著者
高見 武志 松田 俊樹 三馬 孝明 中道 哲朗 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.65-70, 2011 (Released:2012-01-06)
参考文献数
5
被引用文献数
3

Sometimes, when improving the range of motion or muscle strength of the shoulder joint, we fail to obtain sufficient therapeutic effects in subjects who have difficulty in raising their arms up along the spine from a position in which the arms are at the back (belt-tying movement). In many such cases, scapular motion is inadequate or different from the normal motion during belt-tying movement. On the other hand, we have experienced several cases in which the scapula moved more smoothly and belt-tying movement was improved by strengthening the scapular muscles using exercise therapy. This study aimed to elucidate the muscle activity pattern of scapular muscles during the belt-tying movement. We found that the upper trapezius muscle fibers elevate the scapula and middle trapezius muscle fibers maintain scapula adduction; and the lower trapezius muscle fibers and the serratus anterior muscle were considered to regulate anterior inclination of the scapula at T12 and lower vertebrae. Patients experiencing difficulty in belt-tying movement should receive a quantitative and qualitative assessment of the timing of movement of the trapezius muscle fibers and the serratus anterior muscle after gaining an understanding of the stage in which the patient starts to feel difficulty in movement.
著者
松田 俊道
出版者
中央大学文学部
雑誌
文学部紀要 史学 (ISSN:05296803)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.135-161, 2021-03-10
著者
柳澤 史人 財前 知典 小関 博久 金子 千秋 小谷 貴子 松田 俊彦 藤原 務 古嶋 美波 加藤 宗規
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C3P3404, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】近年、肩回旋可動域を測定するpositionにおいて、肘関節90°屈曲位(以下1st)、肩関節90°外転・肘関節90°屈曲位(以下2nd)、肩関節・肘関節90°屈曲位(以下3rd)という言葉は定着してきている.しかし、関節可動域についての報告は散見されるものの、各positionにおいて発揮できる筋力について報告されているのは少ない.上記の3つのpositionでの内・外旋筋力を比較・検討したのでここに報告する.【方法】対象は肩関節疾患既往がなく、ヘルシンキ宣言に基づき研究内容を十分に説明し同意を得た健常成人17名(男性10名、女性7名、平均年齢24.5±7.5歳)である.肩関節1st・2nd・3rd positionにおける等尺性最大肩内旋・外旋筋力を検者の手掌に等尺性筋力測定器(アニマ社製μTasF-1)を装着した状態でmake testにて測定した.測定肢位は被検者を端坐位として肘を台上に置き、前腕回内外中間位・手指軽度屈曲位とした.検者は測定器を被検者の前腕遠位部にあてるとともに、対側の手で被検者の肘を固定することにより代償を最小限にして測定を行った.各検査とも検査時間は5秒間、30秒以上の休憩をおき2回ずつ行った.なお各positionの測定順はランダムに実施した.統計的手法としては、連続した2回のtest-retest再現性について級内相関係数(ICC(1,1))を用いて検討し、各positionの比較は2回の高値を採用して一元配置の分散分析と多重比較(Tukey HSD)を用いて検討した.統計はSPSS ver15用い、有意水準は1%以下とした.【結果】等尺性内外旋筋力平均値は、1回目・2回目の順に1st外旋6.29・6.72kg、1st内旋8.64・9.05kg、2nd外旋4.11・3.94kg、2nd内旋5.98・5.94kg、3rd外旋3.78・3.84kg、3rd内旋7.62・7.73kgであった.2回のテストにおけるICCは0.914~0.983であった.外旋は一元配置の分散分析に主効果を認め、多重比較では1st-2nd、1st-3rdで有意差を認め1stが高値を示したが、内旋では主効果を認めなかった.【考察】今回の結果、2回のtest-retestの再現性はいずれも高いことが示唆された.また、各positionでの比較では、内旋筋力にて有意な差は認められなかったが外旋筋力においては2nd・3rdと比較し、1stでの外旋筋力に高値を示すことが示唆された.しかし、今回の測定では外旋で差を呈した要因の特定は困難であり、今後は筋電図を用いた検討などを重ねていきたい.
著者
戸島 洋一 松田 俊之 河井 良智 服部 万里子
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.188-192, 2005-09-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
13

当院では抗菌薬適正使用推進のため2001年末に採用注射用抗菌薬を整理し, 第4世代セフェム薬を3剤から1剤に, カルバペネム薬を3剤から2剤に削減, ペニシリン薬とキノロン薬を追加した. その前後2年間ずつにおける注射用抗菌薬使用量と多剤耐性グラム陰性菌の検出数, 緑膿菌の耐性率を調べた. 注射用抗菌薬の使用数は整理前後の2年間ずつの平均で比べると約11%減少した. 第1世代セフェムの使用数は増加, 第3+4世代セフェムは16,810本/年から11,043本/年へと34%減少, カルバペネム約は27%減少した. 多剤耐性グラム陰性菌の検出数はB. cepaciaなどが減少傾向を示した. 緑膿菌のイミペネム耐性率は有意に減少したが, 多剤耐性緑膿菌検出数は減少しなかった. 削減されなかったメロペネム, セフォゾプランに対する緑膿菌の薬剤感受性は変化がなかった. 以上より, 採用抗菌薬の整理 (削減) は抗菌薬総使用数の減少をもたらし, 多剤耐性グラム陰性菌の検出数は増加せず, 残された薬剤の緑膿菌に対するMICは変化がなかったことより, 今回行った採用抗菌薬のコントロールは意義があったと考えられる.
著者
松田 俊広 伊野 文彦 萩原 兼一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.5, pp.852-861, 2011-05-01

本論文では,実時間の画像ノイズ除去を目的として,GPU(GraphicsProcessing Unit)に基づく高速な全変動最小化手法を提案する.既存手法と異なり,提案手法はカーネルを二つに分割する.この分割はGPU内の同期を増加させるが,メモリアクセスパターンを簡素化し,メモリアクセスに起因する分岐を削減できる.更に,オフチップメモリの実効バンド幅を最大化し,その読み書き量を最小化するために,スレッドブロックの大きさや形状を適切に定める.実験の結果,提案手法は単一カーネルに基づく既存手法よりも30%ほど高速であった.また,スレッドブロックの形状に応じて,性能が4%ほど向上した.1024 × 1024画素からなる時系列臨床画像に対し,秒間46フレームの実時間ノイズ除去及び可視化を実現できた.
著者
松田 俊介 酒井 貴広
出版者
日本生活学会
雑誌
生活学論叢 (ISSN:24332933)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-14, 2016 (Released:2021-05-14)
参考文献数
23

Since 2001, a characteristic ritual called Goran-shiki has been conducted at Tsuga-cho Ienaka, Tochigi City. Hard drinking and the food taboo on eggs are features of this ritual. Although Goran-shiki is relatively new, both the citizens of Ienaka city and visitors to it are accepting it as a tradition. We think that Goran-shiki acts as an identity symbol for people in Ienaka city. We analyzed the acceptance process and identified three points regarding this ritual.(1) Various people are involved in the management of Goran-shiki, for example, the chief priest of a Shinto shrine, event consultants, and the kagura preservation meeting. Moreover, Goran-shiki is conducted only after considering various expectations.(2) In spite of the various expectations from it, Goran-shiki has been strongly appealing for a food taboo on eggs. This phenomenon is the paradoxical effect of a ritual that strongly appeals to people’s traditional consciousness.(3) Goran-shiki is based on the Nikko-zeme constitution at the Rinno-ji temple. The management introduced the unique feature of forbidding the eating of eggs in this ritual. This characteristic has made Goran-shiki an accepted ritual.
著者
寺村 浩徳 松田 俊郎 酒井 佑樹 中野 克哉
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1317-1322, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

横浜市内の多数の路線バス運行データを用いて、高出力モーターシステムの性能評価や電費シミュレーションなど、安価なEVバスの性能設計を実現し、さらに2020年度にはEVの性能を確認するための実証実験を完了し、良好な結果が得られた。
著者
志和 資朗 松田 俊 佐々木 高伸
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.38-42, 1999-03-31 (Released:2017-05-23)

本研究では, 広場恐怖を伴う慢性のパニック障害患者に対して, その症状の軽減を目的として, マルチフィードバック療法の適用を試みた.患者自身の日常生活における不安階層表に基づき, 患者は段階的に恐怖場面に曝露された(現実的脱感作).同時に, マルチフィードバック訓練により, 複数の生理反応の自己コントロールが試みられた.その結果, この患者は自分自身の生理反応のコントロールが可能となり, さらにそのような進歩を患者自身が確認できたことにより, 抵抗なくより高次の不安場面への曝露が可能となった.3ケ月にわたる組合せ療法により, 広場恐怖が解消し, 復職が可能となった.この症例にみられる結果は, 従来の方法ではその解消が困難な場合が多々ある広場恐怖の治療において, 現実的脱感作とマルチフィードバック療法の組合せが有効であることを示唆するものである.今後さらに症例を重ねて検討していきたい.
著者
志和 資朗 松田 俊 佐々木 実
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.75-86, 2004-09-30 (Released:2019-04-06)

本研究では、EMDRによって不快な記憶が脱感作されるかを、精神生理学的な指標であるP3を用いて検討した。本研究の被験者は41名(女性26名、男性15名)である。まず、重度に不快な記憶をもつ31名の大学生の被験者を3つの群に割り当てた;EMDR群(n=10)では不快な記憶を想起しながら眼球運動を行い、Image群(n=10)では視覚刺激を凝視しながら不快な記憶の想起を行い、 EM群(n=11)では眼球運動のみ行った。軽度に不快な記憶をもつ10名の大学生の被験者を低SUDS(主観的障害尺度)群に割り当て、軽度に不快な記憶を想起しながら眼球運動を行わせた。本実験では、不快な記憶に関連する人物の姓(関連刺激)を刺激に用いて脳波の測定を行った。脳波の測定回数は2回で、眼球運動あるいは視覚刺激を凝視した前後に行った。関連刺激に対して生起したP3の振幅を、眼球運動あるいは視覚刺激を凝視した前後で比較した。実験の結果、EMDR群のP3振幅が有意に低下していた。また、SUDSの値は、 EMDR群と低SUDS群で低下した。この結果は、 EMDRの有効性を示すものといえる。
著者
松田 俊道
出版者
中央大学文学部
雑誌
文学部紀要 史学 (ISSN:05296803)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.171-188, 2020-03-10
著者
平田 史哉 稲垣 郁哉 小関 博久 財前 知典 関口 剛 大屋 隆章 多米 一矢 松田 俊彦 平山 哲郎 川崎 智子
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.31, 2012

【目的】<BR>臨床において明らかな外傷がないにも関わらず手関節痛をきたし,日常生活を大きく制限されている症例を多く見受ける.これらの症例の特徴として安静時に尺屈位を呈していることが多い.尺屈の主動作筋である尺側手根屈筋は豆状骨を介し小指外転筋との連結が確認でき,双方の筋が機能的に協調することは既知である.小指外転筋は小指外転運動や対立機能,手指巧緻動作に関与し,筋出力低下に伴い手関節周囲筋群の筋バランスの破綻に繋がると考える.そこで尺側手根屈筋との連結がみられる小指外転筋の筋出力低下を,尺屈位で補償し小指外転筋機能を代償しているのではないかと仮説を立てた.そこで本研究では手関節を中間位,尺屈位の二条件にて,各肢位の小指外転運動(以下AD)時における小指外転筋及び手関節尺側筋活動の違いについて表面筋電図を用いて比較検討した.<BR>【方法】<BR>対象はヘルシンキ宣言に沿った説明と同意を得た健常成人6名12手であった(男性5名,女性1名:平均年齢28.6&plusmn;3.77歳).測定肢位は端座位とし,上肢下垂,肘関節90度屈曲,前腕回外位にて計測した.前腕を台に置き,他動的に中間位,尺屈位を設定し各肢位でADを行った.尺屈位は手関節掌背屈が出現しない最大尺屈位と規定した.被検筋は小指外転筋(以下ADM),尺側手根伸筋(以下ECU),尺側手根屈筋(以下FCU)とした.各被検筋に対して5秒間の最大等尺性随意収縮を行い,安定した2秒間の筋電積分値(以下IEMG)を基準として各筋におけるAD時の%IEMGを算出した. 統計処理には,対応のあるt検定を用い,中間位,尺屈位における各筋のAD時の%IEMGに対して比較検討を行った. なお有意確率は5%とした.<BR>【結果】<BR>尺屈位においてADM,ECUの活動に有意な増加を認めた(ADM:p<0.01 ECU :p<0.01).しかし,同肢位ではFCUの活動に有意な増加は認められなかった.<BR>【考察】<BR>本研究によりFCUの活動増加を伴わない手関節尺屈位においてADMの活動が有意に増加することが示唆された.ADMは豆状骨から起始し,近位手根骨列と機能的に協調する.手関節尺屈位において,豆状骨は三角骨と共に橈側へ滑り,かつ尺側近位へひかれる.これにより豆状骨の腹側部に起始するADMは中枢へ牽引され筋張力により豆状骨が安定し,ADMの筋活動が向上したと考える.これらのことから日常生活を尺屈位で過ごすことでADMの筋出力を補償しうる可能性があるのではないか.<BR>【まとめ】<BR>手関節尺屈位が手関節筋群に影響を与えることが示唆された.ADM筋出力低下は,代償的な手関節尺屈位をもたらし,手関節構成体にメカニカルストレスを与える可能性が示唆された.また肘関節,肩関節への影響も考慮した追加研究を行う.
著者
野田 雅博 松田 俊二 小林 正夫
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.664-669, 2000-08-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

陽イオン界面活性剤系, 両性界面活性剤系, ビグアナイド系, アルデヒド系およびハロゲン系の計5種の消毒剤の殺ウイルス効果を, DNAウイルスのヒトヘルペスウイルス, ヒトアデノウイルス, ブタパルボウイルスの3種およびRNAウイルスのウシラブドウイルス, ヒト免疫不全ウイルス, ポリオウイルスの3種を用い, 血清蛋白質の非混在および混在の条件下で検討した. アルデヒド系およびハロゲン系の消毒剤はすべてのウイルスに対して有効であったが, 陽イオン界面活性剤系, 両性界面活性剤系, ビグアナイド系消毒剤はエンベロープを有するウイルスに対してのみ有効であった. 血清蛋白質の混在は, 陽イオン界面活性剤系, 両性界面活性剤系消毒剤の殺ウイルス効果に強く影響した.
著者
松田 俊寛 吉田 正尭 穗刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.921-924, 2009-11-01
参考文献数
3

耳栓型,イントラコンカ型,耳覆い型の代表的な3種類のイヤホンの体温によるインピーダンス特性と外耳道伝達関数(ECTF)の周波数振幅特性の変動について検討した.その結果,インピーダンスの上昇率は3%以内であり,ECTFのSD(スペクトルひずみ)値は2.0dB以下であった.そして,このSD値と先行研究の結果を比較し,本測定で得られた装着時のECTF変動による水平面の頭外音像定位の精度に与える影響を考察した.
著者
河尻 寛之 青木 功介 松田 俊寛 中野 愼夫
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011-EC-20, no.19, pp.1-6, 2011-05-06

動物園や植物園では入園者数の減少が問題となっており、動植物への興味が増すようなITサービスの導入が進められている.近年 GPS 機能のついたスマートフォンなどの小型端末が普及してきており、位置情報を利用した情報サービスが増加している.本報告では動物園のような園内において活用するための、局所的なナビゲーションシステムの機能と実証実験結果を述べる.
著者
瀬戸 邦弘 林 勝龍 松田 俊介
出版者
日本生活学会
雑誌
生活學論叢
巻号頁・発行日
vol.19, pp.3-12, 2011

There are three theme parks presenting the indigenous culture in Taiwan. Among them is Taiwan Indigenous Peoples Culture Park, which was established in 1976 and has been administrated by the Council of Indigenous Peoples, Executive Yuan since 2002. Analyzing the case of this park, this paper examines the functions of public theme parks and the represented ethnic groups in conservation of the indigenous culture and the development of tourism. The main findings from the analysis are: 1) intangible culture such as the lifestyle, custom, and art, as well as tangible culture, is represented in archives through symbolization, electronization and embedding staffs body, 2) the staff are required to be fully equipped with knowledge on the culture of the 14 tribes through training, 3) presenting the physical aspects of the indigenous culture through the 'participative attractions' such as 'ball spiking' and 'shooting', this park adapts the display method employed in 'ethnological exhibit' functions. These observations imply the role of public theme parks as a significant form of ethnic tourism in generating a new public image on 'unity' among indigenous ethnic groups and their 'integration' into the country.
著者
戸島 洋一 服部 万里子 坂本 拓也 松田 俊之 熊澤 美紀子 遠藤 洋子 山本 武史
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.161-166, 2011 (Released:2011-08-05)
参考文献数
8

アンチバイオグラム(抗菌薬感性率一覧表)は各施設や地域で分離される病原細菌の抗菌薬感受性を累積して示したレポートであり,感染症のエンピリック治療を開始する際の重要な情報源である.通常一定期間に院内で分離された菌はまとめて集計されるが,菌種によっては診療科や検体種類によって感受性に大きな違いが存在する可能性がある.今回われわれは,分離数が多く,耐性菌が治療上問題となりやすい緑膿菌について,診療科間,検体種類間,外来・入院間での13種類の抗菌薬の感性率の差について検討した.2009年に分離された緑膿菌株数(1人1株)は369株(外来患者から83株,入院患者から286株)で,30株以上検出された診療科は5科であった.5診療科間で抗菌薬の感性率に有意な差が認められた抗菌薬は3剤であったが,4つの検体種類間(呼吸器・泌尿器・消化器・膿浸出液)では13種類中11の抗菌薬で有意な差が認められた.呼吸器検体,膿浸出液検体の感性率が高く,泌尿器検体,便検体の感性率が低かった.外来・入院間ではすべての抗菌薬の感性率が入院由来株で低かった.尿路由来検体と呼吸器由来検体の緑膿菌の感性率の違いは大きいため,治療に当たる際は検体種類別に層別化されたアンチバイオグラムが有用であると考えられた.また診療科間の感性率の差は主に検体種類の差によるものであり,診療科別アンチバイオグラムの必要性は低いと考えられた.