著者
佐藤 竜也 長沼 健 根本 潤 福地 開帆 山田 仁志夫
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.30, pp.1-8, 2017-02-24

ブロックチェーン技術は破壊的イノベーションとして,金融をはじめとした様々な分野で実用可能性が検討されはじめている.ブロックチェーン技術はトランザクションシステムへの適用が期待されているが,その実用化に向けてはトランザクション性能を中心とした現在の実力と残課題の把握が必要である.そこで報告者はブロックチェーン基盤のオープンソースソフトウェアプロジェクトである Hyperledger の基盤実装の一つである Fabric について,モニタリングを含めた検証環境を構築し,性能を中心とした評価を行った.さらに,評価結果に基づいて,実用化に向けた技術課題を抽出した.
著者
藤本 大地 前田 香織 近堂 徹 大石 恭弘 相原 玲二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.24, pp.1-6, 2017-02-24

スマートフォンやタブレット等のモバイル端末 (以下,端末) の普及に伴い,端末からのクラウドサーピス利用が拡大している.端末ではリソースの制約から高負荷な処理や大量のデータ保持が難しい場合があり,Mobile Cloud Compming (MCC) により処理の一部をクラウドヘオフロードできることが望ましい.そのためには,端末とクラウドとで連携したアプリケーション動作が必要となるため,ネットワーク接続性とアプリケーション応答性が重要となる.そこで本研究では,MCC の処理モジュールとして仮想マシン (VM) を想定し,ネットワーク遅延情報に基づいた VM の動的マイグレーションを支援するシステムを開発する.プロトタイプシステムでは OpenFlow を用いて VM と端末間の経路遅延情報を収集し,VM のマイグレーション先を選択する.加えて VM と端末の両者に対して移動透過通信機能を提供することで,サービス応答性の低下を抑制しつつ通信継続性を確保したライブマイグレーションが可能であることを示す.
著者
出口 弘 西村 仁志 吉村 浩 河田 亨 白川 功 大村皓一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.944-952, 1984-11-15

コンピュータグラフィックスで動画制作を行うには 画像生成速度の飛躍的向上と画像の生成・合成・編集が効率的に行えるトータルシステムが必要である.そこでわれわれは物体の三次元形状や材質感をリアルに表現できる陰影表示による動画制作システムLINKS-1を開発した.そのサブシステムである高速画像生成システムは マルチマイクロコンピュータによる分散型並列処理システムである.高品質な三次元画像を生成するためには 影・反射・透過・屈折の処理が必要不可欠であり これらを一貫して処理できるアルゴリズムとしては視線探索法があり 並列処理に適しているのでこれを生成アルゴリズムとした.視線探索法を実現するうえで問題となる交差判定の高速化のために マルチコンピュータシステムによる並列処理・パイプライン処理のほか 物体データの階屈化 各種コヒーレンスの応用 非屈折透過処理などを行った.本論文では システムの概要と これらの高速化手法とその評価を報告する.
著者
山本 龍一 酒向 慎司 北村 正
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MUS-96, no.13, pp.1-6, 2012-08-02

本稿では,楽譜に基づく音楽音響信号から,演奏位置とテンポを推定する問題について論じる.隠れセミマルコフモデル (HSMM) に基づく演奏位置推定と,線形動的システム (LDS) に基づくテンポ推定を組み合わせることで,入力信号の未来の情報が使えない制約の元で効果を発揮する実時間拍予測アルゴリズムを提案する.具体的には,遅延を許容して信頼性のある演奏位置を推定し,テンポを用いて現在位置を予測する.クラシック音楽およびジャズ音楽データベースを用いてオンセット検出に関する評価実験を行った結果,提案する実時間拍予測アルゴリズムを用いることで,許容誤差 300ms において約 15% 精度が向上することが確認された.
著者
須田剛裕 小嶋和徳 伊藤慶明 石亀昌明 鳥海不二夫
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.99-100, 2013-03-06

現在ソーシャルネット・ワーキング・サービス(SNS)は,テレビや新聞といった既存のメディアと並んで情報収集のツールとして,また知人や友人らと繋がりをもつことでネットワークを構築し,情報の共有などを行っている.東日本大震災時に投稿され拡散した数多くの情報には,結果的に間違った情報であったデマも含まれてしまった.そこで本研究では東日本大震災時にTwitterに投稿された約3億のTweetデータにおいて,リツイート数などを使って情報の拡散状況とデマにつながりやすいキーワードを分析結果を特徴量としたクラスタリングを行うことで,デマ情報かどうかを推定する試みを行う.
著者
大泉 良介 岩崎 英哉
雑誌
第56回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.1-11, 2015-01-09

本稿では,プログラムの穴埋め問題とプログラム実行の視覚化を組み合わせた,初学者向けのプログラミング学習ツールである拡張Online Python Tutor(拡張OPT)を提案する.拡張OPTは,web上で動作し,プログラムの穴埋め問題を,プログラム実行の視覚化とともに出題する.学習者は視覚化されたプログラム実行の過程を確認し,その実行過程と合致するように穴埋め問題に解答する.誤答の場合には,誤答プログラムによる実行過程を正答プログラムの実行過程と並べて視覚化して提示する.これにより,正答と誤答の振る舞いの違いを明確にし,学習者の理解を促す.学習者はこれを繰り返すことによって,プログラミングに関する理解を深めることができる.穴埋めの正解判定は,正解プログラムと学習者からの解答のプログラムの実行トレースを比較することで行う.この方法により,正解が唯一に定まるとは限らないという問題に対処した.
著者
小竹 文雄 Fumio Kotake
雑誌
東京医科大学雑誌 (ISSN:00408905)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.3-12, 2012-01-30
著者
村主 大輔 馬場 隆 森勢 将雅 片寄 晴弘
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MUS-94, no.3, pp.1-8, 2012-01-27

日本ではカラオケや DTM の普及によって音楽活動がますます一般化され,年間 200 組以上のアーティストがメジャーデビューしている.それに伴い,新たなジャンルや歌唱スタイルが生まれることは少なくない.その一つの例として,ポピュラーソングに沖縄や奄美大島などアーティスト出生地の特色を出した音楽表現のスタイルが近年注目されるようになっている.そこで本研究は,歌唱スタイルが特徴的な奄美大島出身歌唱者の歌い回しに注目し,一般歌唱を奄美大島出身の歌唱者の歌い回しにするシステムの開発を目指す.具体的には,「グイン」 と呼ばれる奄美大島出身歌手の歌唱音声を歌唱特徴の定量的な分析を実施し,その分析結果に基づいて,一般歌唱に 「グイン」 を付加するシステムの概要と,その動作結果について報告する.
著者
稲田 克二 吉永 省三 千里金蘭大学 入学センター 千里金蘭大学 児童学科
巻号頁・発行日
vol.8, pp.78-86,

大阪府の高等学校制度では、学力による学校序列が固定化し、底辺に位置づけられた学校では、中途退学・懲戒指導など様々な教育課題が集中して、日々の教育活動を円滑に実施することが困難な状況となっている場合がある。しかし全国的にみると、そのような学校においても、教職員の実践力や意識改革で困難な状況を克服し、学校改革に成果をあげている高等学校がある。そこでその事例を検討し、それらの学校改革の中から課題集中高等学校の改革への鍵を求め、次に大阪府での実践例を検証し、課題集中高等学校における学校改革の方途を検討した。