著者
蘭 信三 外村 大 野入 直美 松浦 雄介 上田 貴子 坂部 晶子 高野 和良 高畑 幸 飯島 真里子 花井 みわ 竹野 学 福本 拓 大久保 明男 倉石 一郎 山本 かほり 田村 将人 田村 将人
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究の成果は以下のようである。まず、(1)第二次世界大戦後の東アジアにおけるひとの移動は日本帝国崩壊によって策定された新たな国境線によって引揚げ、送還、残留、定着という大規模な人口移動と社会統合がなされたことを明らかにした。しかし、(2)例えば日韓間の「密航」や中国朝鮮族居住地域と北部朝鮮間の移動のように、冷戦体制が整うまでは依然として残る個々人の戦前期の生活戦略による移動というミクロな側面も継続されていたことを明らかにした。そして、(3)帝国崩壊後も中国に残留した日本人の帰国のように、それは単純に「遅れた帰国」という戦後処理(コロニアリズム)の文脈だけではなく、日中双方における冷戦体制崩壊後のグローバル化の進行という文脈、という二つのモメントに規定されていたことを明らかにした。
著者
高橋 均 荒 このみ 山本 博之 増田 一夫 遠藤 泰生 足立 信彦 村田 雄二郎 外村 大 森山 工
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

戦後、欧米先進諸国に向けて、開発途上国出身の多くの移民が流入し、かれらを文化的に同化することは困難であったため、同化ではなく統合を通じてホスト社会に適応させようとする≪多文化主義≫の実験が各地で行われた。本研究課題はこのような≪多文化主義≫が国際標準となるような≪包摂レジーム≫に近い将来制度化されるかを問うものである。結論として、(1)≪多文化主義≫の背景である移民のエンパワーメントは交通・通信技術の発達とともになお進行中であり、いまだバックラッシュを引き起こす危険を含む。(2)第一世代はトランスナショナル化し、送出国社会と切れず、ホスト社会への適応のニーズを感じない者が増えている。(3)その反面、第二世代はホスト社会の公立学校での社会化により急速に同化し、親子の役割逆転により移民家族は不安定化する。このために、近い将来国際標準的な≪包摂レジーム≫の制度化が起こる可能性は低い。