著者
藤 泰子 金 鍾明 松井 章浩 栗原 志夫 諸澤 妙子 石田 順子 田中 真帆 遠藤 高帆 角谷 徹仁 豊田 哲郎 木村 宏 横山 茂之 篠崎 一雄 関 原明
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.375, 2011

シロイヌナズナのヒストン脱アセチル化酵素HDA6は、RNA依存性DNAメチル化を介したヘテロクロマチン制御因子として同定されている。我々が行った全ゲノム発現解析の結果から、HDA6とDNAメチル化酵素MET1は、ヘテロクロマチン領域を主とした共通の遺伝子を抑制することが示された。また<I>hda6</I>機能欠損により、これら領域ではヒストンアセチル化の上昇など、エピジェネティックなクロマチン状態の推移が認められた。一方、同領域にはRDR2依存的な24nt siRNAが多数マップされるにもかかわらず、その転写活性は<I>rdr2</I>変異では殆ど影響を受けなかった。HDA6標的領域では周辺のDNAメチル化状態に呼応した2つのCGメチル化状態が観察された。周辺のDNAメチル化領域から孤立している場合では、<I>hda6</I>機能欠損により標的領域のCGメチル化は完全に消失していた。一方、DNAメチル化が隣接する場合には、CGメチル化が残留していた。また、これら両領域ではCGメチル化の状態に関わらず、CHGおよびCHHメチル化はともに消失し、転写が再活性化されていた。さらに、HDA6は周囲のDNAメチル化領域には結合せず、その標的領域にのみ結合していることが確認された。これらの結果から、HDA6はRNA依存性DNAメチル化経路に殆ど依存せず、MET1と協調して領域特異的なヘテロクロマチン抑制に機能することが示唆された。
著者
横堀 武夫 皆川 七郎 渥美 光 小野寺 真作 大内田 久 大路 清嗣 岡村 弘之 大塚 昭夫 川崎 正 木村 宏 国尾 武 鈴木 正彦 田中 吉之助 田中 栄 高瀬 恭二 高橋 賢司 玉手 統 宮本 博 村木 潤次郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.74, no.630, pp.830-831, 1971-07
被引用文献数
1

材料の強さと破壊の問題は, きわめて複雑であって, 従来, 固体物理学, 確率統計論, や金および金属組織学, 弾塑性力学などの連続体力学, 材料試験などの異なる立場から, それぞれ独立に研究が進められていた. これら各分野の研究の相互の関連を究明し, 情報を交換し, 知識の交流をはかること, 特に微視的立場と巨視的研究との結びつきを重視し, 問題の解明に資することを目的として, 境界領域としての材料強度研究会が, 昭和42年7月に, 主査以下19名の委員をもって発足し, 昭和44年6月に予定の2年の会期を経過したが, さらに1年の会期延長を認められて, 昭和45年6月末に満3年の会期を終了して解散した.
著者
木村 宏恒 Kimura Hirotsune
雑誌
熊本学園大学経済論集(清野健先生退官記念号) (ISSN:13410202)
巻号頁・発行日
vol.9(3/4), pp.163-187, 2003 (Released:2006-09-29)

冷戦終了後1990年代は、それまで抑圧されてきた諸民族の権利主張が噴出し、民主化の下での多民族国家のあり方が改めて問われることになった。インドネシアにおいても、1998年のスハルト政権崩壊後、各地の地方騒擾は収拾のつかない規模で拡大してきた。本稿は、西カリマンタン州を例に地方騒擾の質はどうなっているのか検討する。インドネシア31州中、アチェとイリアンジャヤ(パプア)の2州を除く大部分の州は、独立という方向では動いていない。州人口の4割を占める先住民であるダヤック人の伝統的共同体は組織的に破壊されてきたが、それは国家による抑圧だけではなく、国民教育や近代化、生活水準の向上、高学歴層の公務員化といった潮流に若い世代が取り込まれていくインドネシア国家の高文化の浸透という脈絡でもとらえる必要がある。現在進行中の地方分権化も中途半端ではあるが、その不満は反中央ではなく、新たな国民国家の枠組みに向かっている。After the cold war, the world entered into the age of ethnic conflicts and the new paradigm of democratic nation-state has been pursued. In Indonesia, after the fall of president Suharto in 1998, there occurred many ethnic conflicts throughout the nation. This article analyses the case of West Kalimantan province to understanding the quality of ethnic disturbance that is different from independence oriented two provinces (Aceh and Papua other than East Timor) among 31 provinces. It is true that the traditional communities of indigenous Dayak were systematically destroyed. But we need to have the understanding that comes not only from the state suppression, but also the expansion of high-culture Indonesian government systematically introduced that were symbolized by national education, modernization, leveling up of living standard, young guys entering into local government etc. The present decentralization framework has many shortcomings but it doesn't have the orientation against the central government but it moves to the new paradigm for democratic nation-building.
著者
伊藤 幹子 木村 宏之 尾崎 紀夫 荒尾 宗孝 木村 有希 伊藤 隆子 栗田 賢一
出版者
Japanese Society of Psychosomatic Dentistry
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.13-22, 2006-06-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14

In 1999, the authors organized a medical liaison group composed of dentists and a psychiatrist at the outpatient clinic of the Department of First Oral Surgery, Hospital of the School of Dentistry, Aichi Gakuin University, for the diagnosis and treatment of oral psychosomatic disorders. The practice has been for the dentists of the medical liaison group to examine each patient and diagnose his/her oral somatic disorder in the first stage of the examination, and the psychiatrist to examine each patient and make diagnosis according to DSM-IV or DSM-IV TR in the second stage.The subjects of this study were 13 patients with personality disorders (PD) among 268 patients examined during a 5-year and 4-month period from 2000 to 2004. The diagnoses by the dentists consisted of five cases of atypical facial pain, three of burning mouth syndrome, two of oral malaise, one of dental phobia, one of temporomandibular joint disorder, and one of halitophobia. Those by the psychiatrist consisted of six cases of pain disorder, two of conversion disorder, two of somatization disorder, one of hypochondriasis, one of specific phobia, and one of adjustment disorder. On DSM-IV Axis II, the diagnosis/suspicion results consisted of three cases of paranoid PD, two of avoidant PD, two of obsessive-compulsive PD, two of borderline PD, two of narcissistic PD, one of histrionic PD, and one of dependent PD. It was very difficult for us to manage the patients with borderline PD and narcissistic PD in cases of invasive treatment such as a tooth extraction. It has been found that the comorbidity of not only mental disorders but also personality disorders does need to be diagnosed and dentists ought to plan their therapeutic strategy for patients with personality disorders under the supervision of psychiatrists
著者
木村 宏恒 大坪 滋 長田 博 北村 友人 伊東 早苗 新海 尚子 内田 綾子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、「開発途上国における貧困対応総合政策の学際的研究」と題し、これまでの経済学中心の国際開発研究の世界を止揚し、開発政治学、開発社会学、教育と開発といった諸側面から総合的に国際開発にアプローチした。貧困削減を例にとって、真に学際の名に値する途上国貧困対応の総合政策を明らかにすることを通じて、開発学の学際的構築についての展望を示すことをめざした。3年目には、締めの国際シンポジウムも行い、国際開発研究科の紀要で特集を組んだ。結論として、現在の国際開発の綱領的文書になっている国連2000年決議「21世紀開発目標(MDGS)は、貧困・基礎教育・基礎保健といった社会開発中心の構成になっているが、構造的に貧困を減らし、その目標を達成する要因は、第一義的に経済成長であり、第二にその経済成長の枠組みをつくるのは政府の役割(ガバナンス)である。政府の対応能力が欠けると経済成長はできない。また、経済成長が第一と設定される故に、貧困削減の切り札のように言われる貧困層への小規模金融は、その重要性を認識しつつも、中小企業振興政策や農業開発政策一般より重要性は低いと位置付けられなければならない。教育投資はもちろん重要であるが、それによって生み出された人材が、経済成長の中で適所に配置されなければ、改革前の共産国(中国、ベトナム)やスリランカ、インドのケララ州のように「高い人間開発と低い経済成長」と特徴づけられることになる。教育立国は、政府の役割に支えられた経済成長の中で生きてくるという点を確認した。
著者
木村 宏 佐藤 吉哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1454, pp.114-116, 2008-08-25

問 税収増を目的に、たばこを1箱1000円に値上げしようという政治的な動きが活発化しています。 答 断固反対です。日本のたばこ税は、価格の高低に関係なく「1本当たりいくら」で同じ金額の税を課す従量税です。消費の高度化に伴って需要がより高級なたばこにシフトすると、結果として税の負担率が下がります。その是正を目的とする増税論議は否定しません。
著者
和田 淑子 倉賀野 妙子 木村 宏樹
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.711-717, 1991-08-15
被引用文献数
8

澱粉特性がクッキーの品質に及ぼす影響を調べるため, ワキシーコーンスターチ(WCS)とハイアミロースコーンスターチ(HACS)という, 糊化特性の異なる二種類の澱粉を用いて単純化した配合のモデルクッキーを調製し,これを物性測定と官能検査により評価した. WCSクッキーはHACSクッキーとくらべ,垂直方向に大きく膨化し,スプレッド(焼き広がいは小さくなった・物性測定と官能検査のいずれにおいても,WCSクッキーは硬く,HACSクッキーは顕著なショートネスを示した.走査電子顕微鏡で観察してみるど脱脂したWCSクッキーには連続的な構造が認められ,これが膨化や硬い物性の原因と考えられた. 両クッキーともに糊化度は非常に低かったが, WCSのはうがHACSクッキーよりわずかに糊化度が高かった.示差熱分析と電子顕微鏡観察から,WCSの粒子がクッキー中で一部糊化していることが示唆された. 澱粉の糊化による連続構造はクッキーを膨化させ,最終製品を硬いものにしてしまうことが推察された. したがって,ショートなもろい食感のクッキーを作るうえで,澱粉糊化の阻害は重要であると考えられる.