著者
本島 直之 関屋 昇 山本 澄子
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11570, (Released:2019-09-28)
参考文献数
34

【目的】立位での大腿拳上運動は日常生活動作と密接な関わりがある。そこで,立位大腿拳上運動を三次元的に解析し,大腿挙上,骨盤傾斜および体幹運動の関係と,それらへの加齢の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は健常成人20 名(若年者,高齢者各10 名)とし,運動課題は静止立位と立位からの片脚大腿拳上運動とした。三次元標点計測により体幹傾斜,体幹屈曲,骨盤傾斜,大腿傾斜角度および骨盤と体幹の位置を,床反力計測により足圧中心位置を求め,それらの関係を検討した。【結果】立位姿勢は両群に差は認められなかった。骨盤後傾,骨盤側方傾斜および体幹前屈運動は若年者,高齢者ともに大腿挙上角度に対して一定の割合で直線的に増大し,その割合は高齢者において小さかった。【結論】立位での大腿挙上運動における体幹・骨盤・大腿リズムの存在と加齢の影響が明らかとなり,大腿挙上運動を評価する際に体幹も含めて行う必要性が示唆された。
著者
金山 富貴子 山本 眞理子 Kanayama Fukiko Yamamoto Mariko
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.26, pp.121-131, 2003-09-01

我々は、日常生活において様々な他者と相互作用を行う中で、種々の感情を相手に対して持つ。このような、ある特定の人物に対する感情は、対人感情と呼ばれる。対人感情とは、"特定の他者に対する持続的な感情"であり、相手との ...
著者
山本 晴彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2010年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.186, 2010 (Released:2010-11-22)

1.わが国における区内観測所の雨量観測記録のデータベース化とアメダス観測データとの統合・雨量変動解析 全国各地の主要な都市には、約130ヶ所の気象官署が設置され、観測当初からの気象観測原簿のデータベース化が実施されている。しかし、気象官署以外のアメダス観測所では、アメダス観測が開始される1976年以前の区内観測所の気象観測記録については、気象官署や気象庁図書館に紙媒体の気象観測原簿や気象月報の状態で保存されている。(財)気象業務支援センターでは、気象観測原簿や気象月報をスキャナーで読み取り、紙媒体資料のデジタル化を行い、資料の劣化防止に努めている。しかし、その資料は、デジタル数値データではなくデジタル画像(TIFF形式)として保存されていることから、数値データとして利用することは出来ない。筆者らは、西中国(広島県・山口県)および九州7県の計9県について、1976年以前の区内観測記録を対象にデータベースの構築を行った。 構築したデータベースを基に、大分県について1976年以前の区内気象観測所と1976年以降のアメダス観測所における移設距離が2km以内の降水データ(9地点)を接続し、長期にわたるデータベースを構築し、年間降水量・年間降水日数(50mm以上、80mm以上、100mm以上、200mm以上の降水日数)の長期トレンドの検証を行った。また、降水の多い6-7月、8-9月における降水日数(50mm以上、80mm以上、100mm以上、200mm以上の降水)の長期トレンドについても検証を行った。線形トレンドについてはt-検定を行い、非線形トレンドについては、Mann-Kendall検定を用いた。 200mm以上の降水日数は、犬飼で増加傾向、他の地域では減少傾向が認められた。増加傾向が確認された犬飼は、過去80年にわたる日降水量の上位(1位に1993年台風13号、2位に2005年台風14号、次は11位に2003年7月12日梅雨前線豪雨)は最近の観測年である。しかし、3-10位と順位の多くをアメダス以前に観測された降水量が占めた。減少傾向が見られた中津で、アメダス観測期間(1976~2006年)では100mm以上の降水日数トレンドは増加傾向を示している。以上のことから、1976年以降のアメダス観測記録30年間における100mm以上の降水日数トレンドは増加傾向があることから、近年災害につながる豪雨が頻発していることが示唆される。しかし、1976年以前の区内観測記録を接続した長期トレンド(1926~2006年)では、増加・減少傾向は観測所により異なった。 2.中国における満州気象データのデータベース化と戦後の気象データとの統合・気温変動解析 戦前期の満州における気象観測業務は、日露戦争に際して軍事上の目的から中央気象台(現在の気象庁)が1904年8月に大連(第6)・營口(第7)、1905年4月に奉天(第8)、5月に旅順(第6・出張所)に臨時観測所を設けたのが始まりで、その後は関東都督府に引き継がれ、1925年以降は、南満州鉄道株式会社に一部を委託された。南満州の観測所では、1904・05年から1945年の終戦までの約40年間にわたる観測業務が実施されている。一方、満州国が建国(1932年3月)され、その翌年11月に中央観象台官制が制定されたため、それ以降に開設された北満の観測所では観測期間はかなり短く、扎蘭屯では観測期間が1939年からの7ヶ年に過ぎない。1942年の満州国地方観象台制では、中央観象台(新京)、地方観象台4ヶ所、観象所46ヶ所、支台46ヶ所と簡易観測所が設置されている。 筆者らは、東亜気象資料 第五巻 満州編(中央気象台、1942)をデータベースの基礎資料とし、満州気象資料、満州気象月報、満州気象報告、気象要覧(昭和18年10月号において、新京他17ヵ所の記載がある)などに掲載されている気象観測データを収集・整理し、観測開始の1905年から1943年(1941年以降は一部)までの30万データを越える月値について、データベース化を行った。さらに、中華人民共和国の建国(1949年)以降の中国気象局により観測されたデータを統合して1世紀気温データベースを構築し、中国東北部の3大都市(瀋陽、長春、ハルピン)における気温変動の解析を行った。約100年間の1月の月最低気温の推移を見ると、ハルビンでは+6.5℃、長春は+5℃と顕著な高温化が認められている。しかし、瀋陽ではこの40年間で徐々に低温化する傾向が認められており、3大都市における冬季の気温変動に違いがあることが明らかになった。
著者
中俣 尚己 山内 博之 橋本 直幸 建石 始 小口 悠紀子 小西 円 堀内 仁 森 篤嗣 合田 陽子 加藤 恵梨 澤田 浩子 清水 由貴子 山本 和英
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

2018年7月7日に京都教育大学で第1回ミーティングを行い、作業方針を固めた。以下、「新規コーパス構築」「既存コーパス分析」のそれぞれの作業について順番に実績を述べる。新規コーパス構築では、120ペア、240名の調査協力者を集めることにした。関西60ペア、関東60ペアで、さらに性別でも「男男」「男女」「女女」でバランスをとる。その上で、話題選定班の協力の元、『実践日本語教育スタンダード』を元に15の話題を選定し、各5分ずつの談話を録音することにした。調査に先立ち、協力者への説明や、同意の取り方、さらには指示の出し方など細かいプロトコルを定め、共有した。2018年度は120ペアのうち55ペアの録音を完了し、ほぼ半分の録音が完了した。2019年10月に全作業を完了する予定である。既存コーパス分析では、名大会話コーパスの全てのファイルを目で読み、『実践日本語教育スタンダード』をベースに話題の分割を行うことにした。プレ調査の結果、各ファイルにつき3名の作業者を当てることが妥当と判断した。分割のための書式を定め、結果を機械分析班が作成したプログラムで加工し、その後対面ですり合わせ作業を行う。全129ファイルを4分割して作業を進めることにした。現在、分割の作業進捗度は75%程度であり、全体の25%については2019年3月にすり合わせの作業を実施した。なお、代表者は全ファイルの作業をすでに終えている。作業の完了は2019年9月の見込みである。
著者
水野 元夫 武 進 石木 邦治 山本 和秀
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.109, no.1, pp.30-36, 2012 (Released:2012-01-06)
参考文献数
32

Helicobacter pylori除菌治療による胃癌1次予防効果に関してはレベルの高いエビデンスとして示されているとはいえないのが現状である.しかし,早期胃癌内視鏡治療後の2次癌の予防効果がランダム化比較試験により明らかとなり,さらに,われわれの報告を含め,1次癌の予防効果を示す観察研究もいくつか報告されてきた.この点に関し,さらなる長期にわたる臨床研究は時間の浪費であり,積極的な除菌による胃癌予防を実行すべき時代に入ったと考える.より効果的な胃癌予防,さらには新規感染の防止のため,就職,結婚などの機会に,できるだけ早期にH. pyloriスクリーニングを行い,感染者には可能な限り除菌を行うように勧めるべきである.
著者
山本 季来 金丸 眞一 辻 拓也 窪島 史子 金井 理絵 西田 明子
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.28-33, 2014 (Released:2015-07-01)
参考文献数
11

一般的に髄液耳漏は頭部外傷・腫瘍性疾患・炎症性疾患・手術後の合併症などが主な原因と考えられているが、これらの既往がなく、内耳正常の成人型特発性髄液耳漏は極めて稀である。今回我々は難聴・頭痛・めまい・鼻漏を主訴に当科を受診した特発性髄液耳漏に対して乳突開放術を行い、確定診断かつ治癒に至った症例を経験した。術前のCT、3D-CT、造影MRI、脳槽シンチグラフィーなどの複数の検査結果に基づく疾患部位の予測が、術前診断かつ治療方針決定に非常に有用であった。また本症例は術中診断で脳ヘルニアの状態にあったが、経乳突法のみで頭蓋底再建が可能であった。術後は聴力・頭痛・めまいの改善を認め、約1年4カ月経過したが明らかな再発を認めていない。
著者
後藤 光男 山本 英嗣
出版者
早稲田大学
雑誌
比較法学 (ISSN:04408055)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.43-70, 2012
著者
山本 秀男
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.296-306, 2018 (Released:2018-04-16)
参考文献数
29

本学会で研究されてきたP2M理論は、企業の特命業務を対象に構築され、研究開発や新サービス開発のマネジメントとして有効であることが示されてきた。しかし、ICTの普及等によって新サービスの開発期間が短くなったため、従来のPDCAを回すマネジメントでは対応できなくなっている。また、地域創成やSociety5.0のように社会システムの構築プログラムに対しては、研究対象を見直しモデルの構築に立ち戻って研究する必要があると思われる。本稿では、Christensen&Carlile(2009)の定性的データから理論を構築する研究手法にしたがってP2Mの理論記述を省察し、開発期間が短いプログラムや、価値の評価が多元的になる社会システム構築のプログラムをマネジメントする場合の課題を考察する。
著者
山本治著
出版者
自動車産業研究所
巻号頁・発行日
1983
著者
久保 宏紀 金居 督之 北村 友花 古市 あさみ 山本 実穂 小林 実希 野添 匡史 間瀬 教史 島田 真一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11130, (Released:2016-03-29)
参考文献数
37

【目的】脳内出血患者における急性期病院退院時の機能予後およびその要因を検討すること。【方法】2013年4月~2015年3月に入院となった脳内出血患者88例(男性76%,平均年齢65.2 ± 11.2 歳)を対象に,退院時modified Rankin Scale を用い予後良好群と予後不良群に群分けし,機能予後に影響を及ぼす因子およびそのカットオフ値を検討した。【結果】Cox 比例ハザード分析の結果,退院時機能予後に影響を与える因子として年齢(p = 0.008),入院時NIH Stroke Scale(p = 0.001)および離床開始日(p < 0.001)が抽出され,各カットオフ値はそれぞれ66 歳(感度:0.758,特異度:0.582),7 点(感度:0.970,特異度:0.818),2病日(感度:0.788,特異度:0.836)であった。【結論】脳内出血患者の急性期病院退院時の機能予後は年齢,重症度,離床開始日が関連している。