著者
大川原 舞 山口 裕之 上田 幹也 前田 高宏
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.195-199, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
8

症例1 は39 歳男性,作業中に突然の後頸部痛で発症した右椎骨動脈解離.約1 カ月間で疼痛・解離ともに軽快したが,6 カ月後に再度後頭部痛があり右椎骨動脈解離部が紡錘状に拡張しており,急激に増大していくため破裂予防のために親動脈閉塞術を行った.症例2 は48 歳男性.突然発症の左耳の奥の痛みあり,左椎骨動脈に紡錘状拡張が認められ解離性動脈瘤と診断し降圧治療を行った.1 度は疼痛が改善したが,左耳の奥の痛みが8 カ月にわたり断続的に繰り返され,徐々に動脈瘤の増大が認められたためステント併用動脈瘤塞栓術を行った.椎骨動脈解離に伴う疼痛が慢性期にも持続する場合は解離性動脈瘤の増大を示唆している可能性があり,厳重な経過観察を要すると思われた.
著者
佐藤 幹夫 前川 竜男 奥田 義久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.102, no.11, pp.959-971, 1996-11
参考文献数
74
被引用文献数
19
著者
前田 聽瑞
出版者
佛教専門學校出版部
雑誌
摩訶衍
巻号頁・発行日
no.11, pp.106-108, 1932-04-07
著者
前田鹿之助 編
出版者
加島屋
巻号頁・発行日
vol.花上野誉石碑志度寺段, 1913
著者
杉浦 むつみ 大前 由紀雄 新名 理恵 池田 稔
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.103, no.8, pp.922-927, 2000-08-20
参考文献数
12
被引用文献数
4 1

難聴の高齢者を対象に補聴器装着前後における心理的ストレスの評価を行った.対象は,難聴を主訴に東京都老人医療センター耳鼻咽喉科を受診した患者のうち,補聴器の装着が適切であると判断された31例(男性11例,女性20例,年齢80.4&plusmn;5.3歳,66~89歳)である.補聴器装着前後に聴こえに対する自己評価と,新名の心理的ストレス反応尺度のうち情動18項目(うつ&bull;不安&bull;怒り)について質問した.その結果,患者の聴こえに対する自己評価は,装着後に有意(p<0.001)な改善を認めた.また情動18項目(うつ,不安,怒り)における心理的ストレス反応は,うつ,不安,怒りのいずれも有意(p<0.001)な減少を認めた.特にうつについてはストレス反応スコアの減少が著明であった.従って,補聴器の装着は,聴力の改善によるコミュニケーション能力の向上だけでなく,高齢者の心理面にも良い影響を及ほしたと考えられた.精神科領域では老年期にみられる痴呆とうつ状態は相互に影響しあい,互いに移行することが指摘されており,高齢者の心理面より,うつ,不安等の心理的ストレス反応を減少させることは,老年期うつ病の発症や,老年期痴呆への移行を二次的に予防することにもつながる可能性が考えられた.また聴覚障害が痴呆や認知障害の進行や重症度に影響する可能性も指摘されており,補聴器装着による聴力の改善は,痴呆や認知障害の進行を抑制するという観点からも有用であると考えられた.
著者
前田 拓志 藁谷 哲也
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<b>1</b><b>.目的</b> <br> 新第三紀から第四紀の堆積岩を基盤に持つ,房総半島および新潟県中越地域の河川において,近世以降人為的な蛇行切断が行われてきた.これらは,房総半島では「川廻し」,中越地域では「瀬替え」と呼称され,一般に蛇行頚状部を掘削して新たに直線的な流路をつける(曲流短絡する)ことで,廃棄河道を新田として開発する目的で行われた.曲流短絡による一連の地形(以下,曲流短絡地形)には以下のような特徴があると考えた.①切断された流路(旧流路)は,無能河川となり,その後下刻作用を受けない.つまり,旧流路の河床面(旧河床面)は短絡以前の地形面を保存している.②一方,旧河床面と対比される(かつて連続していた)現河床面は,その後も下刻作用を受ける.つまり,現河床面と旧河床面の比高を,曲流短絡以降の下刻による河床の低下量とみなすことができる.また,短絡以降の時間は,下刻作用継続期間とみなすことができる.そこで本研究では,現・旧河床面における比高を<i>H</i> ,下刻作用継続時間を<i>T</i>として,短絡以降の平均下刻速度<i>H/T</i>を求め,さらにそれを制約する要素を検討した. &nbsp; <br> <b>2</b><b>.研究方法</b> <br> 既存文献および史料より,房総丘陵と魚沼丘陵から流路の短絡時期が推定できた7地点を研究対象として選定した. 7地点はいずれも,おもに受食性の大きい新第三系の泥岩を基盤に持つ渓流部である.それぞれの地点において,現地調査のもと現・旧河床面の比高を測量した.また,下刻速度を制約する変数を考察するために河床勾配,流域面積,年降水量の情報を取得した.一方,河床を構成する岩石の力学的強度を求めるために,シュミットハンマーKS型を用いて反発強度を測定するとともに,岩石試料をもとに圧裂引張強度を測定した. &nbsp; <br> <b>3</b><b>.結果と考察</b> <br> 現・旧河床面の比高および下刻作用継続時間は,それぞれ0.11~2.05m,103~235年間であることがわかり,平均下刻速度1.08~15.89mm/yが得られた.下刻速度は,河床を構成する岩石の抵抗力<i>R</i>に対する下刻侵食力<i>F</i>の比に制約を受けると考えられる.そこでまず,下刻侵食力<i>F</i>と侵食に対する抵抗力<i>R</i>の変数について検討した.下刻侵食力<i>F</i>は,流水が河床底面にあたえる力,すなわち流体の強さである掃流力として表すことができると考えられる.掃流力は,水深,河床勾配および流体の密度に比例して増大する.入手できた変数を用いて下刻侵食力<i>F</i>を以下のように考えた. <br> <i>F</i> &prop;(&gamma;,<i>A</i>,<i>P</i>,tan&theta;,<i>W<sup> </sup></i><sup>-1</sup>) <br> ここで,&gamma;:流水の単位体積重量(9810N/m<sup>3</sup>と仮定),<i>A</i>:流域面積,<i>P</i>:年間降水量,tan&theta;:河床勾配,<i>W</i>:河床幅員である.一方,侵食に対する抵抗力<i>R</i>は,河床を構成する岩石の力学的強度によって表すことができると考えられる.流水によって,岩盤には河床に沿ってせん断力が作用する.したがって,侵食に対する抵抗力<i>R</i>は,河床を構成する岩石のせん断強度(<i>S</i><sub>s</sub>)によって次のように表すことができると考えた. <br> <i>R</i> &prop;<i>S</i><sub>s</sub> <br>以上を整理すると,基盤岩石の抵抗力<i>R</i>に対する下刻侵食力<i>F</i>の比を表す変数が,以下に示す速度の次元をもつ指標(<i>F/R</i> index)として表される. <br> <i>F/R </i>= &gamma;<i>A P</i> tan&theta; <i>W </i><sup>-1</sup> <i>S</i><sub>s</sub><sup>-1</sup> <br>それぞれの地点について<i>F/R</i> index値を計算し,下刻速度との関係を分析した.その結果,短絡区間の上流側では下刻速度と<i>F/R</i> indexとの間に関係性が認められないのに対して,下流側では両者の間に高い相関(r=0.92)が認められた.これは,短絡区間の上流側と下流側の地形条件の違いが,下刻速度に影響を与えたと推察される.曲流を短絡しているので短絡区間の河床勾配は,その前後の河床勾配に比べて大きくなり,遷急区間となる.したがって,短絡の下流側の下刻速度は,この遷急区間の河床勾配が優位に作用していることが示唆された.
著者
寺本 英央 定免 良太 田中 文明 池田 充貴 桐生 倖成 松下 幹弥 前中 寛裕 代 盼 陆 书龙 内田 史朗
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.8-11, 2018-04-01 (Released:2018-04-06)
参考文献数
6

L-SSPSにおける光電変換効率の向上を目的として,太陽電池に入射するレーザ光の波長依存性の検討を行った.バンドギャップエネルギーの異なるInGaP,GaAs,InGaAsP,InGaAsの4つの単セル太陽電池と,それぞれのバンドギャップに対応した異なる波長の半導体レーザを複数用意し,その変換効率を調べた.その結果,いずれの太陽電池でもバンドギャップエネルギーよりも約100meV高いレーザ光を照射した時に最も変換効率が高くなることが分かった.