著者
宮良 広大 坂元 顕久 宮田 隆司 大濵 倫太郎 下堂薗 恵
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
pp.2023-005, (Released:2023-08-07)

脳梗塞後に右片麻痺を呈した回復期リハビリテーション病棟患者1名に対して,神経筋電気刺激 (NMES) を併用した反復起立自主練習を提案した結果,その継続が可能で良好な経過であったため報告する.通常の理学療法介入に加え,第20病日で反復起立自主練習,第34病日でNMES併用下での反復起立自主練習を導入した.2週間毎の定期評価として,運動機能は,Manual muscle test (MMT),骨格筋量,握力,大腿・下腿周径,バランス能力はBerg balance scale (BBS),歩行能力は10 m歩行テスト,6-minutes walking distance (6MD)を実施した.第20病日と比べ,第48病日で麻痺側膝伸展MMTが2から4,BBSが39から45点,10 m歩行テストが0.32から0.67 m/秒,6MDが265 mへ向上した.NMES併用下での反復起立自主練習は下肢筋力とバランス,歩行能力の改善に繋がる可能性がある.

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著者
宮田 隆 林田 秀宜 菊野 玲子
出版者
Primate Society of Japan
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.9-16, 1986 (Released:2009-09-07)
参考文献数
21
著者
長谷川 政美 橋本 哲男 宮田 隆
出版者
統計数理研究所
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1991

前年度までの研究で,メタン細菌,好塩菌,エオサイトなどの古細菌が,真正細菌によりは真核生物に近縁であることが確かめられたが,これら3つの古細菌のグループと真核生物との関係は不明であった.今年度は,ペプチド鎖伸長因子のアミノ酸配列データを,われわれが開発した最犬法にもとづいて解析した結果,これらの古細菌がすべて系統的に一つのグループとしてまとまるという可能性のほかに,エオサイトが特に真核生物に近いという可能性も浮上した.ミトコンドリアなどのオルガネラをもたない真核原生生物の系統学的な位置づけは,真核生物の初期進化をさぐる上で極めて重要である.従来この問題は,リボソームRNAの配列データにもとづいて研究されてきたが,われわれはリボソームRNA分子系統樹の問題点を指摘した.最大の問題は,近縁な生物の間ででも,塩基組成が大きく異なることがあり,このことが間違った系統樹を導くことがあるということである。われわれは,ペプチド鎖伸長因子やRNA合成酵素などといった保存的なたんぱく質のアミノ酸配列データを解析し,塩基組成が大きく違っているような場合でも,たんぱく質のアミノ酸配列はその影響を受けず,そのようなデータからえられる分子系統樹の信頼性が高いことを示した。ミトコンドリアをもたない真核原生生物の一種であるギアルディアのペプチド鎖伸長因子EF-1αの遺伝子の塩基配列を決定し,この原生生物が真核生物の祖先型生物に近い可能性のあることを示した.
著者
宮田 隆
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.82-90, 1984-03-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
46

Some possible mechanisms of gene evolution were examined from the aspect of dynamical mode associated with drastic changes of DNA and genetic information. There is growing evidence that eukaryotic multigene families often underwent exchange of genetic information between members of each family during evolution by mechanism of either gene conversion or double unequal crossing-overs. A detail examination of many examples for such genetic information exchange reported to date revealed that they are classified into four categories. Some evolutionary implications for such genetic process were also discussed. Alternation of intron splicing mode associated with conversion of exon into intron was emphasized as a mechanism responsible for the emergence of a new gene which differs radically in structure and function from its ancestor. Gene shuffling and joining of adjacent genes by an intron would be a mechanism that is important for generating a variety of genes having diverse functions in evolution. Two major steps of evolution through such process was suggested to have occurred since the early evolution of organisms. A novel mechanism for the evolution of viral multifunctional genes was proposed; by integrating a foreign piece of DNA carrying a certain function, viruses could acquire a new function.
著者
宮田 隆 水野 重樹
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

一般に進化に寄与する突然変異の主要因はDNAの複製の際に生じるエラ-であると考えられている。もし、この仮定が正しければ、一般にオスの生殖細胞の分裂数がメスのそれ(前者の後者に対する比をαとする)よりずっと大きいと考えられているので、進化に寄与する突然変異の大部分はオスに由来する、という重要な結論へと導く。本研究は、このことを明らかにすることを目的として行われた。オスとメスの生殖細胞の分裂数に差があると、突然変異率が染色体間で異なることを理論的に導いた。すなわち、α>>1の場合、XX/XY型では突然変異率の比は、常染色体:Z染色体:Y染色体=1:2/3:2となる。興味あることに鳥類などのZW/ZZ型ではこの比がXX/XY型と比べて逆転することが示される:常染色体:Z染色体:W染色体=1:4/3:0(1/α)(0(1/α)は非常に小さな値)である。ここでXはZに、YはWに対応する。すなわち上記の仮定から、常染色体に対するX及びYの相対突然変異率(それぞれRx、Ryと書く)が哺乳類と鳥類で逆転する。この理論的結果を確認するために塩基配列の比較が行われた。遺伝子ごとにヒトとマウス(あるいはラット)の間で塩基配列を比較し、機能的制約がほとんど働いていない同義座位の置換率Ksを求めた。本研究では、常染色体遺伝子が35、X染色体遺伝子が6、Y染色体遺伝子が1つ解析され、常染色体遺伝子に対するX及びY染色体遺伝子の相対進化速度(R´x、R´y)が計算された。その結果、R´x=0.58、R´y=2.2となった。この結果は、理論的期待値Rx=2/3、Ry=2に非常に近い。以上のことから、我々は、進化に寄与する突然変異の大部分はオスによって生成されると結果した。我々は、鳥類でもこの結論を確認するため、Z及びW染色体遺伝子のクロ-ニングを試みた。残念ながら、クロ-ニングはまだ成功していない。今後も引続き続行する予定である。
著者
松本 和也 宮田 隆志
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.125-142, 2014-04-25 (Released:2014-04-25)
参考文献数
91

刺激応答性ゲルは,温度やpHなどの外部環境変化に応答して体積変化を示すことから医療分野や環境分野に利用できるスマートマテリアルとして注目を集めている.最近では,疾病などのシグナルとなる生体分子を認識して体積変化する刺激応答性ゲル(生体分子応答性ゲル)も報告されるようになり,ドラッグデリバリーシステムや診断システムなどを構築するためのスマートバイオマテリアルとしての利用が期待されている.このような生体分子応答性ゲルを創製するためには,標的生体分子に対する分子認識とそれによってネットワーク構造変化する応答機能とを連携させなければならない.そこで,これまでは生体分子認識による高分子網目の親水性・疎水性の変化や荷電状態の変化に基づいて生体分子応答性を示すゲルが報告されてきた.最近では,可逆的に結合解離する分子複合体をゲル内の動的架橋点として導入することにより生体分子応答性ゲルが合成されており,タンパク質や糖類をはじめとしたさまざまな標的生体分子に応答するゲルの設計が試みられている.本報では,抗体の抗原認識能などの生体分子機能を利用することによりデザインされた生体分子応答性ゲルについて,国内外の関連研究とともに筆者らの研究を概説する.
著者
宮田 隆夫 安 鉉善 猪川 千晶
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.Supplement, pp.S37-S52, 2012-08-15 (Released:2013-02-21)
参考文献数
45
被引用文献数
2

中央構造線(MTL)は,白亜紀中頃からアジア大陸東縁部の形成に大きく関連して活動した大規模な横ずれ断層であり,それに沿って和泉層群堆積盆地が発達した.本巡検は,和歌山市北部から大阪府岬町にかけた地域で,横ずれ成分をもつMTL断層系の破砕帯と白亜系和泉層群のタービダイト相,堆積構造(スランプ褶曲, 底痕),変形構造(背斜, 小断層, デュプレクス),コダイアマモの化石,大阪層群/和泉層群の不整合などを見学し,それらの形成及び和泉層群堆積盆地の形成について現地討論を行う.
著者
下堂薗 恵 野間 知一 宮田 隆司
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.583-586, 2017-08-18 (Released:2017-10-03)
参考文献数
15
被引用文献数
2

促通反復療法は,促通手技による意図した運動の実現とその集中反復により運動性下行路の再建,強化を目指した新たな運動療法で,主に軽度から中程度の片麻痺に対して良好な治療成績が得られている.一方,重度麻痺や痙縮などのために麻痺肢の随意性が低い場合,促通反復療法と他の治療法との併用療法が重要となる.われわれは低振幅の持続的低周波電気刺激と促通反復療法との同時併用,すなわち,わずかに筋収縮を生じる程度の神経筋電気刺激下に促通反復療法を行う方法を考案し,特に中重度の片麻痺に対して応用している.本法は患者の麻痺の程度や回復段階に応じて電気刺激強度を調整することで促通反復療法の適応を広げることが可能と考えられる.
著者
荒木 久生 申 基〓 元村 洋一 小林 之直 宮田 隆
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 (ISSN:18848184)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.403-406, 1997-11-30 (Released:2010-09-09)
参考文献数
6

In the case of maxillary protrusion, the bone resorption of maxillary alveolar bone is not observed after tooth extraction. In this case report, a denture base of the anterior shape in the maxillary denture was made the none denture base form to improve a protrusive feeling of a maxillary denture. And the magnetic attachment was used to stability of overdenture. As a result, it was provided clinically good condition in esthetic and functional.
著者
宮田 隆夫 安 鉉善 猪川 千晶
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, pp.S37-S52, 2012

中央構造線(MTL)は,白亜紀中頃からアジア大陸東縁部の形成に大きく関連して活動した大規模な横ずれ断層であり,それに沿って和泉層群堆積盆地が発達した.本巡検は,和歌山市北部から大阪府岬町にかけた地域で,横ずれ成分をもつMTL断層系の破砕帯と白亜系和泉層群のタービダイト相,堆積構造(スランプ褶曲, 底痕),変形構造(背斜, 小断層, デュプレクス),コダイアマモの化石,大阪層群/和泉層群の不整合などを見学し,それらの形成及び和泉層群堆積盆地の形成について現地討論を行う.
著者
北野 智靖 田川 哲哉 粟飯原 周二 Mirco Daniel CHAPETTI 宮田 隆司
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.401-406, 1997-06-01 (Released:2009-06-19)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

The influence of microstructure on non-propagating behavior of fatigue crack below the fatigue limit was investigated using low carbon steels with three different microstructures simulated heat affected zone of welds. Notched round bar specimens with different stress concentration factors were fatigued under axial loading at the stress ratios R=-1 (tension-compression). Fractographic and metallographic observations of non-propagating cracks at the stress level below fatigue limit were examined, and correlation between non-propagating crack and microstructures was investigated. Non-propagating cracks could be classified as Stage I or Stage II, depending on the microstructure and notch root radius. In the case of dull-notched specimens, where the notch factor in fatigue is proportional to stress concentration factor, the non-propagating crack is Stage I type regardless the microstructure, although Stage II type cracks were observed in sharp notched specimens for particular materials. The criteria for both Stage I and Stage II type non-propagating crack were discussed on the basis of the point stress model and fracture mechanics.
著者
中田 中泰彦 中島 洋介 窪田 信行 海賀 照夫 間宮 孝夫 三原 良明 山崎 洋子 神野 大乗 小林 槇雄 宮田 隆 西尾 みどり 高橋 利実
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.26-29, 2013-02-01 (Released:2014-11-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

症例は 50 歳女性,平成 5 年より全大腸炎型の潰瘍性大腸炎の診断で治療を継続していた.平成 19 年以降は 5-ASA 製剤の単独投与で寛解していたが急性増悪し,中毒性巨大結腸症,穿孔を合併し緊急手術を施行した.中毒性巨大結腸症は高率に穿孔を発症し,穿孔症例の死亡率は 20-40%であるため手術のタイミングを適切に判断することが重要である.また長期経過した全大腸炎型の潰瘍性大腸炎は癌化のリスクが高くなるため,二期手術の時期や術式について慎重に判断しなければならない.
著者
宮田 隆 前野 みゆき
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.53-59, 2003-10

分子で生物の進化を考える分子進化学が誕生して40年になります.これまでの分子進化学は大きく2つの流れに大別することが出来ます.1つは分子から生物の辿った進化の歴史を再現する分子系統学,もう1つは分子そのものの進化のメカニズムの研究です.