツ社会民主党(SPD)が153 議席を得て第2 党となったのに対して,AfD は94議席を得て第3党となった。AfD の特徴は,直接民主主義への傾倒,反ユーロ政策,外国人への敵対的態度である。AfD の台頭は,民主主義のシステムに基礎づけられたドイツ連邦共和国に,大きな衝撃を及ぼしている。
著者
吉田 真
巻号頁・発行日
pp.1-16, 2013-03-27

2 0 0 0 OA 商工名鑑

出版者
名古屋商工社
巻号頁・発行日
1913
著者
権 哲源
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2018-04-25

血管は血管内皮細胞と血管平滑筋細胞の2つの細胞から構成されている。中でも、我々が注目しているアペリン受容体(APJ)は、血管内皮細胞における血管拡張作用が広く研究されている一方で、血管平滑筋細胞における役割は不明であった。そこで、本研究では、血管平滑筋細胞特異的にAPJを過剰発現したマウス(SMA-APJ)を作製し、血管平滑筋細胞APJと血管収縮に焦点を当てた解析を行っている。昨年度までの研究において、アドレナリン受容体アゴニストのノルアドレナリンやフェニレフリン、およびアドレナリン受容体の阻害剤を使用した薬理実験から、アペリン誘導性の血管異常収縮に対するα1Aアドレナリン受容体(α1A-AR)の関与が示唆されていた。しかし、これら生理活性物質は、いずれもアドレナリン受容体の「α1サブタイプファミリー」に作用する可能性があり、α1Aアドレナリン受容体の関与を直接的に断定するものではない。そこで、本年度は、α1Aアドレナリン受容体の選択的アゴニストであるA-61603を活用し、SMA-APJに対してアペリンとA-61603を同時投与した場合でも、血管の協調的な収縮が見出されることを明らかとした。さらに、この協調的な収縮が、SMA-APJ/α1A-AR-KOマウスにおいて有意に消失したことから、血管平滑筋細胞APJが担う血管異常収縮に対する、「α1Aアドレナリン受容体の関与」を断定できた。アドレナリン受容体は9つのサブタイプを有するGPCRである。複雑な血管組織・タンパク質が相互に作用する血管収縮に対し、1つのGPCRサブタイプの役割を断定できたのは、大きな進捗であったと考える。以上の研究成果に併せて、本年度は、国際学会(ポスター1件)と国内学会(ポスター2件)での発表を行った。さらに、J. Biochem誌に第五著者として研究成果の一部が掲載された。