著者
千葉 茂樹 木村 純一
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.126-156, 2001 (Released:2008-08-30)
参考文献数
54
被引用文献数
2 2

Bandai volcano is located in the southern part of Tohoku-Honshu arc, Japan, and has been active from about 300 ka. Most recently, the volcano erupted in 1888 and the phreatic eruption caused volcanic body collapse and produced huge debris avalanche deposit. Here we present new data of the tephrochronology and volcanic geology of Bandai volcano and discuss its growth history. The tephra-loam association in this area consists of the Hayama and the Mineyama Loam Formations. Sixty-three layers of tephra are recognized in the Mineyama Loam Formation, and seventy-seven layers of tephra in the Hayama Loam Formation. The volcanic activity is classified into seven stages based on tephrochronology: Stage 1: 300 ka≤(presumed age), Stage 2: 300-280 ka, Stage 3: 250-230 ka, Stage 4: 170-85 ka, Stage 5: 75-57 ka, Stage 6: 36-28 ka, Stage 7: 24-0 ka. Pyroxene andesite lavas and tephras are eruptions of Bandai volcano throughout its activity, and more than 13 large avalanche deposits are found in Stages 2, 5, 6, and 7 including 1888 debris avalanche. Modes of eruptions were almost sub-plinian with lava effusions from Stages 2 to 3, whereas sub-plinian was subsequently followed by vulcanian with lava effusions from Stages 5 to 7. Sub-plinian eruptions occurred in the earliest phase of Stages 5, 6, and pumice falls with occasional pumice flows were associated. Stage 4 consists of two eruption types. Large debris avalanches were commonly produced related with the sub-plinian eruption, except for 1888 eruption. Bandai volcano is a complex of at least five stratocones, and resurge of volcanic activity caused collapse of pre-existed volcanic body. This cyclic feature is considered to be the behavior of the volcano.
著者
吉澤 門土 千葉 茂
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.48-57, 2014-01-15 (Released:2017-05-03)
参考文献数
36

成人における睡眠障害は4〜5人に1人の頻度でみられる。てんかんでは,この約2〜3倍高い頻度で睡眠障害がみられると報告されている。本稿では,睡眠障害の国際分類・診断,てんかん患者にみられる睡眠障害,および,てんかん発作と睡眠障害の鑑別について概説する。てんかん患者では,不眠症や,過剰な日中の眠気,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,睡眠時随伴症,睡眠関連運動障害などが合併しやすい。睡眠障害を合併したてんかん患者では,てんかんは睡眠障害をもたらし,睡眠障害はてんかんを悪化させるという相互促進的な関連性が存在すると考えられる。したがって,てんかんにおける睡眠障害を発見・治療することはてんかんの治療としても重要である。てんかんと睡眠障害の鑑別診断に際しては,背景にある病態生理を明らかにするために,ビデオ・睡眠ポリグラフィ(video-polysomnography;V-PSG)を施行できる医療機関との診療連携がきわめて重要である。
著者
石丸 雄二 武藤 福保 千葉 茂 宮岸 勉 橋詰 清隆 田中 達也
雑誌
てんかんをめぐって (ISSN:13493078)
巻号頁・発行日
pp.104-109, 1998-02

雑誌掲載版30歳男性患者,3歳で脱力発作,6歳で口唇自動症と失平衡をもつ複雑部分発作(CPS),16歳で両下肢自転車運動,夜間の躯幹の屈曲,ねじれをもつCPSを認めた.難治性が時に重延状態となった.発作時脳波では両側前頭,中心部優位の13-16Hz,40-60μV活性以外には明らかな発作波を認めなかった.発作時SPECT左前頭-側頭葉における血流増加を認め,MRIで小脳に軽症萎縮を認めた.これらの所見から本例の発作発現は前頭葉と関連するものと推測される
著者
千葉 茂樹 木村 純一
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.126-156, 2001-05-30
被引用文献数
4 2

Bandai volcano is located in the southern part of Tohoku-Honshu arc, Japan, and has been active from about 300 ka. Most recently, the volcano erupted in 1888 and the phreatic eruption caused volcanic body collapse and produced huge debris avalanche deposit. Here we present new data of the tephrochronology and volcanic geology of Bandai volcano and discuss its growth history. The tephra-loam association in this area consists of the Hayama and the Mineyama Loam Formations. Sixty-three layers of tephra are recognized in the Mineyama Loam Formation, and seventy-seven layers of tephra in the Hayama Loam Formation. The volcanic activity is classified into seven stages based on tephrochronology: Stage 1: 300 ka≤(presumed age), Stage 2: 300-280 ka, Stage 3: 250-230 ka, Stage 4: 170-85 ka, Stage 5: 75-57 ka, Stage 6: 36-28 ka, Stage 7: 24-0 ka. Pyroxene andesite lavas and tephras are eruptions of Bandai volcano throughout its activity, and more than 13 large avalanche deposits are found in Stages 2, 5, 6, and 7 including 1888 debris avalanche. Modes of eruptions were almost sub-plinian with lava effusions from Stages 2 to 3, whereas sub-plinian was subsequently followed by vulcanian with lava effusions from Stages 5 to 7. Sub-plinian eruptions occurred in the earliest phase of Stages 5, 6, and pumice falls with occasional pumice flows were associated. Stage 4 consists of two eruption types. Large debris avalanches were commonly produced related with the sub-plinian eruption, except for 1888 eruption. Bandai volcano is a complex of at least five stratocones, and resurge of volcanic activity caused collapse of pre-existed volcanic body. This cyclic feature is considered to be the behavior of the volcano.
著者
千葉 茂
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.286-289, 1953-09-25 (Released:2011-09-02)
参考文献数
8

The changes in colouration of needles, green to reddish-brown, in the fall in Cryptorneria japonica are associated with decreases in chlorophyll, with occurrence of yellowish- or reddishbrown pigments in chloroplastens. From the results of chemical investigations, these pigments were determined as α-carotin, β-carotin and xanthphyll.In general, almost all the trees of Cryptomeria turn the dour of needles to reddish-brown (Red cloured type), but sometimes appear such individuals that needles are still green during the winter as the chlorophyll in chloroplastens remained unbroken (Green dour type).Crossing experiments were done between these two types and following results were obtained: (1) The colouring of needles was effected by genetical control. (2) The FI progenies, arisen from Red×Red and reciprocal crossing between Red×Green were all red coloured type. Green type progenies arose only from the crossing whithin Greens. (3) These results suggested that the gene which causes the changing the colour of needles is dominant (R) and that of green colour is recessive (r); (R) probably be complete dominance as shown in Fig. 1 and Table 1. (4) Dominant gene (R) probably causes the destruction of chlorophyll in chloroplastens and as this result the colouration of needles will appear by the occurrence of carotinoid pigments, recessive gene (r) did not not causes the destruction of chlorophyll during the wininter.
著者
千葉 茂 田村 義之
雑誌
カレントテラピー (ISSN:02878445)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.678-683, 2004-06

雑誌掲載版臨床の第一線においては,主な診断名を念頭に置いた「睡眠時の異常現象の診断フローチャート」に従って鑑別診断を進めるとよい.このフローチャートでは,1)原因薬剤,2)原因となる基礎疾患,3)大きないびき,無呼吸,あえぎ声,4)下肢のぴくつき,5)尿失禁,6)覚醒後の寝ぼけ,7)徘徊,暴力的行動,8)寝言,叫び声,大声,9)悪夢,10)発作性の不安などが重視されている.睡眠中の訴えについては診療場面では軽視されやすいが,むしろ医師の側からその訴えについて積極的に尋ねていくことが正確な診断につながる

1 0 0 0 IR 睡眠時随伴症

著者
千葉 茂
出版者
最新医学社
雑誌
最新医学 (ISSN:03708241)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.129-143, 2008-08
被引用文献数
1

雑誌掲載版要旨睡眠時随伴症とは睡眠障害の1型である。本症は、睡眠中だけでなく、睡眠から覚醒へ、あるいは覚醒から睡眠への移行期にも起こりうる。これらの異常現象の発現機序として、ノンレム睡眠からの覚醒障害(睡眠時遊行症など)、レム睡眠に関連するもの(レム睡眠行動障害など)、てんかん発作、睡眠関連運動障害、睡眠関連呼吸障害、せん妄、その他(泌尿器科的異常、心理社会的要因、遺伝的要因など)などがある。鑑別診断においては、睡眠ポリグラフ検査を積極的に施行すべきである。
著者
小柳 達男 千葉 茂 鷹觜 テル 及川 桂子 赤沢 典子 常松 澪子 木村 武 小山 寛
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.65-70, 1984-02-10 (Released:2009-11-16)
参考文献数
16

サイアミン, リボフラビン, ビタミンB6, ナイアシン, PA, トコフェロール, カルシウム, 鉄を玄米に含まれる量に似せて強化した新強化米を岩手県農村の高齢者に与え, 血圧, 血色素, 副腎皮質ホルモン代謝物の排泄量, 暗順応能力などに及ぼす影響について調べた。それまでサイアミンだけを強化した米を食べていた人々がこの新強化米を1年間摂取した結果, 1) 最低血圧が81±3から76±3mmHgに低下し, 2) 血色素が13.2±0.2から14.8±0.3g/100mlに増加し, 3) 尿中17-OHコルチコイドが2.4±0.1から1.1±0.1mg/8hrに減少し, 4) 尿中パントテン酸は0.31±0.08が1.11±0.34mg/8hrに増した。これらの変化は従来の強化米に比べ新強化米にとくに多いパントテン酸による効果ではないかと考えられる。とくに血圧を降下させた効果について著者らは, パントテン酸の不足によって低下していた神経組織のアセチルコリン濃度がパントテン酸の供給増加によって改善され, 血圧上昇作用をもつアドレナリン系ホルモンの作用に拮抗したものと考えている。暗順応は新強化米だけでは9か月間の摂取でも暗順応の閾 (いき) 値は8.6±0.8が7.7±1.1mmへとわずかに改善されただけであるが, ビタミンAを補うと著しく改善されて4.5±0,6mm (やや不良) にまで改善された。これは被験者たちは栄養調査ではビタミンAを十分に摂取していることになっているがビタミンAの補給前はその不足があったものと考えられる。
著者
千葉 茂樹 佐藤 公
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.77-93, 2009
参考文献数
15
被引用文献数
1

1888年7月15日の磐梯火山噴火および災害の写真は,福島県立図書館・福島県立博物館・国立科学博物館・宮内庁・学習院大学に保管されている.2007年11月,佐藤は,宮内庁において,1888年磐梯火山噴火の写真を9枚再発見した.千葉は,写真9枚をデジタル復元し、1〜7を行った.1.復元画像から,撮影位置を特定し,噴火当時の写真と現在の様子を比較した.2.画像から裏磐梯の湖沼群形成上重要なデータを得た.3.写真の地域で,山体崩壊物が,岩屑なだれか泥流かを知ることができた.4.写真の建物の倒れ方から,爆風の方向や大きさを推定した.5.撮影者を推定し,遠藤陸郎氏7枚,W.K.Burton氏1枚,撮影者不明1枚とした.6.遠藤陸郎氏撮影の写真全28枚の所在(福島県立図書館21枚,宮内庁7枚)を特定した.7.写真上の白文字を分析し、福島県立図書館と宮内庁に分割保管されている遠藤陸郎氏撮影の写真について,両者の関係を分析した.
著者
布村 明彦 千葉 茂
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

われわれは、酸化ストレスやミトコンドリア異常がアルツハイマー病(AD)の病態に関連することを明らかにしたが、これらの変化がアポトーシスの引き金になり得ることは興味深い。βアミロイド(Aβ)の産生や分解の異常は、ADの病態において中心的役割を果たすと考えられているが、神経細胞内Aβ蓄積と種々のアポトーシス・シグナルとの関連性は明らかにされていない。本研究では、AD剖検脳[10例(年齢60〜87歳);海馬、海馬傍回、および後頭側頭回]を用いて、免疫細胞化学的に神経細胞内Aβ蓄積、酸化的傷害、および種々のアポトーシス・シグナルを検出した・アポトーシスのカスケードにおいて上流に位置するMAPキナーゼ(mitogen-activated protein kinase)ファミリー(ERK、JNK/SAPK、p38)については、錐体細胞でERK、JNK/SAPK、p38の順により広汎に出現していた。また、これらのシグナルの下流で活性化されるカスパーゼ群は、イニシエーター・カスパーゼであるカスパーゼ8および9の出現が錐体細胞で観察されたのに対して、より細胞死に直結したエフェクター・カスパーゼであるカスパーゼ3、6、および7の出現は認められなかった。一方、神経細胞内Aβの免疫反応、とくにAβ42C末端の特異的抗体に対する免疫反応は、いずれのアポトーシス・シグナルよりも広汎に認められ、神経細胞内RNAの酸化的傷害は、Aβ42よりもさらに広汎に認められた。以上のことから、AD脳では、酸化的傷害が引き金となって神経細胞内Aβ蓄積が生じ、その下流で種々のアポトーシス・シグナルの出現が認められるが、アポトーシスを完結に導く後期のシグナルの出現は乏しいことが推定される。AD死後脳で観察される残存神経細胞では、従来知られているアポトーシスの過程がabortiveな段階で停止している可能性がある。

1 0 0 0 OA 真空管回路

著者
千葉茂太郎 著
出版者
共立社
巻号頁・発行日
1939
著者
高野 忠 牧謙 一郎 相馬 央令子 千葉 茂生 前田 崇 藤原 顕 吉田 真吾
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.561-573, 2006 (Released:2010-06-18)
参考文献数
40

超高速な衝突や静的な圧力で物質を破壊する時,マイクロ波が発生することが見出された。本論文では,この現象を観測するための実験系,得られた内容・事実,そして物理探査に応用する可能性について述べる。この分野は多くの読者にこれまで余りなじみがないと思われ,かつ瞬発マイクロ波の受信・計測という特殊な技術を用いるので,全体的な記述に重きを置き詳細は省く。受信系では、まずマイクロ波信号を低雑音増幅器で増幅した後,観測する周波数にたいし十分高い標本化周波数でディジタル化して,データを取り込む。観測周波数としては,22GHz,2GHz,300MHz,1MHzを選んだ。データが多すぎて蓄積容量が足りない時は(22GHzと2GHz),ヘテロダイン受信で周波数を落としてからデータとする。 衝突実験における速度は最高約7km/secである。衝突標的の材料はアルミニウム,鉄などの金属,セラミック,煉瓦,ゴムなどを用いた。静的な圧力での破壊実験には,4種の岩石をコンプレッサで加圧した。得られたマイクロ波は,いずれの破壊モード・材料においても,断続的な極めて狭いパルス状である。岩石の静的圧力での破壊では,22GHzは硅石でのみ観測された。このようにして得られた波形は,パルス内でほぼ正弦波状なので,受信系を通して電力校正が可能である。その結果平均発生電力は2GHzにおいて,超高速衝突の実験で 2.7×10-5mW,静的圧力の実験で2.7×10-8mWであった。マイクロ波発生原因として原子あるいは分子間の結合が切れることが推定されるが,未だ確定するには至っていない。本現象は,次のような分野の物理探査に応用することを考えている。 (1)物質の性質探求:天体衝突現象,材料科学,宇宙デブリ問題 (2)地下構造の変動:岩石の破壊 (3)地震の探査
著者
野堀 嘉裕 永田 義明 法島 良治 戸巻 邦男 幸田 秀穂 千葉 茂
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.339-343, 1991-09-01
被引用文献数
2

アカエゾマツは北海道の主要造林樹種であるが, 材の性質に関する基礎的データは現時点ではわずかである。材の性質が明らかとなれば造林, 間伐など人工林施業の計画を有利に推進, 実行することができる。本研究では軟X線デンシトメトリーを用い, アカエゾマツ造林木の容積密度数に関する基礎的データを示した。その結果, アカエゾマツ樹幹の容積密度数の分布は均質であり, 容積密度数を高める要因は早材部の容積密度数と晩材率が同時に影響することがわかった。また, 早材部容積密度数は遺伝的要因に直接的に支配されるが, 晩材率は間接的に直径成長の影響を受けることがわかった。これらのことから, 早材部の容積密度数が高いクローンを造林すれば, 重い材が短期間に収穫できる可能性がある。
著者
千葉 茂 Omori Nobuyuki Kamata Shunsuke Nunomura Akihiko Mutoh Fukuyasu
雑誌
てんかんをめぐって (ISSN:13493078)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.60-65, 1996-02

雑誌掲載版著者等は中脳網様体(MRF)と扁桃核(AMY)のキンドリング実験をSprague-Dawleyラットで施行し,後者に及ぼす影響を検討した.その結果,MRFは効果的にキンドルできるが,その影響で引き続きAMYのキンドルを促進するデータを得たので報告した