著者
中村 昭子 和田 浩二 木内 真人 大村 知美 Guettler Carsten
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

小天体レゴリス層での衝突クレーター過程を理解するために、模擬低重力衝突実験装置を開発し、低速度衝突クレーター形成実験を、0.01-1 G の範囲で大気圧下と 10 Pa 以下で行った。クレーター直径は、重力加速度の約 -0.2 乗に比例することがわかった。また、粉粒体層の空隙率の重力依存性に関する経験則を得た。一方、重力が減ってもクレーター直径があまり大きくならない、粒子間力が卓越する場合があることも実験的に示した。一方で、衝突時の放出物量は、反発係数や摩擦係数といったエネルギー散逸をもたらす粒子間相互作用によらないことが数値シミュレーションで示された。
著者
水科 篤郎 伊藤 竜象 上村 浩 中村 昭夫
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.429-435,a1, 1969-05-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
10

凝縮性蒸気1成分が混入しているガス系用の多管式冷却凝縮器の熱的設計のために2種類の簡略設計法を提案した。第1の方法では水温を入口, 出口の温度の算術平均に一定しているものとして扱い, 第2の方法では単純向流を仮定した算出面積を通常の多管式熱交換器の設計に用いられる温度差補正係数で補正して所要伝熱面積を求める。両方法を実験結果に適用した結果, 共に実面積に十分近い計算面積を与え, より厳密な逐次計算の結果ともよく一致した。
著者
中村 昭
出版者
無窮会
雑誌
東洋文化 (ISSN:04959876)
巻号頁・発行日
no.81, pp.2-20, 1998-09
著者
中島 逸男 谷垣内 由之 吉田 博一 中村 昭彦 馬場 廣太郎
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 = Stomato-pharyngology (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.195-201, 2001-02-28
被引用文献数
1

11歳の男児が耳痛を主訴に近医を受診した.局所治療を受けたが症状が軽快しないめ他院を受診した.そこで舌の腫瘤を発見され, 精査・加療目的に当科を紹介された.病変は右舌縁から口腔底にかけ表面不整な潰瘍を呈し, 周囲の硬結は舌正中を越えていた.生検にて高分化の扁平上皮癌と診断された.画像診断も含めた全身検索の結果, 入院時病期分類はT4N0M0 stage IVと診断された.化学療法 (5-Fiuorouracil, Cisplatin) 2クール施行したところ腫瘍はわずかに反応を示し, 縮小するかと思われた.しかし, その後の放射線外照射中にも腫瘍は増大し両側の扁桃窩まで広がりをみせ, 3回の動注化学療法も効果なく, 初診から10ヵ月後に死亡した.
著者
中村 昭二 永原 邦茂
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

国際頭痛学会分類では,咬合異常が頭痛の発症因子である記載は見られない.しかし,咬合治療により頭痛が改善することは少なくない.そこで不正咬合と頭痛の関連について,歯科治療を目的として来院した患者の協力を得て調査を行った.前後的に正常被蓋,上顎前突,下顎前突の3タイプに分類し,同様に上下的に正常被蓋,過蓋咬合,開咬に分類した.頭痛の診断は国際頭痛学会分類(IHS)に従って神経内科医が行った.過去1年以内の頭痛経験者を頭痛ありとした.結果:1.調査対象者1401名の49.2%に頭痛が見られ,そのうち,片頭痛単独が30.2%,緊張型頭痛単独が27.6%,両者の混合性頭痛が36.6%,その他の頭痛が5.6%であった.2.(1)前後的不正咬合の分類;各不正咬合別頭痛発症率は,下顎前突が65.3%,上顎前突が57.5%,正常被蓋が45.1%の順であった.また正常被蓋と下顎前突は片頭痛が緊張型より多くみられ,上顎前突では逆であった.特に正常被蓋と上顎前突に差(P<0.001)がみられ,正常被蓋では偏頭痛が,上顎前突では緊張型頭痛が多く見られた.(2)上下的不正咬合の分類;各不正咬合別頭痛発症率は,開咬が73.9%,過蓋咬合が58.1%,正常被蓋が43.7%の順であった.また,正常被蓋と開咬では片頭痛が緊張型より多くみられ,過蓋咬合では逆であった.その有意差検定でも正常被蓋と過蓋咬合,過蓋咬合と開咬に差(P<0.001)がみられ同様の所見がみられた.総括:頭痛の病態に対する詳細はまだ知られていないが,今回の研究から不正咬合の分類と頭痛のタイプに関連があり,いわゆる「咬合関連性頭痛」があることが窺えた.今後の研究:さらに頭痛と病的咬合因子との関連性を求め,歯科的治療法を確立していく予定である.
著者
中村 昭之
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.A20-A30, 1974-03

本論文は,特別養護老人ホーム入所中の老人を対象として,彼等の日常生活活動の実態と,それらの活動に影響を与える要因を分析したものである。それらの結果を要約すると以下のとおりである。(1)特別養護老人ホームの老人は,A.D.L.では,特に,歩行,行動範囲,入浴,着,脱衣,整とんなどで,困難なものが多い。(2)A.D.L.中,基本的機能である,視機能,聴機能,会話機能,歩行機能についてみると,これらのうち,視機能,聴機能,会話機能は,やや悪いと評価されるものが多いが,これらと比較して,歩行機能は,最も劣っていて,これが,特別養護老人ホームの老人の特徴であるように思われる。(3)心理的能力と態度では,活動意欲の減退しているものが,非常に多い。(4)A.D.L.得点も,心理的能力と態度の得点も,年齢と共に上昇傾向を示し,A.D.L.では,60〜69歳代と,70〜74歳代の間の得点上昇は急激である。(5)心理的能力や態度得点は,80歳以上では分散が大で,能力や態度の高低,良否の差が,顕著になる。(6)脳神経系障害群と,その他の疾患群の人員構成比は,約3:1で,圧倒的に前者が多い。両群間には,A.D.L.の平均得点で,明確な差は認められないが,各項目についてみると,着脱衣,整とん,洗面などで,差がみられた。(7)因子分析によって,共通な因子を抽出してみると,第1因子,歩行と活動意欲の因子,第2因子,会話機能と社会的志向性減退の因子,第3因子,聴機能と学習能力減退の因子が見出された。よって,これらの因子が,特に,老人の日常生活活動に,深い影響を与えているものと考えられる。
著者
向井 正 中村 昭子 岡田 靖彦 平田 成
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

小惑星表面を模擬した物質の光散乱特性を明らかにするために、(1)室内での光散乱実験を実施し、不規則形状体の光散乱データベースの構築を目指すと共に、(2)不規則形状体の光散乱を理論的に検討する手法としての数値計算ツールの開発を実施した。それらの基礎過程の研究を基に、(3)小惑星表面画像の解析から、小惑星表面物質を演繹した。
著者
久保田 茂隆 中村 昭一
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大論叢 (ISSN:03854558)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.47-63, 2004-03-31

ITの急速な進展により,私たちの身の回りには,気が付かない所でコンピュータが活躍している。ユビキタス社会の到来がいわれるようになったが,予想以上に早く進み始めている。ユビキタス社会の特徴は, (1)いつでもどこでも必要な情報を入手できること (2)あらゆる「モノ」が情報の受発信を行う点にある。ユビキタス社会の実現のためには,統一された定義,概念のもとで基盤を整備し,システムを作っていかなければならない。ユビキタスは,Mark Weiser氏が提唱した概念であるが,東京大学の坂村健氏が提唱した「どこでもコンピュータ」と同じ概念である。ユビキタス社会では,私たちの生活も便利になるであろうが,インフラの整備に多額の投資が必要となり,また,多くの個人情報が集約される結果,プライバシー保護が大きな課題となる。0.3〜0.4mm角のICチップが,社会を変えていくことになる。ICチップ(ICタグ)は部品であり,これを実ビジネスでどう活用するかということが重要であり,システムとして価値が生まれる。旅行業界では,60社以上が参加する「手ぶら旅行」の実証実験や,貨物輸送,量販店での店員の効率的接客,その他多くの活用・実証実験が行われている。本稿では,現在のユビキタス・コンピューティングの概念をデバイス側やサーバー側からの考え方を紹介し,現状の研究機関・企業・政府の取り組みを明らかにして,技術的課題・問題点を抽出し,ユビキタス・コンピューティングを実現する為の環境・条件を明らかにすることを試みている。
著者
大畠 雅之 田中 賢治 中村 昭博
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.313-317, 2004-12

漏斗胸に対する胸骨翻転術,胸骨拳上術に変わる治療として2001年よりNuss法を行っている. Nuss法は金属プレートにより変形胸骨を表面より支える方法で現在まで12例に施行した. 8例にステンレス鋼を4例にチタン合金のプレートを使用した. 手術時間は48分から4時間11分で平均1時間47分であった. 出血量は前例20g以下であった. 術後の鎮痛として10例に硬膜外麻酔を用いた. 術後合併症が2例に発生し,1例は皮下気腫,他の1例は術後金属プレートの偏位のための金属プレートの抜去術が行われた. Nuss法後2年が経過した1例に金属プレートの抜去術が行われたが,胸郭の変形,再陥凹を認めていない. 多くの患児とその家族は術後の結果に非常に満足しているが,成長過程にある小児の場合注意深い経過観察が重要であると思われる.