著者
松村 海沙 小池 崇文
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.357-358, 2016-03-10

本研究では,Head Mounted Display(以下,HMD)を用いたスポーツや日常生活におけるフォーム改善システムを提案する.フォーム確認をする被験者のステレオ映像を撮影し,HMDを装着した被験者に,その映像をリアルタイムで提示する.本システムを用いることで,鏡を使って確認できない別視点から自分自身を見ることができ,リアルタイムに自分自身のフォームにフィードバックかけることができる.フォームが重要なスポーツとしては例えば弓道が挙げられる.弓道の練習では弓に見立てたゴム弓でフォームを確認する.このゴム弓の練習を対象にして,本システムの有効性を確認した.
著者
木内 正人 大嶋 一矢 山本 英男 松村 記代子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

「紙幣らしさ」が備わる模様は、肖像、唐草模様、彩紋(さいもん)模様が代表的なデザイン要素である。しかし、紙幣のデザインは他にも重要なデザイン要素を備えている。それは紙幣に用いられている書体である。日本の紙幣(正しくは日本銀行券)において、日本銀行などの発行主体、額面金額、記番号、印章などが印刷され、それらの文字は一般国民に理解され、読みやすさ、使いやすさをもって付与されている。特に重要とされるのが「大蔵隷書」と呼ばれる書体である。「大蔵隷書」は書体名としての認知度も低く、それに関わる具体的な資料、文献もほとんどない。しかし、今日の紙幣に使われていることから、生活環境の中で誰もが目にする機会も多く、潜在意識的に広く認知できている書体ともいえる。そこで本研究では、日本の紙幣における伝統書体として「大蔵隷書」が果たしてきた役割について、紙幣デザインの歴史的変遷で説明する。
著者
松村 一男
出版者
和光大学表現学部
雑誌
表現学部紀要 (ISSN:13463470)
巻号頁・発行日
no.17, pp.93-105, 2016

This treatise is divided in two sections: the first part deals with an historical review of previous Dionysian research in relation to my own work. It seems to me that Dionysus was given the role of a stranger god in the Greek pantheon. It was probably an intentional amalgam of antipolis elements (ecstasy, frenzy, savagery, feminine, animal, unconscious) incorporated into the public, official polis religion. In that sense, Dionysian elements are not confined to ancient Greece but could be present in every culture. After reviewing several cultures that employ effeminate priests and shamans, I came to a hypothesis that at the core of these Dionysian elements lies the existence of a similar class of people, i.e. asexual or transsexual priests. By this I mean a class of people who find themselves different from the majority in perception and choose to live as specialists dealing with the otherworld. In my opinion, the Dionysian experience could be grouped in the same category as the androgynous figures found in Gunnestrup Cauldron, Scythian enares, and North American berdache. If these asexual or transsexual religious figures of different areas share common traits, they might come from a genetic particularity, i.e. a GID (gender identity disorder). This surely is a wild and very speculative proposal, but if we do not wish to confine things Dionysian to the domain of Classics, we should also use materials from other branches of the humanities such as archaeology and anthropology. I am not sure if the issue of the possible relationship between a GID and the special kind of religious functionary in areas I discuss in this paper could be connected with the issue of eunuchs in general and gallus (pl. galli), a eunuch priest of the Pyrgian goddess Cybele and her consort Attis in particular. The issue might, however,be worth considering.
著者
松村 正三
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.55-65, 2005-06-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

Peculiar seismic activities are occurring beneath Lake Hamana inside the subducted Philippine Sea slab at depths of about 30km. They consist of three spindle-shaped earthquake clusters with NW-SE axes, in a left-stepping alignment in the EW direction, with several kilometers between them. Illustrations of the focal mechanisms indicate that they act like an open crack under NW-SE compression and NE-SW tension and are caused by a right-lateral shear force acting on the Philippine Sea slab. A stress pattern simulation model suggests the following explanation of the situation. A localized locked zone is positioned on the plate boundary just north of the clusters. Separated from the main locked zone, it is considered to be one of the satellite asperities surrounding the main one. The main locked zone is located eastward from Lake Hamana and is expected to become the seismogenic zone of the forthcoming Tokai earthquake. These clusters have demonstrated a remarkable decrease in activity since the second half of the year 2000. An anomalous tectonic movement detected by GPS measurements occurred almost simultaneously. This indicates that a slow slip event progressed on the plate boundary beneath Lake Hamana; that is, the locking must be released there. Since the current change in seismic activity corresponds with this movement, it can be attributed to tectonic stress change due to the slow slip. We estimate that at least three similar periods of quiescence have occurred during the last quarter century. Tidal gauge findings at Maisaka and the crustal tilt at Mikkabi, both of which were observed near Lake Hamana, have indicated almost simultaneous occurrences of similar anomalies. As a result, three episodes of slow slip were identified: the first occurred before 1980, the second around 1990, and the last has been ongoing since late 2000. This implies that the slow slip repeats quasi-periodically with an interval of about one decade. We consider that the locked zone beneath Lake Hamana is a small asperity with a potential of slowly and intermittently slipping due to a weak coupling condition in an area sandwiched between two seismogenic zones of the Tokai and Tonankai megathrust earthquakes.
著者
木村 友哉 松村 真宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4D3GS1203, 2020 (Released:2020-06-19)

電源が入ると人形が踊りだす屋外式エアー看板の一種「スカイダンサー」が人々の行動を変えるかを定量的に測定した。その結果、スカイダンサーに対し積極的な反応を示した人数は通行量の2.0%から4.9%に増加したほか、視認率は4.6倍になった。この装置を応用し、イベント会場のゴミ箱に併置してポイ捨ての量を減らすことを試みたところ、イベント翌日に拾得されたゴミの量が前年比で約半分になった。
著者
松村 美代 戸部 隆雄 山田 晴彦 松村 美代
出版者
関西医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

高濃度酸素負荷によりマウス網膜の視細胞が脱落し、網膜の菲薄化がみられる事がこれまでの実験により分かった。そこで我々はこの網膜視細胞の脱落がアポトーシスによるものである事を証明し、そしてどういう経路によりアポトーシスが引き起こされているのかを研究している。マウスを酸素濃度75%に調節したBOXにいれ、高濃度酸素に1週間から3週間暴露した。各時点において眼球を摘出し網膜のみを単離した。また眼球の凍結薄切切片を作成した。単離した網膜からDNAを抽出し免疫電気泳動を行うとDNAの断片化が明かとなった。また凍結薄切切片を用いてTUNEL染色を行うと高濃度酸素負荷により網膜外層にTUNEL陽性細胞が著明に増加しているのがみられた。これらのことから網膜視細胞が高濃度酸素によりアポトーシスに陥っている事が分かった。また種々のアポトーシス関連蛋白の発現をm-RNAを抽出してRT-PCRを施行し検討してみた。Caspase3のm-RNAは高濃度酸素負荷により増加し、Baxも増加を認めた。一方Bcl-2は高濃度酸素負荷1週で増加するが、2週で減少した。これら2つは拮抗する蛋白であるのでこれらが網膜視細胞のアポトーシスの制御に関わっていると考えられる。アポトーシス関連酵素のノックアウトマウスであるFas, FasLノックアウトマウスを用いて同様に高濃度酸素暴露し同様にTUNEL染色を施行した。Fas, Fas-Lのいずれのノックアウトマウスも暴露前はコントロールと同様でアポトーシスは抑制されなかったのでFas, Fas-Lはこのアポトーシスに直接関与していないことが考えられた。これらのことから視細胞のアポトーシスはcaspase dependentでBax, Bcl-2の経路が関与している事が考えられた。
著者
長谷川 聡 市橋 則明 松村 葵 宮坂 淳介 伊藤 太祐 吉岡 佑二 新井 隆三 柿木 良介
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.86-87, 2014-04-20 (Released:2017-06-28)

本研究では健常者と肩関節拘縮症例における上肢拳上時の肩甲帯の運動パターンとリハビリテーションによる変化を検証した。健常肩においては,多少のばらつきはみられるものの,肩甲骨の運動パターン,肩甲骨周囲筋の筋活動パターンは一定の傾向が得られた。上肢拳上30°〜120°の区間では,肩甲骨の上方回旋運動はほぼ直線的な角度増大を示すことがわかった。そのスムーズな角度変化を導くためには,僧帽筋上部,僧帽筋下部,前鋸筋の筋活動量のバランスが必要で,上肢拳上初期から約110°付近までは3筋がパラレルに活動量を増加させ,拳上終盤においては僧帽筋上部の活動量増加が止まり,僧帽筋下部と前鋸筋の活動量を増加させる必要があることが明らかとなった。肩関節拘縮症例では,上肢拳上による肩甲骨の運動パターンは多様であり,一定の傾向はみられなかったため,代表的な症例の経過を示した。
著者
山内 大士 松村 葵 中村 雅俊 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101284, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】肩関節疾患患者では僧帽筋上部(UT)の過剰な筋活動と僧帽筋中部(MT)・下部(LT)、前鋸筋(SA)の筋活動量低下が生じることが多い。また肩甲骨運動に関しては、挙上運動時に上方回旋・後傾・外旋が減少すると報告されている。そこで肩甲骨機能の改善を目的とした様々なエクササイズが考案され、臨床現場で実施されている。特に、体幹や股関節の運動を伴ったエクササイズは近位から遠位への運動連鎖を賦活し、肩甲骨機能の改善の一助となると考えられている。しかし、体幹運動を加えた時に実際に肩甲骨運動や肩甲骨周囲筋の筋活動がどのように変化するのかは不明である。本研究の目的は、肩関節エクササイズに対して体幹同側回旋を加えた運動と体幹回旋を行わない運動とを比較し、体幹回旋が肩甲骨運動や肩甲骨周囲筋の筋活動に及ぼす影響を明らかにすることである。【方法】対象は健常男性13 名とし、測定側は利き腕側とした。測定は6 自由度電磁気センサーを用い、肩甲骨・上腕骨の運動学的データを測定した。また、表面筋電計を用い、UT、MT、LT、SAの筋活動を導出した。動作課題は、1)立位で肩甲骨面挙上運動(scaption)、2)立位で肩関節90 度外転位、肘90 度屈曲位での肩関節外旋運動(2ndER)、3)腹臥位で肩関節90度外転・最大外旋位、肘90 度屈曲位での肩甲帯内転運動(retraction90)、4)腹臥位で肩関節145 度外転位、肘伸展位での肩甲帯内転運動(retraction145)とした。それぞれの運動について体幹を最終域まで運動側に回旋しながら行う場合と、体幹を回旋しない場合の2 条件を行った。運動は開始肢位から最大可動域まで(求心相)を2 秒で行い、1 秒静止した後2 秒で開始肢位に戻り開始肢位で1 秒静止させた。運動速度はメトロノームを用いて規定した。筋電図と電磁センサーは同期させてデータ収集を行った。肩甲骨角度は胸郭セグメントに対する肩甲骨セグメントの オイラー角を算出し、安静時から最大可動域までの運動角度変化量を求めた。筋活動は最大等尺性収縮時を100%として正規化し、求心相の平均筋活動量を求めた。 またMT、LT、SAに対するUTの筋活動比を算出した(UT/MT、UT/LT、UT/SA)。筋活動比は値が小さいほどUTと比較してMT、LT、SAを選択的に活動させていることを示す。統計処理はエクササイズごとにWilcoxon 符号付順位検定を用い、体幹回旋の有無について肩甲骨運動角度の変化量と肩甲骨周囲筋の平均筋活動量と筋活動比を比較した。有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】被検者には十分な説明を行い、同意を得たうえで実験を行った。【結果】1)scaptionにおいて、体幹回旋を加えることで肩甲骨外旋・後傾が有意に増加した。筋活動はMT、LTが有意に増大した。筋活動比はUT/MT、UT/LTが有意に減少した。2)2ndERにおいて、体幹回旋を加えることで肩甲骨外旋が有意に増加した。筋活動はUT、MT、LTが有意に増大した。筋活動比はUT/MTが有意に減少した。3) retraction90、4)retraction145 において、体幹回旋を加えても外旋と後傾には変化がなかった。筋活動はUTが有意に減少した。筋活動比はUT/MT、UT/LT が有意に減少した。【考察】体幹の回旋を加えることで1)scaption、2)2ndERにおいてはより大きな肩甲骨外旋や後傾を誘導し、またMT、LT筋活動を増大させることができた。上肢挙上時の上部胸椎の同側回旋と肩甲骨外旋には正の相関があるとされている。よって体幹の同側回旋により上部胸椎の回旋が生じ肩甲骨外旋は増加し、また肩甲骨外旋を引き出すためにMT、LTが促通され筋活動量が増加したと考えた。 MTやLTの活動が低下し、肩甲骨が内旋・前傾する患者にはこれらのエクササイズに体幹同側回旋を加えることが適していると示唆された。3) retraction90、4)retraction145 では体幹を同側回旋させても肩甲骨の外旋や後傾を誘導することはできなかった。retractionは肩甲骨外旋を大きく引き出す運動であると報告されており、そのため体幹回旋を加えたとしてもそれ以上の肩甲骨運動の変化は見られなかったと考えられる。しかし、UTと比較しMTやLTが選択的に筋活動しやすくなるため、UTを抑制しつつMTやLTの筋活動を高めたい場合には適していると示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究で行った体幹回旋を加えたエクササイズエクササイズを肩関節疾患患者に対する従来のリハビリと組み合わせて用いることで、より効果的な理学療法を行うことができる可能性があり、臨床に生かせる理学療法研究として、本研究の意義は大きい。
著者
松村 雅史 辻村 肇
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.55-61, 2013-08-31 (Released:2017-07-21)
被引用文献数
1

本研究の目的は、能動的な笑いにより、介入前・後の嚥下時間間隔を評価することである。本研究では、先行研究で開発した嚥下回数自動検出システムを用いることにより無意識・無拘束にて、嚥下音を検出し嚥下時間間隔を計測した。対象者は、介護老人保健施設の入所者28名である。その結果、能動的な笑いにより、介入前より介入後の嚥下時間間隔が減少し、有意差が認められた。笑いの介入により嚥下機能が向上したことが示唆された。また、笑いの介入の実施後の感想から、「ぜひ行いたい」、「また行いたい」と回答した対象者が全体の約90%を占め、笑いの介入をまた体験したいという人が多いことが認められた。以上より、能動的な笑いにより、嚥下機能向上に効果的であったことが示唆された。
著者
松村 一男
出版者
和光大学表現学部
雑誌
表現学部紀要 = The bulletin of the Faculty of Representational Studies (ISSN:13463470)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.107-126, 2016-03-11

Myths about unknown islands always fascinated island people. The most famous example is the Odyssey. The Odyssey was introduced to Japan in the middle of the sixteenth century by the Jesuits and gave birth to a story named the Nobleman Yuriwaka. Probably influenced by this story, another voyage story, the Voyage of Yoshitsune to the Island of Yezo, was created. The hero of the story is Minamoto no Yoshitsune. His tragic, untimely death made Yoshitsune one of the most popular legendary figures in Japanese history. Many stories have been created about him and this story is one of them. In this paper, the story will be explained and then a comparison with other voyage stories will be given.
著者
〓谷 信三 松村 泰成 山下 晋三 松山 奉史 山岡 仁史
出版者
THE SOCIRETY OF RUBBER SCIENCE AND TECHNOLOGYY, JAPAN
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.39-44, 1984

天然ゴム (NR) 及びイソプレンゴム (IR) の純ゴム硫黄架橋体を作製し, 溶剤抽出により精製を行った. この架橋体に空気中, 室温でγ線を照射 (0-20Mrad) して劣化した試料を引張試験, 膨潤試験, 全反射赤外吸収スペクトルなどにより検討した. その結果, (1) NR架橋体, IR架橋体ともに, 数 Mrad のγ線照射により引張強さ (<i>T<sub>B</sub></i>) は著しく低下した. (2) <i>T<sub>B</sub></i>の低下は, 応力-ひずみ曲線の変化から, 照射によって伸長結晶化が起こりにくくなったためである. (3) 20Mrad までの照射量では, 中変形領域における応力, 例えば50%伸長時の応力 (<i>M</i><sub>50</sub>) の変化は顕著ではなく, 硬さと網目鎖濃度の変化も小さかった. (4)モノスルフィドとポリスルフィドの架橋構造の違いは, <i>M</i><sub>50</sub>の照射による変化挙動に認められたが, その差は大きいとはいえない. (5)以上の結果から, シス-1, 4-ポリイソプレンは照射により, 分解と架橋反応がほぼ同程度に起こるものと考えられる, などが明らかとなった. 伸長結晶化阻害は, 照射により構造の乱れが起こったためと考えられるが, その詳細についてはいまだ結論できなかった.