著者
杉山 麿人 山本 章博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第25回全国大会(2011)
巻号頁・発行日
pp.1P2lb3in, 2011 (Released:2018-07-30)

数値データに対する高速かつ柔軟なクラスタリング手法を提案する.これはK-meansより高速で,我々の知る限り,任意形状のクラスタを扱うことができるクラスタリング手法としては最速である.具体的には,2進符号化によるデータの離散化,基数ソート,そして最近隣クラスタの併合という3つの単純な手続きによってクラスタリングを達成する.合成データと実データを用いた実験で有効性を示す.
著者
山本 格
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.383-395, 2003-07-25 (Released:2017-12-26)
参考文献数
44
被引用文献数
1

In 1989, we have developed a novel vitamin C derivative, 2-O-α-D-glucopyranosyl-L-ascorbic acid (AA-2G), which is highly stable to heat and oxidative stress. This stable form of ascorbate, of which hydroxy moiety at the C-2 position is regiospecifically substituted with glucose, was enzymatically synthesizes with mammalian intestinal and rice seed α-glucosidase, and cyclodextrin glucanotans-ferase from Bachillus stearothermophylus. In 1999, we have also reported a series of 6-acylated forms of AA-2G, 6-Acyl-AA-2Gs, of which hydroxy moiety at the C-6 position of AA-2G is substituted with fatty acids having a different length of carbon chains. Exposure both of AA-2G and 6-Acyl-AA-2G to the mammalian biomembrance results in the formation of active vitamin C by α-glucosidase and/or esterase. AA-2G has been admitted as a medicinal additive for whitening and is widely used in domestic and foreign countries for years. Our of the various acylated derivatives, 6-O-dodecanoyl-2-O-α-D-glucopyranosyl-L-ascorbic acid is considered to be the most expected candidate in application for medicinal use, for examples, preservation solution for the grafts, whitening ingredient, food additives and medicines, because it is the most prominent one in terms of the stability, effectiveness and skin permeability. The two types of ascorbate derivatives are very useful vitamin C source, especially in the tissue culture experiments and contribute the finding of unknown physiological action, and to the clarification of the mode of action of ascorbate. It has been found that vitamin C stimulates the cytokine generation and enhances the cytokine-induced biological activity in immune and neurological responses, although ascorbate alone is without effect. These findings suggest that AA-2G and 6-Acyl-AA-2G not only may serve as useful agents for the medicinal and cosmetic use, but also contributes to shed some light on a new aspect of the biological activity of ascorbate.
著者
山本 謙吾
出版者
The Linguistic Society of Japan
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1951, no.17-18, pp.71-84,186, 1951-03-20 (Released:2010-11-26)

Among phrases, which are found in the Manchu Written Language, two cases are here studied: Nouns in stein forms and adjectives, each of which is followed by a verb.The writer. collected the examples of this parer only from “Ton gtsi fuka sindaha bergen-i dangse.”
著者
金本 郁男 金澤 ひかる 内田 万裕 中塚 康雄 山本 幸利 中西 由季子 佐々木 一 金子 明里咲 村田 勇 井上 裕
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.133-140, 2020 (Released:2020-08-19)
参考文献数
24

2種類の低糖質パンを摂取した時の食後血糖推移を食パンおよび全粒粉パンと比較するとともに, セカンドミール効果および糖質の消化性を評価するために試験を行った。健常成人11名 (男性2名, 女性9名) を対象者とした。摂取する熱量を統一した食パン (糖質38.6 g) , 全粒粉パン (糖質36 g) , マイルド低糖質パン (糖質8.5 g, 高たんぱく) , スーパー低糖質パン (糖質3.4 g, 高たんぱく高脂質) のいずれかを朝食に摂取し, 昼食にカレーライスを摂取する4通りの試験を行い, 食後血糖を経時的に測定した。糖質の消化性はGlucose Releasing Rate法で測定した。その結果, マイルド低糖質パン, およびスーパー低糖質パン摂取後の血糖値は低値を示したが, セカンドミール効果は認められなかった。本研究で用いた2種類の低糖質パンのうち, 消化性, 食後血糖, 満腹度の観点からマイルド低糖質パンの方が優れていると考えられた。
著者
山本 輝正 松本 和馬
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.135-144, 2016 (Released:2017-02-07)
参考文献数
72

石川県および長野県で人工構造物をねぐらとしていたカグヤコウモリのオス個体群に対して標識再捕獲法を用いて,21年間の個体数調査を実施した.最長寿命個体は,石川県で14年,長野県で17年の個体が確認された.日本産森林性コウモリ類でこのような長寿記録が確認されたのは初めてである.生涯を通じて生存率一定と仮定して,個体群パラメータの推定を試みたところ,1年当たりの生存率は,石川県で0.871,長野県で0.863,平均寿命は,石川県で7.3年,長野県で6.8年と推定された.また,出産哺育期のオスの平均個体群サイズは,石川県で9.1頭,長野県で22.7頭と推定された.しかし,1回の調査で発見される個体数は両調査地とも5頭以下であった.このことから,調査地周辺には調査対象としたねぐら以外にも利用するねぐらがあったことが示唆された.
著者
横溝 佐衣子 山本 信子 福田 満
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.134, 2004 (Released:2005-04-02)

[目的]レトルト米や、新しい加工米が多種類開発されている。家事時間の軽減志向により、炊飯器も高温短時間で食味向上が期待されるIH式電気炊飯器や、玄米が炊ける多機能型も開発され、米の利用法や食べ方は多様化してきた。特に最近では、操作の簡便性と環境汚染の面から無洗米が普及し始めている。無洗米はBG米(糠で糠を除去する湿式処理米)が一般的であるが、さらに改良が進み、浸漬時間不要で炊き増え効果があるといわれる乾式無洗米が商品化された。そこで本実験ではこの無洗米に注目し、従来の無洗米(BG米)との食味の違いなどを検討することを目的とした。[方法]試料は「新無洗米(乾式処理)」と「従来のBG米(湿式処理)」の2種に、対照として2試料の無洗米に加工する前の「精白米」を用いた。炊飯操作は、メーカーのマニュアルに従った。即ち、精白米とBG米の加水量は、米重量の1.5倍で浸漬時間30分、新無洗米は1.6倍で浸漬時間は0分とした。官能検査は5段階評価の採点法、さらに吸水率、粒の大きさ、還元糖量、α化度、電子顕微鏡など食味にかかわる調理学的測定を行った。[結果]官能検査の総合評価では平均点の高い方から、精白米、新無洗米、BG米であった。香りについては2種の無洗米(BG米と新無洗米)が、精白米よりも評価点が高かった。しかし、色の評価は、どちらも精白米に比べて黄色いと評価された。無洗米同志の比較では還元糖量、α化度などには測定値に大きな違いはみられなかったが、粒の大きさでは新無洗米がやや膨らみが大きくなり、若干炊き増え効果がみられた。
著者
沢井 淳志 山本 隼 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.J77-J85, 2018

<p>地上デジタル放送では,誤り訂正復号後のBER(Bit Error Rate)によって視聴の可否が決定する.そのため,受信機の誤り訂正能力を向上させることができれば,視聴可能エリアの拡大や,送信電力の低減が可能となる.地上デジタル放送では,畳み込み符号とリードソロモン(RS: Reed-Solomon)符号を用いることで誤り訂正符号化を行っているため,その復号方法であるビタビ復号とRS復号の誤り訂正能力が重要となる.</p><p>本論文では,受信機内で行うビタビ復号において,RS復号後の情報やキャリア毎のC/N情報を用いることで誤り訂正能力を向上させる方法を提案し,シミュレーションにより本提案手法の有効性を検討した結果について述べる.</p>
著者
海野 徹也 山本 雅樹 笹田 直樹 大原 健一
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.147-154, 2015-12-28 (Released:2016-02-01)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

江の川で採集された通し回遊魚( 3 科 11 種)の耳石 Sr:Ca 比を分析し,回遊履歴を検証した.耳石 Sr:Ca 比のプロファイルより,河口付近で採集されたチチブは,終始,汽水域を主な生息域としていると考えられた.浜原ダムより下流の中流域で採集されたスミウキゴリ,ゴクラクハゼ,シマヨシノボリ,オオヨシノボリ,カマキリ,カジカ中卵型は回遊型と考えられた.ヌマチチブやウキゴリについては中流で採集された個体は回遊型であったが,浜原ダムより上流で採取された個体は非回遊型であった.浜原ダムより上流への回遊型のヌマチチブ,ウキゴリ,シマヨシノボリ,オオヨシノボリの移動は,同ダムの魚道評価の指標となり得る.トウヨシノボリ(宍道湖型)は浜原ダムより下流の個体にも非回遊型が存在することが明らかとなった.ヌマチチブ,ウキゴリ,トウヨシノボリ(宍道湖型)は,回遊パターンに対して柔軟性を有するとことで環境に適応していると考えられた.
著者
須田 理行 山本 浩史
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.203-207, 2020-04-10 (Released:2020-04-10)
参考文献数
25

電子がカイラルな分子を通過すると,スピン偏極が生じるという現象(CISS)を利用して,新たなスピン偏極電流源を作製した.このデバイスで我々が用いたのは分子モータと呼ばれる可動性の分子で,光と熱によって1方向に内部回転を行う.この回転が4ステップに分割されたカイラリティ反転を伴うため,モータ分子の薄膜を内蔵したスピンバルブに対して光を照射したり熱を加えたりすることによって,電流のスピン偏極を反転させることに成功した.これは新たなタイプの再構成可能なスピン偏極デバイスであり,電子回路におけるスピン偏極源としての有機分子の可能性を示している.
著者
沢井 淳志 山本 隼 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.J77-J85, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
10

地上デジタル放送では,誤り訂正復号後のBER(Bit Error Rate)によって視聴の可否が決定する.そのため,受信機の誤り訂正能力を向上させることができれば,視聴可能エリアの拡大や,送信電力の低減が可能となる.地上デジタル放送では,畳み込み符号とリードソロモン(RS: Reed-Solomon)符号を用いることで誤り訂正符号化を行っているため,その復号方法であるビタビ復号とRS復号の誤り訂正能力が重要となる.本論文では,受信機内で行うビタビ復号において,RS復号後の情報やキャリア毎のC/N情報を用いることで誤り訂正能力を向上させる方法を提案し,シミュレーションにより本提案手法の有効性を検討した結果について述べる.
著者
山本 禮子
出版者
和洋女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

近代公教育の体制下にあって、日本の女子教育の中心的役割を担った戦前の女子中等教育機関としての高等女学校の教育実態を明らかにするため、高齢化する高等女学校卒業生対象のアンケ-ト調査・面接調査の緊急性を痛感している。ここ数年来、公立・私立の高女卒業生対象の調査を実施してきたが、本年度は、外地の高等女学校卒業生に焦点をあてて行った。まず、朝鮮・台湾・関東州・樺太・満洲・中国に設立された高女の同窓会に名簿提供を依頼し、承諾を得た34校に対し、1915年から5年おきに最高20名を限度に無作為抽出し、1917名にアンケ-トを発送(7月下旬〜8月上旬)した。返送されたものを減ずると実質発送数1730、回答数659で回収率は38.09%である(回収10月末日)。この回収率は内地のそれより高く(公立高女アンケ-ト回収率33.59%、私立高女30.71%)意識の高さを証左している。未だに詳細な調査結果の分析・考察には至っていないが、現地人を入学させた学校、現地語を教科の学習として位置づけた学校、課外学習として取扱った学校等様々であるが、それは全体の1割弱の学校にしかみられない。当時、日本語使用を義務づけたため(朝鮮など特に)現地語導入は考えられないことである。現地語学習が顕著なのは満洲の撫順高女やハルピン高女である。日本の国がそれぞれの地域とどのような関係をむすんだかが教育に鮮明に反映している。その他、1930年前後の修学旅行は船中泊を含めると2週間にもわたる旅で、京都・奈良・東京はもとより、学校によっては日光・九州、時代によっては橿原神宮もコ-スに入り、大々的なものになっている。しかし、戦局切迫する中で中止となる。異句同音に外地に育った者の大らかさを自負し、引き揚げ後の困窮生活をも前向きにとらえる姿が窺われる。
著者
清水 裕文 山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.22-43, 1998
被引用文献数
1

本研究では4名の発達障害児を対象に、授与動詞や助詞を含む文の獲得に及ぼす条件の検討をおこなった。まず、高次条件性弁別の枠組みを用いて文法を分析した。実験Iでは2人の他者が物を受け渡ししている動画を提示し、"わたす""もらう"といった授与動詞を使用した文の構成を訓練した。文構成のために助詞選択条件と動詞選択条件を設定した。その結果、すべての対象児において適切な文構成が成立しなかった。実験IIでは対象児に実際動作を行ってもらい、それに対応する"わたしました""もらいました"という授与動詞を含む文を構成する反応の出現を分析した。動詞選択条件、名詞選択条件、助詞選択条件といった3つの条件性弁別場面を設定した。ベースラインでは動詞選択条件の正反応率が高く、他の条件の値はチャンスレベルであった。助詞選択条件の2つの事例を訓練することで、他の未訓練の文や名詞選択条件の正反応率も上昇した。実験IIIでは、対象児の実際動作に対応して、"あげました""くれました"という授与動詞を含む文を構成する反応を分析した。構成のために、実験IIと同じ条件性弁別手続きを設定した。その結果、ベースラインでは動詞選択条件の正反応率が高く、他の条件はチャンスレベルであった。助詞選択条件を訓練することで、名詞選択条件の正反応率も上昇した。本研究の結果から、自分自身の実際の行為を見本刺激とすることで、少数事例の訓練によって、発達障害児が適切な授与動詞や助詞を含む文を表出することが、可能となることが示された。また、授与動詞の獲得の困難さは、条件性弁別の階層性の高さに対応することが示唆された。