著者
佐々木 直亮
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.954-963, 1990
被引用文献数
1

Prospective epidemiological studies of blood pressure in a high-salt population in northeastern Japan were investigated along with dietary habits such as miso soup, rice, apple, fish, milk and sake consumption as well as smoking habits.<br>Blood pressures of the populations in 3 villages were determined once or twice a year by mass surveys from 1954, 1957 or 1958 through 1975. The means and transitions of the personal blood pressure were calculated by regression analysis of the data obtained during each entire period.<br>The number of persons was 1127 males and 1369 females and the response rate was 98.7 percent. The average number of times of determination of blood pressure for a person was 12.9.<br>Stepwise multiple regression analyses were run with the means and transitions of systolic and diastolic blood pressure as the dependent variables and the life styles of the population in 1958 as an independent variable based on data of persons whose blood pressures were determined 5 or more times during the entire period. According to the backward stepwise method this study confirmed the positive relationship of age and sake drinking and the negative relationship of apple eating habits to blood pressure.
著者
林 麻子 早坂 格 鈴木 秀久 小林 徳雄 佐々木 聡
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.82-87, 2013-04-15 (Released:2013-10-15)
参考文献数
13
被引用文献数
1

漢方薬の関与が考えられた薬剤性膀胱炎の2例を経験した。症例1は6歳女児。原因不明の肉眼的血尿と頻尿にて当科受診,検尿にて高度蛋白尿が認められた。MRIを含む画像検査にて一部隆起性の膀胱壁肥厚,粘膜肥厚がみられ腫瘍性病変との鑑別を要した。症例2は11歳女児で,2か月間続く血尿と蛋白尿,無菌性膿尿のため当科紹介受診となった。超音波検査にて膀胱壁肥厚を認めた。症例1は柴胡加竜骨牡蠣湯エキスを約3年前から,症例2は温清飲を約1年前から内服しており,両者とも薬剤中止により膀胱炎症状が徐々に改善し,画像検査所見も正常化した。薬剤性膀胱炎は多彩な臨床症状を呈し得る疾患であり,時に画像検査上,腫瘍病変と類似した膀胱の形態異常を示すことがあり,その診断,治療に際して十分に留意すべきであると思われた。
著者
佐々木 誉詩子 内 博史 古江 増隆
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.459-462, 2017-10-01 (Released:2017-11-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

29 歳,女性。初診 13 日前に両側腹部脂肪吸引術を受けた。初診 4 日前に発熱,両側腹部の発赤で蜂窩織炎と診断された。初診 3 日前に同部位に水疱が出現し急激に拡大した。初診前日,咳嗽が出現し,当日,呼吸困難感を訴え,肺塞栓症疑いで当院に救急搬送となった。初診時,バイタルサインの異常と両側腹部に手拳大の壊死組織を認めた。血液検査では白血球・CRP 上昇,Hb 低下,凝固異常などがみられた。心エコーで肺動脈が拡張していたが CT で明らかな血栓はなく,経過からは脂肪塞栓による肺塞栓症と考えた。敗血症性ショックを疑い腹部の緊急デブリードマンを行ったが,塗抹・培養とも菌は検出されなかった。肺高血圧は軽減し経過観察していたが,その後急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) を発症し,凝固障害とともに治療し軽快した。脂肪塞栓症候群は脂肪吸引術後にもまれに起こる重大な合併症であり,処置後の患者は注意深く観察し,発症の際は速やかな診断・治療が必要となる。
著者
田中 弥 大沼 かおり 三瓶 真菜 佐々木 一謹 山本 博之
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第42回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.1P04, 2019 (Released:2019-10-22)
参考文献数
4

本プロジェクトでは、メタボローム解析においてしばしば問題となる未知化合物の構造推定に、2種の独立したアプローチで取り組んだ。一方は一般的に用いられるタンデム質量分析 (MS/MS) を用いた推定であり、もう一方は代謝に基づく発表者ら独自の推定である。これにより十種程度の未知化合物の同定に成功してきたが、それには一方の手法がより良い推定を示したものも、両方の手法にて有力候補となったものも含まれていた。置換基の位置のようにMS/MSでは得にくい情報も、前駆体探索により構造推定に取り組むことができた。一方で、前駆体探索が困難な構造の化合物では、MS/MS による推定がより有力であることが考えられる。独立した2手法を用いることでそれぞれが得意な推定対象を補完しあい、また両手法の結果の組み合わせからより精度の高い推定を導くことが可能となった。
著者
佐々木春隆
出版者
原書房
巻号頁・発行日
1976
著者
佐々木 康
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.553-557, 1994 (Released:2007-07-09)
参考文献数
23
被引用文献数
1
著者
佐々木 宣介 飯田 弘之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.2990-2997, 2002-10-15

本研究では,ゲームのルール変遷の根底にあるゲームの性質の変化に着目し,将棋の歴史的変種を比較する.最初に,ゲームの性質に関する比較を行うための2つの指標を提案する.これらの指標はそれぞれ,ゲームの面白さとゲームの決定複雑性を表すもので,平均可能手数,平均終了手数に基づいて算出される.すでに廃れてしまった将棋種に関しては,コンピュータプレイヤを用意し,それらのデータを採取した.本研究で用いたコンピュータプログラムは駒価値をベースにした評価関数を持ち,先読み探索を行う.各将棋種に対して駒価値を自動学習するために,Temporal Difference学習法を適用した自動対戦の実験を行い,各将棋種に対するデータを採取し,比較を行った.重要な知見として,大駒付加よりも持ち駒使用ルールがルール変遷の過程でより大きなインパクトを与えていること,そして,あまり難しくなりすぎないようにルールが洗練されてきたことが分かった.
著者
佐々木 勝浩
出版者
国立科学博物館
雑誌
Bulletin of the National Science Museum. Series E, Physical sciences & engineering (ISSN:03878511)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.31-40, 1981

The Foucault's Pendulum in the National Science Museum was replaced by a new improved model in January-April 1981. Before that, some theoretical investigation and experiments, such as measurements of the damping rate and elliptical motion were carried out. We have compared two kinds of suspension. One is the "bolt type" in which the upper end of the wire is simply fixed by a bolt. Another is the "knife edge type" in which the wire is suspended by a ring equipped with double knife edges. The measurements of both the damping rate and the elliptical motion of the pendulum showed that the knife edge type is slightly better. In consideration of the result of the experiments, the bob and the wire changed in size and material, and the suspension ring was improved. The length of the new pendulum is 1950 cm, about 50 cm than before, and the new bob was made of stainless steel instead of lead. Stainless steel is less dense than lead but it is more suitable for the precise shaping and fine finish. The new bob is 23 cm in diameter, 3 cm longer than the old one. The writer designed a new suspension ring to increase the rigidity as shown in Figure 4. The formance of new pendulum is almost satisfactory but no remarkable decrease of damping rate and elliptical motion were observed.
著者
濱上 陽平 本田 祐一郎 片岡 英樹 佐々部 陵 後藤 響 福島 卓矢 大賀 智史 近藤 康隆 佐々木 遼 田中 なつみ 坂本 淳哉 中野 治郎 沖田 実
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0076, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】線維筋痛症は全身の激しい痛みと軟部組織のこわばりによって特徴づけられる難治性の慢性疾患であり,本邦における推定患者数は200万人以上といわれている。線維筋痛症に対する理学療法アプローチとしては,運動療法に加えて鎮痛を目的とした各種の物理療法が行われているが,線維筋痛症の原因・病態が明らかにされていないがゆえに,物理療法に効果があるのか否かは未だ議論が続いており,エビデンスも示されていない。そこで今回,これまでに発表された線維筋痛症に対する物理療法の効果を検証したランダム化比較試験(Randomized controlled trial;RCT)を検索し,メタアナリシスを行ったので報告する。【方法】医学文献データベース(Medline,CINAHL Plus,Pedro;1988年~2016年8月に発表されたもの)に収録された学術論文の中から,線維筋痛症に対する物理療法の効果を検証した論文を系統的に検索・抽出した。その中から,ヒトを対象としたもの,研究デザインがRCTであるもの,アウトカムとして痛みの程度(VSA),圧痛箇所数(Tender point),線維筋痛症質問票(Fibromyalgia Impact Questionnaire;FIQ)のいずれかを用いているもの,結果の数値が記載されているもの,適切な対照群が設定されているもの,言語が英語であるものを採用し,固定効果モデルのメタアナリシスにて統合した。なお,有意水準は5%未満とし,採用したRCT論文はPEDroスコアを用いて質の評価を行った。【結果】抽出された227編の論文のうち,採用条件のすべてを満たした論文は11編であり,PEDroスコアは平均5.82ポイントであった。検証された物理療法の内訳は,低出力レーザーが5編で最も多く,全身温熱療法が4編,電気刺激療法が1編,磁気刺激療法が1編であった。次に,メタアナリシスにおいて,物理療法による介入の有無によって痛み(VAS)の変化を比較した結果,低出力レーザー,全身温熱療法,電気刺激療法,磁気刺激療法のすべてで有意差を認め,効果が確認された。同様に,圧痛箇所数およびFIQの変化を比較した結果,低出力レーザーと全身温熱療法で有意差を認め,効果が確認された。なお,採用した論文の中に電気刺激療法,磁気刺激療法の効果を圧痛箇所数およびFIQで検証したものはなかった。【結論】今回の結果,低出力レーザー,全身温熱療法,電気刺激療法,磁気刺激療法のすべてにおいて線維筋痛症の痛みに対する効果が確認された。採用論文は多くはないが,線維筋痛症に対する物理療法の効果をメタアナリシスで検証した研究は国内外で他に見あたらず,本研究の結果は物理療法のエビデンスの確立に寄与するものと思われる。ただ,電気刺激療法と磁気刺激療法に関しては採用した論文はそれぞれ1編であったため,エビデンスが示されたとは言い難く,今後さらにRCTの発表と蓄積が求められる。
著者
鈴木 将文 佐々木 守 菊池 浩司
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.207-218, 2018 (Released:2019-03-03)
参考文献数
17

We converted the measured values to the measurement value of 1 m height obtained by the calibrated survey meter by using the regression of the car-borne survey measurements on existing survey meter measurements of the absorbed dose rate in air. Detailed investigation was conducted for all factors considered to potentially influence the measured value. The equation made by these factors was nearly accordance with this regression. The result of converting the measurement results into the survey meter measurement value was 22-111 nGy h-1. Comparing the distribution map of environmental gamma-ray dose rate by car-borne survey with a geological map shows that the area with high gamma-ray dose rate coincides well with areas of Granitoid, Paleogene system and Tertiary Volcanic Rocks. The area with low gamma-ray dose rate coincides with areas of Quaternary Volcanic Rocks and their surroundings. The source of these rocks is considered to be volcanic ejecta. The annual effective dose from the geometric mean value in Aomori prefecture was estimated to be about 0.21 mSv y-1. This value is lower than the annual external dose that would be obtained by exposure to the average terrestrial gamma-ray dose rate in Japan.
著者
大島 令子 佐々木 隆士 秦 信輔 島野 高志
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.830-834, 2009-08-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
9

【目的】肛門周囲膿瘍(以下本症)に対する十全大補湯投与の効果につき,後方視的に検討した.【方法】2001年11月より2005年12月の間に外来を受診した本症患児に,切開・排膿による局所処置を主とする従来の治療に加えて十全大補湯を投与した(投与群,n=61).これらの症例における治療期間,治癒までの外来受診回数,再発率,手術移行件数について,それ以前の期間(1998年1月から2001年10月)に従来の治療のみを行って治療した症例(非投与群,n=44)とで比較した.【結果】両群間で男女比,初診時月齢に有意差を認めなかった.治療期間は非投与群:投与群=1.4±1.6:2.1±2.2か月と有意に非投与群で短かった(p<0.05).治癒までの外来受診回数(6.76±5.06回:6.51±3.68回),再発率(7/44例(15.9%):7/61例(11.5%))には有意差を認めなかった.一方保存的治療に抵抗し手術を行った件数は,非投与群で9/44例認めたのに対し,投与群では0例であった(p<0.01).また,2か月以上の長期に治療を要した症例(非投与群17例,投与群35例)に限って月平均の外来受診回数をみると,4.4±2.0:2.7±0.8回で有意に投与群が少なかった.【結語】肛門周囲膿瘍に対し,十全大補湯投与による明らかな治療期間の短縮,外来受診回数の減少,再発率の低下は認められなかったが,慢性化症例に関しては,外来受診回数が減少し,手術に至る症例がなくなるなどの効果が期待されることが示唆された.