著者
牟田 昌平 小林 昭夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.477-483, 2002
被引用文献数
1

アジア歴史資料センターは,2001年11月30日,独立行政法人国立公文書館の組織として開設された。アジア近隣諸国との相互理解促進のために,政府が所蔵する戦前の公文書から,アジア諸国との関係資料をインターネットで「いつでも」「どこでも」「だれもが」「無料」で検索し画像データとして利用できる本格的なデジタルアーカイブである。閣議決定から開設まで2年間,最新の技術動向を踏まえながらも,できるかぎり既存の確立した技術を応用し,手書き文書も含めた文字情報の内容検索と閲覧,印刷,画像データダウンロードに機能を集中した情報提供システムである。本論では,センターの情報提供システムの特長と言える最新の画像圧縮技術を導入した画像提供システム,歴史用語と英語に対応する専門辞書,検索情報を充実させるための原文情報や英文検索対応の目録システムを中心に紹介する。
著者
熊田 貴之 小林 昭男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.315-320, 2000 (Released:2011-06-27)
参考文献数
4

In this paper, the results of the field survey on the coastal erosion at Kemigawa beach as the artificial beach are presented, and causes of the erosion are discussed using the sea conditions and the grain-size distribution of sands of the beach. The results of the investigation are summarized as follows:(1) The erosion at Kemigawa beach is intense compared with neighbor artificial beaches that has a characteristic like the Kemigawa beach.(2) The result of the numerical analysis using the cross section of the construction plan shows that the wave conditions of near shore at Kemigawa beach is calmness in the stormy weather.(3) The results of the grain-size analysis of sands show that the small-size sands that flow away from the center of Kemigawa beach maybe deposit at the base of the breakwater.(4) The result of the comparison between d50 of the sands and the gradient of the foreshore about the construction plan of Kemigawa beach shows that the beach has the tendency of the erosion.
著者
吉田 明夫 小林 昭夫 塚越 利光
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.401-406, 2006-03-31 (Released:2010-03-11)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Areal strain increased noticeably in the region around the northern boundary of the Izu Peninsula in September to December 2000 when a lot of low-frequency earthquakes occurred beneath Mt. Fuji. In the same time the seismic activity in eastern Yamanashi Prefecture became low. Since increase of the areal strain indicates reduction of the pushing force of the colliding Izu block, the decrease of seismicity in eastern Yamanashi Prefecture is easily understood. Further, because diminution of the tectonic stress beneath Mt. Fuji implies reduction of the confining pressure in the magma reservoir, we think it is probable that degassing took place in the magma to build up high pressure in the focal region near the chamber which caused the remarkable activity of the low-frequency earthquakes. We suggest the noticeable increase of the areal strain in late 2000 might be produced by a mechanical separation of the Izu block from the Philippine Sea plate or detachment of the crust of the Izu block as proposed by Seno (2005).
著者
小林 昭子
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.221-227, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
11

【目的】Goldmann視野検査の実技指導用にGPテクニカルチェックシート(以下シートとする)を作成した。問題解決型学習(以下学習とする)前後に施行した視野検査をシートで評価する実技教育指導法を検討した。【対象と方法】学生視能訓練士(以下学生とする)10名、臨床経験3年の視能訓練士3名を対象とした。指導者は3名であった。対象者間で視野測定し、到達度を指導者がシートに評価した。未到達の項目については問題の想起と解決をグループ討議で行い、視野を再測定後再度シートで到達度を確認した。シートでの到達度の変化から指導法を検討した。【結果】38項目の内、学生の到達可能な項目数は学習前が平均19.9±標準偏差3.5(平均52%)、後が22.6±4.0(59%)、視能訓練士は前が36.3±1.2(96%)、後が38(100%)であった。到達度の向上が10%以上向上は3/10名、10%未満は5/10名、低下は2/10名であった。「鼻側は正常範囲の外側から動かす」は学生10名全員が到達できていたが、「下方は最大稼働域から動かす」は7/10名、「視標速度を一定にする」は6/10名が学習前後とも到達できなかった。【結論】GP実習指導に不可欠な項目を列挙したシートを使用することで、指導者は指導内容が網羅できた。学習により検査手技の確認はできたが実測で技術がすべて身についていたとはいえず、指導を繰り返しての検討が必要と思われた。
著者
小林 昭 遠矢 光孝 福西 亮 吉田 愛知
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.263-268, 1974-10-10 (Released:2010-03-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2

ソテツ味噌を試醸し, ソテツの有毒成分であり発癌性の知られているcycasinと, アフラトキシン汚染の有無を検索した。また, 長期間動物に投与する試験を行なった。1) cycasinはソテツ種子自身のもつβ-グルコシダーゼで分解され, 通常の原料ソテツ粉末中には残存しなかった。cycasinが残存するようにして調製した原料では, 麹菌の成育が抑制され麹ができにくいが, cycasinは速やかに分解された。2) Sprague-Dawley系ラットに, ソテツ味噌を10~50%混入した飼料を62日間, または10%混入飼料を190日間給餌した。これらには1年間飼育ののち, いずれの臓器にも腫瘍の発生はまったくみられなかった。3) ここで用いたソテツ味噌の原料ならびに製品, 自家製ソテツ味噌3点にアフラトキシンは検出されなかった。
著者
北 賢二 小林 昭男 宇多 高明 野志 保仁 和田 信幸
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.409-414, 2005 (Released:2011-06-27)
参考文献数
3

Damages of wind blown sand were investigated at Makuhari artificial beach in Chiba Prefecture, the Chigasaki coast in Kanagawa Prefecture and Nakatajima Sand Dune in Shizuoka Prefecture. Fine sand was transported by wind and deposited on the promenade behind the beach, causing obstruction against traffics. In order to study these phenomena, field study on wind blown sand consideringg rain size effect was carried out at Kujukuri beach. It was confirmed that selective transport of fines and is important and this results in sorting effect in an extensive area.
著者
小林 昭
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.155-161, 1960-02-20 (Released:2011-09-21)
参考文献数
9
著者
小林 昭裕
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.425-430, 2016 (Released:2017-03-17)
参考文献数
101
被引用文献数
2

This study examined the processes of contextual affection among stakeholders toward Maruyama Park, which was located beyond the administrative boundaries of the city, using sociocultural perspectives. The proximity of the park to Sapporo Shrine was thought to impart special meaning to the place. The Sapporo Subdivision Congress and city mayor were eager to establish a park in the former forestry experiment station site. The Maruyama Park plan made by Nagaoka to comply with the requirements of the Sapporo Subdivision appeared to have defined the framework for the park of today. The need of the shrine to fulfill upgrading the level of shrine and the deep relationship between the citizens and the shrine had made the beautification of the ground with cherry blossoms, and became Maruyama Park and shrine as a famous place of appreciating cherry blossoms. Several stakeholders of Sapporo civil society have involved for establishing nature conservation and recreational use of the Maruyama Park and around area. This study clarified those values from sociocultural perspective: identity of the place, relationship among stakeholders, momentum of social background, effect of civil activities in environmental conservation and recreational use.
著者
大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典文 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 25.39 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.25-30, 2001-06-20 (Released:2017-06-23)

新Super-HARP(High-gain Avalanche-Rushing amorphous Photoconductor)膜は、アモルファスセレンを主成分とする光電変換膜で、膜内での電子のアバランシェ増倍現象を利用することで超高感度を実現している。この新Super-HARP膜を使用した撮像デバイスは、非常に暗いシーンの撮影に使用されるが、その際にはショットノイズによる画質劣化が問題となる。そこで、このショットノイズの影響を軽減するため、新Super-HARP膜の緑色光に対する量子効率の改善に取り組んだ。新しい膜構造の設計にあたっては、アモルファスセレン層の一部にテルルを添加した領域を設けるとともに、このテルル添加領域を入射光(信号電極側)寄りに挿入することでその増感効果を一層高めることとした。これによって、カラーカメラの画質に大きな影響をおよぼす緑色光での量子効率を従来の約2倍に高めることができた。また、ショットノイズのみを考慮したS/N_<shot>を評価した結果、緑色光で約3dBの改善が認められた。
著者
野口 聡子 駿河 康平 中井 久美子 村嶋 章宏 木村 泰裕 小林 昭雄
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.156-162, 2018-12-01 (Released:2019-01-21)
参考文献数
13
被引用文献数
2

【目的】オカラを食用微生物であるテンペ菌で発酵させた発酵オカラ(OT)にバナナを加えたオカラ発酵素材(OTB)を開発した。本研究ではヒトにおいて血糖とインスリンに対するOTB粉末の影響を探索的に検討した。【方法】研究デザイン:単群試験。健常ボランティア17名を対象とし,OTB粉末を 10 g添加したヨーグルト(OTB試験食),糖質を同等量とするためにグルコースを 6 g添加したヨーグルト(対照食)をそれぞれ別の日に摂取させ,食前,食後30分,60分,120分の血糖値と血清インスリン値を比較した。【結果】 OTB試験食と対照食のいずれにおいても血糖値と血清インスリン値の上昇は小さかった。OTB試験食と対照食の摂取後を比較すると,食後血糖値の上昇には有意な差はなかった(30分値:対照群 92.8±11.6 mg/dl vs OTB群 91.1±11.5 mg/dl)が,30分後のインスリン値がOTB試験食群で対照食と比べ有意に低かった(30分値:30.6±15.3 μU/ml vs 22.1±13.8 μU/ml,p<0.01)。【結論】 本研究で実施したOTB試験食と対照食のいずれにおいても十分な血糖と血清インスリン上昇をきたさなかったため,OTB粉末がヒトにおける糖代謝改善効果を有するかどうか明確な結果を得ることは出来なかった。食後インスリン値が低いにもかかわらず血糖値が同程度であった点について検証するために,本研究結果を踏まえてプロトコールを再検討した上で実施する必要がある。
著者
小林 昭裕
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.277-282, 1988-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

石狩平野は低地に位置する立地条件から, 石狩川の洪水氾濫に幾度も見舞われてきた。そのため, 北海道開拓以来, 水害対策が継続的に取り組まれた。こうした中, 1981年8月に発生した洪水は, 記録的な豪雨が基本的要因であったが, 石狩平野の低地における水害対策上, 水系自体の治水に加え, 自然条件を考慮した土地利用の必要性が示された。本論では, 主として石狩平野特有の泥炭地等の低湿地の土地利用について, 考察した。
著者
小林 昭裕
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.277-282, 1989-03-31
被引用文献数
1

石狩平野は低地に位置する立地条件から,石狩川の洪水氾濫に幾度も見舞われてきた。そのため,北海道開拓以来,水害対策が継続的に取り組まれた。こうした中,1981年8月に発生した洪水は,記録的な豪雨が基本的要因であったが,石狩平野の低地における水害対策上,水系自体の治水に加え,自然条件を考慮した土地利用の必要性が示された。本論では,主として石狩平野特有の泥炭地等の低湿地の土地利用について,考察した。
著者
松原 智樹 大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典史 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明 河合 敏昭 本坊 正典 吉田 哲男 内田 徹也 盛 英三
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.35-38, 2002
参考文献数
7
被引用文献数
2

超高感度・高画質と高信頼性とを両立させたハイビジョンカメラを実現するため、厚さ15μmの新Super-HARP膜でのハイライトきず(強いスポット光が入射したときに生じる白きず)の発生防止に取り組んだ。膜の動作温度ときず発生との関係を調べた実験から、膜の動作温度を従来(約25℃)よりも高温側にシフトさせることでハイライトきずの発生が抑制できることを見い出した。この動作モードでの実用化を目指して耐熱性向上の研究に取り組み、不純物添加濃度の最適化で、きず発生を抑制できる温度での安定動作を可能とした。本膜を適用した超高感度ハイビジョンハンディカメラは信頼性や機動性にも優れ、夜間緊急報道等の放送用途のほか医学研究や科学分野等で活用されている。
著者
小林 昭三 興治 文子
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.3386-3386, 2017

<p>明治150年前年までに世界最先端レベルの物理学や化学や生理学他の本格的科学教育実現に挑みその新展開を目指した多くの新証拠を各地の授業筆記探索し発見してきている。そうした科学・理科・物理の教育史に関する新知見と諸成果について報告し,その現代的な科学教育の源流,その国際的な相互連関,能動学習型(Gage教科書他)における科学教育の今日的価値を考察して,それらを現代的にどう蘇らせるかを考究する。その際,最新のモバイルICT基盤を活用したアクティブラーニング授業法としてどう新展開出来るかについての試みを報告する。特に,科学の核心的概念を深く形成する際の鍵実験における予測と検証の過程を従来に無い様な見事なデータ提示などで明快な検証法として新展開できる,最新のモバイルICT(タブレットPC・超高速カメラ他)活用による手軽で効果的な能動学習型授業法について論究する。</p>
著者
小林 昭裕
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.589-592, 1996-03-28 (Released:2011-07-19)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2

大雪山国立公園内の2箇所の区域を対象に, 利用者が利用体験を重視する程度と, 利用行為に伴うインパクトに対処する管理方策への支持やインパクトに対する不快感との関係について検討した。 利用者が示す態度の違いは区域間で小さかった。 しかし, 利用体験を重視する程度と管理方策の支持との関係は, 区域間で異なり, 利用者が支持する管理方策を用意するには, 区域毎に利用者が示す態度に応じた対応が求められた。 また, 対人的接触へのインパクトに比べ, 利用行為が自然環境に及ぼすインパクトについて, 対処の必要性や緊急性が高く, 利用者の不快感が強い傾向を示した。
著者
小林 昭裕
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.673-678, 2001-03-30 (Released:2011-09-13)
参考文献数
36
被引用文献数
2 5

国立公園では, 野外レクリエーション需要の高まりと利用形態の多様化によって, 生態系だけでなく自然体験の質の劣化が生じている。自然環境と自然体験の質を維持するには, 既存の計画手法に, 新たな方策を導入する必要がある。本研究では, 利用体験の質の保全に清眼し, その概念の導入を検討した。その結果, 機会を, 利用者が予想した利用体験を実現するため, 一定の空間で, 活動する利用者にとって好機ととらえ, 機会の多様性を図るという考え方は, 過剰利用に対応し, 自然体験の質を保全する上で有効な概念であり, 既存の国立公園の計画や管理を補完し, 統括的な計画や管理行為を考える上で, その有効性は大きいと判断された。
著者
花井 孝明 小林 昭久 盛永 健郎 日比野 倫夫
出版者
鈴鹿工業高等専門学校
雑誌
紀要 (ISSN:02865483)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.39-42, 2013-02-28

改良した最大エントロピー法を,そのデコンボリューション効果を調べるために,大きく焦点ずらししたTEM像の修復に適用した.最大エントロピー修復法の改良のために,推定ノイズに空間的ランダム分布制約を課した.この制約は,量子ノイズの統計的性質と矛盾しないものである.フェリチン粒子の焦点ずらし像から,粒子の元の形状と大きさが復元できたが,シミュレーションで見られたような,従来法を上回るような改良法の優位性は得られなかった.大きく振動していたコントラスト伝達関数は,よく再構築されて,正しいコントラストを与えている.