著者
徳山眞実 廣井慧 山内正人 砂原秀樹
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.40, pp.1-6, 2013-03-07

科学の進歩によって今まではデータとして扱うことができなかった人の感性や好みを情報化しようとする試みがなされている.本研究では「女子力」という曖昧な感性情報を数値化することを目的とし女子力の数値化手法を提案する.「女子力」という言葉は2001年に新しく作られた造語で女性ファッション誌や広告等で頻繁に使用されており,現代女性の女性らしさの尺度である.しかし,明確な定義はなく非常に曖昧なまま使用されている.そこで,これらの感性を数値化することで具体的な尺度になり,女子力を上げたいと望む女性の指標としてモチベーション維持や行動変容に繋がる可能性も考えられる.また,「女子力」だけでなく,女性らしさの尺度となっている言葉は数多く誕生している.それは女性の社会進出が進み人々が掲げる「女性像」というものが多様化してきているという背景からである.提案する数値化手法では情報の入力,処理,出力という3つのステップを行う.その為に入力情報の決定,基準値の決定,正規化を行う.そして実際に2つのケースを例にとり数値化を行う比較実験と,行動変容への可能性を探る実験の2つを行う.その結果から考察を行い,今後の課題を明らかにする.By the progress of science, The progress of science has been developed to enable to quantify personal preference and sensitivity. In this paper, this research proposes a method to quantify and measure 'Joshi-ryoku', with an objective to numerically measure sensibility is proposed. 'Joshi-ryoku' is a word used for women to develop their sense of style or fashion in Japan. It is a common term used among young girls to increase their attraction. This word 'Joshi-ryoku' is a coined word, created in 2001. In most cases by enhancing your 'Joshi-ryoku', many women tend to become prettier or more attractive.However, it has no clear definition and the way it is being measured is ambiguous, but the term is still used within the daily life. With the diversification of a women's image in our generation, the society has created many terms to define women's image. Our scale of 'Joshi-ryoku', can increase and maintain their 'Joshi-ryoku' motivation. The research methodology is conducted through three steps. First is by the determining the input of the information, second is to determine the reference value, and thirdly is normalization of 'Joshi-ryoku' scale. We quantify 2 samples. Our results shows the possibility that our method can quantify and measure ' Joshi-ryoku'.
著者
徳山眞実 廣井慧 山内正人 砂原秀樹
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2013-IOT-20, no.40, pp.1-6, 2013-03-07

科学の進歩によって今まではデータとして扱うことができなかった人の感性や好みを情報化しようとする試みがなされている.本研究では「女子力」という曖昧な感性情報を数値化することを目的とし女子力の数値化手法を提案する.「女子力」という言葉は2001年に新しく作られた造語で女性ファッション誌や広告等で頻繁に使用されており,現代女性の女性らしさの尺度である.しかし,明確な定義はなく非常に曖昧なまま使用されている.そこで,これらの感性を数値化することで具体的な尺度になり,女子力を上げたいと望む女性の指標としてモチベーション維持や行動変容に繋がる可能性も考えられる.また,「女子力」だけでなく,女性らしさの尺度となっている言葉は数多く誕生している.それは女性の社会進出が進み人々が掲げる「女性像」というものが多様化してきているという背景からである.提案する数値化手法では情報の入力,処理,出力という3つのステップを行う.その為に入力情報の決定,基準値の決定,正規化を行う.そして実際に2つのケースを例にとり数値化を行う比較実験と,行動変容への可能性を探る実験の2つを行う.その結果から考察を行い,今後の課題を明らかにする.
著者
坂田 圧巳 松本 真治 山内 正明 岡本 健
出版者
北海道大学観光学高等研究センター、鷲宮町商工会 = Center for Advanced Tourism Studies, Hokkaido University, Washimiya Town Commerce and Industry Association
雑誌
CATS 叢書 (ISSN:03855961)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.30-55, 2010-03-20

次世代まちおこしとツーリズム : 鷲宮町・幸手市に見る商店街振興の未来 = Community Development and Tourism for the Next Generation
著者
砂原秀樹 山内正人 金杉洋 柴崎亮介
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1024-1026, 2014-07-02

位置情報を含むさまざまな情報を収集し活用することで有益な情報を生み出すことは可能であるが、そこに含まれるパーソナル情報をどのように扱うべきかについてはさまざまな議論がある。「情報銀行」の取組は、パーソナル情報を取り扱うHUBとなる組織を介し、安全にそして安心してパーソナル情報を預けられるようにし、それらを活用する試みである。本論文では、「情報銀行」の構想について紹介すると共に、それが目指す仕組み、特に技術的課題について述べる。また、「情報銀行」を実現するため我々はインフォメーションバンクコンソーシアムを設置した。ここでは、技術、社会受容性、利活用について検討を行い、「情報銀行」を実現するための研究・開発・実証実験を行う予定である。実現のためには、技術的課題だけを解決すればよいのではなく、そのメリットを正しく認識し、こうした仕組みが社会に受け入れられるために必要な事柄を整理する必然性がある。この組織は、こうした課題に取り組み、その成果を公開していくことを目標としている。ここでは、インフォメーションバンクコンソーシアムの活動についても概説する。

3 0 0 0 OA 覚醒時興奮

著者
金谷 明浩 亀山 良亘 山内 正憲 蔵谷 紀文
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.739-744, 2014 (Released:2014-10-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

小児の覚醒時興奮は自傷行為のリスク,看護スタッフの負担,両親の満足度を低下させるなど,術後の大きな問題の一つである.リスク因子には年齢,術前不安,性格,痛み,麻酔方法,術式がある.麻酔方法は重要で,血液/ガス分配係数の小さいセボフルランやデスフルランは広く使用されているが,小児の覚醒時興奮の原因として注目されている.予防・治療にはオピオイド,ミダゾラム,ケタミン,α2受容体作動性鎮静薬,非ステロイド性抗炎症薬などの周術期投与が有効とされている.プロポフォールによる麻酔維持も予防に有効である.小児では覚醒時興奮が生じにくい麻酔方法を選択するべきで,発生した場合は適切に治療を行わなければならない.
著者
北本亜由美 山内正人 砂原秀樹
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.43-50, 2014-11-27

家族という単位が崩壊し,縮小化に向かっている.その影響により,ペットはコンパニオンアニマル,すなわち生活するうえでの 「伴侶」 という位置づけを獲得し,飼い主との情緒的結びつきがより密接になった.そのため,ペットと死別すると,ペットロス症候群に陥る人が増えてきている.ペットロスから回復するためには,悲しみを吐き出すことが重要だとされているが,ペットを亡くした悲しみは同じような体験をしていないとなかなか周囲の理解を得られないため,多くの飼い主が心に溜めている.そこで,本研究ではインターネットを活用して同じような体験をした飼い主同士を繋げ,悲しみを吐き出せる場を作ることで,心の負荷軽減を行い,ペットロスからの回復を助けるような仕組みを構築する.本稿では,オンラインセルフヘルプミーティングの提案および飼い主同士で円滑にミーティングを実施するための機能について評価する.
著者
徳山 眞実 廣井 慧 山内 正人 砂原 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.489, pp.223-228, 2013-03-07

科学の進歩によって今まではデータとして扱うことができなかった人の感性や好みを情報化しようとする試みがなされている.本研究では「女子力」という曖昧な感性情報を数値化することを目的とし女子力の数値化手法を提案する.「女子力」という言葉は2001年に新しく作られた造語で女性ファッション誌や広告等で頻繁に使用されており,現代女性の女性らしさの尺度である.しかし,明確な定義はなく非常に曖昧なまま使用されている.そこで,これらの感性を数値化することで具体的な尺度になり,女子力を上げたいと望む女性の指標としてモチベーション維持や行動変容に繋がる可能性も考えられる.また,「女子力」だけでなく,女性らしさの尺度となっている言葉は数多く誕生している.それは女性の社会進出が進み人々が掲げる「女性像」というものが多様化してきているという背景からである.提案する数値化手法では情報の入力,処理,出力という3つのステップを行う.その為に入力情報の決定,基準値の決定,正規化を行う.そして実際に2つのケースを例にとり数値化を行う比較実験と,行動変容への可能性を探る実験の2つを行う.その結果から考察を行い,今後の課題を明らかにする.
著者
金谷 明浩 山内 正憲 江島 豊 阿部 望
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-26, 2016-04-01 (Released:2016-04-07)
参考文献数
4

東日本大震災後,病院危機管理の一つに震災対策が重要な位置を占めている。今回われわれは,手術中に発生した震度6の地震を想定した避難訓練を行った。隣接した2つの手術室で行い,参加したスタッフは医師,看護師,臨床工学技士,医療クラークを含め総勢32名であった。訓練担当看護師により災害発生時のフローチャートやシナリオが事前に説明された。今回の訓練ではアクションカードを用いた初期対応及び避難経路の確認,さらに,手術や麻酔覚醒の方針について震災状況を考慮して麻酔科医と外科医の間で協議してスムーズに決定することができた。手術室における災害訓練は必要不可欠であり,今後も継続して行うことが重要である。
著者
福山 勝彦 小山内 正博 関口 由佳 上野 詠子 根岸 康至 矢作 毅 二瓶 隆一
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, 2005-04-20
被引用文献数
1

【目的】腰痛を主訴に整形外科外来を受診する患者に、浮き趾を呈している症例が多くみられる。浮き趾は立位時に足趾が地面に接していない状態、つまり歩行時に足尖まで体重移動が行なわれず、地面に対する踏み返しが適正に行なわれない状態である。このような場合、後方荷重となり骨盤、腰椎の正常なアライメントが崩れることで傍脊柱筋の緊張が高まり、腰痛の原因になるものと推察する。我々は浮き趾治療の一つとして、浮き趾治療用の草履を着用させている。本研究は、この草履が歩行時、筋活動にどのように影響しているか検討することを目的とした。<BR>【対象】浮き趾を呈する成人女性20名(20~25歳、平均21.3歳)を対象とした。浮き趾に関しては、改良型PedoscopeならびにFoot printにて検出した。<BR>【方法】裸足歩行、我々の作製した草履を1趾と2趾の根元まで鼻緒を挿入して着用した歩行、1趾と2趾の間で浅く挟みつまむようにして着用した歩行、また市販のサンダルを着用した歩行をメトロノームを用い、同じ速度で歩行させた。測定前に草履に慣れさせるよう、十分練習を行なった。脊柱起立筋、大殿筋、腹直筋、大腿直筋、下腿三頭筋、足趾屈筋を導出筋として、電極を運動点中心に30mm幅で貼付し、足底にフットスイッチを装着した。各筋活動を表面筋電計(Mega Electronics社製 ME―3000)にて導出、AD変換しパーソナルコンピューターに保存、波形解析ソフト(Mega-win)にて解析した。1歩行周期における各筋の積分値を正常歩行100%として正規化し、各歩行における筋活動量について比較検討した。<BR>【結果】サンダル歩行に比べ草履を浅く着用した歩行では、脊柱起立筋で有意に筋活動量が低下し、大腿直筋、下腿三頭筋、足趾屈筋では有意に増加した(p<0.01)。大殿筋では、減少傾向がみられた(p<0.05)。草履を深く着用した歩行に比べ浅く着用した歩行でも、脊柱起立筋で有意に筋活動量が低下し、大腿直筋、下腿三頭筋、足趾屈筋では有意に増加した(p<0.01)。大殿筋では、減少傾向がみられた(p<0.05)。<BR>【考察】我々が作製した草履は、底の部分に「アメ底」と呼ばれる塩化ビニール製の硬めな材料を使用することで、柔らかい素材を使ったビーチサンダルのように勝手に折れ曲がり、不適切なToe breakがおこるのを防止している。また、適度にヒールアップさせることで趾尖に体重が乗りやすくしている。履き方として、足趾の根元まで挿入せず浅めに履いて、1趾と2趾で鼻緒を挟み、つまむようにして歩くようにしている。これにより、Toe break時に足趾で床を踏み込むようになり、下腿三頭筋や足趾屈筋の筋活動量が増加したものと考える。また、後方にあった重心が前方に移動したことで、骨盤、腰椎のアライメントが矯正され、歩行時、傍脊柱筋の緊張が軽減され、筋活動量も減少したものと考える。以上の点から、草履を使用した浮き趾の改善は、腰痛治療にも効果的なことが示唆された。
著者
山内 正博
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.292-323, 1955-12

At the time when the Southern Sung dynasty was founded, the government was faced with the defense against the invasion of the Chin army from outside and with the suppression of rebels inside. In order to provide against such a crisis they were obliged to rely upon the activity of generals so that the power of these generals was enlarged. Such military power was represented by four men, namely Chang Chün 張俊, Han Hsi-ch’ung 韓世忠, Liu Kuang-hsi 劉光世, and Yüeh Fei 岳飛. All of these people were born of humble parents and fought for the reconstruction of the Sung dynasty. They distinguished themselves in defending the Chin army and subdued rioters whose followers they made their subordinates. Thus in 1133 each of them became a great power, possessing fourteen or fifteen thousand soldiers. Since 1129 when many Chên-fu-shih 鎭撫使 were appointed in the areas north of the Yangtzŭ river, they were invested with full powers of administering each district. The four generals gradually took their places and ruled over wide districts as Hsüan-fu-shih 宣撫使. As a result they occupied important political positions. The real power supporting the Southern Sung dynasty was nothing but a synthesis of power of those four generals. But the development of their influence threatened the government as a centrifugal and dangerous factor. Thus the dynasty encountered with a great contradiction in the process of founding the country. It was Ch’in Kuei 秦檜 who dealt with the solution of the problem. He is notorious as he was responsible for the death of Yüeh Fei
著者
立岡 良夫 小野 ゆき子 海法 悠 大西 詠子 村上 衛 山内 正憲
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.259-262, 2018-10-25 (Released:2018-11-07)
参考文献数
14

【背景】市販メントールクリームは,皮膚に清涼感と侵害刺激と類似した感覚を生じさせる.その主成分であるL-メントールは,鎮痛効果と痛覚過敏の誘発という二面性を持つことが報告されている.メントールクリームが痛覚と知覚に及ぼす影響を詳細に検討することは,痛み発生メカニズム解明の一助となる可能性がある.【目的】メントールクリームが機械刺激と電流刺激の感受性に及ぼす影響を明らかにする.【対象と方法】健常者80名の前腕にメントールクリームを塗布し,塗布前後でピン刺激に対する視覚アナログスケール(VAS)値とPainVision®[ニプロ(株)]の電流刺激に対する知覚閾値と痛覚閾値を測定した.【結果】ピン刺激に対するVAS値と知覚閾値は塗布前後で有意に変化しなかった.塗布後に痛覚閾値は平均19.2%(95% CI 18.6~19.8,P<0.01)低下し,塗布前の痛覚閾値が高い被験者ほど塗布後の低下が大きい傾向があった(r=−0.39,P<0.001).【結語】メントールクリームは電流刺激に対する痛覚過敏を惹起し,その程度は電流刺激で痛みを感じにくい被験者ほど大きかった.
著者
福山 勝彦 小山内 正博 関口 由佳 二瓶 隆一 矢作 毅
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0282, 2004 (Released:2004-04-23)

【はじめに】骨折や変形性関節症術後などの骨関節疾患において、部分荷重が増加すると両松葉杖から片松葉杖に移行させる。通常、片松葉杖は健側上肢に持たせるが、時として健側上肢機能が低下していることで患側上肢に松葉杖を持たせることを余儀なくされる場合がある。今回の研究は、健側に片松葉杖を持ったときと、患側に片松葉杖を持ったときの歩行時筋活動量を比較しその特徴を調べ、早期にどの筋を優先的にトレーニングしなければならないかを検討することを目的とした。【対象・方法】健常成人女性15名(20~27歳、平均21.5歳)を対象とした。右側を患側と設定し、全荷重歩行(自由歩行)、左手に松葉杖を持った片松葉杖歩行(Lt松葉杖)、右手に松葉杖を持った片松葉杖歩行(Rt松葉杖)をメトロノームを用い、同じ歩行スピードで歩行させた。片松葉杖歩行の前に部分荷重2/3の練習を行わせ、十分歩行練習をさせた後に測定を行った。 筋電計(Mega electronics社製ME-3000P)を用い、右側大殿筋(G-max)、中殿筋(G-med)、大腿四頭筋(Quad)、外側ハムストリングス(L-ham)、内側ハムストリングス(M-ham)、下腿三頭筋(Gastro)、前脛骨筋(TA)、股関節内転筋群(Add)を導出筋とし、電極を運動点中心に20mm幅で貼付した。立脚相における各筋活動量の積分値を求め、全荷重歩行を100%として正規化し、Lt松葉杖、Rt松葉杖における筋活動量について比較検討した。【結果】全荷重歩行とLt松葉杖歩行の比較において、Quad、L-ham、M-ham以外の筋で有意に筋活動量の低下がみられた。(p<0.01) Lt松葉杖歩行とRt松葉杖歩行の比較においては、G-max、G-med、Gastroの筋活動量が有意に増加し、全荷重歩行時以上の筋活動がみられた。(p<0.01) その他の筋において有意差はみられなかった。【考察】Pauwelsの式を応用すれば、患側に松葉杖を持ったときの中殿筋は、健側に持ったときよりも3倍以上の筋力が必要であると考えられる。しかし実際には、骨盤を患側に傾斜し体幹を側屈した、いわゆるDuchenne-Trendelenburg徴候様の歩行となり、重心の患側移動が起こることでいくらかは軽減される。今回の実験では、約1.5倍程度の増加であった。股関節伸展モーメントは、床反力による上体の崩れ防止と支持機能のために作用する。患側に松葉杖を持つことは、支持基底面を減少させ、バランスが崩れやすい状態となっている。これをコントロールするために、大殿筋の筋活動が増加したものと推察する。 これらのことから患側に松葉杖を持った場合、立脚相後期において、より強い推進力と足関節制御機構が必要となり、下腿三頭筋の筋活動が増加したものと思われる。 以上の結果から、患側上肢に片松葉杖を持つことを余儀なくされる場合には、早期より中殿筋、大殿筋、下腿三頭筋を中心とした筋力トレーニングを行う必要性が示唆された。