著者
佐藤 僚太 竹川 佳成 平田 圭二
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2019-EC-51, no.12, pp.1-6, 2019-02-15

本稿では,メドレー楽曲におけるマッシュアップを考慮した楽曲断片検出法について述べる.メドレー楽曲とは,複数楽曲の一部分の区間を接続することで作られる新たな形式の楽曲のことを指す.メドレー楽曲では原曲をテンポやキー,音の追加や削除などのアレンジやマッシュアップを行うことで,一曲であるかのように楽曲断片同士の接続を行っている.我々は,メドレー楽曲において何の曲がどこからどこまで登場しているか同定するため,Wang の音声指紋とカバーソング同定法 (Cover Song Identification, CSI) である Serrà らの相互再帰定量化 (Cross Recurrence Quantification, CRQ) を組み合わせた楽曲断片検出法の提案する.メドレー楽曲とその構成楽曲から音声指紋を抽出し,2 曲の類似度行列である行列 CR とカバーソングを定量的に評価するための累積値行列 Q を作成し,開始地点を同定することで楽曲断片の検出っを試みる.実験結果から,やや低い精度ではあるものの,パラメータの検討によって本手法の楽曲断片検出の精度が向上することが示唆された.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.19(2006-MUS-064), pp.53-58, 2006-02-23

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感は,楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の 1 つと考えられる.我々はこれまで,タイトとルーズのグルーブ感を与えたドラム演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは,実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究では,グルーブ感を含んだ様々な演奏意図と打点時刻及び音量との関係を分析した.その分析結果をふまえてドラム演奏生成システムを実装した.そのシステムは連続する打点の相関を考慮すること,ゴーストノート付加できることなどの特徴を持つ.
著者
三浦 寛也 森 理美 長尾 確 平田 圭二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.942-950, 2015-03-15

ディスカッションマイニングとは,会議における活動を複数メディアで記録し,そこから再利用可能な知識を抽出するための技術である.音楽理論とは,音の時系列を構文解析する技術である.本研究の目的は,音楽理論Generative Theory of Tonal Music(GTTM)の楽曲分析アプローチに基づき,会議記録の各発言の重要度を階層的に表現する議論タイムスパン木の自動獲得である.本稿では,議論タイムスパン木の生成方式について計算機上に実装する手法を提案し,プロトタイプシステムの有効性を評価した.Discussion mining is a technology by which activities in meetings are recorded into some media, from which resusable data is extracted. Music theory is a technology that parses the chronological sequence of musical events. The aim of the research is automatic acquisition of discussion time-span tree, based on the approach to analysis music theory Generative Theory of Tonal Music (GTTM). It expresses a hierarchical importance of statements. The paper presents the method how to generate discussion time-span tree and the results of studying the prototyping system.
著者
野池 賢二 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.48, pp.45-50, 2003-05-16
被引用文献数
4

蓮根(Performance Rendering Contest)の演奏コンテストに参加するための"Rencon エントリキット第 1 版"の仕様について述べる."Rencon エントリキット"に含まれる,共通の土俵上でシステムを評価するための学習用データのファイル形式,提供するツールの機能について述べる.This paper reports a Rencon-Kit for Performance Rendering Contest. In this paper, we are going to examine an environment on which, the performance of the rendering systems are compared and evaluated. We illustrate the file format to describe the score and performance data and some tools, aiming at the competition of the Performance Rendering systems, which are equipped with learning or reasoning functions.
著者
澤田 隼 竹川 佳成 平田 圭二
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.941-950, 2018-03-15

本稿では,Generative Theory of Tonal Music(GTTM)を音楽のスペクトログラムに直接適用して階層的クラスタリングによってタイムスパン・セグメンテーションを生成する新しい方法を提案する.まず初めに,スペクトログラムを時間軸方向に分割し,周波数方向に縦長の矩形(bin)をピッチイベントとして,スペクトログラムを一連のbinの集合として考える.binのテクスチャの特徴は,グレーレベル同時生起行列(Gray level co-occurrence matrix: GLCM)を使用して抽出され,テクスチャ特徴量の時系列データを生成する.テクスチャ特徴量による隣接bin間の類似度によってフレーズの近接度および変化量が計算される.並列性および反復性などの大域的な構造は,一連のbinの自己相似性行列(Self-similarity matrix: SSM)によって検出される.隣接するbin間の境界の強さを表す時系列データが与えられ,隣接するbinをボトムアップに反復的に併合していくことで,最終的にタイムスパン・セグメンテーションに対応する系統樹を生成するアルゴリズムを開発する.MozartのK.331とK.550を入力して実験を行った結果,音高や調和などの音楽知識をほとんど考慮していないにもかかわらず,有望な結果が得られた.
著者
大村 英史 平田 圭二 東条 敏 柴山 拓郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

音楽聴取の楽しみは期待感の逸脱・実現や,緊張・弛緩などによって成立していると考えられている.これに基づく理論がいくつか提案されている.しかしながら,これらの理論は概念的あるいは心理学的なモデル化にとどまっており計算機上に実装は困難である.本研究では,音楽における期待感の逸脱・実現の計算機上の実装をめざし,音の物理的特性,情報理論,確率,論理に基づいて音楽における期待感の逸脱・実現の定式化を試みた.
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1706-1715, 2014-07-15

本論文の目的はうつ病患者の家族看護者が直面する困難を明らかにし,家族看護者が生活の質を維持するために必要なICT支援について提案を行うことである.そのため我々は,家族のうつ病患者を看護した経験がある成人15名に対面インタビューを行い,分析を行った.その結果,家族看護者が抱える矛盾や葛藤,家族看護者が自身のストレス軽減のために取っている方策,そして情報技術が彼らの日常生活に果たしている機能が明らかになった.この調査結果に基づき,うつ病患者の家族看護者に対するICT支援方法を検討した.In this paper, we aim to uncover the challenges faced by family caregivers caring for a depressed sufferer and consider ways to support their well-being with the use of technology. To understand the burden of caregivers and how they handle their stress, we conducted in-depth interviews with 15 individuals who have cared for a depressed family member. Through the interviews, we describe the multifaceted dilemma they faced. Based on our findings, we suggest design implications for technologies to improve the wellness of caregivers who are looking after depressed family members.
著者
野池 賢二 橋田 光代 平田 圭二 片寄 晴弘 平賀 留美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.71-76, 2005-02-18
被引用文献数
10

NIME04のデモセッションとして行ったRencon聴き比べコンテストの模様とその投票結果、および、Rencon研究発表セッションの様子について報告する。投票結果の順位について統計的分析を加えた考察も、あわせて報告する。さらに、考慮していくべき課題と、今後の開催予定についても述べる。This paper reports NIME04 Rencon (Performance Rendering Contest) and its paper session held at the International Conference on New Interfaces for Musical Expression. This paper shows the result of NIME04 Rencon with some statistical analysis,and discusses future works.

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著者
平田圭二
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-1, 2015-01-15
著者
平田 圭二 塚本 昌彦 乾 健太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.86-91, 2014-12-15

情報処理学会が編集発行している雑誌は常に時代の先を見据えてさまざまな企画を実施し記事を掲載してきた.ジャーナル論文誌編集長の乾健太郎(東北大),学会誌編集長の塚本昌彦 (神戸大),ディジタルプラクティス編集長の平田圭二 (公立はこだて未来大学) の3人が集まり,学会出版物の役割や相互の関係,学会出版物の今後などについて,アイディアや意見を交換し,将来の雑誌相互の発展に資する鼎談を行う.
著者
浜中 雅俊 平田 圭二 東条 敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.21, pp.1-7, 2014-08-18

本稿では,タイムスパン木の部分木一致率に基づいた楽曲間の類似度について述べる.従来,音楽理論 GTTM に基づく分析によって求まるタイムスパン木に基づく楽曲間類似度が定義されていたが,条件が厳密であるために多くの楽曲間で全く類似性を示さなかった.そこで本研究では,類似度判定基準を緩和し,タイムスパン木が部分的に一致する場合,その一致率で類似度を表すことを試みる.In this report, we propose a melodic similarity based on matching rate of time-span subtrees. We previously proposed a melodic similarity based on time-span tree based on the music theory GTTM, however almost all the pairs of melodies are not similar, because the definition of the similarity is too strict. Therefore, we attempt to express a melodic similarity by using matching rate of time-span subtrees for weaken the condition for calculating the similarity.
著者
三浦 寛也 長尾 確 平田 圭二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

ディスカッションマイニングとは,会議における活動を複数メディアで記録し,そこから再利用可能な知識を抽出するための技術である.音楽理論とは,音の時系列を構文解析する技術である.本研究の目的は,音楽理論GTTMの手法を用いて議論を「構文解析」することである.本稿では,議論タイムスパン木の生成方式について計算機上に実装する手法を提案し,プロトタイピングシステムの有効性について検討する.
著者
平田 圭亮 中村 友紀子 加藤 大介
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.51, pp.161-164, 2008-07-27

2007年07月16日に新潟県上中越沖が発生した。本報告では、震度6強を記録した柏崎市のRC造学校建物を対象とし、その地域の耐震補強化の状況、竣工年と被害の関係および耐震性能と被害の関係について調査した。調査は、新潟県の施設台帳、応急危険度判定調査表、県と市の各被害報告書および現地調査により行った。その結果、柏崎市のRC造学校建物の耐震補強化率は低くかったが、駆体にはほとんど被害は見られなかった。
著者
平田 圭二 平賀 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.40, pp.1-7, 2002-05-18
参考文献数
10
被引用文献数
4

本稿では,先に平田,青柳が提案したGTTMとDOODに基づく音楽知識表現法をさらに改良,発展させるために,現在検討を加えている事項について述べた。提案された音楽知識表現法は有望な方向性を示すことはできたが,理論的にはまだ不備な点が幾つか残っている。そこで本稿では,まず本音楽知識表現法の設計原理に触れたあと,本法の抱える問題,問題点を整理,議論する。具体的な論点は,多声音楽の定義,タイムスパン簡約の解釈,音価と包摂関係,時間構造の冗長性などである。In a previous paper, we proposed a music representation method on GTTM and DOOD. This paper discusses some key issues of the method, which would lead to its further improvement and enhancement. We think our method could prove to be on a right direction, whereas there are several issues remaining. In this paper, we mention the design principles of our method, clarify the issues and discuss how they can be resolved. Specifically, the issues include the definiton of polyphony, interpretation of time-span reduction, duration and the subsumption relation, and redundancy of temporal structure.
著者
浜中 雅俊 平田 圭二 東条 敏
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.284-299, 2007-01-15

本論文では,音楽理論Generative Theory of Tonal Music (GTTM)に基づき,曲をフレーズ,モチーフなどに自動でグルーピングするシステムについて述べる.楽曲の切れ目を発見する手法は従来からも検討されてきたが,それらは主にメロディの局所的な境界を求めることが主眼であった.GTTMによるグルーピングでは,そのような局所的な境界を求めると同時に,メロディの繰返しなどを発見し,階層的な全体構造を獲得することを目的とする.しかしながら,GTTMは多数のルールから構成されており,その適用に関して優先順序が定義されていないため,グルーピング構造を獲得をするためにはこれまで恣意的・非手続き的な手作業が必要であった.この問題を解決するため,本研究では,計算機実装用にルールを再形式化したGTTMの計算機モデルexGTTMを提案する.exGTTMの特長は,ルールの優先順位を決めるためのパラメータを導入したことである.計算機上に実装したexGTTMを用いてグルーピング構造分析を行い性能を評価した. : This paper describes a grouping system which segments a music piece into units such as phrases or motives, based on the Generative Theory of Tonal Music (GTTM). Previous melody segmentation methods have only focused on detecting local boundaries of melodies, while the grouping analysis of GTTM aims at building a hierarchical structure including melodic repetition as well as such local boundaries. However, as the theory consists of a number of structuring rules among which the priority is not given, groups are acquired only by the ad hoc order of rule application. To solve this problem, we propose a novel computational model exGTTM in which those rules are reformalized for computer implementation. The main advantage of our approach is that we attach a weight on each rule as an adjustable parameter, which enables us to assign priority to the application of rules. In this paper, we show the process of grouping analysis by exGTTM, and show the experimental results.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.84, pp.21-26, 2004-08-02
参考文献数
7
被引用文献数
7

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感(groove)は,その違いにより楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つであると言える.しかし,これまでグルーブ感と実際のドラムの発音時刻及び音量の関連については調べられてはこなかった.本研究では,プロのドラム奏者による8ビートと16ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を出した演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べる.グルーブ感の違いは,実際の発音時刻や音量からも読み取ることが出来た.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.27-32, 2005-02-18
参考文献数
7
被引用文献数
3

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感(groove)は, 楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つと考えられる.我々はこれまで, 8ビートと16ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を与えた演奏から, スネア, ベースドラム, ハイハットの打点時刻と音量を測定し, これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは, 実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究ではさらに, 1) ドラム奏者に複数のリズムパターンを与え, このそれぞれについて異なるグルーブ感を与えた演奏.2) 昨今のポップス系音楽で多く見られるゴーストノートを付加した演奏に対して同様の測定を行う.ドラム演奏にこれらの変化を与えることが, 各打楽器の打点時刻及び音量とグルーブ感との関連にあたえる影響について調べる.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.19, pp.53-58, 2006-02-23
参考文献数
7
被引用文献数
4

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感は,楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の1つと考えられる.我々はこれまで,タイトとルーズのグルーブ感を与えたドラム演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは,実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究では,グルーブ感を含んだ様々な演奏意図と打点時刻及び音量との関係を分析した.その分析結果をふまえてドラム演奏生成システムを実装した.そのシステムは連続する打点の相関を考慮すること,ゴーストノート付加できることなどの特徴を持つ.