著者
平原 達也
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2018-MUS-121, no.29, pp.1-6, 2018-11-14

音響実験機器の諸特性は,使用期間が長くなると変化する.かつて,新しい機器はエージング (慣らし運転) を行い,使いこんだ機器も電源投入時にはエージング (暖機運転) を行うことが普通であった.ところが,今日では,電源投入とともに受聴実験や音響測定を始めることが少なくないように思う.ディジタル音響機器のエージングはもはや不要なのだろうか? 耳の諸特性も,使用期間が長くなると変化する.高齢者の耳は,そのフロントエンドの感度が低下するだけでなく,バックエンドのさまざまな機能が低下する.これは高齢者だけの問題なのだろうか? 本稿では,このような音響実験機器と耳のエージングについていくつかの事例を紹介する.
著者
金 浩星
出版者
禅学研究会
雑誌
禅学研究
巻号頁・発行日
vol.83, pp.25-53, 2005-01-30
著者
山本 忠
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要. 家政・自然編, 人文・社会編 = Journal of Nagoya women's University (ISSN:21857962)
巻号頁・発行日
no.67, pp.133-145, 2021-03-10

昭和45年告示学習指導要領の高等学校数学ⅡBにおける「平面幾何の公理的構成」は、数学教育現代化の潮流の基に作成されたものである。数学教育現代化のねらいの一つは、現代数学の考え方を初等・中等教育に導入することであった。したがって、教科書や参考書は現代数学的な公理的構成を取り入れた。その結果、当時の実践記録によれば受容困難な場合が多くあった。たとえば「わかりきったことをなぜ証明しなくてはいけないのか」、「教科書と参考書では公理が異なっているので心配」など、生徒の反応は否定的なものが多かった。そこで、教科書、参考書の公理の異同、表現の異同、多様性、合同の公理の扱い方などの項目を設定して、当時使用された教科書、参考書の記述を数量化Ⅲ類の手法で分析した。結果は各教材によるばらつきは大きいことが裏付けられた。そして各教科書は比較的類似性があったものの、教科書と参考書の距離は遠いものがあり、当時指摘されていた生徒の不安も裏付けられた。
著者
駒込 武 Takeshi Komagome
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
キリスト教社会問題研究 = The Study of Christianity and Social Problems (ISSN:04503139)
巻号頁・発行日
no.62, pp.103-134, 2013-12-27

特集ミッション高等教育史の可能性 : 人文科学研究所国際学術シンポジウム「磁場としての東アジア」第1回記録(Special Issue: The possibilities of the history of higher education under missionary control : proceedings of international symposium "East Asia as a magnetic field", (1))
著者
吉本 多栄子 Taeko YOSHIMOTO
雑誌
神戸女学院大学論集 = KOBE COLLEGE STUDIES
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.113-123, 2002-07-20

This paper examines the Japanese Supreme Court decision: Kadokichi Co., v. Hiroshima, 29-4 MINSHU 572, (Sup. Ct., April 30, 1975) regarding restricting locations of phamacies. The case the court decision was made based on the dichotomy of positive purpose and passive purpose theories. This paper discussed about the government regulations on the right to choose one's own occupation and the right to own property. These are two of the most fundamental human rights. The logics and reasoning of restrictions on economic freedom is also reviewed in this paper.
著者
千葉 桂子 林 ゆう
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部看護学科
雑誌
東北文化学園大学看護学科紀要 = Archives of Tohoku Bunka Gakuen University Nursing (ISSN:21866546)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.21-27, 2022-03-31

認知症高齢者の治療法は、主に薬物療法と非薬物療法に分類される。本研究では、研究者の実習時の体験から非薬物療法の一つである音楽療法に注目し、文献検討を行い、認知症に対する音楽療法の効果と今後の課題を検討することである。研究方法は、医学中央雑誌Web 版を使用し、「認知症高齢者」、「音楽療法」、「認知機能」のキーワードとし、対象論文の抽出を行った。9件の対象論文を抽出し、対象者、介入方法と評価方法、主な研究結果、考察に分類を行い、表を作成した。認知症高齢者に対しての音楽療法の内容は多岐にわたり、音楽だけではなく、音楽と体操や手遊びを併せて実施され、認知症高齢者の情緒の安定や活動性の向上に効果がみられた。音楽療法は身近で生活の中に取り入れやすい反面、プログラム内容の検討や音楽療法の専門性を高める取り組みが課題といえる。
著者
山田 真大 林 和宏 鈴木 章浩 岡本 幸太 小林 良岳 本田 晋也 高田 広章
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013-OS-126, no.18, pp.1-7, 2013-07-24

組込み向け機器に利用されるハードウェアの高性能化に伴い,組込み OS として Linux などの汎用 OS が搭載されるようになった.組込み機器では,リアルタイム性が重要視されるため,Linux を採用する場合,カーネルに改良を施すことでリアルタイム性を確保している.また,マルチコア CPU を搭載する組込み機器では,Linux が持つ CPU affinity の機能を用いることで,シングルコアでは不可能であった高負荷時におけるリアルタイム性も確保することが可能になった.しかし,CPU コア毎に存在するカーネルスレッドは CPU affinity を適用することができず,また,この処理がまれに引き起こすタイマのカスケード処理には多くの処理時間を必要とし,リアルタイム性を阻害する原因となる.本論文では,マルチコア CPU の各コアを,リアルタイム性を必要とする CPU コアと不要とする CPU コアに分割し,リアルタイム性を必要とする CPU コアでは,タイマのカスケード処理を発生させないよう事前に対策を施すことで,リアルタイム性を確保する手法を提案する.