著者
岡田 啓 康永 秀生
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.11-18, 2022-06-25 (Released:2022-07-25)
参考文献数
4

リアルワールドデータを用いた研究は近年,世界的に急速な発展を遂げている.日本においてもさまざまなリアルワールドデータが整備されつつある.リアルワールドデータの類型の一つである保険データベースには,公的なデータベースである匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報データベース(NDB)の他に,いくつかの商用データベースがある.本稿では,2020年にDeSC ヘルスケア株式会社が新規に構築したDeSC データベースについて解説する.DeSC データベースの特徴として,国保・健保・後期高齢者のレセプト情報・特定健診情報を含む点が挙げられる.本稿では,DeSC データベースの母集団代表性に関する先行研究を引用し,その概要を説明する.また,DeSC データベースを用いて,保険者種類別にいくつかの疾患の有病率を記述する.さらに,DeSC データベースの臨床疫学・薬剤疫学研究への活用について言及する.
著者
佐々木 淳 岡田 啓司 佐藤 至 佐藤 洋 千田 広幸 大谷 久美子 池田 光秀 池田 美喜子 山本 幸男 渡部 典一
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年が経過した頃より、福島県の帰還困難区域内で飼育・維持されている黒毛和牛の皮膚に白斑がみられはじめ、放射線被ばくの影響が懸念されたことから、その原因究明のため調査・研究を行った。白斑は頭頚部、体幹部、四肢などほぼ全身で認められた。白斑の大きさは直径1cm程度であり、白斑部では被毛の白色化とともに皮膚が肌色に退色しているものもみられた。皮膚生検による組織学的検索では、病変部に一致してメラニン色素の減少・消失とメラノサイトの減数が認められた。本研究結果より本病変は尋常性白斑と診断され、原因はメラノサイトの減少と活性低下の可能性が示唆された。

4 0 0 0 OA 尾張名所図会

著者
岡田啓 (文園) , 野口道直 (梅居) 著
出版者
片野東四郎
巻号頁・発行日
vol.前編 巻2 愛智郡, 1880
著者
間瀬 憲一 岡田 啓
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

「避難所通信システム」は、避難所間を無線メッシュネットワークや無線マルチホップネットワーク等で結び、インターネットに接続することにより避難所間及び避難所と被災地外との間でメッセージ交換が可能となるシステムである。2011年3月11日の東日本大震災発生に伴い、宮城県東松島市に、無線マルチホップネットワークを構築し、本システムにより実際にサービス提供を行った。本稿では、サービス構想とシステム開発、東松島でのネットワーク構築とサービス提供をまとめた。
著者
阿南 智顕 菊池 薫 一條 俊浩 岡田 啓司 佐藤 繁
出版者
日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会・九州沖縄産業動物臨床研究会
雑誌
産業動物臨床医学雑誌 (ISSN:1884684X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.154-160, 2016-03-15 (Released:2016-10-02)
参考文献数
15

子牛に対するグリセロール投与の効果を明らかにする目的で,絶食した子牛と下痢症のために衰弱した子牛にグリセロールを1回経口投与し,エネルギー補給効果と衰弱症状の改善効果を検討した.その結果,投与群では投与量(50 ~ 200mℓ)および投与方法(カテーテル,哺乳ビン)にかかわらず,投与後に血糖(Glu)が上昇して遊離脂肪酸(FFA)が低下する傾向が認められた.Gluはカテーテルおよび哺乳ビン投与牛ともに,200mℓ投与牛で投与後2時間にピークを示して12時間まで持続し,Glu上昇とFFA低下の程度や持続時間は,投与量が増えるに伴って大きくかつ長い傾向がみられた.このことから,2 ~ 4カ月齢子牛に50 ~ 200mℓのグリセロールを投与すると,量依存性にGluが高値を示し,エネルギー補給効果のあることが明らかにされた.一方,野外の下痢症子牛を対象としてグリセロール200mℓ のカテーテルでの経口投与による衰弱症状と糞便性状の改善効果を検討した結果,活力の低下や消失,起立困難や歩様蹌踉などの衰弱症状は,投与翌日に11頭中10頭で活力が向上し,3頭で起立困難と歩様蹌踉の改善傾向がみられた.糞便性状は投与翌日に11頭中3頭で色調,8頭で性状,また,3頭で臭気に改善傾向がみられた.このことから,下痢症により衰弱症状を呈した子牛に対してグリセロール200mℓ をカテーテルで経口投与することは,下痢症からの回復を早める手段として有効であることが示唆された.

3 0 0 0 OA 尾張名所図会

著者
岡田啓 (文園) , 野口道直 (梅居) 著
出版者
片野東四郎
巻号頁・発行日
vol.前編 巻5 愛智郡, 1880
著者
中島 幸平 岡田 啓 間瀬 憲一 佐々木 武彦 渡邊 一弘 板倉 英三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AN, アドホックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.454, pp.109-114, 2011-02-28

IEEE 802.11n無線LANはチャネルボンディング機能を有しており,通信帯域を20MHzもしくは40MHzに設定することができる.また,2.4GHz帯,5GHz帯の2つの周波数帯をサポートしているため,無線メッシュネットワークを構成する場合,利用状況に応じてこれらの機能を使い分けることにより効率的な伝送を可能にできると考えられる.本稿では,屋内実験により2.4GHz帯と5GHz帯におけるIEEE 802.11n無線LANのスループット評価を行い,比較的チャネルに空きがある5GHz帯利用の有効性を示す.また,新潟大学屋外テストベッドを用いて2.4GHz帯におけるマルチホップ通信時のチャネル利用についての検討を行い,40MHzの周波数帯域を使用してマルチホップ通信をする場合,チャネルボンディング機能を使用して通信するよりも,20MHzのチャネルを複数割り当てた方が,高いスループットが得られることを確認する.
著者
岡田 啓
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.113-131, 2007-09

「学校に行く」の英訳はgo to school, leave for school, set off to school, get to school など何通りもある。脈絡によって,これらの中の最も適当なものが選択される。換言すれば,特定の脈絡を英語という言語でいかに切り取るのかをわきまえておかねば,正しい英語表現とはならない。上記のフレーズのうちどれを選ぶかはしばしば副詞との共起の中で決定される。その考慮をしない日本人の書く英語が不自然になる一大原因は正にここにある。例えば I go to school on week days. とは言えても,I go to school at 9 o'clock. はかなり曖昧な表現で,きちんとした正確な英語とは言い切れない。日常のカジュアルな表現としては,使用される状況より判断して「学校に向けて家を出るのが9時だ」と解釈できないことはない。しかし,英米のジャーナリスト・作家などは,大抵 I [left for / got to] school at 9 o'clock. のように,出発時を言うのか到着時を言うのかを指定している。この小論では,「学校に行く」という表現がいかなる副詞とどのような結び付きで用いられるのか,またそのとき,どのようなニュアンスで用いられているのかコーパスを用いて探り当て,具体例を挙げて用法を検証する。
著者
渡邉 貴之 小西 一之 野口 浩正 大福 浩輝 岡田 啓司
出版者
日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会・九州沖縄産業動物臨床研究会
雑誌
産業動物臨床医学雑誌 (ISSN:1884684X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.7-12, 2012-06-30 (Released:2013-05-17)
参考文献数
16
被引用文献数
4 1

黒毛和種経産牛の栄養状態と胚移植受胎率の関連性について調査した.試験はⅠ期とⅡ期に分けて実施した.泌乳していない黒毛和種経産牛を,Ⅰ期は61頭,Ⅱ期は29頭供試した.移植胚は新鮮1胚または凍結1胚とした.粗飼料は全て収穫時に飼料分析を行った自家産数種の乾草または低水分サイレージのうち2種類をTMRミキサーで混合して給与した.飼料設計は,Ⅰ期は可消化養分総量(TDN)130%,乾物摂取量(DMI)100%以上とし,可消化粗蛋白質(DCP)は考慮しなかった.Ⅱ期はⅠ期の代謝プロファイルテスト(MPT)結果を考慮して,これら粗飼料に圧片トウモロコシを加えTDN 120%,DCP 200%未満,DMI 100%以上とした.両期とも胚移植開始2カ月前から体重が維持できるよう混合粗飼料の給与量を調整した.Ⅰ期は20頭,Ⅱ期は10頭を無作為に抽出し,MPTを胚移植開始1カ月後に実施した. TDNの充足率はⅠ期がⅡ期よりも有意に高かった(137% 対113% , p<0.01)が,MPTを取り入れ高タンパク状態を改善したⅡ期のDCP充足率はⅠ期に比べ有意に減少した(310%対147% , p<0.01).DMI充足率は114%と107%で差は認められなかった.給与した飼料の平均デンプン(NFC)含量はⅠ期が7.9%,Ⅱ期が17.6%とⅡ期が有意に高かった.Ⅱ期はⅠ期に比べ血中遊離脂肪酸,β-ヒドロキシ酪酸が有意に低かった(p<0.05,p<0.01)ことから,低NFCに起因するル-メンの発酵不足によるエネルギー不足が改善されたことが考えられた.また,血液尿素窒素もⅡ期がⅠ期に比べ有意に低かった(p<0.01)ことから,Ⅱ期では,Ⅰ期においてみられたルーメン発酵不足と高タンパク飼料によるル-メン内の利用しきれないアンモニアの発生が抑えられたと考えられた.胚移植受胎率はⅠ期37.7%(23/61),Ⅱ期は65.5%(19/29)とⅡ期が有意に高く改善された(p<0.05).以上のことから,黒毛和種受胚牛の受胎率はDCPの過剰摂取やDCPとNFCのアンバランスな場合に低下すること,MPTを基にした飼料設計で改善することが認められた.また,イネ科牧草の飽食給与は,著しい蛋白過剰をもたらす可能性があることが明らかになった.
著者
岡田 啓子
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 = Bulletin of Den-en Chofu University (ISSN:18828205)
巻号頁・発行日
no.9, pp.173-185, 2015-03-25

不妊治療後に妊娠した妊婦は自然妊娠の妊婦と比べて,情緒不安定になりやすく,その後の育児においても子どもを過保護に扱ったり,過剰な期待をするといった育児への不適応が指摘されていた。これらの研究では不妊そのものを妊娠や育児への不安の主な原因としているが,不妊であったこと自体が問題となるだけではなく,治療中の経験がその後の妊娠に対する感情に影響を与えると考えるべきであろう。本稿では不妊治療中のストレスや夫婦関係が妊娠中の女性や男性に与える影響を明らかにすることを目的とし,検討を行った。不妊治療を経て妊娠した女性は,妊娠したことに対して肯定的な感情を強く持つ反面,それを強く望んでいた者ほど流産に対しての不安が高いという先行研究が支持されたほか,不妊治療中に家族との関係によって生じたストレスと妊娠への感情との間に関連が認められた。一方,男性に関して不妊治療経験の有無と“親になること”という意識との間に関連は認められなかった。しかし,不妊治療期間における夫婦関係のあり方によっては,エリクソンのいう「世代性」への意識が強められることがうかがえた。