著者
鈴木 眞一 鈴木 聡 岩舘 学 立谷 陽介 芦澤 舞 大河内 千代 中野 恵一 中村 泉 福島 俊彦 水沼 廣 鈴木 悟
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.7-16, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
18

小児甲状腺癌は稀な疾患とされているが思春期若年成人では決して稀ではない疾患である。その超音波所見につき解説する。小児若年者の甲状腺癌の大半は乳頭癌であり,なかでも多くが古典型と言われる通常型である。浸潤型が多く境界不明瞭でリンパ節転移が多い。さらに特殊型のびまん性硬化型乳頭癌類似の腺内散布像を認める。特殊型もあることを念頭に置くが,通常の乳頭癌の術前診断が重要であり,ドプラ法,エラストグラフィも組み合わせ診断する。術前術後のリンパ節の評価には超音波診断が重要である。小児若年者甲状腺癌に関しては術前術後の超音波検査は極めて重要である。
著者
伴野 太平 小森 ゆみ子 鈴木 聡美 田辺 可奈 笠岡 誠一 辨野 義己
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.229-235, 2016 (Released:2016-10-21)
参考文献数
32
被引用文献数
1

さつまいもの一種である紅天使を健康な女子大学生22人に摂取させた。加熱後皮をむいた紅天使の食物繊維は2.9 g/100 gだった。摂取開始前1週間を対照期とし, その後1週間単位で紅天使を1日300 g, 0 g, 100 gとそれぞれ摂取させた。排便のたびに手元にある直方体の木片 (37 cm3) と糞便を見比べ便量を目測した。その結果, 対照期には1.8±0.2 (個分/1日平均) だった排便量が, 300 gの紅天使摂取により約1.6倍に, 100 g摂取により約1.5倍に増加した。排便回数も紅天使摂取量の増加に伴い増加した。300 g摂取でお腹の調子は良くなり便が柔らかくなったと評価されたが, 膨満感に有意な変化はなかった。各期の最終日には便の一部を採取し, 腸内常在菌構成を16S rRNA遺伝子を用いたT-RFLP法により解析した結果, 紅天使摂取により酪酸産生菌として知られるFaecalibacterium属を含む分類単位の占有率が有意に増加した。
著者
古村 和恵 宮下 光令 木澤 義之 川越 正平 秋月 伸哉 山岸 暁美 的場 元弘 鈴木 聡 木下 寛也 白髭 豊 森田 達也 江口 研二
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.237-245, 2011 (Released:2011-11-16)
参考文献数
13
被引用文献数
3 4

より良い緩和ケアを提供するために, がん患者やその家族の意見を収集することは重要である. 本研究の目的は, 「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」(OPTIM)の介入前に行われた, 進行がん患者と遺族を対象とした質問紙調査で得られた自由記述欄の内容を分析し, がん治療と緩和ケアに対する要望と良かった点を収集・分類することである. 全国4地域の進行がん患者1,493名, 遺族1,658名に調査票を送付し, 回収した調査票のうち, 自由記述欄に回答のあったがん患者271名, 遺族550名を対象とした. 本研究の結果から, がん患者と遺族は, 患者・医療者間のコミュニケーションの充実, 苦痛緩和の質の向上, 療養に関わる経済的負担の軽減, 緩和ケアに関する啓発活動の増加, 病院内外の連携システムの改善, などの要望を持っていることが明らかとなった. Palliat Care Res 2011; 6(2): 237-245
著者
鷲見 みゆき 大泉 宏 三井 翔太 崎山 直夫 鈴木 聡 樽 創
出版者
日本セトロジー研究会
雑誌
日本セトロジー研究 (ISSN:18813445)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-7, 2023-11-20 (Released:2023-11-30)

スジイルカStenella coeruleoalbaは,世界中の熱帯から温帯の海域にかけて広く分布するハクジラ亜目に属する小型鯨類である.本研究では,本種の食性解明のための基礎的知見を得ることを目的として,2019年1月から2021年5月までに相模湾の神奈川県沿岸に漂着した10個体の胃内容物を調査した.その結果,6個体の胃から頭足類(カギイカ,ホタルイカモドキなど5科3種)の顎板,魚類(ハダカイワシ,オオクチイワシなど2科3種)の耳石が確認された.魚類・頭足類ともに日周鉛直移動を行う中・深層性の種が主体であったことから,漂着したスジイルカ6個体が索餌のため中・深層まで潜水したか,或いは夜間に表層へ浮上した小型遊泳動物を採餌していたことが示唆された.
著者
鈴木 聡 山田 誠二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.1093-1100, 2005-04-15
参考文献数
20
被引用文献数
5

新たな情報技術がその受け手に与える影響について近年様々な議論がなされている.特に擬人化エージェントは,社会的インタラクションを通してユーザの自発的な態度変容を促す.つまり,擬人化エージェントはユーザを「説得する」メディアとしてユーザに対して強い影響力を持つと考えられる.なかでも,被説得エージェントを説得する説得エージェントをユーザに提示する擬人化エージェントによるオーバハードコミュニケーション(OC)はユーザの態度に影響を与えるとみられる.本研究では,オンラインショッピングサイトにおいて説得エージェントと被説得エージェントによるOCと説得エージェントがユーザに直接情報を提示するレギュラーコミュニケーション(RC)について情報提示後のユーザの態度としての購買意欲を心理実験により比較した.実験の結果,擬人化エージェントによるOCの方が,RCと比べユーザの態度変容に大きな影響を与える現象がみられた.さらに,擬人化エージェントのアピアランスに由来すると考えられるユーザの説得する擬人化エージェントに対する魅力がユーザの購買意欲と正相関することも観察された.この結果から,擬人化エージェントがユーザに与える社会的影響,特にOCの要因となっているプレゼンス,視線,アピアランスといった擬人化エージェントの身体表現がユーザに与える影響という視点からの新たな研究の可能性が示唆されている.It is important to investigate influence of novel information and communication technologies, such as life-like agents, toward receivers of the information since some studies reveal that such novel technology can "persuade" people, in other words, they have strong power to change people's attitude and behavior. In this study, the influence of overheard communication (OC) by life-like agents toward online shopping Web site users was examined, since the OC by people often changes attitude of receivers. An experiment to compare the effect of OC by two life-like agents (a persuader agent and a persuadee agent) with regular communication (RC) by one persuader agent were conducted. The result of this experiment implied that even the OC by life-like agents could promote Web site users' online shopping purchase likelihood more than the RC by them. Moreover, attractiveness toward a persuader agent evaluated by participants was positively correlated with their purchase likelihood. This result suggests a new direction of studies of social influence from life-like agents, especially from a viewpoint of body expression of life-like agents, such as presence, gaze, appearance, and so on.
著者
鈴木 聡
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.23-28, 2014-03-31

A PID temperature control system was built with a Peltier device and an educational visual programming language called Scratch. Homemade interface board using PIC18F2550 microcontroller with USB interface was included in the PID control system. The Peltier device was connected to the interface board via an H bridge circuit. Highly precise temperature control was performed using a feedback circuit with a thermistor and PI algorithm. Developed system can be applied to a cooling module for semiconductor devices and a teaching material for instrumentation and control engineering.
著者
鈴木 聡
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.7-15, 1996-02-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

東日本の9県において各試験場内で雨水を採取して, MEP, マラソン, ダイアジノン, BPMC, IBP, モリネート, シメトリン, ディルドリン, およびイソプロチオランの残留量を月ごとに1989年から1992年まで経年調査した. 水田に散布される地上防除用農薬の雨水による年間降下量はモリネート>IBP>シメトリン (不検出) の順であり, 薬剤の蒸気圧とともに, 使用剤型の影響を受けていると推察された. モリネートは冬期にも検出され. 環境中に長く残留していることが考えられた. MEPの雨水中の検出量は調査した各県とも年間20~100μg/m2であり, 地域による偏在性はみられなかった. その要因として, 各県での出荷量が多く, とくに乳剤, 粉剤の使用が多く, そして空中散布が実施されていること, 気相中の半減期が長いこと等が考えられた. 環境中での半減期がきわめて短いマラソンとダイアジノンの検出量は年間10μg/m2の場合が多かった. しかしBPMCは調査5県のうち3県で年間降下量が100μg/m2を超え, イソプロチオランは栃木のみの調査結果だが300μg/m2を超えており, 地上および空中散布の使用が多いためと考えられた.多くの農薬の検出量は夏期に多く, それぞれの使用時期に検出ピークが認められた. 作物の適用範囲の広いMEP, マラソン, ダイアジノンはわずかだが, 冬期においても検出された. 現在使用されていないディルドリンはまったく検出されなかった. 農薬の降下量と県レベルの出荷量との関連性ははっきりしなかったが, 各農薬の使用時において濃度は低いがその検出量および検出時期がほぼ一致していたことから, 使用されている農薬の雨水への残留は散布地点周辺に限定され, 広域的な大気拡散は少ないと推定された.
著者
鈴木 聡
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.7-15, 1996-02-20
参考文献数
30
被引用文献数
3

東日本の9県において各試験場内で雨水を採取して, MEP, マラソン, ダイアジノン, BPMC, IBP, モリネート, シメトリン, ディルドリン, およびイソプロチオランの残留量を月ごとに1989年から1992年まで経年調査した.水田に散布される地上防除用農薬の雨水による年間降下量はモリネート>IBP>シメトリン(不検出)の順であり, 薬剤の蒸気圧とともに, 使用剤型の影響を受けていると推察された.モリネートは冬期にも検出され.環境中に長く残留していることが考えられた.MEPの雨水中の検出量は調査した各県とも年間20∿100μg/m^2であり, 地域による偏在性はみられなかった.その要因として, 各県での出荷量が多く, とくに乳剤, 粉剤の使用が多く, そして空中散布が実施されていること, 気相中の半減期が長いこと等が考えられた.環境中での半減期がきわめて短いマラソンとダイアジノンの検出量は年間10μg/m^2の場合が多かった.しかしBPMCは調査5県のうち3県で年間降下量が100μg/m^2を超え, イソプロチオランは栃木のみの調査結果だが300μg/m^2を超えており, 地上および空中散布の使用が多いためと考えられた.多くの農薬の検出量は夏期に多く, それぞれの使用時期に検出ピークが認められた.作物の適用範囲の広いMEP, マラソン, ダイアジノンはわずかだが, 冬期においても検出された.現在使用されていないディルドリンはまったく検出されなかった.農薬の降下量と県レベルの出荷量との関連性ははっきりしなかったが, 各農薬の使用時において濃度は低いがその検出量および検出時期がほぼ一致していたことから, 使用されている農薬の雨水への残留は散布地点周辺に限定され, 広域的な大気拡散は少ないと推定された.
著者
岩舘 学 松本 佳子 塩 功貴 鈴木 聡 水沼 廣 鈴木 眞一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.175-179, 2021 (Released:2021-11-27)
参考文献数
32

小児若年者の甲状腺癌は成人と比べ稀であり,組織型としては90%が乳頭癌であり,濾胞癌,髄様癌は少ない。BRAFV600E変異は成人の甲状腺乳頭癌で最も多くみられる遺伝子変異であり,散発性の小児若年者甲状腺乳頭癌は8.8~63%と論文の報告によってさまざまであるが若年者ほど頻度は少ない傾向である。福島原発事故後の小児若年者甲状腺癌では,20代以上が多く含まれているため全体としてBRAFV600E変異は69.6%であった。また,小児若年者甲状腺癌にみられる遺伝子異常はRET/PTC融合遺伝子やNTRK融合遺伝子が成人よりも多いとの報告が多く,特にRET/PTC1は放射線非被ばく小児例で多くみられる。一方,RET/PTC3はチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺乳頭癌で多く認められる。高齢者にみられるTERTプロモーター変異は小児若年者の散発性甲状腺乳頭癌ではほとんど認めない。
著者
村上 諒 鈴木 聡志 木全 英明
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会年次大会予稿集 (ISSN:24364371)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.56, 2020

本稿は、インターンシップを通して学んだことや気付きを共有し、読者のインターンシップに対する理解を深める事を目的としている。
著者
鈴木 聡一郎 林 末義
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-8, 2009 (Released:2009-11-05)
参考文献数
19

Ski boots are generally important for assisting progress in ski turn technique as an interface between a skier and a ski. This study is aimed at developing a new ski boot that can improve the results of alpine ski races for Japanese players. In this paper, a new design of a ski boot that is adjusted to the features of the frame of Japanese athletes was experimentally examined. As a result, it was demonstrated that the front part of the upper shell of a ski boot should be lower and the rear part should be higher than the normal upper shell for providing well-balanced quick leaning of the leg in the ski turn. Finally, the effect of the new upper shell was verified in giant slalom and slalom test by Japanese alpine ski players of the first rank.
著者
髙岡 昂太 坂本 次郎 橋本 笑穂 北條 大樹 古川 結唯 菊池 愛美 佐藤 瑛洋 先光 毅士 山本 直美 鈴木 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1D4GS1305, 2020 (Released:2020-06-19)

日本では推計で毎年500人の子どもが虐待で死亡している。親が嘘をつく場合や、子どもが加害者から脅され話せないなど、正確な情報収集が難しい課題がある。ベテラン職員であっても判断を誤ることがあるため、虐待対応には判断の質の向上が喫緊に求められる。さらに、増加する虐待通告件数に対応する施策も満足に打てていないことが問題である。申請者らは現場職員の判断を支援し、かつ虐待件数増加に対応する施策決定に向けたAI実証実験を2019年7月より始めた。現場と達成目標をすり合わせた上で、一時保護すべきケースの見過ごしを無くすため、予測精度の高い勾配ブースティングを実装した。また、将来的な再発率や重篤度の算出には、現場の説明責任を担保するため、因果推論を行う確率モデリングを採用した。試行の進捗として①現場の業務フローの差異の把握、②データ収集の調整、③パラメーターチューニング、④UI/UXの改修を含むアジャイル開発、⑤ICTが得意または苦手なユーザーへの研修の配慮など、社会課題解決に向けた社会実装で得た知見について発表を行う。
著者
佐川 雄一 大谷 巌 鈴木 聡明
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.106, no.7, pp.739-749, 2003-07-20 (Released:2008-03-19)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

ヒト側頭骨病理標本を用い,耳小骨靱帯周囲の硬化性病変について観察を行い.次の結果を得た.1. 非炎症群では前ツチ骨靱帯,後キヌタ骨靱帯で,30歳未満の群と30歳以上の群の間で硬化性所見に有意差を認めた.このことは,硬化性所見は加齢とともに増加することを意味している.2. 慢性炎症群では前ツチ骨靱帯,後キヌタ骨靱帯について,非炎症群に比較し,各年代とも硬化性変化の程度が強く,また.年代間に有意差を認めなかった.炎症の影響が加齢の影響よりも強く,炎症が起きると加齢と関係なく硬化性変化が進むと考えられた.硬化性変化を進行させないためには,中耳炎,特に小児の中耳炎の治療の際に.炎症を速やかに改善させ,慢性期に至らせないよう注意が必要である.3. 輪状靱帯については,非炎症群,慢性炎症群のいずれについても,各年齢間で有意差を認めなかったが,前ツチ骨靱帯,後キヌタ骨靱帯よりも硬化性所見は少なかった.また,非炎症群と慢性炎症群の比較でも,60歳代の群を除き,有意差を認めなかった.このことから,輪状靱帯は,加齢や炎症の影響を受けにくく,硬化性変化が進行しにくいことが示唆された.4. 輪状靱帯よりも前ツチ骨靱帯や後キヌタ骨靱帯で硬化性変化が起きる頻度が高いことは,ツチ骨とキヌタ骨を残した手術では伝音系全体の可働性が制限され,十分聴力が改善しない可能性があることを意味し,炎症耳の手術の際は,年齢に関係なく前ツチ骨靱帯,後キヌタ骨靱帯の可動性を確認し,可動性が損なわれている場合には,これらの靱帯を切離するような術式が有効であると考えられた.
著者
伴野 太平 小森 ゆみ子 鈴木 聡美 田辺 可奈 笠岡 誠一 辨野 義己
出版者
日本栄養・食糧学会
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.229-235, 2016 (Released:2016-12-15)

さつまいもの一種である紅天使を健康な女子大学生22人に摂取させた。加熱後皮をむいた紅天使の食物繊維は2.9g/100gだった。摂取開始前1週間を対照期とし,その後1週間単位で紅天使を1日300g,0g,100gとそれぞれ摂取させた。排便のたびに手元にある直方体の木片(37cm3)と糞便を見比べ便量を目測した。その結果,対照期には1.8±0.2(個分/1日平均)だった排便量が,300gの紅天使摂取により約1.6倍に,100g摂取により約1.5倍に増加した。排便回数も紅天使摂取量の増加に伴い増加した。300g摂取でお腹の調子は良くなり便が柔らかくなったと評価されたが,膨満感に有意な変化はなかった。各期の最終日には便の一部を採取し,腸内常在菌構成を16S rRNA遺伝子を用いたT-RFLP法により解析した結果,紅天使摂取により酪酸産生菌として知られるFaecalibacterium属を含む分類単位の占有率が有意に増加した。
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
1

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。