著者
秋永 一枝 上野 和昭 坂本 清恵 田中 ゆかり 松永 修一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

「複合メディアによる東京弁アーカイブの構築と電子的公開」の目的は、旧来の研究では埋もれてしまう可能性のあった東京弁としての貴重な一次資料を、汎く利用できるような形にして蘇らせようとするものである。秋永の聞き取りによるアクセントなどの言語情報が付加した自然度の高い談話資料として、文字化データと音声データをセットで利用できるよう電子化し、談話資料、アクセント資料、東京方言語彙資料のデータベースとしても利用できる基礎資料を完成させることができた。
著者
坂本 清恵
出版者
埼玉女子短期大学
雑誌
埼玉女子短期大学研究紀要 (ISSN:09157484)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.39-45, 1997-03-01

1996年春学期の国語表現で、表記を正すために作成した手紙文例のうち「是非いらっしゃってください」を「いらしてください」や「来てください」などに訂正したものがあった。表記の誤りではなく、敬語表現の誤りと誤解して訂正したものと思われる。必ずしも表現の誤りと考えたとはいえなくとも、表現としては馴染みのない、少しおかしいということなのであろう。このことは、「いらしてください」や「来てください」が日常的に使っている馴染みのある敬語としてとらえられていることを示すと同時に、「いらっしゃってください」は敬語的には誤りであるという意識に繋がるものであることを示すと思われる。そこで、訂正のなかで、一番多かった「いらして」を中心に、「いらっしゃって」や他の敬語表現との使用状況・使用意識について調査・考察を行った。
著者
坂本 清恵
出版者
日本女子大学
雑誌
国文目白 (ISSN:03898644)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.41-53, 2013-02-28
著者
坂本 清
出版者
明治大学商学研究所
雑誌
明大商學論叢 (ISSN:03895955)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.vii-viii, 1989-03-25

想えば昭和63年5月9日夕刻,長らく御入院,病気治療に専念されておられた松尾憲橘先生の訃報に接し,最悪の事態を現実のものと受け取らねばならぬことになりました。先生の闘病生活は一年有余に及びその間先生御自身は申す迄もなく,御家族の皆々様,大学関係者,教え子,ならびに各方面の方々の願いと祈りの日々でありました。先生が発病されましたのは,昭和62年3月24日夕刻でありました。その日,先生は,大学機関での会議を主催し,無事閉会の後,帰途の電車にたまたま小生も同行し,新宿駅ホームで先生をお見送りした直後の急変であります。その車上での約10分間,日頃の御様子に似ず,当日の会議の反省,学内のこと,学問のこと種々御話を承ったのでありますが,御話は世間話を越えた,種種の問題にも及んでおりましたが,時間の関係からまたの機会とさせて頂いた記憶があります。
著者
秋永 一枝 上野 和昭 坂本 清恵 田中 ゆかり 松永 修一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

この研究は、秋永が行なった調査【東京旧市内(旧15区)を生育地とする話者の】録音資料をアーカイブ化し、汎く利用できる言語資料の作成も大きな目標の一つであった。劣化の危険性があった200本近い様々なメディアに記録された音声資料はすべてデジタル化しCD-ROMとハードディスクに保存を完了した。平成15(2003)年度には、アーカイブ化のテスト版をWeb形式で作成し国語学会において発表した。これは文字化資料の一部に付した「音声資料(アクセント、母音の無声化,訛音など)」「音響分析資料(音声波形・ピッチ曲線・スペクトログラム)」、「語義等解説資料」、「発音者生育地」が表示できるよう作成した。平成16(2004)年度は、(1)東京語音声の文字化(2)音韻情報・音声的情報の付加、(3)音声データの正規化とセグメントといった作業を中心に研究を進めた。(1)では、東京弁音声のデジタル化データを元に35名分の文字化を完成した。(2)では、秋永によるアクセントの聞き取り、無声化・ガ行鼻音化などの音声的特徴の情報記述を進めた。次に、これらの情報を(1)の文字化データに付加する作業を行なった。文節のセグメント・記号の付加作業が終了した後、HTML化、PDFファイル化を行なった。生育地が下町である話者を中心に12名分のデータ、約600ページ分の資料を完成させ、資料との音声リンクを行なった。平成17年度(最終年度)では文字化資料を中心とした報告書を作成。本資料はCD-ROMも同時に完成させ、公開可能な状態にすることができた。
著者
秋永 一枝 兼築 清恵(坂本 清恵) 佐藤 栄作 上野 和昭 鈴木 豊
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

1、以下の諸索引を作成、刊行してアクセント史資料データを増補した。(1)医心方 声点付和訓索引(秋永一枝・坂本清恵・佐藤栄作編2001.8)(2)日本書紀 人皇巻諸本 声点付語彙索引(鈴木豊編2003.3)(3)高松宮本・林羅山書入本和名類聚抄 声点付和訓索引(佐藤栄作編2000.12)(4)平家正節 声譜付語彙索引上・下(上野和昭編2000.12/2001.12)(5)金田一春彦調査京都アクセント転記本(楳垣実京都アクセント記入)(秋永一枝編2001.9)2、『池田要 京都・大阪アクセント資料 五十音順索引』(2000.3アクセント史資料研究会)のデータベースを利用して品詞別に整理し、近現代京都アクセントの諸資料と比較しながら検討した。その結果「池田要 京都・大阪アクセントの注記について-名詞3拍までを中心に-」(坂本清恵)、「複合名詞からみた池田アクセント」(佐藤栄作)、「『池田要 京都・大阪アクセント資料』所載の用言のアクセント」(上野和昭)、「東京アクセントとの比較」(秋永一枝)などの成果を得た。3、方言アクセントの調査研究は京都・東京(秋永)、伊吹島(佐藤)などで実施した。その成果は、『新明解日本語アクセント辞典』(秋永一枝編2001.3)をはじめ、秋永(2002)「東京語の発音とゆれ」・佐藤(2002)「アクセント型の許容からみる伊吹島アクセントの3式-伊吹島と観音寺の中学生の比較-」などの論文に報告された。4、伝統芸能とアクセント史との関係についても坂本(2001a)「胡麻章の機能-近松浄瑠璃譜本の場合」(2001b)「声の伝承-復曲時には何が伝承されるのか-」(2001c)「文字の呪性-仮名遣いという呪縛-」(2002a)「「語り」と「謡い」-義太夫節のアクセントから探る-」(2002b)「近代語の発音-謡曲伝承音との関係-」などの研究報告があった。
著者
中平 敦 坂本 清子 山口 俊郎 木島 弌倫 岡崎 正之
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌) (ISSN:09145400)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1241, pp.89-91, 1999-01-01 (Released:2010-08-06)
参考文献数
9
被引用文献数
5 7

Hydroxyapatite whisker and platelet were synthesised by the hydrolysis of alpha-tricalcium phoshate (α-TCP) in H2O system and etanol/H2O system at 70°C and atmospheric pressure, thus avoiding severe processing condition, such as in hydrothermal synthesis. The hydroxyapatite prepared by this process was analysed by X-ray diffractometry and transmission electron microscopy observation. The effect of ethanol addition into H2O on the hydrolysis of α-TCP to hydroxyapatite was also examined. The hydrolysis rate of α-TCP to hydroxyapatite was inhibited in the ethanol/H2O system. It was found that the morphology and the aspect ratio of hydroxyapatite could be controlled by adding ethanol into H2O during the hydrolysis reaction of α-TCP.
著者
坂本 清恵
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1998

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1407号 ; 学位の種類:博士(文学) ; 授与年月日:1998/11/10 ; 早大学位記番号:新2707
著者
坂本 清子 綱脇 恵章 津波古 充朝 田中 和男 小林 正光
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1990, no.4, pp.363-369, 1990
被引用文献数
1

五酸化ニリンと水酸化アルミニウムとの反応によるリン酸アルミニウムの生成における3種の結晶形の異なる五酸化ニリン(H型,0型および0'型)の反応性の相違,および水酸化アルミニウム分子内のヒドロキシル基がリン酸アルミニウムの生成におよぼす効果について,粉末X線回折,示差熱分析および熱重量分析法を用いて検討した。1.生成するリソ酸アルミニウムの種類およびその生成量は,五酸化ニリソと水酸化アルミニウムの混合割合(R=P205A1(OH)3),加熱温度および加熱時間によって異なった。すなわち,R=0.5ではオルトリン酸アルミニウムAIPO4のberliniteとcristobalite型およびメタリン酸アルミニウムAl・(PO3)3のA型,R=1.5では三リン酸二水素アルミニウムAIH2P3O10.のI型およびA1(PO3)3のA型とB型,R=3ではA1(PO3)3のA型.B型およびE型が生成した。2・水酸化アルミニウムに対する五酸化ニリンの反応性は,H型五酸化ニリンが一番高く,次にO'型,0型五酸化ニリンの順であった。この傾向は五酸化ニリンの加水分解速度の順序と一致した。3.水酸化アルミニウム分子内のヒドロキシル基は五酸化ニリンの加水分解に寄与し,それは五酸化ニリソとα-アルミナとの反応においてあらかじめ添加した水分と同様に重要な役割を果した。