著者
小林 裕和 安倍 浩之 福山 支伸 下 嘉幸 田川 維之 石元 泰子 竹田 俊哉 有木 隆太郎 中川 哲郎 池田 勘一 大藤 美佳 寺本 裕之 中島 あつこ 藤川 大輔
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0275, 2004 (Released:2004-04-23)

【目的】打撃動作とは全身の各関節が連動しながら遂行される高度にプログラミングされた動作であり、様々な要素が影響を与えていることが考えられる。そこで今回は打撃動作に影響を与える因子として軸足股関節の角度に着目し、打撃動作との関係を検討し、若干の知見を得たので報告する。【対象】某高校野球部に所属していた高校生19名(右打者16名、左打者3名)16.4±0.51歳、身長171.0±5.83cm、体重62.5±6.66kgを対象とした。【方法】2001年度より定期的に実施している高校野球チームに対するメディカルチェック項目の中から、三次元動作解析器を用いた打撃動作解析の結果を用い動作解析を実施した。 動作解析には、三次元動作解析system(Peak Motus社製:ヘンリージャパン株式会社)を用いて、打撃動作を分析し、1.バットのヘッドスピード(m/sec)と、2-1テイクバック時、2-2テイクバックから前方への並進運動後、下肢が接地してから0.05sec後のそれぞれの軸足股関節の外転角度(°)を算出した。 統計処理はBat head speedと2-1、2-2時の軸足股関節外転角度の相関分析を行った。【結果】今回の研究結果について、まず Bat head speedと2-1間で、r=0.518の相関がみられた。 次にBat head speedと2-2間でr=0.642の相関がみられた。【考察】打撃動作は様々な要素から構成される高度にプログラミングされた動作である。今回はその要素の一つである軸足股関節外転角度に着目し、スイング時のBat head speedとの関係について分析を行った。 打撃動作では、テイクバックから並進運動の際、体幹-骨盤ユニット(以下いわゆるcore unit)の安定とcore unitの軸足股関節上での安定が重要であると考えられる。軸足股関節外転は特にcore unitが軸足上で安定を得るために重要であると考えられる。 今後はさらなるデータ収集と共に、より詳細な解析を実施していきたい。 本学会において更に、データ解析、考察を加え詳細について報告する。
著者
福山 支伸 冨岡 貞治 藤川 知香 松見 勲 安倍 浩之 小林 裕和 下 嘉幸 田川 維之 石元 泰子 有木 隆太郎 竹田 俊也 中川 哲朗
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.A0276, 2004

【はじめに】<BR> 我々は,第19回東海北陸理学療法学術大会において,打撃動作時のスタンスとBat head speedの関係について報告した.しかし,スタンスという指標では,打撃動作のパフォーマンス向上の指標として,十分とは言えなかった.そこで今回我々は,打撃動作に影響を与える因子として,打撃動作時の重心移動に着目し,Bat head speedとの関係について検討し,若干の知見を得たので報告する.<BR>【対象】<BR> 某高校野球部に所属していた高校生18名(右打者14名、左打者4名).平均年齢16.50±0.50歳.平均身長170.56±5.43cm,平均体重61.97±6.00kgを対象とした.<BR>【方法】<BR> 2001年度より定期的に実施しているメディカルチェック項目の中から,三次元動作解析器による打撃動作解析結果を用い,分析した.<BR> 動作解析には,三次元動作解析system(ヘンリージャパン株式会社製)を用いて,打撃動作を分析し,Bat head speed(m/sec),重心移動距離(m)を算出した.<BR> 重心位置は,両側腸骨稜を結んだ中点を重心位置とし,開始肢位から,テイクバック時,足部接地時の重心移動距離を,X方向(ピッチャー方向),Y方向(垂直方向),Z方向(ベース方向)にそれぞれ算出した.<BR> 統計処理は,テイクバック時,足部接地時のX,Y,Z方向への重心移動距離とBat head speedとの相関分析を行った.<BR>【結果】<BR> テイクバック時の重心移動距離と,Bat head speedとの関係では,X,Y,Z方向で相関関係は認められなかった.<BR> 足部接地時の重心移動距離と,Bat head speedとの関係では,X方向で有意な正の相関関係が認められた(r=0.714).Y方向では,有意な負の相関関係が認められた(r=0.487).Z方向については,相関関係は認められなかった.<BR>【考察】<BR> 野球における打撃動作は,様々な要素から構成され,高度にプログラミングされた動作である.この様々な要素を分析していくことが,打撃動作を解析し,運動特性を捉えるためには,非常に意義深いことと考える.<BR> 今回の結果から,打撃動作時の重心移動は,足部接地時に,ピッチャー方向かつ下方へと重心移動すれば,Bat head speedの向上が期待できると考える.<BR> 今後は更なるデータ収集と共に,より詳細な解析を実施していきたい.<BR> 本学会において更に、データ解析、考察を加え詳細について報告する。
著者
入江 正洋 山下 高範 久保 千春 木原 廣美 中野 博 川村 治子 十川 博 手嶋 秀毅 中川 哲也
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.930-934, 1992-05-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
21
被引用文献数
1

症例は19歳の女性. 気管支喘息として約1年10ヵ月, ステロイド剤を含む治療を受けたが, 改善しないため当科に入院した. 患者はアレルギー疾患の家族歴を有し, アストグラフでも気道過敏性があるように思われたものの, 喘鳴出現時に1秒量やPaO2の低下はなく, 気管支拡張剤の吸入でも呼吸機能に変化はみられず, 喘息は否定的であった. また, 患者の喘鳴は喉頭部で最も著明に聴取され, 多くは吸気性の呼吸困難を伴い, フローボリューム曲線は, 吸気時の流速が低下していた. さらに, Laryngos-copy では, 声帯の内転位固定と後方の僅かな間隙が認められ, 以上の所見より Vocal cord dysfunction と診断された. 本症例の喘鳴は, 不幸な生育歴を背景とする転換反応に起因するものと考えられ, 心身相関の理解やセルフコントロールの習得を中心とする心身医学的治療によって, 薬剤不要な状態にまで改善した.
著者
山崎 孝 伊藤 直之 石田 登貴代 三谷 孝之 菅野 智也 中川 哲朗 松井 文昭 増田 真代 加畑 昌弘 大谷 尚之 堀 秀昭 山門 浩太郎
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, 2007-04-20

【目的】甲子園大会でのメディカルサポートを皮切りに、高校野球地方大会において各県士会でのメディカルサポートの取り組みが報告されている。しかし、中学生を対象としたサポート報告は少ない。今回福井県理学療法士会は、中学ボーイズリーグの大会期間中に選手のメディカルチェックを実施し、スポーツ障害予防の啓蒙活動を試みたので報告する。<BR>【方法】大会は日本少年野球連盟公認の福井大会で北陸・東海・関西地区から28チーム、906名の選手が参加した。平成18年7月22日~24日に行われ、試合会場は初日が10会場、2日目は4会場であった。サポートは初日と2日目の土・日曜日に、1会場で実施した。その会場で試合があるのは初日が6チーム、2日目が4チームで、メディカルチェックは当日に希望があったチームに試合の合間を利用して実施した。今回サポートに参加したPT は福井県アスレチックリハビリテーション研究会に参加しているPTで、初日9名、2日目13名であった。メディカルチェックの実施項目について、握力測定はOG技研社製デジタル握力計にて行い、肩関節外旋・内旋筋力は2nd肢位にてアニマ社製ミュータスF-1を用いて測定した。ROMは肩関節2nd内旋・外旋、肘関節屈曲・伸展、前腕回内・回外、SLR、股関節内旋の可動域とし、ゴニオメーターを用いて5°単位で両側測定した。FFD、上体おこしは1cm単位で測定し、腸腰筋と大腿四頭筋のタイトネスの有無と、しゃがみ込み動作の可否を調査した。実施方法は筋力・上肢ROM・下肢ROMの3セッションにPTを配置し、所要時間の短縮を図った。選手には測定中に値を伝え、投球側に機能低下がみられた場合は投球障害との関連性について説明し、測定後に集団でストレッチ指導を行った。また、大会参加全チームにストレッチ方法を記載した冊子とオーバーユースによる投球障害ついて説明したリーフレットを開会式の日に配布した。<BR>【結果】1.メディカルチェックを実施できたチーム数は初日4チーム、2日目が2チームで、両日での選手数は76名であった。2.メディカルチェックの結果では肩関節内旋(投球側38°、非投球側56°)、肘関節屈曲(投球側144°、非投球側148°)、肘関節伸展(投球側0°、非投球側4°)、前腕回内(投球側81°、非投球側88°)の可動域が非投球側に比べ、投球側が有意に低下していた。また、投球側の肘関節に-5°以上の伸展制限のある選手が26%にみられ、その半数は投手であった。<BR>【考察】選手・指導者・父兄が多く集まる大会期間中を利用してスポーツ障害予防の啓蒙を行った。甲子園出場を目指して中学から硬式野球をしている選手の4人に1人の割合で投球側の肘関節拘縮がみられていた。これは少年期からのオーバーユースが原因と考えられるため、少年期からの投球障害予防の啓蒙が求められる。今後はスタッフ数を増員し、より多くのチームに啓蒙していくことが課題である。<BR><BR><BR><BR>
著者
岡 孝和 松岡 洋一 三島 徳雄 中川 哲也
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.293-300, 1993-04-01
被引用文献数
6

The effects of conducting Autogenic Training (AT) on autonomic nervous functions were studied by using non-invasive autonomic nervous function tests. We used the coefficient values of the R-R intervals of ECG (CVR-R) as a parameter of the parasympathetic nervous function, while the coefficient values of the wave heights of digital plethysmograph (CVwH100) were used as a parameter of α-adrenergic sympathetic nervous function. In addition, β waves of thenar microvibration (MV) were used as a parameter of parasympathetic and θ waves of MV were used as a parameter of sympathetic nervous function. Forty healthy volunteers underwent AT for 5 minutes in the supine position after a sufficient observation period. Blood pressure (BP), pulse rate (PR), CVR-R. CVWH1OO and MV were all checked before, during and after undergoing AT. Results : (1) The well trained group (n=10) showed a significant increase of α2 waves of MV both during and after the AT. CVR-R and CVWH100 did not show any significant change. The beginners group (n=30) showed a significant decrease of θ waves of MV but CVR-R and CVWH1OO did not show any significant change. BP and PR did not show any alteration in either group. (2) The group whose trait anxiety (STAI) increased (n=6) did not show any significant change in CVR-R, CVWH100,MV, BP and PR. On the other hand, the group whose trait anxiety (STAI) decreased (n=34) showed a tendency of increased CVR-R as well as CVWH1OO by practicing AT, a significant increase in α2 waves and a tendency of decrease in θ waves of MV after undergoing AT although no significant change was observed in either BP or PR. (3) A dominant waxing and waning phenomenon of the digital plethysmograph was also observed during the sessions in those whose skin temperature was increased by AT. These results indicate that sympathetic nervous function as well as parasympathetic nervous function are both activated and the vasomotion of peripheral vessels is also activated when AT can be successfully administered.
著者
中川 哲治 乾 健太郎 黒橋 禎夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.408, pp.25-30, 2009-01-19

本稿では,自動獲得されたラベル付きデータを利用して,統計的な分類器に基づく評価極性分類の精度を改善させる方法について述べる.正解ラベルの付与された訓練データは機械学習に基づく自然言語処理を行う上で非常に重要であり,これまでにラベル付きデータを自動的に収集する方法がいくつか提案されている.しかしながらそのようなデータは誤りを含んでいる可能性があるため,訓練データとして直接利用するには適さない可能性がある.そこでこの問題に対処するために,ラベルの確信度により事例の重み付けを行う方法を提案する.実験の結果,提案手法を用いて自動獲得されたラベル付きデータを利用することにより,評価極性分類の精度を向上させることができた.
著者
中川 哲治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.47, pp.19-24, 2007-05-24
被引用文献数
1

本稿では,ギブスサンプリングを用いた係り受け解析手法を提案する.既存の解析手法ではしばしば変数間に独立性を仮定しており,利用可能な素性が限られているという問題があった.提案手法では,依存構造木全体をモデル化する確率分布を考えることで,依存構造木中の兄弟ノードに関する関係や,子ノードと祖父母ノードに関する関係などの,文中の任意の素性を利用することができる.複数のコーパスで実験を行った結果,提案手法は既存手法と比較して同程度以上の解析精度を持つことを確認した.In this paper, we present a method for dependency parsing with Gibbs sampling.Existing methods for dependency parsing often assume independence among variables, and have limitations in available features.Our method uses a probabilistic model of a whole dependency tree, and allows us to use arbitrary features in a dependency tree, which include relations between sibling nodes and relations between a child and its grandparent nodes.Experimental results on multiple corpora showed that the performance of our method was competitive with other state-of-the-art methods.
著者
中川 哲也
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.281-291, 2006-04-01
被引用文献数
2

日本心身医学会は1959年に設立され,その第1回大会が1960年に開催された.今回で第46回を迎え,現在その会員数は約3,700人に達する.この間,1970年には「心身症の治療指針」を作成した.また1979年には,本学会の日本医学会への加入が認められ,1985年には,本学会の認定医制度が発足した.1991年には新しい「心身医学の診療指針」を作成した.1996年には「心療内科」という標榜科名が認可され,2005年には,本学会の認定による「医療心理士」の制度が設けられた.私は,特に日本心身医学会の草創期前後における種々のエピソードや思い出,先駆者たちの活動状況などを中心に紹介し,以来,今日に至るまでわが国の心身医学の歩みを振り返りつつ,心身医学,心身医療に関する私の意見や感想を述べる.
著者
中川 哲治 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.73, pp.197-204, 2004-07-16

本稿では,中国語と日本語の単語分割を行うために,コスト最小法と文字タグ付け法を組み合わせた単語分割手法を提案する.単語分割に関してこれまでに多くの研究が行われているが,一般に単語単位で処理を行うコスト最小法は未知語の扱いが困難であり,文字単位で処理を行う文字タグ付け法は既知語に対する精度が低い.そこで,2つの手法を組み合わせることでこれらの問題を解決することを試みる.複数のコーパスを使用して中国語と日本語の単語分割実験を行った結果,高い解析精度が得られることを確認した.In this paper, we propose a hybrid method for Chinese and Japanese word segmentation which combines the Markov model-based method and the character tagging method. In general, word-based Markov models have difficulties in handling of unknown words and the character-based character tagging method performs worse than other methods for known words. In order to solve these problems, we combine the two methods. Experimental results of Chinese and Japanese word segmentation with multiple corpora showed that the method achieves high accuracy.
著者
新里 里春 玉井 一 藤井 真一 吹野 治 中川 哲也 町元 あつこ 徳永 鉄哉
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.397-407, 1986-08-01
被引用文献数
10

The purpose of the study is to develop and to study validities and reliabilities of translated version of the Eating Attitudes Test (EAT) developed by Garner et al.1. The subjects of the study were 35 female anorexics before psychosomatic treatment (AN group) (average age 20.5±5.3,average duration 4 years). The control subjects were as follows : 26 female anorexics on psychosomatic treatment (ANDT group) (average age 21.1±6.5,average duration 3.5 years), 414 healthy female control subjects (FN group) (average age 18.8±2.4).2,20 out of 40 items were extracted by a good and poor analysis (t-test). Using the 20 items, three meaningful factors, namely food obsession (F1), dieting (F2) and phodia of obesity (F3) were factors analytically extracted.3. To study the validity of the factors and their combined EAT (EAT-20), correlational study was conducted between the scores of F1,F2,F3 and EAT-20 and clinical scales of the Kyushu University Medical Index (KMI). Followings were significant : F1 and KMI Obsessive-compulsive neurosis scale; F2 and KMI Obsessive-compulsive neurosis scale ; F1 and KMI Hypochondria scale; F1 and KMI Depression scale. A correlation between F3 and past percent maximum body weight was significant.