著者
井上 大介 INOUE Daisuke
出版者
創価大学社会学会
雑誌
SOCIOLOGICA (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1-2, pp.35-56, 2023-03-20

本稿ではインターネットをはじめとする電子メディアを媒介としたコミュニケーション、相互行為が社会をどのように変容させつつあるのかという点について、宗教文化に限定して考察したものである。日本におけるデジタル・メディアと宗教に関する研究では、宗教教団がどのようにインターネットを活用しており、組織の形態や運営がどのように変化しつつあるのか、といった事例研究が中心となってきた。他方、欧米における研究動向では、Digital Religion という領域において様々な研究が、 990 年代以降蓄積されてきた。本論の前半では、同研究領域の概要を先行研究に沿って紹介し、特にそこでの理論的枠組みが宗教観、儀礼、帰属意識、共同体、権威、身体化という6つの領域である点を整理した。後半では、その中の権威について注目しつつ、キューバにおけるヨルバ系宗教であるレグラ・デ・オチャ=イファ信仰を題材に、そこにおける伝統的指導者と現代的指導者の相違点、およびそこでの師弟関係の変容および孤独化の現状に注目しつつ論を展開した。
著者
村木 俊之 垣野 義昭 村上 大介
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.965-969, 2003-07-05 (Released:2009-04-10)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

High speed dry turning is one of the most important themes in ecological manufacturing. But in conventional turning style, it is difficult to reduce cutting temperature because the cutting edge is contacted to the work-piece continuously. Then in mill-turning, high speed face milling is applied for machining of cylindrical parts, and it is possible to reduce cutting temperature by using high speed-interrupted-small depth cutting method so as high speed endmilling. In this study, we have made clear the ability of mill-turning, and optimum cutting conditions for tool life. So we developed the prototype cutters for mill-turning, and tested their performance
著者
青木 利晃 川上 大介 千田 伸男 冨田 尭
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.236-243, 2018-08-29

近年,深層学習を代表とする機械学習が脚光を浴びており,様々なシステムへの応用が検討されている.応用対象は,エンターテイメントシステムや事務処理システムなどにとどまらず,自動車の自動運転などの高安全システムなども検討されている.高安全システムでは,安全性に関する十分なテストを実施することが必要である.一方,機械学習システムの安全性をテストする手法は,まだ確立していない.そこで,本論文では,機械学習を用いて実現された分類器に焦点を当て,その安全性を系統的に評価する手法を提案する.提案手法は,データセットに基づいた安全分析とテスト結果の統計的評価方法から構成される.安全分析では,よく知られている FTA (Fault Tree Analysis) をデータセットを取り扱えるように拡張した.そして,安全分析の結果,期待される認識率の水準を求め,テストを実施する.テストでは,この水準を満たしているか統計的に評価を実施する.提案手法は,CNN (Convolutional Neural Network) による手書き文字の分類器に適用し,評価を行った.
著者
井上 大介 松本 勉
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.2489-2501, 2002-08-15

ステガノグラフィは真に伝えたい情報を見せかけの媒体の中に埋込み伝送すると いう方法で,通信行為の存在を秘匿することを目指す研究分野であり,画像,音声,テキストなど様々な媒体を用いたステガノグラフィ方式が研究され てきている.本論文では,楽曲の演奏データとして広く利用されているスタンダードMIDIファ イル(SMF)を媒体とするステガノグラフィ方式 ---SMFステガノグラフィ--- を提案し,それが媒体の演奏音をまったく変化させるこ となく,ファイルサイズに対して平均約1[%]の情報を埋込むことができる能力 を持つことを実験的に実証する.また,クォンタイズと呼ばれる音の時間情報 の操作を適用することで,SMFに埋込むことのできる情報量が向上することを実 証する.さらに,SMFステガノグラフィの安全性についての議論を行う.
著者
井上 大介 吉永 隼人 BIKASH MALLA RAJANI GHAJU SHRESTHA SARMILA TANDUKAR DINESH BHANDARI 田中 靖浩 JEEVAN B. SHERCHAND 原本 英司 清 和成
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.65-72, 2018 (Released:2018-06-15)
参考文献数
20

ネパール・カトマンズ盆地では、水源の微生物汚染が深刻な問題となっている。本研究では、カトマンズ盆地において飲用水や生活用水として主に利用されている市販の飲用ボトル水(10試料)、浅井戸地下水(10試料)、深井戸地下水(3試料)、公共水場水(1試料)、湧水(2試料)と、河川水(2試料)の計28試料を採取し、病原性細菌の存在を網羅的に調査した。ヒト、動物、植物、及び魚介類に感染する941種/グループの病原性細菌(バイオセーフティレベル(BSL)2、3の全属及び日和見感染菌)の16S rRNA遺伝子を標的とするDNAマイクロアレイを用いた病原性細菌の網羅的検出の結果、Acinetobacter属、Arthrobacter属、Brevibacterium属、Pseudomonas属、及びLegionella属が大部分の試料で検出され、一部の試料ではBSL3の病原性細菌も検出された。Legionella属及びBSL3に属するBrucella属を対象として属特異的PCRによる定量検出を試みた結果、一部の試料においてDNAマイクロアレイ解析を支持する結果が得られた。また、DNAマイクロアレイ解析において6試料以上で検出された病原性細菌を対象として、糞便汚染指標(大腸菌群、大腸菌)との関連性について検討を行った結果、そのほとんどが糞便汚染指標とは相関を示さないことが明らかとなった。本研究の成果は、カトマンズ盆地における病原性細菌汚染の解明や、詳細な調査を要する病原性細菌種の特定の一助となり得るものと考えられる。
著者
津田 侑 遠峰 隆史 井上 大介
雑誌
研究報告セキュリティ心理学とトラスト(SPT)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-6, 2014-03-20

個人情報やプライバシーに係る情報がユーザ自身により書き込まれる SNS では,攻撃者にそれらの情報を窃取される恐れがある.実際に,情報窃取用の不正なアカウントを作成しユーザと友達関係を構築することで,公開されたプロフィール情報以外に友達のみに限定公開されたものまでも窃取する方法が存在する.本研究では SNS の特性を活かし,SNS 上のユーザらが協力して不正アカウントを報告し合うシステムを提案する.本システムでは,友達申請を受けた時点でそのアカウントが不正なものかどうかの判定基準をユーザに示し,不正アカウントの報告を促す.報告された不正アカウントは他のユーザにも共有され,ユーザ同士で注意喚起することを可能とする.本研究の最後では,実際に 7 人の Facebook ユーザが本システムを用いて収集した不正アカウントを分析し,それらのプロフィール情報の特徴やそれらが行う友達申請行為に着目した考察を述べる.On online social networks (OSNs) which store huge personal data and privacy information by OSNs users, those information can be stolen by attackers. Actually, attackers create their accounts called "fake profiles" for collecting information. Then, the accounts connect to targeted users on OSNs in order that they aim at limited-access information only for targeted users' friends. In this paper, we propose a system for sharing and alerting to fake profiles among OSNs users, in which users can collaborate with their friends. This system shows a sence of fake profiles to users and encourages users to report the profiles to their friends as attackers. In addition, 7 existing Facebook users collect fake profiles using this system. The authors analyze these fake profiles. At last, we discuss features of their profile information and their friend-request actions.
著者
井上 大介 中尾 康二
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.237-243, 2010-03-15
著者
西田 雅太 星澤 裕二 笠間 貴弘 衛藤 将史 井上 大介 中尾 康二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.21, pp.1-7, 2014-02-27

近年増加しているドライブバイダウンロード攻撃では,JavaScript を介して攻撃を行うものがあり,悪意のある JavaScript を検出する手法が希求されている.本稿では,難読化が施された JavaScript の文字出現頻度が一般の JavaScript とは異なる傾向があることに着目し,スクリプトの文字出現頻度を機械学習のパラメータとすることで,悪意のある難読化スクリプトを検出する手法を提案する.また提案手法の検証として,一般サイトの JavaScript と MWS データセット内の D3M 攻撃通信データの JavaScript を入力として学習した結果を示す.Today the number of Drive-by-Download attacks using JavaScript has increased. Therefore we need an efficient method to detect malicious JavaScript. In this paper, we focus our attention on a bias of character frequency of obfuscated malicious JavaScript. We will propose the use of machine learning with character frequency to detect obfuscated malicious JavaScript. This paper will also evaluate the proposed method by using various JavaScript in benign web sites and D3M pcap of MWS dataset.
著者
川上 大介 阿部 俊一
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.68-71, 1995-11-10

機器の使用時間Xと使用回数Yが共に機器の劣化に影響を与える場合、XとYから合成されたストレスZによって機器故障が起こるというモデルが、ある一定の条件を満たせばXのみまたはYのみを考慮した場合の最適予防保全計画よりも費用が小さくなることが示されている。そこで本報告では前報告の結果をさらに般化し、また、ある具体的な事例を取り上げ、Zの確率分布がワイブル分布で、観測データが両側から打ち切られた2変量不完全データの場合の計算例を示す。
著者
井上 大介
出版者
創価大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

メキシコ民衆文化としてのサンタ・ムエルテ信仰の特徴は、負のイメージが付与されたテピート地区という社会空間を含む従来の文化資源を流用しつつ、従属階級の信者に対し、特定のアイデンティティを提供し、既存の文化的カテゴリーを揺り動かすような動向を現出させていた。またその表象に関しては、グローバル、ナショナル、ローカルといった諸次元での語りが存在し、非常に流動的な言説によってカテゴライズされているといった特徴が抽出できた。同時にマイノリティ宗教の中にも正統・異端の区別が認識されており、組織化された動向はより社会的制裁と結びついているといった傾向が看取できた。
著者
豊田 雅士 梅澤 明弘 五條 理志 板倉 陽子 上 大介 三好 俊一郎 肥田 直子 井上 麻油
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

幹細胞移植医療における安全性や有効欧の検証として、前臨床研究としての中大動物実験が求められる。本研究ではヒトで心筋分化能が高いとして期待される羊膜細胞をブタ羊膜から樹立しヒト細胞と比較した。さらにブタの心不全モデルを作製し、そこに細胞を移植し評価した。その結果、ブタ羊膜細胞はヒトと同等な特性を有しており、移植により心機能が改善し、移植した細胞は生着後心筋への分化が認められた。
著者
岩崎 俊介 池上 大介 中里 秀則 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.14, pp.61-64, 2006-04-13
参考文献数
5

近年,大規模ワームや分散型サービス拒否(DDoS: Distributed Denial of Service)攻撃といったサイバー攻撃が深刻な社会問題となっている.これらの攻撃パケットの送信元IPアドレスは偽装されていることが多く,攻撃発信元を特定することが困難である現状がある.そこで本研究では,AS間のルーチングに利用されているBGP(Boarder Gateway Protocol)の特性を利用した,送信元IPアドレス偽装パケット検知手法を提案する.