著者
加藤 久和 杉浦 一孝 森際 康友 中村 真咲 楜沢 能生 松本 恒雄 小長谷 有紀 萩原 守 小長谷 有紀 萩原 守 楜澤 能生 松本 恒夫 蓑輪 靖博 大江 泰一郎 恒川 隆生 奥田 進一 中村 真咲 上村 明 鈴木 由紀夫 B.アマルサナー S.ナランゲレル J.アマルサナー SH.バットスフ
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、モンゴル国における土地法制をめぐる諸問題を法社会学的な観点から研究することにより、モンゴル国の土地をめぐる紛争と環境破壊の防止に貢献することを目指した。日本国内で研究会・シンポジウムを開催するとともに、都市・牧地・定着過程にある牧地・農地・鉱山の5つの研究班による現地調査を実施し、その調査結果をモンゴル国で開催した研究成果報告会で報告した。この調査結果は高く評価され、モンゴル鉱物資源法改正のための参考資料としてモンゴル国会にも提出された。
著者
松原 正毅 庄司 博史 小長谷 有紀 林 俊雄 堀 直 濱田 正美
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

本研究の平成5年度における調査では、新彊とモンゴル国を主要な研究対象とした。新彊においては、アルタイ山脈と天山山脈にて調査を継続している。アルタイ山脈では、平成3年度から持続しているカザフ族、トゥワ族、トルグ-ト・モンゴル族の遊牧生活についての調査をおこなった。この調査にあたったのは、松原正毅と楊海英である。従来、この地域の遊牧生活についての調査資料はまったくなかったといってよい。その意味では、すべての研究実績が学術的な空白をうめるうえでたいへん有益な役割をはたしたといえる。アルタイ山脈のカザフ族については、移動の歴史、社会構造の変遷、遊牧生活の現状などにわたる多大な情報を収集することができた。とくに、1930年代から1980年代にいたる時代(中華人民共和国の成立前後をふくむ時代)に対応した社会組織の編成と再編成について克明な資料を入手した。この資料は、社会主義化のなかで従来のカザフ遊牧民の社会組織がどのような過程をへて崩壊し、1984年の生産請負制の導入にともなってあらたな形に再編成されたかを具体的にしめす重要なものといえる。同時に、この資料は、遊牧の起源と遊牧社会の特質についての考察に多大な寄与をもたらすものである。アルタイ山脈では、カザフ族だけでなく、トゥワ族やトルグ-ト・モンゴル族も調査対象になった。トゥワ族やトルグ-ト・モンゴル族についての調査資料は、地域社会における少数民族のありかたをかんがえるうえで貴重な情報をもたらしている。とくに、トゥワ族は、中国においても1980年代にはいってひとつの独自な集団と認定された民族で、新彊全域で2000人ほどの人口を保持するにすぎない。トルコ系の言語をはなしているが、宗教的にはモンゴル族とおなじ仏教徒である。そのため、外部からはモンゴル族と同一にあつかわれてきた。トゥワ族自身も一部は独自の民族意識をもっているが、一部はモンゴル族意識をもつというように、民族意識のうえにおいて分裂している。この事象は、民族形成においてみずからの意識が重要な役割をはたすことをしめす例といえる。トルグ-ト・モンゴル族は、現在カザフ族と密接な接触をたもちながら遊牧生活をおくっているため、カザフ語とのバイリンガル現象があらわれてきている。これがかれらの生活に相互的な影響をおよぼしている。トゥワ族やトルグ-ト・モンゴル族の事例は、民族形成論を構築するうえで貴重な手がかりを提示するものである。同時に、トゥワ族やトルグ-ト・モンゴル族の遊牧に関する歴史人類学的資料は、従来の学術的空白をうめるものといえる。トルグ-ト・モンゴル族の調査には、小長谷有紀もくわわった。新彊では、アルタイ山脈だけでなく天山山脈においても調査をおこなった。天山山脈では、山脈の中央に位置するユルドゥス渓谷を中心に調査を実施をしている。この調査には、松原、林俊雄、浜田正美、堀直、楊が参加した。ユルドゥズ渓谷は、非常にふるくから遊牧民の活動の舞台となった地域であるが、中華人民共和国の成立後軍事的な要地となったため外国人研究者のたちいりがまったく許可されない地域となっていた。今回、外国人研究者としてはじめて入城がゆるされたので、新発見にちかい多大な成果があった。いままで記録されていないおおくの古墳や石人、遺構を発見し調査をおこなっただけでなく、この渓谷で遊牧生活をおくるトルグ-ト・モンゴル族について多方面にわたる情報をうることができた。モンゴル国における調査は、西モンゴルを中心におこなった。この調査には、松原、林、浜田、堀、楊が参加した。西モンゴルも、従来外国人研究者のたちいりが厳重に制限されていた地域である。そのため、数おおくの遺跡や遺構をあらたに発見し、記載することができた。それだけでなく、モンゴル語化しながらもイスラム教の信仰を保持するトルコ系のホトン族の調査もおこなっている。ホトン族の資料も、民族形成論を構築するうえに重要な情報を提供するものといえる。いずれも遊牧の歴史人類学的研究にとって貴重な成果である。以上のほか、青海省において庄司博史が土族の調査を担当した。上記の調査の比較資料として重要といえる。
著者
都馬 バイカル 小長谷 有紀 二木 博史 長谷川・間瀬 恵美
出版者
桜美林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

2021年度、新型コロナウイルス感染症により、国際シンポジウムは開催できず、さらに延期したが、研究代表者と分担者及び海外協力者たちは、常に連携しながら、資料収集と翻訳を行い、分析を進め、その成果の一部を論文と口頭発表で公開した。代表者都馬バイカルの研究成果は、監修・共著1部、論文1篇、研究発表3件がある。監修・共編著『ハンギン・ゴンブジャブ』は、アメリカ合衆国インディアン大学教授で、スウェーデン宣教師と深い交流があったハンギン・ゴンブジャブ博士の伝記と彼に関する研究論文及び回想文をまとめた研究書である。また、国立民族博物館が主催した日本・モンゴル外交関係樹立50周年記念特別展「邂逅する写真たちーモンゴルの100年前と今」(2022.3.17-5.31)にスウェーデンモンゴルミッションの印刷物を提供し、宣教師エリクソンがモンゴルで撮った写真の解説に協力した。分担者小長谷有紀は、論文Street Dogs in Mongolia Captured by the Pictures in Travelogues from the Late 19th and Early 20th Centuries: A Case Study of Finding Logic in the Photographsと「木へのまなざし」で、宣教師と探検家たちの写真コレクションを横断的に活用し、20世紀初頭のウルガの都市事情を解明した。分担者二木博史は、宣教師ラルソンについて資料収集し、研究を進めてきた。分担者長谷川(間瀬)恵美は、宣教師フランソンについて研究を続けてきた。また、宗教学について論文が「心あたたかな医療によせて―終末期における<魂>への配慮、音楽死生学と緩和ケア―」を『宗教研究』(第34号pp.173-179)に掲載された。
著者
うりやんはい なちんしょんほる 額爾 徳尼 るぶさんどるじ じゃるがるさいはん 藤田 昇 山村 則男 小長谷 有紀 吉川 賢
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

本研究は,モンゴル国の草原にて,遊牧民に携帯させたGPSで季節移動,群れの中で放牧されているヒツジに設置したGPSロガーで日帰り放牧の経路を記録した.また、植生調査と遊牧民対象に聞き取り調査を実施した.その結果,季節移動の回数と距離が気候条件によって異なり,日帰り放牧が暖季に水と草原の生産力,寒季に気温に影響されていた.変動する環境条件に対する遊牧の適応が、草原生態系の持続性に寄与していると示唆された。
著者
小長谷 有紀 帯谷 知可 ダダバエフ ティムール 島村 一平 吉田 世津子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

モンゴルおよび中央アジア諸国において20世紀に人びとが経験した社会主義時代の生活上の大きな変化について理解を深めるために、写真やポスターなどの公的な画像記録と、それらによって喚起される人びとの私的な記憶を収集した。とくに、高齢者の語りを人生史として収集した。公的な記録と私的な記憶のずれや、地域による違いなどから、社会主義的近代化プログラムの画一性と、地域によって異なる文化的な多様性とを明らかにした。
著者
石井 智美 小長谷 有紀
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.281-285, 2002-10-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
7
被引用文献数
7 13

馬乳酒 (kumiss) は, モンゴル国の遊牧民の間で長い間大切にされてきた飲みもので, 乳酸菌と酵母によってウマの生乳を発酵させてつくられる伝統的な飲料である。遊牧民の成人男子においては夏季に毎日3Lの馬乳酒が飲まれていた。食生活において馬乳酒が, エネルギー摂取量に示す割合を調べた。調査世帯では, 成人男子における1日のエネルギー摂取量のうち, 約50%を馬乳酒によって摂っていることが明らかになった。さらに調査の結果, 1999年の旱魃, 2000年, 2001年の雪害によって, 多くの家畜が死んだ。このことで夏季に新鮮な乳製品が摂れなくなっていた。馬乳酒は遊牧民のエネルギー摂取に大きな役割を持っている。伝統的な発酵乳製品が摂取できなくなることによって, 食生活が変化すると, 遊牧民の食形態と健康に大きな影響をもたらすものと考える。
著者
松川 節 三宅 伸一郎 小長谷 有紀 二木 博史 井上 治 二神 葉子 中村 和之 白石 典之 白石 典之 村岡 倫 小野田 俊蔵 バイ カル 山田 誠
出版者
大谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

モンゴル国に現存する世界文化遺産エルデニゾー僧院の保存・保護に向けて,基礎研究と現地における本調査を行った結果, (1)エルデニゾー僧院およびモンゴル帝国の首都カラコルムの歴史を解明する新たな文字資料2点を発見, (2)エルデニゾー立地点における8世紀~20世紀までの考古学的文化層について基礎データを収集, (3)モンゴル国政府に向けて,エルデニゾー寺院の研究と保存保護に関する6項目からなる「提言書」を提出などの成果を得た。