著者
谷口 勇一
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.559-576, 2014 (Released:2014-12-20)
参考文献数
37
被引用文献数
3 3

With the enforcement of various sport policies with a focus on strategic and comprehensive community sport clubs promotion, debate over the management form of extracurricular activities in Japan has been more focused on the trend of relationship-building both inside and outside of school. In this study, we discuss the validity of the club management form that is centered on activities inside the school, in an attempt to critically consider relationship-building trends. For this, we examine cases where a relationship has been initially formed, but then dissolved, by means of an interview survey with some teachers involved.   The relationships formed in comprehensive community sport clubs and extracurricular activities were achieved through the aggressive behavior of a single health and physical education teacher. Many school teachers in Japan feel responsible for the day-to-day club guidance. Therefore, cooperation with school sport activities outside the school is also open to other teachers. However, with regard to relationships with out-of-school activities, the consciousness of teachers began to change. In this study I confirmed the occupational culture of teachers, which involved “complicated efforts to build up relationships with local residents”, “a sense of extracurricular activities in school education,” and “indifference to out-of-school activities”. In fact, building relationships between comprehensive community sport clubs and extracurricular activities ended in failure.   Thus study has highlighted a drawback of current sports policy content in Japan. Current sport aims at the creation of a sports environment in all regions, including schools. However, no consideration seems to be given to the viewpoint of teachers who have supported sport in school. As long as there is no form of club management where teachers are indispensable, the situation in Japan would appear to be difficult.
著者
谷口 勇仁
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.5-13, 2017-06-13

企業事故・不祥事の発生原因については,倫理制度の不備や安全文化の欠如など多くの要因が指摘されている。その中で,実務家を中心にしばしば指摘される要因として形骸化があげられる。そこで,本稿は,企業事故・不祥事の発生原因の1つである「規則の形骸化」を引き起こす要因を探索することを目的とする。具体的には,①規則の形骸化に影響を与える要因は何か,②その要因はどのように規則の形骸化に影響を与えるのかという問いを設定し,規則の形骸化の発生プロセスに,不正のトライアングル理論(Fraud Triangle Theory)を適用し,分析を試みる。まず,規則の形骸化の内容と特徴を検討し,規則の形骸化を①規則の形式的な遵守と②規則の暗黙的な不遵守に分類した。次に,不正のトライアングル理論(FTT)を規則の形骸化の発生プロセスに適用し,検討を行なった。検討の結果,(1)認識された圧力は,規則の形骸化の動機として位置づけられること,(2)認識された機会は,形式的な遵守と暗黙的な不遵守の選択要因として位置づけられること,(3)合理化は規則の形骸化の決定要因であること,を明らかにした。
著者
谷口 勇仁 小山 嚴也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.77-88, 2007-09-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
20

本稿の目的は,雪印乳業集団食中毒事件のきっかけとなった大樹工場での汚染脱脂粉乳製造・出荷のプロセスを分析し,⑴事故原因に関する従来とは異なる新たな解釈体系を提示することと,⑵事故防止のための新たな知見を導出することの2つである.分析の結果,事故の原因となった「殺菌神話」の存在が確認された.この発見事実に基づき,事故防止のために,社内における神話の存在を確認することの重要性が指摘された.
著者
谷口 勇仁 岩田 智 小田 寛貴 平本 健太
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

本研究は,大学院理系研究室のマネジメント,すなわち「ラボラトリーマネジメント」について,大学院理系研究室を対象とする詳細な実証分析に基づき,効果的なラボラトリーマネジメントを解明することを目的とする.本研究は3ヶ年計画で実施され,第2年度にあたる2019年度の研究実績の概要は以下の3点である.第1に,大学院理系研究室の組織構成員に対し,研究室の運営(研究室の制度,文化,リーダーシップ)に関するインタビュー調査を行った.前年度に明らかになった理論研究室と実験系研究室のラボラトリーマネジメントの違いが明らかになったため,ラボラトリーマネジメントがより重要であると考えられる実験系研究室に焦点を当てて研究をすすめることとした.第2に,ラボラトリーマネジメントに関連する文献ならびに各種資料をサーベイし,PIのリーダーシップと学生のモチベーションとの関係について検討を行った.特に,学生の研究に対するモチベーションを「リサーチ・モチベーション」と位置づけ,リサーチ・モチベーションを高めるPIのリーダーシップ行動について検討を行った.Deciのアンダーマイニング効果などを参考にしながら,学生が,「研究は労働であり,卒業する対価として研究活動が行われている」として解釈してしまうことの危険性が明らかになった.第3に,現在理系大学院研究室に所属している組織構成員(教授,准教授,助教,PD,博士学生)を対象に,ラボラトリーマネジメントに関する研修を2回実施した.研修後に,受講者から①研修の内容,②ラボラトリーマネジメントに関する課題についてフィードバックを得た.様々な課題が提示されたが,PIは,修士(博士前期課程)で卒業する学生と博士(博士後期課程)に進学する学生との間のマネジメントの違いに難しさを感じていることが確認できた.
著者
谷口 勇仁
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.179-187, 2009-12-10
被引用文献数
1

2000年6月に発生した雪印乳業株式会社の集団食中毒事件は社会的に大きな注目を浴び,製品の安全性に関するエポックメイキングな事件として位置づけられている。また,学術的にも,雪印乳業集団食中毒事件は様々な観点から検討がなされている。特に,食中毒事件の発生原因について,直接の原因や組織的原因等,様々な要因が検討されている。 本稿では,雪印乳業集団食中毒事件の発生原因について考察された研究を検討し,その発生原因として指摘されている様々な要因について整理・検討を行うことを目的とする。まず,雪印乳業集団食中毒事件について概観し,雪印乳業集団食中毒事件に関する公式見解とメディアの見解を検討する。その後,雪印乳業集団食中毒事件の発生原因について考察している先行研究を整理し,(1)競争環境の激化,(2)事故経験の忘却,(3)利益優先主義の企業風土,(4)安全意識の欠落という要因を抽出した。
著者
平本 健太 小島 廣光 岩田 智 谷口 勇仁 岡田 美弥子 坂川 裕司 相原 基大 宇田 忠司 横山 恵子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究によって解明された戦略的協働を通じた価値創造は,21世紀の社会の課題に挑むための方法の1つである.この戦略的協働は,今日,世界中で急速に増加しつつあり,多元的な社会的価値の創造に対して大きな潜在力を秘めている.3年間の研究プロジェクトの結果,戦略的協働を通じた価値創造に関する7つの協働プロジェクトの詳細な事例研究を通じて,戦略的協働の本質が明らかにされた.われわれの研究成果は,18の命題として提示されている.これら18命題は,(1)参加者の特定化と協働の設定に関する命題,(2)アジェンダの設定を解決策の特定化に関する命題,(3)組織のやる気と活動に関する命題,(4)協働の決定・正当化と協働の展開に関する命題の4つに区分されて整理された.本研究の意義は,大きく次の3点である.第1に,戦略的協働を通じた価値創造を分析するための理論的枠組である協働の窓モデルが導出された.第2に,戦略的協働を通じた価値創造の実態が正確に解明された.第3に,戦略的協働を通じた価値創造に関する実践的指針が提示された.
著者
谷口 勇仁
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.25-33, 2018-06-14

企業事故・不祥事の発生原因については,倫理制度の不備,倫理風土の欠如など多くの要因が指摘されている。その中で,企業事故・不祥事発生の直接的な原因として指摘される要因が規則違反である。そこで,本稿は,インタビュー調査を基に,規則違反行動に至るプロセスについて探索を行なうことを目的とする。まず,規則の定義と類型,そして,規則違反の要因についての先行研究の整理を行った。先行研究においては,規則違反行動の要因として,個人的要因,組織的要因,ハードウェアの要因,規則に関連する要因が指摘されていた。次に,「これまで遵守してきた規則を違反する際の要因」に関して半構造化インタビューによる調査を行った。インタビュー調査の結果,これまで遵守してきた規則を違反するプロセスを構成する要因として,①解決困難な課題(解決が困難で,組織にとって重要だと認識されている課題),②上司の姿勢(上司による問題解決のプロセスに関する無関心の表明),③合理化(規則違反行動の正当化)という3つの要因が抽出された。
著者
谷口 勇仁
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.47-55, 2012-06-20 (Released:2022-08-27)
参考文献数
28

本稿の目的は企業事故研究の構図をもとに,安全文化の理論的特徴を明らかにすることである.企業事故研究の分析アプローチの前提を検討した結果,安全文化は,事故を引き起こさない理念的な組織を想定し,そこから規範的に導出された組織文化を概念化したものであるという理論的特徴を持つことが明らかになった.
著者
谷口 勇仁
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.179-187, 2009-12-10

2000年6月に発生した雪印乳業株式会社の集団食中毒事件は社会的に大きな注目を浴び,製品の安全性に関するエポックメイキングな事件として位置づけられている。また,学術的にも,雪印乳業集団食中毒事件は様々な観点から検討がなされている。特に,食中毒事件の発生原因について,直接の原因や組織的原因等,様々な要因が検討されている。 本稿では,雪印乳業集団食中毒事件の発生原因について考察された研究を検討し,その発生原因として指摘されている様々な要因について整理・検討を行うことを目的とする。まず,雪印乳業集団食中毒事件について概観し,雪印乳業集団食中毒事件に関する公式見解とメディアの見解を検討する。その後,雪印乳業集団食中毒事件の発生原因について考察している先行研究を整理し,(1)競争環境の激化,(2)事故経験の忘却,(3)利益優先主義の企業風土,(4)安全意識の欠落という要因を抽出した。
著者
谷口 勇一
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.137-151, 2013-10

わが国のスポーツ振興は,総合型地域スポーツクラブ育成を###中心として展開されている。学校,企業を中心としてきたこれまでのスポーツ振興の形態は限界を迎え,代わって,地域を中心としたスポーツ振興が叫ばれ始めている。以上のような,地域を中心としたスポーツ振興の動向の中で,学校部活動の存続形態も過渡期を迎えようとしている。すなわち,教師と生徒のみで実施されてきた学校部活動の運営形態は,地域住民との積極的な関係づくりが期待され始めている。###そこで本研究では,すでに,学校部活動と総合型地域スポーツクラブの関係を構築してきた先駆的な事例をもとに,両者の関係構築をめぐる課題と可能性について検討した。当該事例からみえてきた課題と可能性は以下に集約できる。1学校外地域とのスポーツ交流を促進するためには,積極的な交流意欲を有する教師の存在が不可欠であること,2しかしながら,学校全体としての交流意欲の高まりをみることは大変困難であること,3学校部活動と総合型地域スポーツクラブの関係構築にあたっては,学校単位ではなく,教育制度全般の見直しの中で検討されることが必要であること,等である。###A steady advance of sports in Japan has been made through centering on the promotion of comprehensive community sports clubs. The###traditional type of sports promotion which has centered on schools and enterprises has now almost reached the limit, and what is called for is the promotion of community sport. The fact is, the continuance of###extracurricular sports activities is now entering a transition period. The system of school sports clubs which hither to only teachers and students have joined is now expected to be also joined by community inhabitants.###The author has discussed the problems and possibilities of combining sports club activities with community sports club activities, reviewing the pioneering examples where school sports clubs and community clubs have been successfully combined.###The conclusion is as follows: (1) Teachers are needed who are aggressively eager to interact with community sports activities. (2)However, it is very difficult to obtain increasing enthusiasm for this kind of###interchange across schools as a whole. (3) It is necessary to review the whole educational system, not the system in individual schools, in order to build a promising relationship between school sports club activities and comprehensive community sports club activities.