著者
佐倉 保夫
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.628-638, 1984
被引用文献数
2

豪雨時の表層地中の熱環境に着目して,地温変化と降雨浸透にともなう土壌水の移動機構の関係を考察した.その結果,表層土壌中のさまざまな地温変化は,土壌の保水形態にもとづく水の移動形態を反映したものであることが明らかになってきた.すなわち,地表付近の懸垂水帯では,水は土粒子間の接合部に存在する.新たに入った水は,土粒子表面を伝わって降下する移動形態をとる.そのため,地温変化は,降雨発生により生じたぬれ前線の移動にともなって下方へ伝達される.一方,地下水面上方の毛管水帯の水は,毛管力と重力の釣り合いで,平衡水分分布を形成する.そこへぬれ前線が到達すると,圧力平衡は崩れて土壌水の一斉移動が始まる.その時,地温勾配が形成されていると,土壌水の一斉移動に対応して,地温プロファイルは,初期の地温勾配を維持しつつ下方へ移動する.したがって, 1~2mの深度でも,毛管水帯中であれば,その地温変化は急激で,かつ大きいことが土壌水の移動機構の解明により明らかになった.
著者
関 豪
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.147-153, 2001-04-01
被引用文献数
1

学生が大学でのキャンパスライフを満喫するためには,サークル活動等「課外の教育」が大きな鍵となると思われる.そこでサークル活動を活性化するにあたり,検討していくべき次の事項を提示する.1)サークル活動の基盤となる学生層の獲得,2)教職員の積極的な協力,3)サークル活動に携わる学生及び教職員に対する援助・補助規定の作成,4)学生及び教職員の組織作り,5)大学,自治会,同窓会の組織化等である.今後,以上の事項について検討を進めることにより,本学においてサークル活動の活性化が図られていくことを願うものである.
著者
平井 幸彦 堤 善充 谷川 佳代子 因幡 美津子 中島 康弘 高松 純
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, 2003-04-01

〔はじめに〕近年SPDが普及し,当院でもバーコードラベルによる運用を導入しているが,ラベルの貼付可能な材料では,ラベルの紛失や,資材部への請求から補充するまでのタイムラグが生じている.また,登録材料の半数以上が手術室内の使用であり,ラベルの貼付が不可能なインプラント等は,使用後の報告および伝票にて把握している.しかし記載ミスによる材料確定までの時間的ロス,保険請求へのミスが発生している.今回,手術室内へのコンピュータ導入に際し,看護師へ入力業務に対して抵抗なく行えることを目的に,記載ミス等の軽減,患者個別での迅速なる情報伝達ならびに手術室内の在庫管理,手術運営管理が行えるようシステムを構築したので紹介する.〔目的〕(1)入力業務の軽減(入力の容易さ).(2)患者の情報の把握(手術台帳).(3)手術室内材料の把握および情報伝達(在庫管理).(4)医事課への情報伝達(保険請求).〔概要〕手術患者選択後,使用材料の入力方法として,ラベルの貼付が可能な材料は,バーコードを使用し,不可能な材料については,タッチパネルを使用して材料の検索・確定,入力を行う.バーコードの読み込みは,随時できる状態とし,画面の切替えなしで行えるよう作成した.また,使用材料のデータは院内LANを通じて資材部へ情報伝達し,過剰請求を防止するとともに,現場の,伝票記載や請求業務の軽減に貢献できるものと思われる.
著者
関 豪
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.133-146, 2003-04-01

学生が大学でのキャンパスライフを満喫するためには,サークル活動等「課外の活動」が大きな鍵になると「課外活動における活性化の試案」で述べた.しかしながら,大学が設立されてから4年目を迎えた現在,サークル活動や自治会活動を積極的に取り組む学生は少ないのが現状である.そこで課外活動に関する本学学生の実態を明らかにすることを目的としてアンケート調査を実施した.有効回答495名(70.1%)の調査結果は,1.中学・高校時代を通じて課外活動を経験してきた学生は,それぞれ80%と62%であり,その活動を大学でも実施したいと希望している学生は46%であった.2.課外活動に携わっている学生は全体の26%にすぎなかった.活動している理由の約半数が,活動している種目や内容が好きであると答えている.しかし,活動しているにも関わらず,障害があると答えている学生は57%であった.3.活動しない理由は,活動したいと思うサークルがないと答えた学生が最も多く32%であった.これらの学生の約半数が新しくサークルをつくりたいと答えているが,つくるに当たり障害があると74%の学生が答えている.4.課外活動は人間形成に役立つ,友人を作る場となる,健康の維持増進に役立つ,忍耐力や根性をつける等と答えた学生は多かったが,進学や就職に有利であると答えた学生は少なかった.5.勉学以外に学生生活で興味を持っている学生は半数以下であった.6.本学学生の77%が運動不足を感じ,47%の学生が全く運動をしていない状況であった.7.約7割の学生がアルバイトに携わっており,週5日4時間の学生が最も多かった.8.平日の自由時間は,遊びもしくはアルバイトで過ごす学生が多かった.9.本学の課外活動についてサークルの数が少ない,課外活動が行われているのか分からないと答えた学生が多く,そのほかにも様々な不満や希望があることが分かった.以上の結果を含まえ,今後「課外活動における活性化の試案」を具体化し,課外活動の活性化,更には大学の活性化に繋がるよう努めたい.
著者
吉川 博行 Hiroyuki YOSHIKAWA
出版者
大手前大学CELL教育研究所
雑誌
大手前大学CELL教育論集 Otemae University CELL journal of educational studies (ISSN:21894027)
巻号頁・発行日
no.6, pp.19-24, 2015

大学教育において学生の成長を促すための様々な取り組みがある中、筆者はこれまで課外活動加入の有無に着目し、これとGPA(Grade Point Average)との関連に基づいて学修についての考察を行ってきた(吉川2014)。本稿ではこれまでの研究を踏まえ、大手前大学に所属する学生の公認課外活動団体加入の有無を背景に、前年度との比較検証を行うとともに、入試種別による学修状況も報告する。Currently the university is working to improve students' academic motivation with a variety of educational methods. This report discusses the learning patterns of college students who belong to extracurricular activities in Otemae University. Although there is much focus on the GPA scale, there are in fact a variety of indexes to measure student growth. This article clarifies the way in which growth can be measured in university students and the impact of extracurricular activities on learning.
出版者
日経BP社
雑誌
日経インタ-ネットテクノロジ- (ISSN:13431676)
巻号頁・発行日
no.28, pp.84-87, 1999-11

検索エンジン分野に新しい会社が現れた。使いやすいユーザー・インタフェースと検索結果の質の高さによって注目を集めている米Google社である。ベータ版による評価フェーズを経て,9月21日に正式サービスを開始した。2000台ものLinuxサーバーを利用し,リンク先のサイトまでを合わせて検索することで検索の質を高めている。今年11月頃までには日本語の検索サービスも提供する予定だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケ-ション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.342, pp.89-91, 2001-05-21

フュージョン・コミュニケーションズのIP電話サービスでの通話障害,「不当なマイライン営業」を巡るNTTと競合事業者との対立——。4月以降,新型電話サービスでトラブルが頻発している。さらに5月後半以降は,マイラインが原因で,「テレホーダイ」のユーザーなどに高額請求が届く可能性もある。 新型電話サービスを巡るトラブルが相次いでいる(図1)。
著者
西澤 直子
出版者
慶應義塾福澤研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.65-140, 1999

はじめに一、市学校の設立二、中津市学校の発展三、中津市学校の効果 : 『旧藩情』における評価四、市学校の転換五、市校事務委員集会録事六、市学校閉校処分七、閉校後の市学校おわりに : 中津市学校設立の意図と今後の課題