著者
山口 信 森島 慎太郎
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.105-116, 2023 (Released:2023-11-15)
参考文献数
18

本研究では,細径真直鋼繊維を適用したスラリー充填繊維コンクリート(SIFCON)版のスポール抑止性能の明確化と,それを用いた効率的な耐爆構造部材の開発を目的とした。本研究の前半では,爆薬量130~170gの条件下で,厚さ80mmのSIFCON版を対象とした接触爆発試験を行い,SIFCONを適用することにより普通コンクリートを用いた場合と比較してスポール限界となる換算コンクリート厚さを55%低減できることが示された。本研究の後半では,SIFCONとプレパックドコンクリート(PPC)より成る一体型耐爆構造版の耐爆性能について検討し,SIFCON自体のスポール抑止効果に期待するよりも,SIFCON層がPPC層で発生したスポール破壊片を捕縛する効果に期待する方が効率的な耐爆設計が可能になることを示した。
著者
山口 信夫
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.66-85, 2019-01-17 (Released:2019-01-17)
参考文献数
21

本稿の目的は,愛媛県松山市三津地区の衰退商業地を事例にして,ワークライフバランス事業者のビジネスモデルに関する仮説的論点を抽出することにある。三津地区において,近年微増しつつあるワークライフバランス事業者は,不動産価格の下落をチャンスととらえ,内装のセルフビルドにより固定費を抑えると同時に,高付加価値商品の提供により収入曲線の傾きを増大させることで,自らのビジネスの損益分岐点を引き下げることに成功している。三津地区においては,人口減少や住民高齢化により,周辺住民の購買力が低下しているため,単なる地域密着のビジネスでは店舗経営が成り立たない。むしろ,高付加価値商品を提供することで,関与度の高い消費者を広範囲から集客することに成功している。上記のようなビジネスモデルは,衰退商業地で収益をあげるための知恵として理解できる。また,衰退商業地は,上記のような商店主を呼び込むポテンシャルを有している。
著者
大穀 晃裕 中野 正嗣 谷 良浩 山口 信一 都出 結花利 有田 秀哲 吉岡 孝 藤野 千代
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.74-83, 2006-01-01
被引用文献数
10 3

The magnetic properties of the magnetic steel sheets, which are used for the magnetic cores of motors, vary with stress. This variation affects the characteristics of motors, e.g. the cogging torque of permanent magnet motors. In this paper, a novel, highly precise motor analysis method is proposed, which consists of the combination of structural analysis and electromagnetic field analysis-that is, the electromagnetic field analysis considering the stress distribution in the stator core. The cogging torque, which arises from the stress by shrink fitting of the frame to the core, is estimated using the proposed method. The validity of the proposed method has been verified by comparing the calculated results to the experimental result. Moreover, the better expression of the stress distribution in the coupled analysis is examined, and the result is that the principal stress is suitable rather than the von-Mieses stress. The reason is that the principal stress can distinguish the magnetic properties under compressive stress from the properties under tensile stress, and it can also consider the magnetic anisotropy caused by the stress.
著者
丸 勇史 大西 淳 山口 信也 小田 泰雄 掛樋 一晃 太田 泰弘
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.146-149, 2001-02-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
7
被引用文献数
4 6

We examined an estrogen-like activity in the pomegranate (Punica granatum) juice. The juice or its methanol eluate from C18 cartridge competed with 17β-estradiol for estrogen receptor (ER) binding and also stimulated proliferation of human ER-positive cell (MCF-7) in vitro. Furthermore, they effectively increased uterine weight in the ovariectomized rat. On the basis of these data, we concluded that the pomegranate juice contained estrogen-like compounds.
著者
十時 詠吾 山口 信一 田中 敏則 伊藤 一将 大穀 晃裕 森本 茂雄
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.10, pp.763-770, 2021-10-01 (Released:2021-10-01)
参考文献数
34
被引用文献数
1

This paper presents a new configuration for the concentrated windings of permanent magnet motors in order to reduce the torque ripple. There are limited choices for the concentrated windings in conventional permanent magnet motors when selecting the numbers of poles and slots, which results in winding factors for harmonics that cannot be zero and the corresponding torque ripple remains. Unlike conventional concentrated-winding motor, whose teeth are all wound with one coil, the proposed concentrated-winding motor has some teeth with multiple coils wound around. The number of turns for each coil can be optimized to reduce its winding factors for harmonics to nearly zero so that the corresponding torque ripple could be significantly reduced. Prototypes of the conventional and proposed motors were constructed, and the experimental results are compared. Simulation and experimental results confirm the torque reduction effect of the proposed concentrated-winding motor.
著者
山口 信夫
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.66-85, 2019

<p>本稿の目的は,愛媛県松山市三津地区の衰退商業地を事例にして,ワークライフバランス事業者のビジネスモデルに関する仮説的論点を抽出することにある。三津地区において,近年微増しつつあるワークライフバランス事業者は,不動産価格の下落をチャンスととらえ,内装のセルフビルドにより固定費を抑えると同時に,高付加価値商品の提供により収入曲線の傾きを増大させることで,自らのビジネスの損益分岐点を引き下げることに成功している。三津地区においては,人口減少や住民高齢化により,周辺住民の購買力が低下しているため,単なる地域密着のビジネスでは店舗経営が成り立たない。むしろ,高付加価値商品を提供することで,関与度の高い消費者を広範囲から集客することに成功している。上記のようなビジネスモデルは,衰退商業地で収益をあげるための知恵として理解できる。また,衰退商業地は,上記のような商店主を呼び込むポテンシャルを有している。</p>
著者
若林 嘉一郎 山口 信吉
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.244-246, 1987-08-15 (Released:2017-11-30)

昭和59年9月9日午後11時ごろ,富山県下のアルミニウム鋳造工場のアルミスクラップ溶解炉で爆発事故が発生し,作業者が死亡した.この事故は溶解炉内の溶融アルミがアルミスクラップが含有していた水分に接触した直後に起きたため,翌朝のテレビではこれを水蒸気爆発の発生と報じた。 ところが,その後のわれわれの調査により,この事故では水蒸気爆発のほかに2次的に発生したアルミ液滴の燃焼による爆発(霧滴爆発)が存在したとわかった.また,この事故が大きい被害をもたらしたことの主体は,2次的な霧滴爆発であることもわかった. 溶融アルミにおける水蒸気爆発では2次的に霧滴爆発が随伴する可能性が高いことは研究ずみであるが1),それが起きたという事故例についての報告が少ない、本報ではそれを報告する.
著者
丸 勇史 大西 淳 山口 信也 小田 泰雄 掛樋 一晃 太田 泰弘
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.146-149, 2001-02-15
参考文献数
7
被引用文献数
1 6

We examined an estrogen-like activity in the pomegranate (<I>Punica granatum</I>) juice. The juice or its methanol eluate from C18 cartridge competed with 17&beta;-estradiol for estrogen receptor (ER) binding and also stimulated proliferation of human ER-positive cell (MCF-7) <I>in vitro</I>. Furthermore, they effectively increased uterine weight in the ovariectomized rat. On the basis of these data, we concluded that the pomegranate juice contained estrogen-like compounds.
著者
富来 礼次 岡本 則子 大鶴 徹 上水 隆義 山口 信
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.21, no.47, pp.167-170, 2015-02-20 (Released:2015-02-20)
参考文献数
6
被引用文献数
3 2

An in-situ measurement method using ensemble averaging technique, i.e., EA method, is applied to evaluate absorption characteristics of multi-functional interior materials using porous mortar in development phase. First, absorption characteristics of small specimen are measured by EA method in a reverberation room, and the repeatability of the measurement is confirmed. Next, absorption characteristics of eight kinds of porous mortars with different fine aggregate and porosity are measured by the method, and their absorption characteristics are compared with each other. Finally, the effect of finishing material on absorption characteristics of the porous mortar is examined.
著者
山口 信吉 若林 嘉一郎 細野 八郎
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.179-184, 1977 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

米の応力割れ発生機構を考察するため, 米粒の含水率変化に伴う容積変化特性を究明する。精白米および3品種の玄米を実験試料とし, 液体置換法と空気比較法で試料の密度および乾量基準の比容積を測定して, その測定値と含水率の関係を検討した。規定の含水率 (0.18d. b.) 程度に乾燥された玄米では, 密度測定値に水分履歴の影響および品種間差異が認められず, 粒密度は含水率のみの関数 (等温系) とみなされる。また, 精白米の密度は玄米より高い値を示した。含水率0.08d. b. 以上における米粒の比容積 (乾量基準) と含水率の関係を表す実験式を求め, その結果より, 含水率変化による米粒の膨張係数を推定した。
著者
千葉 康隆 大坂 正明 山口 信次郎 三橋 渉 豊増 知伸
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.45, 2010-10-01

Fusicoccins are produced by plant-pathogenic fungus Phomopsis amygdali, and possess phytohormone-related activities. Recently, we identified an unusual chimeric diterpene synthase gene, PaFS, which is responsible for fusicoccin biosynthesis. PaFS encodes fusicoccadiene (biosynthesis intermediate cyclic hydrocarbon of fusicoccin) synthase (719 amino acids), possessing the geranylgeranyl diphosphate (GGDP) cyclase domain at the N-terminus and GGDP synthase (GGS) domain at the C-terminus. In this study, we tried to generate transgenic Arabidopsis thaliana plants expressing PaFS or N390 (N-terminus 390 amino acids of PaFS), possessing only diterpene cyclase activity, in plastids, containing abundant GGDP, or in the cytoplasm to examine wthether the fungal diterpenes are produced efficiently by the chimeric enzyme in plant cells. To target the fungal enzymes to plastids, a transit peptide (TP) of Arabidopsis copalyl diphosphate synthase was fused to their N-terminus. The four cDNA (PaFS, TP-PaFS, N390, TP-N390) were introduced to Arabidopsis through Agrobacterium infection. It was confirmed that each translated product from the transgene had proper activity by in vitro assay using bacterial recombinant protein, and RTPCR anylysis showed that each transcript was detected in T1 plants. We will further characterize each transgenic Arabidopsis using T2 plants.
著者
山口 信吉 山沢 新吾 若林 嘉一郎
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.239-245, 1981 (Released:2010-04-30)
参考文献数
13

米粒胚乳の応力緩和係数を求めるため, 前報と同様に円柱状の胚乳試片の単軸圧縮試験および応力緩和試験を行い, 次に示す結果を得た。(1) 米粒の長さ方向, 幅方向および厚さ方向の負荷試験より, 米粒はほぼ等方性であると認められた。(2) ひずみ約1%以内で, 米粒の粘弾性は線形を示し, 縦応力緩和係数E(t) およびせん断応力緩和係数G(t) を表す実験式は試片の温度と含水率の関数となる。(3) 米粒を熱および水分レオロジー的に単純な材料と仮定すると, 基準状態 (T0=293°K, w0=0.17d. b.) における応力緩和係数と換算時間の関係, すなわち, マスター曲線を表す実験式が得られた。
著者
田中 淳一 山口 信雄 中村 順行
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-48, 2001-03-01
被引用文献数
4 2

緑茶品種'さやまかおり'は茶の重要害虫であるカンザワハダニ, クワシロカイガラムシに対して抵抗性を持ち, かつ寒害, 霜害にも強く緑茶育種の抵抗性育種素材として極めて重要な存在である.'さやまかおり'は埼玉県茶業試験場において, 静岡県茶業試験場より取り寄せた茶品種'やぶきた'の1947年産自然交雑種子中より選抜されている.'さやまかおり'は極端な立葉, 際立って濃い葉色, 特徴的な鋸歯等々, 一般的な日本在来のチャにはほとんど見られない特徴的な形態形質を有している.これらはその後代の形態形質に大きな影響を与えることが再確認され, 優性効果の大きな遺伝子に支配されていることが推定された.従って'やぶきた'がそのような形質を有していない以上, 'さやまかおり'の花粉親に必須の条件と考えられた.これらの特徴的な形態形質を指標に静岡県茶業試験場内より'さやまかおり'の花粉親としての可能性が多少なりとも疑われる栄養系を全てピックアップした.選ばれた78栄養系はいずれも海外, 特にそのほとんどが中国からの導入系統であり, 日本在来のチャは含まれなかった.これらを'さやまかおり'の花粉親候補とし, 'やぶきた'および'さやまかおり'を用いてDNAマーカーによる親子鑑定を行った.その結果, 'さやまかおり'の花粉親として合致するものはなく, 'さやまかおり'の花粉親はすでに現存しない可能性が高いと判断された.
著者
水谷 幸正 田宮 仁 藤本 浄彦 山口 信治 雲井 昭善 藤原 明子 藤腹 明子 久下 陞 中村 永司
出版者
佛教大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

1.本年度は研究最終年度に当たり、当初の研究計画に添い報告書作成に向けて月1回の例会を開催した。その間に、次のような成果を得た。まず前年度までに一応の成果が得られた「仏教によるタ-ミナル・ケア方法論の開拓」ということでは、その方法論を検証を兼ねて仏教の祖師方のタ-ミナル・ステ-ジに当てはめ、再吟味を行なった。2.また本研究のもう1つの目的であった、タ-ミナル・ケアにかかわる仏教者の養成ということでの仏教学(宗学)専攻学生を対象としたカリキュラムに、医療看護関係者の意見も聴取して吟味を加え、より実際的なものとすることができた。4.これらの方法論開拓やカリキュラム作成という、本研究の主たる目的を中心に、その典拠となるべき仏典や仏教思想を吟味確認し、また研究分担者のそれぞれの専門分野からの研究をまとめ報告書作成に臨んだ。5.なお、各研究分担者は本研究の成果を以下の各種学会・セミナ-において報告等を行なった。(1)京都ビハ-ラの会研究会・於佛教大学四条センタ-・毎月2回第1,3金曜日、(2)佛教大学社会学研究所宗教研究会於佛教大学・11月14日、(3)第12回国際社会学会・於スペイン・マドリッド・7月9日、(4)第14回死の臨床研究所・於札幌市教育文化会館・10月13日、(5)‘90第2回日本生命倫理学会・於大阪日本生命講堂・11月3日、(6)日本仏教社会福祉学会第25回大会・於稲沢女子短大・11月11日。また中華民国で開催された国際仏教学術会議・12月23日〜29日、佛光山仏教青年学術会議・1991年1月1〜5日にも報告を行なった。