著者
北田 悠一郎 藤原 大樹 小野 秀高 馬場 裕之 阿部 哲夫 杉田 光隆
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1753-1757, 2018 (Released:2019-02-28)
参考文献数
11

症例は87歳,女性.肝細胞癌に対して計2回の肝動脈化学塞栓術(transcatheter hepatic arterial chemo embolization: 以下TACE)を施行し経過良好であった.しかし,3回目のTACEにてリピオドール(一般名: ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル)を用いて動脈塞栓を施行したところ,胆嚢へのリピオドール沈着が疑われ,直後に心窩部痛を認めた.翌日施行した腹部単純CTにて,胆嚢壁へのリピオドール残存を示唆する高吸収域,胆嚢周囲脂肪織濃度上昇,腹水を認めた.リピオドールによる胆嚢動脈塞栓に伴う急性胆嚢炎と判断し,開腹胆嚢摘出術を施行した.病理所見にて全層性の壊死を認め,壊疽性胆嚢炎と診断した.術後経過良好で術後12日目に退院した.リピオドール使用後の壊疽性胆嚢炎の報告は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
西山 浩司 清野 聡子 石原 大樹 森山 聡之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_191-I_198, 2016
被引用文献数
1

2015年9月1日午前3時台,対馬海域で発生した突風の影響で漁船が転覆する死亡事故が起こった.しかし,夜間は目視ができず,突風の予測も難しい現状にある.そこで本研究では,対馬事例を含めて,2007~13年に前線活動に伴って陸上で確認された,西日本・東日本の突風事例(54事例)を対象に,気象レーダーの分析に基づいて,突風を取り巻く降水域の特徴を調べた.その結果,突風発生時間の緯度経度0.2度幅の狭い範囲で,80%以上の事例で強い降水強度の領域(80mm/h以上)を捉えた.また,緯度経度1度幅の範囲に拡大すると,発生1時間前に70%程度の事例で強い降水強度を捉えた.従って,前線活動に起因する突風の場合,発生1時間前までであれば,気象レーダーで強い降水強度の領域の接近を監視することで,夜間の突風被害から身を守ることが可能と考えられる.
著者
鶴我 佳代子 関野 善広 神田 穣太 林 敏史 萩田 隆一 會川 鉄太郎 保坂 拓志 菅原 博 馬塲 久紀 末広 潔 青山 千春 鶴 哲郎 中東 和夫 大西 聡 稲盛 隆穂 井上 則之 大西 正純 黒田 徹 飯塚 敏夫 村田 徳生 菅原 大樹 上田 至高 藤田 和彦
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【はじめに】 東京海洋大学では、平成29年度に新設される海洋資源環境学部において、海底および海底下構造を対象とした海底科学に関する実習・教育・研究を行い、我が国の海洋の将来を担う海洋観測人材の育成を目指している。その機能強化の一環として、可搬型海域2次元地震探査システムを新たに導入した。この地震探査システムは、小規模ながら海底下の浅層構造調査に有用な性能を有しており、学生に対する最先端技術の実習・教育の実施と同時に、駿河湾など日本周辺の重要な海域の浅層構造精密調査に有効利用されることを目標としている。2016年11月、我々はこのシステムを東京海洋大学練習船「神鷹丸」に搭載し、初の海域探査試験として静岡県駿河湾での試験航海に臨んだ。本発表は、本学の地震探査システムの概要を紹介し、試験航海とその成果の第一報を報告するものである。【観測システムの概要】 我々は、2016年11月13~19日の期間中、静岡県駿河湾内において、エアガン震源を用いた2次元反射法地震探査および海底地震計を用いた屈折法地震探査の試験を実施した。この地震探査システムは、10ftコンテナ規格の格納庫に入った震源部・コンプレッサー・受振アレイ部、およびPC等の制御・収録システムにより構成される。震源はBolt社製エアガン1900LL(260cu.in) 2基からなるTwin-Gunを 2対擁し、発震時は左右両舷から1対ずつ曳航する。海上受振アレイは、Hydroscience社製デジタルストリーマーケーブル(長さ600m、センサー間隔6.25 m、96チャンネル)と最後尾の測位用テールブイで構成される。システムは全て可搬型になっており、本学練習船「神鷹丸」(総トン数 986トン、全長65 m、幅12.10 m)の後部甲板および室内観測室に設置する。屈折法地震探査では、Geospace社製海底地震計OBXを21台海底に設置した。OBXは近年石油探査などの浅海調査の際に非常に多くの数を海中ロープで接続し、海底に設置し、観測後回収するタイプの海底地震計である。OMNIジオフォン3成分とハイドロフォン1成分の4成分観測ができる。【駿河湾における試験航海】 駿河湾は陸/海のプレート境界に位置し、深部地震活動を正しく理解するためには、精確な海底下構造の情報が必要不可欠である。この地域は東海地震の震源想定域として地震や地殻変動などの観測網整備が重点的に行われているが、海域における詳細な地下構造調査は陸域のそれと比べると多くはない(例えば村上ほか(2016)など)。そこで我々は、本学の地震探査システムの稼働試験およびその調査性能の検証にあたり、駿河湾海域を調査地域とし、2次元反射法および屈折法地震探査による浅部地下構造の精密調査を試みた。調査は、2016年11月13~19日の期間中、駿河湾内の東部・北部・西部の海域に設定した4つの測線(A~D:総測線長約74km)において、3.5ノット程度の船速で曳航し、50m間隔の発震を行った。東部B測線では、Geospace社製海底地震計OBX21台を投入し同時観測した。日本国内において本タイプの海底地震計による海底アレイ観測は、これが初である。また西部D測線では東海大学による海底地震計4台によって同時観測がおこなった。一次解析の結果からは、駿河湾東部A測線(24km)では、ほぼ平坦な海底下に厚さ~200m程度の堆積層があり、その下には陸上延長部の地形と相関を有する地層境界の明瞭な起伏が見られた。駿河トラフ軸を東西に横断する北部C測線(17.5 km)や、東海地震の震源想定域に含まれる駿河湾西部D測線(石花海南部~清水港沖; 32.5km)では起伏の多い海底地形と一部食い違いとみられる構造が見られている。本システムに関わる技術検討および詳細な構造解析については本発表にて報告する。【謝辞】 本調査は、静岡県漁業協同組合連合会、駿河湾の漁業協同組合・漁業者の皆様の多大なるご協力のもと実施することができました。共同研究により東海大学には実習船「北斗」による海上支援を頂き、本学練習船の安全な航行と調査航海にご協力いただきました。また産学共同研究により㈱地球科学総合研究所、ジオシス株式会社の皆様には多岐にわたるご協力をいただきました。心より御礼申し上げます。最後に初めての地震探査試験航海にも関わらず強力なサポートをしてくださった本学の「神鷹丸」乗組員、陸上支援をいただいた海洋観測システム研究センター、船舶運航センターのスタッフに感謝いたします。
著者
海老原 大樹 正田 英介
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.115, no.7, pp.420-423, 1995-06-20 (Released:2008-04-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1
著者
三木 竜介 髙原 大樹
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.25-33, 2022-06-25 (Released:2022-07-25)
参考文献数
5

神戸市では,科学的根拠に基づく保健事業の推進による市民サービスの向上を目指し,医療・介護のレセプトデータや健診データ等を連結・匿名化した「ヘルスケアデータ連携システム」を新たに整備し,2020年11月に運用を開始した.本システムには,国保・後期高齢者・生保医療レセプトデータ,国保・後期高齢者・生保健診データ,介護レセプトデータ,介護認定調査票,予防接種データ等,市民約60 万人分の公的データが,個人単位で連結された状態で格納されている.これらの連結されたデータは,研究目的であれば,学術機関に限定して無償で利用可能である.データ利用にあたっては,神戸市の倫理審査委員会の審査で承認を得る必要がある.提供されるデータセットは,研究内容に応じて必要最小限に形成され,個人が特定できないように匿名化処理が施されている. 神戸市はヘルスケアデータ連携システムに格納されたデータを,二つの用途で利用している.一つ目は,市民全体の健康状態や課題の把握,保健事業の効果検証である.比較的悉皆性の高いデータであることと,既存事業で収集されるデータであることが,市民の健康状態を永続的に追跡していく運用を可能にしている.二つ目は,学術機関へのデータの研究利用目的での無償提供である.公益性の高い研究が神戸市のデータを元に実施されれば,結果から得られる新しい知見を保健事業に反映させることができる.ひいては,科学的根拠に基づく保健事業の推進につながり,更なる市民サービスの向上が期待される.
著者
西原 大樹 辰巳 浩 吉城 秀治 堤 香代子
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.A_125-A_133, 2016-02-05 (Released:2016-02-05)
参考文献数
10

本研究では、自転車専用通行帯及び車道路肩部のそれぞれ幅員の違う路線において、視点を解析することができるアイマークレコーダを用いた自転車走行実験を行い、自転車を追い越していく自動車から受ける影響に関して分析を行った。その結果、調査対象路線の中で走行空間幅員が 1m と最も狭かった路線においては、自動車の追い越し台数が増加するにつれて自らの走行場所である車道路肩を注視する時間や回数が増加していた。また、「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」で望ましいとされている幅員 1.5 m以上の、幅員が 1.85 mの路線においては自転車を追い越す自動車台数が増加するほどサッカードが発生していること、それよりもさらに幅員の広い路線では注視挙動に自動車交通の影響がみられなくなることが明らかになった。
著者
松原 大樹 松川 寿也 中出 文平
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.243-249, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
6

本研究は、地方都市で中心市街地活性化に取り組む都市を対象に、時間貸し駐車場の実態を明らかにすること、中心市街地活性化を目標とした、自治体と駐車場利用者、双方にとって利用しやすい駐車場のあり方を提言することを目的とする。本研究は、自治体・駐車場利用者に対するアンケート調査、ヒアリング調査より、以下のことを明らかにした。 1.駐車場の位置と駐車可能台数の両方を把握する自治体は約2割に留まる。 2.使用用途により差があるが、各来街先から駐車場までの距離は300m以内、私的利用なら100m~200mに駐車場整備することが効果的である。 3.駐車場施策のみで来街者は増加せず、公共施設と併せた駐車場施策や、民間活力導入による複合商業施設と併せた駐車場整備等は、来街者増加が見込まれる機会に実施すべきである。
著者
パーベル サフキン 桑原 大樹 川井 正英 加藤 卓哉 森島 繁生
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.111-112, 2015-03-17

犯罪者や行方不明者の捜索において,対象者の過去・未来の顔を推定する経年変化顔合成技術が必要とされている.その中で,皺は人物の経年変化後の印象を決める重要な要素となっている.そこで本稿では,皺の発生が表情による皮膚の歪みに起因するという知見に基づき,皺の個人性を考慮した経年変化顔画像を合成する手法を提案する.本手法では,まず笑顔画像の表情皺から入力人物の皺の発生位置と形状を推定する.その後,同一環境で撮影された年齢別の顔画像データベースを用いて顔を再構成することで経年変化顔画像の合成を行う.本手法は,従来手法では考慮できなかった皺の個人性を実現し,より正確な経年変化顔の合成を実現した.
著者
諏訪 裕一 豊原 大樹 岡田 達治 漆川 芳国
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.261-265,232, 1991-04-10 (Released:2010-01-22)
参考文献数
8

膜分離リアクターによる,有機性模擬廃水中全ケルダール態窒素(TKN)の最大硝化速度を検討した。模擬廃水中に徐々に硫酸アンモニウムを加えることでTKN負荷を増加した。比較的小さいステップ増加率でTKN負荷を上げた結果,前回の実験で得られた最大アンモニア酸化速度の約2倍の速度(0.59gN・l-1・d-1)が得られた。本実験での結果と前報での同じ条件の実験結果とをまとめて解析した結果,負荷のステップ増加率と負荷を増加する時点でのアンモニア酸化速度が,次なる負荷での運転の成否に影響しており,リアクターのアンモニア酸化速度が高くなるにつれてステップ増加率を小さくしてゆかなければアンモニアの残存がおき,リアクターの硝化速度が高くならない場合のあることが考えられた。
著者
藤原 大樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 39 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.101-104, 2015 (Released:2018-08-03)
参考文献数
6

本研究では,中学校関数領域に着目し,数学的モデリングを通して生徒が新たな数学を生み出すための指導について検討した。第3 学年の「関数y=ax2」単元で教材「リレーのバトンパス」を扱い,グラフ描画ソフトを活用した協働的な解決,及び多様な解決方法の比較・検討を重視して実践した結果,生徒は既習の関数のグラフを用いた視覚的,近似的な解決を端緒に,簡潔さや正確さを志向して,未習である二次方程式の重解条件を自ら生み出した。新たな数学を生み出すことに向けて,数学的モデルをつくったり解釈したりして考える授業を意図的に複数位置付けた単元計画とその実践・検証が課題である。
著者
德丸 晋 桑原 大樹 久下 一彦
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.37-40, 2019-05-31 (Released:2019-09-01)
参考文献数
14

ピリフルキナゾン水和剤のネギアザミウマおよびネギえそ条斑病に対する防除効果について露地ネギ栽培ほ場において調べた。その結果,ピリフルキナゾン水和剤を3週連続で散布した区では,ネギアザミウマの成虫および幼虫の発生は無処理と比較して有意に少なく,被害度を無処理区の約2分の1に抑えた。ネギえそ条斑病の発病葉率は 0.7~2.4%の範囲で抑えられ,20株あたりの発病葉数は,無処理区の約5分の1から約3分の1に抑えられ,ともに有意な差が認められた。さらに,20株あたりのえそ条斑数は,無処理区の約3分の1に抑えられ,有意な差が認められた。
著者
堀 真寿美 小野 成志 喜多 敏博 宮下 健輔 宮原 大樹 小林 信三
出版者
特定非営利活動法人サイバー・キャンパス・コンソーシアムTIES(附置研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

発展途上国では,ITインフラの状況も知的財産権等の整備状況も多様であり,そうした状況が障壁となって,オンライン教育の技術移転を難しくしている場合がある.本研究の第一の目的は,ブロックチェーン技術を導入した学習支援システムを構築し,発展途上国の多様な事情に対して適切に対応できる可用性,プライバシー保護,セキュリティ確保に優れた学習支援システムを構築することである.具体的には,ブロックチェーン技術を応用し(1)ラーニングコイン,(2)コンテンツ流通,(3)コース開講,(4)eポートフォリオから構成される学習支援システムを開発し,発展途上国において実証実験を行う.また,この開発から検証までの過程を通じて, ブロックチェーン技術の課題を明らかにするとともに,オンライン教育における応用範囲と活用方法,そして新たなオンライン教育の手法とサービスを検討する.平成29年度は研究計画に基づき,コンソーシアム型ブロックチェーンであるHyperledger Fabricを利用して,SNSをユーザーインターフェースとする学習支援システムを開発した.開発システムでは,教師や学習者同士のSNSを利用した学習活動を学習成果としてブロックチェーンに記録する機能,記録された学習成果をまとめて電子書籍を制作する機能,そして制作された電子書籍をラーニングコインで購入する機能を実装した.本システムは,次年度より研究分担者所属機関において,実証実験を行う予定である.
著者
野澤 直樹 桑原 大樹 森島 繁生
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.525-526, 2015-03-17

本研究では監視カメラなどから得られる斜め向きの顔画像からの3次元形状復元手法を提案する.従来手法として動画を入力とするものが多く提案されているが,フレームレートの低いカメラの場合,顔の写ったフレームが非常に少ないため,動画を入力とする手法には適用限界がある.また画像一枚を入力とする手法は顔の特徴点情報を用いているが,斜めを向いた際に生じる特有の情報を活用しきれていなかった. そこで本研究では入力を単一の斜め向きの顔画像とする.その上で入力顔画像の顔特徴点と頬のシルエット情報,更に形状の顔らしさというものを考慮し,既存研究では課題の残る条件下での3次元顔形状復元を試みる.
著者
堀 真寿美 小野 成志 山地 一禎 宮原 大樹 宮下 健輔 坂下 秀 喜多 敏博
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.65-72, 2017-11-30

インターネットは,その仕組み上,非集中型アーキテクチャの性格を強く有しているにも関わらず,今日ではアプリケーション層において集中管理の傾向が強く,誰もが何の束縛もなく自由に情報を発信できる機会を奪われているという批判がある.集中管理型アーキテクチャに起因する,多様性への対応,個人の自由度の低下に対して,ブロックチェーンに代表される非集中型アーキテクチャが今後のインターネットの重要な技術になるとみなされている.教育分野においても LMS (Learning Management System) などの学習支援システムは,集中型アーキテクチャが中心であり,我々はこれまでに,他に先駆けて,非集中型アーキテクチャを採用する学習支援システムである CHiLO (Creative Higher Education with Learning Objects) を開発してきた.本稿では,この CHiLO に,ブロックチェーンを採用することで,さらなる非集中型アーキテクチャ指向を実現し,電子書籍ストアなどの集中管理サーバーを必要としていた電子書籍の頒布,著作権に関する CHiLO Book の課題を解決するための概念実証システムを構築したことを報告する.
著者
海老原 大樹 和多田 雅哉 長嶋 健二
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.113, no.11, pp.1310-1316, 1993

This paper describes the improvements in launching stability and launching velocity of the linear accelerator (LAC).<br>The authors have designed and produced a railgun using the LAC for weaving loom shuttles. The LAC is an electromagnetic launcher which enable a projectile to be launched at a speed of more than 50m/s. It basically consists of an uni-pole linear DC motor and operates the same principle as DC rotary motors, the most difficult problem in this system being the stabilization of the current collection on the projectile.<br>Then we have conducted the various launch experiments. As a result, we have achieved that the carbon projectile was launched at a speed of 73m/s using double-stage type LAC.
著者
椎名 伸充 藤原 大樹 溝渕 輝明 岩井 直路
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.31-34, 2008-01-15 (Released:2008-12-03)
参考文献数
8

79歳男性.鋭利なナイフによる左背部刺創で当院へ救急搬送された.来院時意識やや混濁し,ショック状態となったが,大量輸液により循環動態は改善した.胸部X線写真で左血胸と診断し,胸腔ドレナージ術を施行,直後に約2000mlの血性胸水の流出を認めた.胸部造影CTで左胸水貯留および肺から造影剤の漏出像が見られたため,左肺損傷による血胸が考えられた.CT撮影直後,再度血圧低下しショック状態となり,緊急手術となった.大量輸血したが手術室搬送直後に心停止状態に陥った.胸腔ドレーンの閉塞による緊張性血胸を疑い,仰臥位のまま緊急開胸,血腫除去を施行した.血腫除去後,すみやかに心拍再開し,血圧は改善した.バイタルサイン安定後,止血のために左下葉切除術を施行した.術後は後遺症なく独歩退院した.当院での胸部外傷手術例に基づく考察を加え報告する.