著者
加藤 はる 加藤 直樹 渡辺 邦友 上野 一惠 坂田 葉子 藤田 晃三
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.12-17, 1995-10-20
参考文献数
14

3回の再発が認められた11歳の<I>Clostridium difficile</I>性腸炎例の計4回のエピソードにおける<I>C.difficile</I>分離株について, ウェスタンプロッティング (WB), パルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE), およびpolymerase chain reaction (PCR) によるタイピングを用いて検討した.エピソード2の際の分離株はどの3つのタイピング法を用いてもエピソード1の際の分離株と同じタイプであり, エピソード2はエピソード1と同じ株による再燃と考えられた.しかし, エピソード3の際の分離株は3つのタイピング法でエピソード1および2の分離株と異なるタイプを示したことから, 新しい菌株による再感染であると考えられた.エピソード4の際に分離された菌株はWBタイピングではエピソード1と2の際に分離された菌株と異なり, さらにエピソード3からの分離株とも異なるタイプであった.しかし, エピソード4からの菌株はPFGEタイピングでは細菌のDNAが抽出過程で破壊されタイピングができず, PCRタイピングではエピソード1および2からの分離株とはminor bandに違いが認められたのみで, エピソード1と2の分離株と同じタイプに分類された.これらのことからエピソード4はさらに新しい菌株による感染と考えられた.Cd顔ae起因性腸炎では治療にいったん反応しても, 再発が多いことが治療上大きな問題となっている.タイピング法は, このような再発が同じ菌株による再燃なのか, 新しい菌株による再感染なのかの検討を可能にし, <I>C.difficile</I>感染の治療や予防を行ううえで非常に有用であると考えられた.
著者
加藤 直樹 箱崎 浩平 田靡 雅基 古山 純子 里 雄二 青木 義満
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.1117-1124, 2017-12-05 (Released:2017-12-05)
参考文献数
25

This paper proposes a novel approach for video-based person re-identification that exploits deep convolutional neural networks to learn the similarity of persons observed from video camera. By Convolutional Neural Networks (CNN), each video sequence of a person is mapped to a Euclidean space where distances between feature embeddings directly correspond to measures of person similarity. By improved parameter learning method called Entire Triplet Loss, all possible triplets in the mini-batch are taken into account to update network parameters at once. This simple change of parameter updating method significantly improves network training, enabling the embeddings to be further discriminative. Experimental results show that proposed model achieves new state of the art identification rate on iLIDS-VID dataset and PRID-2011 dataset with 78.3%, 83.9% at rank 1, respectively.
著者
水落 円香 小林 信輔 比留間 雄大 加藤 直樹
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-134, no.11, pp.1-8, 2016-02-27

今日の学校現場では,電子黒板が普及し,黒板と共にある環境が増えてきており,黒板と電子黒板の特徴を踏まえて,どのように使うかが重要になっている.本稿では,黒板と電子黒板を組み合わせることで児童生徒の主体的な学びを支援することを目的に行った,黒板に板書された情報の電子黒板への複製・表示,電子黒板上の表示情報の黒板上への表示を可能にするシステムの提案と開発について述べる.
著者
横山 隆光 加藤 直樹 日比 光治 興戸 律子 山崎 宣次 及川 浩和
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.29, pp.234-237, 2013-11-09

小中学校教職員を対象に個人情報保護と著作権の取り扱いに係る調査を行った.その結果正答率が低い項目があることが分かり,2010〜2011年度の調査と同様な傾向となっていた.職員会等や研修で取り上げた内容の正答率は高くなっていた.小学校教職員と中学校教職員とで有意な差がある項目があることも明らかになった.
著者
岩田 陽子 加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CE,[コンピュータと教育] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.33-40, 2002-12-13
参考文献数
5
被引用文献数
7 7

本稿では,遠隔地の生徒が電子ペンまたはタブレットPCを使って,先生が板書を行う電子白板と共有している描写画面に書き込みを行うことができるリアルタイムの遠隔授業システムについて述べる.遠隔地の生徒のディスプレイ上では,先生の代わりに先生用アバタを表示する.また,遠隔地の生徒が書き込みを行っているときには,電子白板と遠隔地の他生徒のディスプレイ上に生徒用アバタを表示する.これらのアバタにより,生徒の注意を筆記動作に向けさせることができる.遠隔地の生徒が筆記内容を電子白板側に送り,アバタによって授業に参加できることは,このシステムを使用した人達から好評を得た.今後の課題としては,実際の教育現場で評価を行う必要がある.
著者
大塚 基 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.16, pp.94-97, 2000-11-11

可児市では「しなやかで魅力あふれる情報交流都市」という地域像を実現するために市民主体の情報環境の整備に取り組んでいる.そのための一つのコミュニケーションツールとして,ケーブルテレビを光・同軸ハイブリットとし,市全域を網羅した双方向ネットワーク(コミュニティネットかに)を構築している.このネットワークを活用することで,小中学校と教育研究所,社会教育関係の施設,その他市内の公共施設・機関などが連携し,情報交流を行いながら地域社会の中で学校教育を推進していくことが求められている.小学校における授業実践事例をもとに,学習指導における地域の通信ネットワークの利用方法や授業構成のあり方等について提案する.
著者
松田 大佑 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.304-305, 2011-08-20

高等学校教科情報の授業において,作品制作の場面を中心に課題の遂行可能性が向上する授業を実施した.教科の目標に従い,生徒が学習に能動的に関与するには,目標達成を見通す力を育てる必要があり,自己効力感を高める取り組みが必要不可欠であると考える.そこで,情報の実技指導における自己効力感の向上を狙った授業実践の報告と,自己効力感が向上する過程を検討する.
著者
加藤 直樹 田中 宏 中川 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.203-212, 2001-02-01
参考文献数
9
被引用文献数
7

本論文は, 手書きメッセージの読み書き, 送受信, 重ね書き, 筆記者・筆記時刻確認, 筆記再生などの機能を有する手書き電子メール環境について述べる. 我々は, 初心者にも自然な手書きをUIに採用し, 簡単に表現豊かなメッセージをインターネット上で送受信できるシステムを実現した.本システムは手書きメッセージが送受信できる点で, 近年急成長している携帯型情報通信端末に先行するものである.更に, 手書きの筆跡や図形, コード文字を表現できるように提案したフォーマットHandsDrawに従い, 手書きのメッセージを読み書き, 送受信する機能はもちろん, 受信メールへの上書き, 筆記者・筆記時刻確認機能, そして, 筆記再生機能を提供する.対話技法としては, ペン入力の良さを生かした囲み選択と, ペン入力の弱点を解決したボタンインタフェースを採用した.本システムを実際に使用してもらった上でアンケート調査を行い, また, 2年半にわたるインターネットでの公開や研究室内での使用によって多くの意見を収集した.その結果, 提供するすべてに機能に対して総じて肯定的な意見が得られた.その一方で, 手書きの文字をそのまま送りたくないとの意見も得られ, 文字認識機能の必要性が示された.
著者
田中 和子 加藤 直樹 安達 一寿 江口 愛子 森 未知
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.3-12, 2003-03-31

国立女性教育会館(以下会館)では,2000年から2002年にかけて,女性教育に関するナショナルセンターとして,男女共同参画社会の実現に向け,女性情報関連語の新しい概念構造を体系化し,それに基づいてシソーラスを開発するための調査研究を行った.そこでは,女性情報の新たな段階に対応するシソーラスの枠組み・内容の見直しとともに,情報通信ネットワークを活用した継続的な改訂作業や既存データベースにおけるシソーラスの活用機能を検討し,シソーラス編集システム及びデータベース検索のためのシソーラス参照機能を開発した.その結果,ネットワークシステム上でのシソーラス共有が可能となり関係機関が保有する個別データベースシステムの組織化が検討可能になった.
著者
加藤 直樹 田中 和子 安達 一寿 江口 愛子 森 未知
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.18, pp.302-303, 2002-08-31

国立女性教育会館では, 2000年から2002年にかけて女性情報教育シソーラスの改訂を行った。改訂に伴い, 情報通信ネットワークを活用した継続的な改訂作業や既存データベースにおけるシソーラス活用機能を検討し, シソーラス編集システム及びデータベース検索のためのシソーラス参照機能を開発した。その結果, ネットワーク上でのシソーラス共有が可能となり関係機関が保有する個別データベースシステムの組織化が検討可能となった。
著者
坂東 宏和 加藤 直樹 新藤 茂
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.11, pp.1-5, 2013-03-08

本稿では,教育の情報化を実践できる教員の養成を目的とし,教育実習におけるICT活用と情報教育の実践を教員養成の重要な要素と位置づけた,東京学芸大学における教員養成の現状について報告する.教育の情報化に対応した教育実習を行うには,指導を担当する現場の教員が,日常的にICTを活用した授業を行い,ICT活用と情報教育の実践力および指導力を身に付ける必要がある.そこで本稿では,東京学芸大学附属小金井小学校の電子黒板を中心としたICT環境とそれらを活用した授業の現状について述べた上で,電子黒板を活用した教育実習の取り組みの状況について報告する.This study purposes to train university students as teachers playing a part in introducing ICT to the field of education. For this purpose, utilization of ICT in teaching practice is considered as a critical element. In order to realize practical teacher training using ICT, the schoolteachers, performing advisor role in teaching practice in the schools, must actively engage in the routine use of computers in everyday school hours, and must have command of computers ordinarily. This paper makes a report of the current state of the ICT environment in school hours centered on the electronic whiteboards in Tokyo Gakugei University Koganei Elementary School, and also describes about teaching practice situation exploiting use of the electronic whiteboards.
著者
木村 吉幸 丹治 美生 佐藤 洋司 大槻 晃太 渡邊 憲子 加藤 直樹
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.71-77, 2002 (Released:2008-07-23)
参考文献数
21
被引用文献数
1

福島県に生息するコウモリ類の調査を,福島県内の37調査地点において1999年8月から2000年12月に実施した.その結果,21調査地点で確認されたコウモリ類は,コキクガシラコウモリ(Rhinolophus cornutus),キクガシラコウモリ(Rhinolophus ferrumequinum),フジホオヒゲコウモリ(Myotis fujiensis),モモジロコウモリ(Myotis macrodactylus),アブラコウモリ(Pipistrellus abramus),クビワコウモリ(Eptesicus japonensis),ヒナコウモリ(Vespertilio superans),チチブコウモリ(Barbastella leucomelas),ウサギコウモリ(Plecotus auritus),ニホンコテングコウモリ(Murina silvatica)およびニホンテングコウモリ(Murina hilgendorfi)の11種であった.これらのうち,クビワコウモリとチチブコウモリの2種は,福島県では初記録である.
著者
加藤 直樹 山本 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PE, 電子通信用電源技術
巻号頁・発行日
vol.95, no.193, pp.1-7, 1995-07-28

商用電源のバックアップ用電源として蓄電池は広く使用されており、その簡易な劣化評価法を確立することは停電時に必要な電力を確保する上で重要である。本論文では、トリクル充電法で使用されるNi-Cd電池を対象に、まず主要な劣化モードが短絡と電解液枯れにあることを明らかにする。次に電解液枯れにおいては、内部インピーダンスの対数と電池容量との間に直線関係があることを示し、この場合の定量的な関係が、電解液量のみを減少させた電池の特性から短時間で容易に得られることから、内部インピーダンス測定による電池容量推定はNi-Cd電池の簡易な劣化評価法として有効であることを述べる。
著者
興戸 律子 村瀬 康一郎 加藤 直樹 益子 典文 松原 正也
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.240-241, 2005-08-20

平成16年度から国立大学は「国立大学法人」となり, 教育研究活動情報を整備し大学内外に対して発信することが求められるようになった. そのような情報の収集と管理のために, 今回教員の教育・研究における活動実績を蓄積管理するための情報システムを構築した. このシステムの特徴は, 教員自身が便利な道具箱として日常的にシステムを利用するメリットを感得でき, 複数人がデータベースの情報を共同利用するための「権限付与」, 「マイリスト」, 実績の入力を代理が行うための「代行入力」の処理機能が備わっていることである. この「権限付与」「代行入力」「マイリスト」機能は, 複数人がデータベースの情報を共有するために必須である機能と考えるものであり, 今回これらの機能について報告する.
著者
加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1536-1546, 1998-05-15
参考文献数
8
被引用文献数
15

本論文は, 表示一体型タブレットとペンを使用する環境におけるペンの操作性を検討し, ペンの特徴やペンUIを設計するときに考慮すべき点を明らかにする.現状のペンUIの多くはマウスUIで用いられてきた対話技法を流用しており, ペンの良さを引き出しているとはいえない.ペンはマウスとは異なったデバイスであり, ペンにふさわしいUIを構築する必要がある.そこで我々は, ペンとマウスの操作性を比較する実験を行った.実験は, ドラッギングでオブジェクトを移動するタスクと, 2つの対象をドラッギングとポインティングで選択するタスクについて行った.その結果, ほとんどの場合ペンはマウスより速く操作できるが, ドラッギングで正確さが要求される操作を行うとき操作回数が多くなること, 長い距離をドラッグする操作や, 右利きの人の場合, 右, 右下の方向への移動をともなう操作では操作時間が長くなるという欠点が明らかになった.このことから, 右・右下方向へ頻繁に移動する対話技法, たとえば従来のドラッギングで選択するプルダウンメニューなどは, ペンには向かないことが予想される.また, ペンはマウスより, 次の操作があらかじめ分かっているとき, 操作がより速くできるようになることが示された.
著者
坂東 宏和 福島 貴弘 加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.1996-2005, 2002-06-15
被引用文献数
2

本論文は,表示一体型タブレット上での文字記入枠を用いない枠なし手書き認識方式における誤認識の訂正インタフェース,および,認識結果の表示インタフェースを提案する.枠なしの手書き認識方式は,筆記者に自然で円滑な手書き入力を提供する反面,文字の誤認識は枠あり認識より起こりやすく,文字間の区切り判定でも誤りが発生する危険がある.そこで本論文では,各文字の誤認識訂正方法,文字区切り位置の訂正方法,および,認識結果の表示方法を複数提案し,それらの比較実験について報告する.実験の結果,各文字の誤認識訂正は訂正候補を手書き文字の上にメニュー表示し選択させる方法が適切であること,文字の分割操作は区切りジェスチャ,文字の結合操作は文字が小さく書かれている場合には囲みジェスチャ,文字が大きい場合には接続ジェスチャが適切であることが示された.また,認識結果の表示は,文字が小さいなどの理由により読みにくくなる場合には離れた場所にまとめて表示する方法が,結果と手書き文字が読みにくくならなければ手書き文字の上に認識結果を重ねる方法が適切であることが示された.This paper presents user interfaces for writing-box-free handwriting input on a display-integrated tablet.The writing-box-free handwriting recognition is natural and smooth to input text, but character recognition errors may happen more frequently than the writing-boxed recognition and character segmentation errors may also occur. Therefore, this paper proposes various user interfaces for correcting character recognition and segmentation errors as well as those for displaying recognition results, and then compares them. In consequence of comparative experiments, the followings are suggested: for changing character recognition results, showing recognition candidates above each handwritten character pattern and accepting selection is efficient; for correcting mis-divided character segmentation into one, cutting pen-gesture is superior; for correcting mis-combined character patterns into two or more, encircling pen-gesture is preferred when small characters are written densely, while connecting pen-gesture is effective when large characters are written sparsely; for displaying character recognition results, showing resulting text apart from handwritten patterns is preferred when characters are written small and densely, while overlaying the recognition result on top of each handwritten pattern is preferred when characters are written large and sparsely.
著者
岩田 初美 加藤 直樹 村瀬 康一郎 松川 禮子 若山 皖一郎 後藤 忠彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.9, pp.118-119, 1993-07-27

マルチメディアの教育利用を進めるにあたり,パソコンを用いたマルチメディア教材を,図書,テキスト等の印刷メディアと併せて活用される場合が多いが,その関連をいかにもたせるかが課題である。このために,印刷物からもパソコンを用いたマルチメディア教材を,バーコードを用いて選択し利用可能とした。 その結果,図書,テキストとパソコンを用いたマルチメディア教材の利用や,教室での提示用のマルチメディア教材がバーコードで簡単に選択できるようになり,研修等の必要もなくなり,誰にでもマルチメディア教材の利用ができるようになってきた。