著者
岩本 直也 今井 覚志 斎藤 隆文
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.577-582, 2014

〔目的〕ボクシング競技における初心者指導を確立するため,教示前後の実験間(教示前・後実験)動作を比較した.〔対象〕競技未経験者5名(31.3±1.2歳)とした.〔方法〕実験では光刺激を合図に,右ストレートをすばやくターゲットに打ちこむことを要求した.測定装置として筋電計と床反力計を用い,定量化した特徴量を基準に動作を4期間に分割した.測定指標は,期間時間,合成床反力作用点(COP)軌跡変位量,および筋活動の各特徴量とし,各測定項目において各実験間で有意差検定を行った.〔結果〕教示後実験で,2期間の時間短縮,準備期の外側と後方向のCOP軌跡変位量の減少,ならびに右前鋸筋の筋活動時間の延長,4筋の%MVC増加が確認された.〔結語〕ストレートの教示効果の検討は,初心者指導の確立に貢献した. <br>
著者
岩本 直也 今井 覚志 斎藤 隆文
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.849-856, 2014

〔目的〕競技経験が異なる群間の動作分析実験から,動作の差異を考察し,初心者指導を検討する.〔対象〕ボクシング経験者(26.2±6.1歳)と未経験者(31.3±1.2歳)各5名とした.〔方法〕実験では光刺激を合図に右ストレートで,すばやくターゲットを打つことを要求した.測定装置は筋電計と床反力計を用い,定量化した特徴量を基準に動作を4期間に分割した.測定指標は,6期間時間,床反力作用点(COP)軌跡変位量,および筋活動の各特徴量とし,群間で統計学的解析を行った.〔結果〕経験群でパンチモーション期間の短縮,COP軌跡変位量に準備期の減少と減速期の増加,2筋における筋活動開始時点の変化,および3筋に筋活動時間の短縮が確認された.〔結語〕競技初心者に対して構えの設定に着目し指導教示を検討した. <br>
著者
斎藤 隆泰 稲垣 祐生 下田 瑞斗
出版者
一般社団法人 日本非破壊検査協会
雑誌
非破壊検査 (ISSN:03675866)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.84-89, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)
参考文献数
14
被引用文献数
4

This paper presents an inverse scattering technique for a defect in anisotropic solids. The convolution quadrature time-domain boundary element method (CQBEM) is utilized to obtain scattered ultrasound wave data. The wave forms obtained by CQBEM are adequately treated to implement the shape reconstruction of defects in anisotropic solids. After the anisotropic elastodynamic theory is discussed, formulations for the inverse scattering technique are presented. Numerical examples for a defect in unidirectional carbon fiber-reinforced composite, austenitic steel, and isotropic steel are shown to validate the proposed methods.
著者
斎藤隆介著
出版者
文藝春秋
巻号頁・発行日
1967
著者
渡部 秀文 南雲 拓 一宮 和正 斎藤 隆文 宮村(中村) 浩子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.15, pp.176-188, 2007-10-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

本論文では,階層的クラスタリング結果の安定性を解析するための新しい数理モデルを提案する.また安定性とクラスタ要素の広がり度合いを可視化してクラスタの最適な分割数を求める手法について提案する.階層的クラスタリングは,未知のデータ集合から意味のある分類を得る目的でしばしば用いられる.しかし,結果の安定性に関する研究は十分なされているとはいえず,安定性を手軽に求める手法も開拓されていない.本論文では,従来手法のような統計的処理を用いずに,仮想要素の追加によって幾何学的に安定性を測る手法を提案する.この手法では,要素を1個追加して階層的クラスタリングを行い,得られた結果の階層構造変化に着目する.追加要素の位置によって,本質的な階層構造変化が起こる場合と起こらない場合とがある.そのうち,構造変化が起こらない要素の割合を算出することで階層安定度を得る.一方,クラスタ分割を決定するための指標として,クラスタ要素の広がり度合いについて述べる.さらに,階層安定度と要素の広がり度合いを樹形図上に可視化する手法についても提案する.また,提案手法と従来手法にサンプルデータを適用し,提案手法の有効性および問題点について比較検証する.We propose a new mathematical model for analyzing the stability of hierarchical clustering results. In this paper, a method for deciding the most suitable number of clusters with visualization of stability and density of cluster elements is also proposed. Hierarchical clustering is often used in order to obtain meaningful classification from an unknown dataset. However, the stability of the clustering results is not studied enough, and the techniques for simply calculating the stability measure have never been developed. In this paper, the stability is measured geometrically by adding a temporary element, without using a statistical analysis. In this method, we focus on the change of hierarchical structures when an element is added. If there is more stable region of the added element without structure change, the structure is more stable. In this context, the hierarchical stability is obtained by calculating the ratio of the stable area. On the other hand, the density of clusters elements as an indicator for deciding the dividing of the cluster is presented. Moreover, the method to visualize stability and density of the elements of the clusters is proposed. We demonstrate the effectiveness and problems of the proposed method by applying it to the sample data.
著者
高野裕基 斎藤隆文 今間俊博
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.145-146, 2012-03-06

現在,セルアニメーションの制作の一部に3DCG技術が導入されている.しがしながら,3DCGは元々実写調の画像を生成するために発展してきた技術であるため,通常のシェーディングではセルアニメーションに適さない画像を生成する.3DCGからセルアニメーション風の陰影を生成するために,セルシェーディングが開発されたが,セルアニメーションの独特な質感を完全に表現することは困難である.そこで,本研究では,実際のセルアニメーション作品の調査,セルアニメーション作品と3DCGによって生成した画像と比較を行い,その違いについて考察を行う.これにより,3DCGにより,セルアニメーション風の陰影を生成する方法を模索する.
著者
斎藤 隆 伊東 秀夫
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.137-146, 1961
被引用文献数
3

花の性の分化に関して,葉の演ずる役割について研究した結果,次のような事実を認めた。実験方法は,始め高温連続照明の下で育苗し,随時発達状態に応じて,これに短日処理を与え,後再び高温連続照明の下に移し,それぞれの状態で植物体の葉が短日処理に感応した結果をその雌花発現状態の上で観察しようと試みた。<br> l.葉面積 本葉4葉展開したもので,葉身を3/4あるいは1/2切除し,面積を減らした結果,面積が減るに伴ない雌花発現数も減ることが.見られた。<br> 2.葉令 5葉展開した時期に,第1葉から第5葉のうち1葉のみを残してほかを摘除して験したところ,第3節葉が最も能力よく,第2節葉,第1節葉の順に続き,葉令の若過ぎるものも葉令の進み過ぎたものも,葉令中期のものより機能が劣ることが認められた。<br> 3.葉面上の部位 葉面上の部位による差は,先端寄りの半分を残したものが,縦半分割あるいは基部寄りの半分寄りを残したものより劣り,後の2者にはほとんど差がない。<br> 4.苗令と葉令 2葉・3葉・4葉ならびに6葉展開苗で,各1葉のみを残して摘葉し比較した。同節位の葉を比較すると,葉令は苗令の進行とともに進み,最も雌花発現能力の強い葉は苗令の進行とともに順次上節位に移つてゆく。<br> 5.苗令と葉面積 2葉・3葉・4葉および6葉展開苗で,頂端の葉1枚のみを残したものから,順次下位の葉1枚ずつを添えて残したものをつくつて比較すると,頂端の葉1葉のみの処理を受けたものは,6葉展開苗では雌花が僅か発現したが,ほかの苗では発現せず,苗令の違うことの影響が見られた。同じ葉数をもつ黄同志の間で苗令の進んだものほど雌花数が多かつた。葉面積が大体等しくても苗令の影響が現われた。<br> 6.未熟葉と成熟葉 圃場(気温20°C,日長15時間)で,葉が横径5cmあるいは7cmに達したら摘除する処理を行なうと,前者では第19節辺から雌花が冤られ,後者では第13節辺から見られた(標準区と同じ)。本葉3枚あるいは6枚展開した時に頂端の第1葉(未展開葉)を摘除し,その後も新葉を発生次第摘除しつづけると,前者では雌花は第5節から,後者では標準区と変らなかつたが,両区ともおそくなつて下位の雄花節に両性花・雌花が発現した。未熟葉を摘除すると雌花の発生を助長するものと見られる。<br> 本葉5葉展開時に(ガラス室栽培,気温25~30°C,日長15時間),第1~3節の葉を摘除し,その後の葉が完全に展張し次第順次摘除する区と,第4節までの葉を残し,第5節以上の葉は全部摘除しつづける区をつくつた場合,前者では下位の節から雌花が現われ,その総数も多く,後者では第1雌花が標準区よりやや後れ,その後の着生も少なく,総数が少ない。<br> 圃場栽培のものとガラス室栽培のものとが,未熟葉を摘除することに対して反対の結果を現わした。ガラス室では高温のため残された成葉の機能が急速に衰えたためと考えられる。<br> 完全展葉後に摘葉する場合に雌花の発現を助長するのは,摘葉が生育を弱め,生長点のauxin含量が低いことと関連していると考えられる。<br> 7.短日処理後の摘葉 未展開葉を摘除すると雌花が多く発現し成熟葉を摘除すると雌花の発現が少なかつた。<br> 8.部分短日処理 1株上で,生長点あるいは一部の葉を連続照明下におくと,他部に短日処理を施しても,雌花の発現が抑制される。温度が17°の場合には,生長点あるいは一部の葉を連続照明下においても,短日処理葉の面積に応じて雌花を発現した。<br> 9.枝別短日処理 1株上の2本の側枝の一方は短日処理し,他方は連続照明し,後者上の雌花の発現を見ると,雌花が発現した(1節)から短日処理枝からの影響が及んだことになる。連続照明枝上の成熟葉を摘除すると雌花節は1.8とややふえ,未展開葉を摘除すると0.2と減つた。短日処理枝の頂部を摘除しておいて連続照明枝の成熟葉を摘除すると雌花節は2.5とふえた。<br> 10.環状剥皮 主茎基部の環状剥皮は無効であつた。<br> 11.キュウリにおける雌花の分化は,葉が短日処理に感応してある特定の代謝産物つまり花芽形成に不可欠な物質を生成し,この物質が茎を通つてその個体上で最もauxinの多い生長点近くに移行して,生長点近くの未だ性の決定が行なわれていない花芽に作用を与えて起こるものと考えられる。しかし,この場合生長点のauxin levelが低いという条件も同時に充たされる必要があると思われる。
著者
今間 俊博 青山 もも 斎藤 隆文
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.3-11, 2012 (Released:2017-08-01)
参考文献数
7

3次元 CG は,実写写真のようなフォトリアルな画像を生 成するために発達してきた技術である.一方,2次元のセル アニメ調アニメーションの生成に用いられるトゥーンシェー ディングは,3次元 CG の中の一手法ではあるが,フォトリ アルな画像を生成するという本来の目的を軌道修正した事に より,セルアニメ的な画像生成に一定の効果を上げている. しかし,トゥーンシェーディングは,3次元 CG による元々 のシェーディングの目的とは異なる,ノンフォトな画像生成 を目的とするため,その生成結果の画像に様々な不都合を生 じる事がある.その中の1つの例が,光源によって生じる キャラクタの影や陰影の形状である.セルアニメーションの 画像は制作効率の事を考慮するために,常にシンプルな形状 の影や陰影を適応している.しかし,トゥーンシェーディン グによって生成される影や陰影は,モデルの形態によって は,必ずしもシンプルな形状にはならない場合がある.本論 文の目的は,セルアニメのようなキャラクタを,トゥーン シェディングを用いて描く際に,アニメーターはキャラクタ に対して,どういった光源を設定したら良いのか最適解を求 める事である.実写撮影と同じ手法で,キャラクタに対して ライティングを行い,その陰影がセルアニメにどれほど近づ けるかについて試みた.そして,2灯のライトのみでセルア ニメには不要な陰影を消し去る事に成功した.
著者
川守田 暢 安田 善之 新田 督 泉川 昌宣 斎藤 隆史
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.359-366, 2010-08-31 (Released:2018-03-28)
参考文献数
24

キシリトールは,齲蝕原因菌に酸を産生させないことから非齲蝕性甘味料として使用されている.本研究の目的は,キシリトール溶液にて4週間洗口を行った場合の齲蝕予防効果を検討することである.はじめに,in vitroにおいてキシリトールの齲蝕原因菌の増殖への影響を調べた.キシリトールは濃度依存性にStreptococcus mutansやStreptococcus sobrinusの増殖を抑制したが,ソルビトールはほとんど影響がなかった.Lactobacillus caseiの増殖にはキシリトールとソルビトールはともに影響を与えなかった.次に,計40名の被験者を2群に分け,5%キシリトール溶液もしくは5%ソルビトール溶液にて洗口後の唾液中S.mutansレベルとプラーク付着率を調べた.キシリトール溶液の洗口4週後の唾液中S.mutans菌数は洗口開始前と比べて約65%減少したが,ソルビトール溶液の洗口4週後では約10%減少した.さらに,キシリトール溶液の洗口4週後ではプラーク付着率はソルビトール溶液の洗口に比べて約45%有意に低下した.以上の結果から,キシリトール溶液の洗口は唾液中のS.mutans菌数を減少させ,齲蝕予防に有効である可能性が示唆された.
著者
斎藤 隆三 横山 定助
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.141-146, 1957-05-30 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

In the present work, a few observations were made on the fixation of the tissues, particularly on the time between the collection and fixation of the tissues and its procedures, and the preparation of extra-thin sections with ultramicrotome, which are most essential for obtaining superior histological pictures in the electron microscopy.In the cases of the tissues obtained in the animal experiments, several drops of OsO4 solution were dripped on the tissue when the material was collected and the tissue shall be cut into oblong slices; slices shall be placed in OsO4 solution and cut into fine blocks of approximately 1 mm3 20-30 minutes later. The fine blocks of approximately 1 mm3 shall be obtained by 2-3 cuts with razor blade. On some occasions, autolytic changes are observed in the picture of the material prepared from the centre of the fine blocks fixed for 1-2 minutes. This is considered due to the time required for the OsO4 solution to penetrate the tissue. When mechanical force was added to this, the picture thus obtained might be misinterpreted. In the case of human tissue, surgical specimen is preferable, but, if too long time was spent for the operation, fine structures of the cells was lost, and conglomeration and sissolution of the granules contained in the nucleus were observed. These phenomena were particularly eminent in the cases of tumor cells. In the cases of autopsy material, unless the material was collected within 1 hour at the latest from the death, the significance of electron microscopy will be lost.
著者
斎藤 隆 伊東 秀夫
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.278-290, 1963
被引用文献数
2

キユウリの花の性の分化に関する生理的機構を明らかにする目的で, 花の性の分化に対する Gibberellin の影響について調べた。<br>1. Gibberellin 施与濃度の影響 5, 20, 50および100ppm 溶液を施与した結果, 濃度の高いほど生育が旺盛となり, 雌花の着生節位が上昇してその節数が減少し, 雄花節数が増加している。<br>2. Gibberellin 施与頻度の影響 50ppm 溶液を施与する期日の間隔を12日, 8日, 4日および2日と変えた場合および4日間隔で施与回数を2回, 4回, 6回,8回および10回と変えた場合, 施与頻度の高まるのに伴なつて生育は旺盛となり, 雄花の発現が増加し, 雌花の発現が滅少している。<br>3. Gibberellin 施与部位の影響 50ppm 溶液を施与する場合, その施与部位を生長点部のみ, 成熟葉のみ, あるいは全面と異ならしめた場合, いずれの部位に施与しても生育は促進され, 雌花の着生節位は上昇して, その節数が減少し, 雄花節数が増加している。<br>4. Gibberellin 施与時期の影響本葉0, 1, 2, 3, 4, 6, 8および10枚展開時にそれぞれ 100ppm溶液を4日間隔で2回施与した結果, いずれの時期に施与しても生育が促進され, 雌花の発現が抑えられて, 雄花が発現している。Gibberellin 施与の影響が現われる部位は, 処理時期が1期遅れるごとにそれぞれ3~5節ずつ上節位に移動して行き, いずれの時期の処理でも7~8節ずつの雄花が発現している。<br>5. かんざし苗に対する Gibberellin 施与の影響 生育が全く抑えられ, 雌花が生長点部近くまで連続して着生してかんざし状になつた苗に, Gibberellin 100ppm溶液を施与した結果, 生育が促進されて正常な発育状態に戻り, 雌花の発現が抑えられて, 雄花の発現が誘起された。<br>6. 大苗に対する Gibberellin 施与の影響 雌花が相当数連続して着生している大苗に対し, Gibberellin 100ppm 溶液を施与した結果, 無処理区では雌花を連続して発現しているのに対し, 施与区では雌花の発現を抑え, 雄花の発現を誘起した。<br>7. 短日処理感応に対する Gibberellin 施与の影響短, 日処理によつて雌花の発現が誘起されるが, 短日処理前あるいは処理中に Gibberellin 100ppm 溶液を施与すると, 雌花の発現が全く抑えられ, 短日処理の効果は全然現われない。短日処理後に施与した場合には, 雌花は発現するがその数は少ない。<br>8. Gibberellin 施与に対する品種間差異 相模半白, 加賀節成, 刈羽節成, 聖護院節成および四葉の5品種を用い, Gibberellin 50ppm 溶液を施与した結果, いずれの品種においても生育が促進され, 雌花の発現が抑えられ, 雄花の発現が助長されている。<br>9. 摘葉と Gibberellin 施与との組合わせの影響 相模半白, 落合および青葉は, 高温連続照明下では葉が存在しても第40節までは雌花が全然発現せず, 摘葉, Gibberellin 施与区ではもちろん雌花が全然発現しない。加賀節成, 刈羽節成, 聖護院節成および夏節成は, 高温連続照明下でも雌花が相当数発現するが, 摘葉処理によつて雌花の発現が著しく減少し, これに Gibberellin を施与するとさらに雌花の発現が減少する。<br>10. 花の性の分化に対する Gibberellin の作用機作<br>Gibberellin の施与量, 施与部位, 施与時期等を変えたいずれの場合も, それぞれの処理に対応して植物体の生点長部における Gibberellin 量が増加して, 植物体の生育が旺盛となり, 作用部位における花成物質の集積量が減少して雌花の分化が抑えられるものと考えられる。
著者
斎藤 秀幸 斎藤 隆
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.79-83, 2004-04-01
被引用文献数
3 2

カブ'ひかり'の花房形成に及ぼす24時間の日長処理期間の影響について調査するとともに,ジベレリンあるいはウニコナゾール施与の影響について調査し,長日によるカブの花房形成に対するジベレリンの作用について花成強度(斎藤・斎藤,2001)を求めて検討した.24時間の日長処理を0, 10, 20, 30, 40および75日間行った結果,頂花房の形成株率は処理期間の長くなるにつれて順次高くなり,側花房の形成節数は多くなり,花成強度も処理期間の長くなるにつれて高くなった.24時間日長による花成誘導の作用は徐々に累積され,低温に比べて小さいものと考えられた.ジベレリン施与によって,頂花房の形成は全株で認められ,頂花房までの節数は減少し,側花房の形成節数は増加した.花成強度はジベレリン施与によって高くなり,花房形成が助長された.一方,ウニコナゾール施与によって,花房の形成は著しく抑制され,花成強度は著しく低下した.ジベレリンは長日による花房形成の助長作用を代替するが,その助長作用は低温に比べて小さく,あまり大きくないものと考えられた.
著者
斎藤 隆幸
出版者
日本農業気象学会
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.65-74, 1967-09-30 (Released:2010-02-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1 4

In order to study the nocturnal cooling of plant communities, the fall of temperature of a wheat field during night was calculated for various values of net radiation and of wind speed above the surface of the wheat field, 60cm height and with 4.4 of L A I. The results of the calulation were compared with the fall of temperature of the bare soil surface during night.As it is observed that the thermal condition of the plant layer is approximately in equilibrium for the time just before sunrise, the vertical distribution of leaf temperatue, air temperature and water vapour density within the plant layer at the time of sunrise are calculated with various values of net radiation and of wind speed at the height 40cm above the surface of the wheat field on the assumption of equilibrium condition.The calculated profiles of leaf temperature and air temperature for 0.10cal·cm-2·min-1 of net radiation are shown in Fig. 4 for the values of 0.5m·sec-1 and 3.0m·sec-1 of wind speed. It is seen from Fig. 4 that difference between the temperatues of the upper part of plant layer and of soil surface under the plant layer is about 9.0°C for 0.5m·sec-1 of wind speed and about 0.5°C for 3.0m·sec-1.The fall of temperature during night was obtained from the difference between the calculated value of temperature and the temperature at the time of sunset. The temperature at the time of sunset was assumed to be equal to that at the top of the inversion layers. The fall of leaf temperature of the upper part of the wheat field, shown in Fig. 3, is in very close agreement with observational values. As seen in Fig. 3, the temperature fall increases rapidly with decreasing the wind speed below 1m/sec.The fall of temperature of the bare soil surface was also calculated for the radiation values and the wind speed at the height 50cm above the soil surface. The calculated results of the fall are in good agreement with those of BERLYAND (1956). The variation in the fall of temperature of the bare soil surface with wind speed is not so apparent as in the case of the wheat field.By use of both calculated results of the wheat field and of the bare soil surface, comparison was made of the fall of temperature of the upper part of the wheat field and of the bare soil surface under the same meteorological conditions. From the results it can be inferred that the night minimum temperature of the upper part of the wheat field is lower than that of the bare soil surface for the condition of calm wind, but that for windy condition the reverse is the case.
著者
斎藤 隆文 吉田 典正 原田 利宣 今間 俊博
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,CGや意匠デザインで用いる曲面形状を,鏡面・拡散反射による見栄えを包括的に考慮して生成・制御することを目的としたものである.鏡面反射による良好な映り込み形状を得るための,対数美的曲面の形状パラメータに関する知見を得るとともに,対話的制御法を提案した.また,より理想的な曲面集合として,完全対数美的曲面を提案した.アニメ調描画で用いる,拡散反射とセルシェーディングによる段階的陰影形状に関して,屈曲や波打ちの原因を明らかにし,滑らかで単純な陰影形状を得るための陰影付け方法を提案した.その他,見栄えを良くする形状処理技術に関して,種々の成果を得た.
著者
斎藤 隆弘 武尾 英哉 相澤 清晴 原島 博 宮川 洋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.9, no.12, pp.105-112, 1985-07

Formerly we proposed a method for designing parallel gain/shape vector quantizers in the 8*8 DCT (Discrete Cosine Transform) domain [12]. This paper proposes a method for magnifying the block of this quantizer. In this method, the block is magnified by symmetrizing the structure of the shape code book. By magnifying the block to 16*16,at a fixed coding rate signal-to-noise ratio is increased by about 1 (dB), and this coding scheme yields a perfomance advantage of 1〜2 (dB) over the DCT coding scheme with scalor, Max-type quantizers.
著者
宮村(中村) 浩子 宮代隆平 七夕高也 品野勇治 斎藤 隆文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.19, pp.45-48, 2007-03-03
参考文献数
8

大規模な階層データを,限られた空間内へ効率的に表現する適応的表示法を提案する.階層データは属性値をもつノードと親子関係を表わすリンクから構成されており,それぞれをプリミティブで表すことで構造を視覚的に捉えられる.しかし,大規模階層データを表示する際に,隣り合うノードやリンクが重なり合ってしまう問題がある.そこで本論文では,大規模階層データを木構造で表す際に,ノードの密集具合に応じて木の表現方法を選択する適応的表示を提案する.さらに本提案手法を大規模分枝限定木に適用し,その効果を検証する.We propose an adaptive visualization technique for a large-scale hierarchical dataset within limited display space. A hierarchical dataset has nodes and links that represent the parents/child relationship. These nodes and links are described using graphics primitives. When the number of these primitives is large, it is difficult to recognize the structure of the hierarchical data, because many primitives are overlapped within a limited region. In this context, we propose an adaptive visualization technique for hierarchical datasets. The proposed technique selects an appropriate graph style based on the density of the nodes. In addition, we demonstrate the effectiveness of the proposed method by applying it to the growing process of a large branch-and-bound tree
著者
海堀 昌樹 松井 康輔 斎藤 隆道 岩本 慈能 吉岡 和彦 上山 泰男
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.1655-1660, 2008-08-01
被引用文献数
2

症例は53歳の女性で,2006年3月大腸癌術後両葉多発性転移性肝癌にて当科入院となった.患者はエホバの証人であり,教義上の理由により同種血輸血やアルブミン製剤使用は拒否された.転移性肝癌5か所に対して肝切除術を行った.手術時は術前希釈式自己血輸血650ml,術中回収式自己血輸血500ml行った.手術時間8時間43分,出血量は1,015mlであった.ヘモグロビン濃度,血清アルブミン値はそれぞれ術前12.2g/dl,4.1mg/dlであったが,手術直後8.9g/dl,2.0mg/dlまで低下した.術後13日目に軽快退院となった.エホバの証人患者に対する術前インフォームド・コンセントにおいては担当外科医,麻酔科医が患者と無輸血手術の契約を行い免責証明を交わさなければならない.その際,医師は安全な手術を行うため,患者またはその家族へ手術での推定される出血量を述べ,術前希釈式や術中回収式自己血輸血,またアルブミン製剤の必要性を説得し,その使用の許可をとる必要があるものと考えられた.