著者
横山 勇人 山口 富美夫 西村 直樹 古木 達郎 秋山 弘之
出版者
日本蘚苔類学会
雑誌
蘚苔類研究 (ISSN:13430254)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.159-197, 2007-10
被引用文献数
1

2007年6月までに学術印刷物や蘚苔類標本集によって屋久島から報告されたすべての蘚苔類,ならびに著者らによる調査で屋久島での生育を新たに確認した蘚苔類についてまとめ目録とした.その結果,蘚類44科160属355種1亜種18変種2品種,苔類37科87属304種2亜種2変種,ツノゴケ類1科5属6種がこれまでに知られていることになる.この数字には屋久島からの報告が疑われる13種は含まれていない.また屋久島で採集された標本に基づいて新分類群として記載発表されたものについては,現在の取り扱いついての情報を別記した.この報告で新たに屋久島から報告する種については,種名の頭に星印(*)を付加し,証拠標本を列挙した.なお多数の証拠標本がある場合は,主要なもののみを記載した.
著者
古田 榮作
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.33-50, 2007

五十余人の善知識を訪問し、信仰を深めた善財童子は、愈々彌勒菩薩の所にやってくる。善財は彌勒に「どのように菩薩は菩薩行を学び菩薩道を修められるのでしょうか。お教えください」と懇願すると、彌勒は大樓観にいた大衆の前で「この童子は、不退轉の心で厭きることなく勝れた法を習得しようとして、善知識を求め。親近し供養し法を聞き受持しようとしてきた。この童子は、かって頻陀伽羅城で文殊師利の教えを受けて、善知識を求め、多数の善知識に菩薩行を問い、心に疲倦無く、とうとう私のところにやってきた。この童子のように大乗を学ぶものは甚だ稀有である。」と善財を讃えた上で、「このように学ぶ者は、則ち能く菩薩所行を究寛する。大願を成満し、佛菩提に近づき、一切刹を浄め、衆生を教化し、深く法界に入り、一切の諸波羅蜜を具足し、菩薩行を広め、一切の諸善知識に値遇し、生涯に能く普賢菩薩諸行を具えるであろう。……」と善財の成道の近いことを宣言し、文殊師利に諸の法門と、智慧の境界と、普賢の所行を問うよう勧めるが、善財の更なる菩薩の行を学び、菩薩の道を修する方法の問いにあなたは文殊師利をはじめとする善知識に遇うこともでき、それなりの器の持主でもある。善知識の教える所は諸佛を護念することである。悟りを求める気持である、菩提心は諸佛の種子であり、良田であり、大地であり、浮水であり、……と諭し、善財の成道への大願が不退転のものであるとして、大樓観の中に導き入れられる。樓観の中で自分自身の姿を見るとともに佛の描かれた世界が現出していた。その中で深い三昧に耽っていると彌勒は指を弾き、善財を三昧から覚醒させてお主は菩薩の神力をすべて目の当たりにしたと告げられ、彌勒の示した法門は「入三世智正念思惟荘嚴藏法門」であると示され、菩薩の十種の生庭を示され、その上あなたが先ほど目にしたすばらしい光景は文殊師利の威神力によるものであるとも告げられ、普門城に詣でると文殊師利は手を差し伸べて「でかしたぞ善財、若し信心の根を離れれば憂悔に埋没してしまうであろうし、功徳が具わらねば精勤しようとする心も失せてしまうであろうし、多少の功徳に満足しようものならそれで進歩は止まってしまったであろうに……」と善財の精進を讃え、更にすべての法門、大智光明、菩薩陀羅尼、無量三昧、無量智慧をお主は成就してので、普賢の所行の道場へ入らせるようにした。普賢菩薩は、一つ一つの毛孔より光を放ち、世界を照らし、衆生の苦患を除滅して菩薩の善根を出し、……とさながら盧舎那如来の光の世界を現ぜられる光景に接した。この光景を目の当たりにして善財は不可壊智慧法門をわがものにした。普賢菩薩は、「私は測り知れないほどの長期間に亘って菩薩の道を修め、菩提を求め続けてきた。その功徳で不壊の清浮なる色身を得たので、私の名を聞き、私の姿を見たものは必ず清潭の世界に往き、清浮なる身になるであろう」と諭し、普賢の現じた光の世界に觸れた善財の成道も実現したのである。「譬如工幻師能現種種事佛爲化衆生示現種種身」とされるのであり、「聞此法歓喜信心無疑者達成無上道與諸如来等」と結語する。善財の求道は師・善友(善知識)をを訪ねて教えを請い、その教えを通じて信を深めていくものであったが、ゴータマ・ブッダの場合は、修行法・瞑想法を学ぶための師は求めたが、師と仰ぐ師は見当たらない。瞑想し、思惟することを通じて人生の悩みの解決をはかり、苦行による悟りから離れ、悟りへの障りとなる欲望、嫌悪、飢渇、妄執、ものうさ・睡眠、恐怖、疑惑、みせかけ・強情・名声と他人の蔑視という悪魔を斥けてきたのである。善財の修行の姿には慨怠も見られず、苦悩も見当たらない。経典の中で理想化された修行者の姿と生身の人物?との差異が表れているように思われる。佛教では勤習・数習・薫習という語を重要視する。それは「諸悪莫作諸善奉行自淨其意是諸佛教」を求める。なにげない行動の中に自ら善に趣き悪を避ける、身に染み付いた智慧の習得を求めているものであろう。
著者
古田 榮作
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.31-60, 2006

善財童子の求道の旅は続く。本稿では、妙徳円満天、崔夷の二人の教えで、菩薩の十地を極め、更に摩耶夫人、天主光童女、遍友童子、善知衆藝童子、賢勝優婆夷、堅固解脱長者、妙月長者、無勝軍長者、 毘最勝婆羅門、徳生童子、有徳童女に教えを受ける。摩耶夫人以下の善知識から解脱を説かれ、徳生童子と有徳童女の二人からは善知識の果たす役目、善知識に依って可能となることなどを教示される。
著者
古田 榮作
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.123-162, 2005

善財童子の求道の旅は続く。既に二十名の善知識との巡り合いによって修行は十住・十行の段階を終えている。本稿では青蓮華香長者を皮切りに十人の善智識に巡り合い、教えを受けて、十廻向を学ぶ。すべての香のことに通じている青蓮華香長者、海産資源・海の気候を熟知し、海路を知り尽く、海難を避け、安全で迅速な航海に長けている自在海師、世事を善法に遵って巧みに処理する無上勝長者、世間に善根を長じさせる師子奮迅比丘尼、訪れる者を歓喜させ、欲を無くさせ、清浄な心にさせるという婆須蜜多女人、法を分別し、衆生に顕現し、一切諸備を見知するという安住長者、衆生の悩み・願いを聞き届け、成就の道を示すといわれる観世音菩薩、善知識に接し、佛のおられる所を護念し……、多聞多知が重要であるとする正趣菩薩、衆生を攝取饒益載育し、衆悪を遠ざけ、常に愛語で接すべきだとする大天、諸佛の自在神力を受持している安住道場地神が十廻向を教示する。安住道場地神は過去譚をもって善財に解き明かす。十廻向を会得した善財は、更に十地の段階へと進む。この段階を教示する善知識は、婆娑婆陀夜神、甚深妙徳離垢光明夜神、喜目観察衆生夜天、妙徳救護衆生夜天、寂静音夜天、妙徳守護諸城夜天、開敷樹華夜天、願勇光明守護衆生夜天、妙徳円満林天、瞿夷女である。『華嚴經』の核心とされる十地に関することの多数を「人法界品」では神・天に教示させていることも特筆すべきである。本稿では十地を教示する善知識のうち願勇光明守護衆生までの五人の善知識との出会いを考察した。
著者
古田 榮作
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.51-106, 2004

善財の求道の旅は続けられる。次に出会ったのは海幢比丘である。深い三昧の中で不思議な現象が顕現する。海幢比丘の足元からは、無数の長者と無数の婆羅門とが、手に手に数々の生活必需品を持って現れ、貧窮者に施し、その窮境を救い慰めており、その両膝からは数多の刹帝利と婆羅門とが立ち現れ、自ら悪を離れ善を修め、真実の道理に安んじ、大衆に向かって妙なる声で道徳を守れと説いており、その体の幾つかの部分から無数の仙人・龍・夜叉・菩薩などが現れ仏教の教えをさまざまな方法で説き明かしている。善財はこの不思議な光景を目の当たりにして菩薩無量無作荘厳普門法門に触れることができ、海幢比丘の相を観察して六ヶ月以上もの時が経った。三昧から目覚めた比丘は、「この三昧は普眼捨得三昧と名づけ、あらゆるさとりの門戸を普く見きわめて、活殺自在に捨てたり得たりできるもので、般若波羅蜜によって得られる境地であり、何事においても、何物においても障るところのないものです。私はこのことだけを体得しているに過ぎません。これ以上のことは海潮国の捨優優婆夷にお聞きなさい。」と言われ、海潮国の捨優優婆夷を訪ねる。休捨優婆夷の姿を見ることができた者は誰でも即座に一切の疾病を癒され、心の穢れを離れ、邪な見解を除かれ、あらゆる障を滅することができた。優婆夷は善財に「私はたった一つの教えの入り口に達しただけです。私を見、私を知り、私に親しんだ方々は、決して虚しい結果に終わることがないだけです。私を見るお方は、必ず無上菩提において退転することがありません。私は錠光仏といわれるみ仏が世にお出ましになられた時に、このみ仏の所で出家求道し、浄行を積み、み仏に仕えて教えを身につけました。それから三十六恒河沙の諸仏に仕えて一切諸仏の智慧を了知し、菩薩の大心を発し、無量の願行を修習してきました。ありとあらゆる国々を浄め、生きとし生ける者を教え導かない限りは、永遠に仏果を証すことはできません。私はこの離憂安穏幢という法門を存じているだけです。これ以上のことは毘目多羅仙人にお尋ねになられるといいでしょう。」と善財に更なる善智識を求めての旅を続けるよう勧める。こうして善財は更に毘目多羅仙人、方便命婆羅門、彌多羅尼童女に出会い十住の境地に達し、善現比丘、釈天主童子、自在優婆夷、甘露頂長者、法寳周羅長者、普眼妙音長者、満足王、大光王、不動優婆夷、随順一切衆生外道に尋ねて、十行の境地に達し、仏道をより深く理解していく。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア (ISSN:09154191)
巻号頁・発行日
no.129, pp.22-25, 2000-07

全国規模で積極的に事業展開し、医療関係者の注目を集めていたコムスンとニチイ学館が、利用者の伸び悩みから、ここに来て相次いで事業計画の変更を余儀なくされている。だが一方で、堅実な経営を行って業績を順調に伸ばす企業も少なくない。民間企業は、医療法人のライバルであると同時に連携先にもなりうる存在であり、地域におけるその動向を注意深くみていくことが重要だ。
著者
戸敷 浩介 周 敏敏 国包 章一
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-10, 2014

本研究では、拡大生産者責任の観点から中国と日本、韓国の廃電気・電子製品リサイクルの制度に関する国際比較分析を行い、中国における制度のあり方について考察した。2011年1月より、中国では初めてとなる「電気・電子製品廃棄物回収処理管理条例」が施行された。中国では、廃電気・電子製品は資源として価値が高く、正規のリサイクル業者は消費者からこれを買い求める逆有償の状況である。しかし、環境汚染や健康被害の防止のためのコストを負担しない非正規業者が、価値の高い廃電気・電子製品を高値で買い取ってしまうため、正規業者は購買力を高める必要に迫られている。本研究では、日中韓の比較分析を踏まえ、特に韓国における拡大生産者責任の仕組みを中国の制度においても導入すべきであり、生産者は消費者からの買取価格を含めてリサイクルコストを負担する必要があると考察した。
著者
土屋 利江
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.144-146, 2004-03-01

医療機器・細胞組織医療機器関連の薬事法の改正が昨年度からスタートしている。その内容は,(1)多様性に富んだ医療機器のリスクに応じた新クラス分類とその承認制度の見直し,(2)細胞組織医療機器が含まれる生物由来製品の感染リスクに応じた安全対策の充実,(3)市販後安全対策の抜本的見直しが急ピッチで進められている。また,第三者認証制度の導入において必要な規格・基準の整備も行われている。本稿では,細胞組織医療機器や新たな制度である生物由来製品の薬事法の改正内容について記載した。
著者
尾上 英俊 木村 一雄 山口 史彦 中村 厚彦
雑誌
骨折 (ISSN:02872285)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.45-50, 2008-02-25
被引用文献数
1
著者
野末 紀之
雑誌
表現文化
巻号頁・発行日
vol.1, pp.81-94, 2006-03