著者
工藤 大介 中谷内 一也
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.35-44, 2014-08-18

This study investigated why the restrained buying called reputational risk occurred after The Great East Japan Earthquake, focusing on the psychological factors influencing consumers. A preliminary investigation (N=112) identified affective (System 1) factors - "negative affect," "association with Fukushima," "support for quake-hit areas," and "radiation anxieties" - and reason (System 2) factors - "knowledge-based judgment" and "rational decision" - based on the dual-process theory. Initially, the results of structural equation modeling (SEM) conducted on the main survey data (N=310) indicated the influence of multi-collinearity. Accordingly, the factors "negative affect," "association with Fukushima," and "radiation anxieties" were integrated as "anxiety over radiation and nuclear power." The result of SEM on the refined model suggested this factor causes restrained buying while "support for quake-hit areas" is effective in its mitigation. Finally, future contingency plans to combat reputational risk were discussed based on the findings of this study.
著者
工藤 大介 中谷内 一也
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.35-44, 2014-08-18 (Released:2015-06-06)
参考文献数
42
被引用文献数
3

This study investigated why the restrained buying called reputational risk occurred after The Great East Japan Earthquake, focusing on the psychological factors influencing consumers. A preliminary investigation (N=112) identified affective (System 1) factors—“negative affect,” “association with Fukushima,” “support for quake-hit areas,” and “radiation anxieties”—and reason (System 2) factors—“knowledge-based judgment” and “rational decision”—based on the dual-process theory. Initially, the results of structural equation modeling (SEM) conducted on the main survey data (N=310) indicated the influence of multi-collinearity. Accordingly, the factors “negative affect,” “association with Fukushima,” and “radiation anxieties” were integrated as “anxiety over radiation and nuclear power.” The result of SEM on the refined model suggested this factor causes restrained buying while “support for quake-hit areas” is effective in its mitigation. Finally, future contingency plans to combat reputational risk were discussed based on the findings of this study.
著者
中谷内 一也 工藤 大介 尾崎 拓
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.139-147, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
42
被引用文献数
3 7

This study investigated the levels of public trust in organizations associated with the Great East Japan Earthquake. In Study 1 (N = 639), the levels of trust in eight organizations as well as the determinants of trust–perceived salient value similarity (SVS), ability, and motivation– were measured twice, first immediately after the earthquake and then a year later. The results indicated that the trust levels for six of the eight organizations had been preserved, supporting the double asymmetric effect of trust. The results of structural equation modeling (SEM) revealed that SVS explained trust more when the organization had been less trusted. Trust in the organization explains well the perceived reduction of the target risk. The results of SEM in Study 2 (N = 1,030) replicated those of Study 1, suggesting the stability of the explanatory power of the determinants of trust. Implications of the study for risk management practices are discussed.
著者
小林 和法 倉沢 真澄 丹 美香 工藤 大樹 赤塚 秀貴 大場 愛
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.212-217, 2011-09-20 (Released:2013-09-20)
参考文献数
2
被引用文献数
1

肌の「ハリ」は理想の肌の要素のひとつとして挙げられることが多い。従来「ハリ」といえば肌に触れたときの感覚としてとらえられ,真皮にアプローチした改善策がとられてきた。しかしわれわれは,「ハリ」には視覚的要素も含まれていると考え,視覚的なハリという点に着目して検討を行った。健常日本人女性の顔面を対象に行った肌の官能評価スコアを用いてクラスター分析を行ったところ,「目で見て感じるハリ (視覚的ハリ) 」は「視覚的うるおい感」と非常に距離が近く,一方で「触覚的ハリ」とは別のクラスターに分類されることがわかった。また,視覚的ハリは角層水分量や経表皮水分蒸散量と関係することがわかった。この結果から,角層水分状態の改善が視覚的ハリの向上につながるのではないかと考え,化粧料の連用試験を行い,角層水分状態が改善されたときに視覚的ハリスコアがアップするかどうかをみたところ,角層水分量の有意な増加とともに視覚的ハリの有意な向上が確認され,一方で触覚的ハリには有意な変化が認められなかった。これは,視覚的ハリと触覚的ハリには,それぞれに最適な改善アプローチが別々に存在する可能性を示唆している。
著者
大塚 宜明 池谷 信之 工藤 大
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 = Journal of the Society of Humanities (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
no.110, pp.79-100, 2021-10-20

本論では,アイヌ文化期(中近世)に属する北海道せたな町南川2遺跡の黒耀石製石器を対象に,石器の技術的分析および黒耀石原産地推定分析を実施した。さらに,そのデータと、当該期の道内の遺跡や先行する擦文文化の事例との関連性を検討することで,アイヌ文化期における黒耀石利用の変遷とその歴史的意義について考察した。 その結果,①アイヌ文化期において黒耀石副葬と被葬者の性別(女性)に関係性がある一方,出土地域と黒耀石原産地の間に特定の結びつきがないこと,②擦文時代初頭の黒耀石角礫の副葬が,擦文時代後期頃に円礫に転じ,アイヌ文化期へとつながる状況が確認され,黒耀石の副葬様式が漸移的に成立したことが明らかになった。 こうした中で,15C~18C中頃と考えられる南川2遺跡の墓壙以後は黒耀石の副葬がみとめられないことから,擦文時代とアイヌ文化期の間にみとめられる黒耀石の儀器化が生じた後に,さらにアイヌ文化期内において儀器としての役割を終える過程があったことがわかった。ここに,利器としても,儀器としての役割も終える過程,すなわち北海道における黒耀石利用の終焉をよみとることができるのである。
著者
久志本 成樹 工藤 大介 川副 友
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.399-407, 2016 (Released:2016-08-05)
参考文献数
69

要約:外傷患者の急性期死亡原因としての出血はきわめて重要である.従来,外傷後の急性期に認められる凝固異常は,アシドーシス,低体温などの生理学的恒常性の破綻や,輸液・輸血による希釈などに起因するものであり,治療に伴う副産物であるとされてきた.しかし,この10 年間,転帰に大きな影響を与える外傷急性期凝固障害の存在が広く認識された.外傷とこれに伴うショックにより惹起される線溶亢進病態であるacute traumatic coagulopathy,治療に関連する因子が加わり形成されるtrauma-induced coagulopathy がこれらを形成するが,そのメカニズムは必ずしも明確ではなく,病態解明のためのさらなる検討を要する.凝固障害の回避と治療であるdamage control resuscitation を理論的背景に基づき施行することは,今後の重症外傷に対する治療戦略としての中心的課題である.
著者
工藤 大祐 徳重 あつ子 片山 恵 田丸 朋子 岩﨑 幸恵
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.95-104, 2022 (Released:2023-03-02)
参考文献数
14

本研究の目的は,高齢者の普段の点眼姿勢の実態および,点眼時の椅子の背もたれ使用の有無と点眼成否との関係性を明らかにすることである.研究方法は,高齢者の普段の点眼姿勢の実態調査に加え,高齢女性に背もたれの有無で点眼を行ってもらい,点眼動作の動作解析を行った.動画より,点眼時の頭部後傾角度,肘関節角度,体幹後傾角度,点眼容器角度を測定し,背もたれの有無と点眼の成否,点眼液滴下の位置ずれを比較した.背もたれ無しでは,失敗事例で有意に頭部後傾角度が小さく,背もたれを使用すると点眼時に体幹が後傾し頭部が後傾しやすくなり,点眼時における滴下の位置ずれや点眼容器先端との接触による失敗リスクの軽減が望めた .背もたれを使用した点眼姿勢は安全で実施しやすい方法であり,点眼指導に取り入れることが可能であると言える.
著者
中川 敦寛 工藤 大介 園部 真也 麦倉 俊司 久志本 成樹 冨永 悌二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.955-963, 2021-09-10

Point・現在の神経集中治療では二次侵襲を最小限にとどめ,生体の自己回復能力を最大限に引き出す環境を作ることに主眼が置かれている.・神経学的所見やモニタリングから得られる情報を統合し,頭蓋内圧亢進を的確に評価して治療のタイミングを逃さない.・今後,インフォマティクスなどがモニタリングや管理の質の向上を支援することが予想されるが,生理学,病態生理を深く理解することが本質であることには変わらない.
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
工藤 大輔
出版者
弘前大学國史研究会
雑誌
弘前大学國史研究 (ISSN:02874318)
巻号頁・発行日
no.105, pp.40-53, 1998-10-30