著者
尾形 努 高野 和夫 河野 勝 吉田 一樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.719-726, 1993-10-25
被引用文献数
3

通信用電源システムには,バックアップ用として鉛蓄電池が使用されている.鉛蓄電池は,通常は維持充電が行われ,停電発生時に放電し,通信機器への電力供給を継続する.停電発生時に,鉛蓄電池から電力を供給できなければ,社会に及ぼす影響ははかりしれないものがあるため,NTTの各事業所は,鉛蓄電池の容量試験を行って,規定の容量以下のものは,取替えを実施している.現在の容量試験法は,作業時間が20時間以上と長時間に及ぶため,保守者の負担が大きく,簡便に行える劣化判定法の確立が強く望まれるようになった.本論文では,鉛蓄電池の劣化のメカニズムを整理し,内部抵抗と劣化,すなわち容量減退が極めて相関性が強いことを説明している.次に,この内部抵抗を求める手段として,極めて短時間の充放電特性測定が有効であることを述べ,500μs以下の充放電特性測定から求めた内部抵抗と容量の相関性が極めて強いことを明らかにし,これらの相関図より劣化判定が可能であることを述べている.
著者
越田 久文 酒井 亨 吉田 一誠
出版者
金沢学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

「ニコニコデータセット」のコメント解析から得られるアニメ作品に対する評価と、その作品舞台地を訪問する「聖地巡礼」を核とした観光客入り数との関係を調査した結果、作品評価と観光客入り数の間には明らかな正の相関関係にあるとは言い難い結果となった。ニコニコ動画では独特のネットスラングや、アニメ視聴者同士のみが共有できる意思疎通など、ニコニコ文化圏ともいえる言語空間が存在し、コメントから作品に対する評価・好感度等を推し量ることが困難であった。一方、アニメ作品に依存した観光振興を目論んだ自治体では、アニメファンからの共感を得られず、観光振興自体失敗に陥るケースが見られた。
著者
河原 純子 兵藤 透 太田 昌邦 平良 隆保 日台 英雄 石井 大輔 吉田 一成 馬場 志郎
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.695-698, 2011-08-28

蛍光眼底造影剤は,眼科領域では網脈絡膜疾患の診断,治療効果の判定に不可欠な検査である.今回,糖尿病性腎症にて血液透析中の44歳女性に対し眼底出血の疑いのため蛍光造影剤(フルオレサイト<SUP>®</SUP>静注500mg,以下一般名フルオレセインと記す)を使用した.造影後に透析を行った際,透析液排液ラインに造影剤の蛍光色が視認できたため,独自に作製したカラースケールを用いて廃液ラインの排液色の変化による造影剤除去動態を1週間経過観察した.結果,カラースケール値では,1日目開始時90,1日目終了時50,3日目開始時20,3日目終了時10,5日目開始時0,5日目終了時0であったが,5日目終了時500mL程度排液を集めると,僅かに色を確認することができた.
著者
吉田 一彦 上島 享 脊古 真哉 佐藤 文子
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では、日本の神仏習合の成立と展開について考察し、それを日本一国史の中で内在的に理解するのではなく、アジア東部における仏教と神信仰の融合の中で考え、この地域の宗教文化の中に日本の神仏習合を位置づける作業を行なった。この視座から以下の点を明らかにした。①『日本書紀』に記される仏教と神信仰の対立の話は創作性が高く、歴史的事実を伝えるものとは評価できない。②比叡山、白山などの神仏習合の聖山は、中国の神仏融合の聖山である天台山や五臺山の強い影響を受けて成立した。③「本地」の思想は真言宗の護持僧によって考え出されたもので、日本の「本地垂迹説」は11世紀前半に成立した。
著者
兒嶋 高志 志村 洋 杉江 明子 青山 忍 吉田 一也
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成17年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.141, 2005 (Released:2005-09-13)

【目的】日本における鶏卵消費量は約250万tであり、その内約半量が家庭用としてスーパーマーケット等で販売されている。一般的に生鮮物(生魚、野菜等)に対して持つイメージと同様に、鶏卵も産まれたての方が美味しく、卵料理についても同様に産まれたての鶏卵を用いた方が美味しいと思われがちであるが、科学的な根拠が示されることは少ない。そこで本研究では、低温管理における鶏卵の産卵後日数が、代表的な卵料理である茹卵と厚焼卵の物性と食味特性等に与える影響について、様々なデータを取得して検討を行い、結果を得たので報告する。【方法】産卵された鶏卵を0から10日まで10℃にて保管し、EGGマルチテスタを使用してハウ・ユニットを測定した。さらに茹卵と厚焼卵を調製してpH、破断応力、食味特性等について測定を行った。【結果】今回の試験の結果、茹卵、厚焼き玉子共に産まれたての鶏卵を用いたものより、10℃である程度保存した鶏卵を用いた場合の方が、より美味しいと評価されるものを調製することが出来た。茹卵については、経時的に鶏卵の卵白部pHが上昇し、脱殻性が向上した。また茹卵としての美味しさについても、卵白の食味(食感)が良くなる、茹卵らしい香り(硫化水素臭)が生じてくる、というような要素で評価が上がった。厚焼き玉子については、もろく離水の多い食味から経時的によりしっかりとした食感への移行が見られ、卵らしい香り(卵風味)についても経時的に評価が上がる傾向が見られた。
著者
土方 勝一郎 今村 晃 柳下 文雄 富井 隆 中井 正一 高橋 郁夫 吉田 一博 瀧 諭
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.61, no.480, pp.103-112, 1996
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

So-called extended sway-rocking model is frequently used in the design of embedded massive structures. When structures are embedded in soft surface layers, the model is apt to give larger shear force in the under-ground parts than the finite element method. In this paper, the authors have made clear through numerical survey using simplified models that this tendency can be attributed to the poor estimation of side wall impedance employed in the ordinary model. The authors have also proposed two modified models to evaluate the side wall impedance, and proved that the two models give more reasonable results than the ordinary sway-rocking model when foundations are embedded in soft surface strata.