著者
山本 隆啓 沖野 せつ子 藤嶋 厚志
出版者
医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
雑誌
昭和病院雑誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.71-78, 2006

当フェニックスデイサービスでは、H17年1月からパワーリハビリテーションを導入した。トレーニングは午前10時からと午後1時からの2部構成で行い、準備及び整理体操とコーヒーブレイクも含めて約2時間である。H17年8月にパワーリハビリテーションの効果を調べるため、アンケートをとり、精神面での活動性の向上を確認する事が出来た。身体機能評価では、いくつかの項目において効果が認められた。男性の52.6%、女性では75%の方々が、「体が軽くなった」と回答。女性の87.5%の方々が、「日常生活が楽に感じるようになった」と回答した。また、女性では50%、男性でも42.1%の方が「パワーリハビリテーションを受けられて、日常生活に活気が出てきた」と回答している。
著者
小澤 理恵 大岩 幸太 牧野 俊夫 島村 祐輝 山本 修悟 小川 博 安藤 元一
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;神奈川県厚木市では総延長約 25kmのシカ・サル兼用の広域柵が,2008-2012年に段階的に設置された.このような広域柵は耕作地の周囲に設置される簡易柵と異なり,違い容易に張り替えることはできないし,頻繁な維持管理作業も困難である.本研究ではこうした広域柵の維持管理状況を踏査と聞き込みによって調べた.踏査は 2009~ 2012年にかけて 2週間に 1回の割合で実施し,倒木による破損数,動物による破損数,柵上部にある電気柵への通電の有無,破損箇所の修理状況,サルが枝伝いに柵を越えることのできる樹木(柵から 2m以内の樹木)の数を記録した.柵の管理については市役所と自治会にも聞き取りを行った.<br>1)広域柵の設置には地権者の了解が必要なので,柵 25kmの設置を完了するのに 5年を要した.設置費用は 12,000円/m,年間維持管理費用は年間 100円 /mであった.市が管理を地域自治会に委託する折には,月 1回の見回りと年 2回の草刈りが委託条件であった.しかし実際の管理方法は自治会ごとに異なり,倒木や柵のめくれ等が何年も放置されている場所も見られた.<br>2)倒木による破損は 0.6ヶ所 /kmの割合で見られた.地権者の伐採許可を得ることができないために,サルが柵を越えることのできる樹木は 78本 /kmの割合で存在し,サルが広域柵を超えられる場所は数多く存在した.柵基礎部分の土砂が流出することによって将来的に倒壊の危険性のあるカ所は 3.7カ所 /kmの割合で見られた.台風のために大規模な修理を要する柵破損カ所は 1.5カ所 /kmの割合で見られた.すなわち,柵メーカーの示す耐用年数は 16年であったが,実際にはその半分の年数も満たないうちに多くの破損が確認されたことになる.<br>3)漏電や倒壊のために柵上部の電線に電気が流れていない期間は,ある区間の例では 177日中 44日に及んだ.距離で見ると,多くの調査日において 25kmのうち 2-3kmは通電されていなかった.
著者
鈴木 高二朗 渡邊 和重 山本 悟 梅崎 康浩 小澤 康彦 村上 俊春
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.726-730, 2004

宮崎港南防波堤は全長2, 150mで, 昭和56年から建設が進み, 現在, 建設の最終段階にある. 当防波堤は夏期の台風のため設計有義波高が10m以上と大きく, 細粒の砂地盤上に設置されるため各種洗掘防止工を用いて室内実験や現地実験を重ねた上で, 現況の防波堤断面が決定されてきた. 現地実験では洗掘による防波堤の変形もあり, その防止工は施工法も含めて改良されてきている. 本研究では, 洗掘防止工の設計法の確立に資することを目的として, 宮崎港南防波堤での洗掘に関する現地実験と過去の洗掘の実態を調べるとともに, その対策法をとりまとめた.
著者
平松 範子 山本 直樹
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.106-110, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
11

目的:細胞を用いた水晶体再生の基礎検討として, 不死化ヒト水晶体上皮細胞(iHLEC)による三次元水晶体再構築モデルの作製を試みた.方法:iHLECを用いて静置培養した細胞凝集体(静置培養モデル)と静置培養後に回転培養を組み合わせて培養した細胞凝集体(静置・回転培養モデル)のセルブロックから切片標本を作製し, ヘマトキシリン・エオジン染色(H.E.染色), αA-crystalline, βB2-crystalline, type-IV collagen, GAPDHの免疫染色を実施した.結果・結論:静置・回転培養モデルは静置培養モデルに比べて細胞凝集体内部の崩れが軽度で, 細胞密度が高い状態が維持されていた.また, 免疫染色ではαA-crystalline, βB2-crystalline, type-IV collagen, GAPDHも強く発現しており, 回転培養を取り入れることで, より細胞のviabilityが高いモデルを作製することができた.
著者
山本 祐輔 嶋田 敏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.WII-L_1-12, 2017-01-06 (Released:2017-01-20)
参考文献数
24
被引用文献数
2

During web search and browsing, people often accept misinformation due to their inattention to information credibility and biases. To obtain correct web information and support effective decision making, it is important to enhance searcher credibility assessment and develop algorithms to detect suspicious information. In this paper, we investigate how credibility alarms for web search results affect searcher behavior and decision making in information access systems. This study focuses on disputed topic suggestion as a credibility alarm approach. We conducted an online user study in which 92 participants performed a search task for health information. Through log analysis and user surveys, we confirmed the following. (1) Disputed topic suggestion in a search results list makes participants spend more time browsing pages than ordinary search conditions, thereby promoting careful information seeking. (2) Disputed topic suggestion during web browsing does not change participant behaviors but works as complementary information. This study contributes to system designs to enhance user engagement in critical and careful information seeking.
著者
崎村 克也 平仁田 尊人 宮本 道彦 永田 健一郎 山本 経之
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.24-29, 2005 (Released:2005-09-01)
参考文献数
52

薬物依存研究の視点は,(1)依存の形成機構の解明および(2)薬物への“渇望”の再燃・再発機構の解明にある.薬物依存の実験法としては,1)薬物選択試験法,2)条件づけ場所嗜好性試験法,3)薬物弁別試験法および4)薬物自己投与実験法が繁用されている.しかし,前者3つの実験法は依存性薬物の強化/報酬効果または薬物摂取行動の機構解明に迫れても,薬物への“渇望”の再燃・再発の機構解明に向けての妥当性の高い戦略とは言い難いが,ラットの薬物自己投与実験法では“渇望”の動物モデルが確立されている.“渇望”を誘発する臨床上の要因として,(1)少量の興奮性薬物の再摂取(priming),(2)薬物使用を想起させる環境因子(薬物関連刺激),そして(3)ストレスの3種類が知られている.ヒトで乱用される薬物はラットでの薬物自己投与行動が成立し,上記の刺激により生理食塩液投与下でのレバー押し行動(薬物探索行動)が発現する.この行動が臨床上の“渇望”を表す動物モデルとして考えられている.脳内局所破壊法と薬物の脳内微量注入法により,薬物摂取行動と薬物探索行動(“渇望”)では,脳内責任部位が異なることが明らかにされている.また,薬物探索行動は,その誘発要因により発現パターンやD2受容体の関与の仕方が異なることも分かっている.これらの知見は,薬物探索行動の発現機序が誘発要因の違いによって異なることを示唆している.一方,近年,薬物探索行動における内因性カンナビノイドの関与が示唆され,内因性カンナビノイドとドパミンやグルタミン酸神経系とのクロストークに熱い視線が注がれている.今後の薬物依存研究は,“渇望”の発現機序の解明と共に,“渇望”のモデル動物での情動や認知機能の変容にも焦点をあて,多面的に薬物依存を捉えていく必要がある.
著者
白 成美 山本 將 澤村 英子 齋藤 經生
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.33-47, 2008

仏像の中でも、とりわけその彫像表現が顕著に異様な仁王像(執金剛神像)について研究を行った。とくに筋肉美は、西洋の彫像からどのような影響を受け、どのような過程を経て仏像の形態表現に影響してきたかに注目した。インドで成立した仁王像はバジュラパーニとよばれた。その姿はヘレニズムの影響を受けており、西洋のヘラクレス神像に原型が求められるようである。その後中国に移入され、仏法の守護神としての威容を表わすうえに装飾品や天衣などの中国的要素が加わって、中国独自の仁王像として完成された。それは中国に伝来以来、時代と共に次第に変化し、北魏時代からは仏法の守護神としての威容を表わすために髻、憤怒の顔、威嚇するポーズなどの表現がみられるようになる。北魏のスリム形仁王像が六朝時代を経て、徐々に筋肉隆々とした逞しい姿になっていくが、唐時代ではその表現が誇張・装飾化された形となり、より一層の力強い写実的表現となった。唐代の影響を強く受けた韓国や日本でも、中国の仁王像のリアルな人間の美的表現の影響がみられる。韓国では、石窟庵の仁王像にみられるように、筋肉の形や天衣などに韓国独自の表現がされている。日本では、天平時代の仁王像には唐の影響がよく反映されているが、それ以上にはげしいポーズや表情などもみられ、体型やプロポーションにおいて、より充実した表現が認められた。鎌倉時代には、天平への復古を目指しながらも新たな中国(宋)の影響によって、生身に近い、生きているかのような仁王像が造られるようになった。この仁王権には、人体解剖学的に理解しにくい表現も散見されるにも係わらず、仏の守護神としての力強さや美しさが感じられる。それは美術解剖学的には成功した表現によると考えられる。日本でみられる仁王像は、ある日突然成り立ったものではない。長い年月、各国で造られた仁王像の影響を受けながら、信仰心を持って常に自然な姿、写実的な姿を追い求めた結果なのである。
著者
林 晋子 山本 由紀子 菱田 博之 相澤 里美 宮下 幸子
出版者
飯田女子短期大学
雑誌
飯田女子短期大学紀要 = Bulletin of Iida Women's Junior College (ISSN:09128573)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.253-264, 2016-05-27

保育者養成校が設定するカリキュラムマップ(教育目標)をどの程度達成しているかは,学生による自己評価や養成校教員による評価だけでなく,実際に保育者として従事した現場の評価からも検討する必要がある.本研究では卒業生の就職した幼稚園や保育所,施設の代表者を対象に質問紙調査を行い,養成校の教育目標がどの程度達成されているか,また達成されていないかを検討することを目的とした.その結果,20項目中15項目に有意差がみられ,「専門機関との連携」以外の項目は平均値以上の値を示していることから,教育目標は概ね達成されていることが明らかとなった.自由記述においては,養成校で指導している知識や技術よりも勤務への態度や健康管理に関することが高く評価された一方で,保護者や保育者とのコミュニケーション能力や積極的・主体的な姿勢が課題であることが明らかとなった.また,養成校に期待する点は社会人としての人間性やマナー,文章表現,基礎学力であることが明らかとなった.したがって,教育目標は概ね達成されてはいるものの,今後は知識や技術が定着するように授業構成を工夫することや社会人としての人間性やマナーを身につける機会を増やすこと,コミュニケーション能力が高まるように保護者や保育者と関わる機会を増やしていくことが必要であると考えられる.
著者
丹羽 智彦 堀内 孝次 大場 伸哉 山本 君二
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.105-110, 2001-03-05
参考文献数
12
被引用文献数
1

炭化汚泥は脱水汚泥に比べて,減量化,無臭化の特徴を有しているが,土壌改良資材あるいは肥料素材としての施用効果については研究例が殆どない.本研究では,下水道脱水汚泥を岐阜市と高鷲村から1998年3月と8月に採取した.炭化汚泥は,脱水汚泥を300~700℃で炭化処理して作製し,各汚泥の物理・化学特性を測定した.その結果,炭化汚泥の全窒素濃度,EC,C/N比などは,汚泥採取場所,時期,炭化処理温度によって異なった.例えば,全窒素濃度は3~7%までの幅があった.さらに,炭化汚泥に関しては岐阜炭化汚泥に比べて,高鷲炭化汚泥の硬度は2倍,密度は1.5倍であった.この結果,岐阜炭化汚泥は,高鷲炭化汚泥よりも多孔質であることが推測された.また,炭化汚泥の肥料効果を検討するために,1/5000aワグネルポットに,岐阜炭化汚泥と高鷲炭化汚泥を施用して陸稲を育てた.施用量は,両汚泥とも全窒素量が3g/ポット,6g/ポットとなるよう調節した.その結果,出芽後30日目の地上部乾物重とSPAD値は,炭化汚泥を多施用した区の方が高い値となった.また,高鷲炭化汚泥を施用した区よりも,岐阜炭化汚泥を施用した区の方が,地上部乾物重とSPAD値は高くなった.このように,全窒素量が同量となるように施用したにもかかわらず陸稲の生育が異なったことは,炭化汚泥の空隙率の違いが原因していると考えられた.炭化汚泥は,成分量や密度,硬度に差があり,これらの要因が土壌施用時に肥効に影響することを明らかにした.
著者
山本 祐二
出版者
滋賀大学保健管理センター
雑誌
SHR mini
巻号頁・発行日
no.29, pp.[1]-[2], 2012-01
著者
山本 達也 大野 貴司 棟田 雅也
出版者
岐阜経済大学地域経済研究所
雑誌
地域経済 (ISSN:03866122)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.25-40, 2014-03

大垣市の経済・産業と地域づくりEconomy, industry and regional development in Ogaki City共同研究報告IICollaborative Research Report II
著者
田邨 優人 中島 耕太 山本 昌生 前田 宗則
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2017-OS-141, no.22, pp.1-6, 2017-07-19

ハードウェアの進歩に伴い,従来よりも大幅に低レイテンシな記憶装置やインターコネクタが登場している.計算機環境のさらなる高性能化,大規模化が求められる昨今では,今後これらのデバイスが主流になると考えられるが,大部分の計算機システムではその高速性を活かせない場合が多い.その一つの原因としてカーネル内でデバイスからの応答の検知にハードウェア割り込みを使用していることが挙げられる.性能が重要視される HPC 分野などではハードウェア割り込みよりも高速にデバイスからの応答検知を行うために polling という手法が用いられる.しかし polling は CPU リソースを占有してしまうという特性から汎用的な計算機システムには積極的に用いられることはなかった.そこで本研究では CPU リソースを管理しながらカーネル内で polling を行うための polling idle ドライバを提案する.提案手法を NVMe over Fabrics に実装して評価を行ったところ,最大 47.1% のレイテンシ削減効果,最大 77.3% の iops 向上を確認し,また iops の上限値が従来から 40.2% 向上したことを確認した.