著者
三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J98-A, no.1, pp.29-40, 2015-01-01

昨今の専用のドローイングソフトウェアやモバイルディバイスの普及に伴い,マンガの制作と流通はディジタル環境に移行しつつある.マンガが内包する情報やマンガの内容に関連する情報はコンテンツ本体のデータからの参照が困難であるためディジタル環境におけるマンガの情報の利用は充分に行われていない.そこで,我々はこれまでにディジタル環境におけるマンガの効率的な利用のためのメタデータの開発を行ってきた.本論文では,我々が先に提案したマンガメタデータフレームワーク(MMF)とそれに基づくメタデータによるマンガのアクセスと制作の支援手法について述べる.本研究では,Linked Open Dataを利用したメタデータの効率的な開発とそれらを利用したマンガのアクセスと制作を支援するためのシステムを構築し,ディジタル環境におけるマンガのメタデータの有効性について考察した.
著者
岩森 光 横山 哲也 中村 仁美 石塚 治 吉田 晶樹 羽生 毅 Tatiana Churikova Boris Gordeychik Asobo Asaah Festus T. Aka 清水 健二 西澤 達治 小澤 恭弘
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

全地球に分布する主に第四紀に噴火した玄武岩の組成に基づき、地球内部の不均質構造を調べた。これは人体の血液検査に例えることができる。特に、最近提案された「マントルの東西半球構造」に注目し、(1)半球構造の境界付近の詳細研究、(2)地球全体のデータに関する独立成分分析、(3)水を含むマントル対流シミュレーションを行った。その結果、東半球はより親水成分に富み、かつマントル浅部から内核にいたるまで、超大陸の分布に支配される「Top-down hemispherical dynamics」を介して長波長の大構造を有することが示唆された。
著者
森 光昭
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

統一後、ドイツ人の外国人に対する寛容さが減ったと言われる。本研究では様々な極右事件に関する資料を収集し、極右暴力事件の実態を解明しながら、この最終的な目標に関する分析を行った。1998年のフランクフルト書籍見本市におけるマルティン・ヴァルザーの演説は、統一後のドイツの変化を象徴する事例であると言える。極右暴力事件そのものに関しては、統一後、劇的に増えた。統一前の1980年代と比較すると何倍にも増加している。しかし、1993年をピークにして1994年には、劇的に減少した。その結果、ボンのドイツ連邦政府を始め関係当局は一過性の減少であると胸をなでおろした。連邦憲法擁護庁の「憲法擁護報告」は、その後も、全体として減少傾向が続いているとしている。しかし、子細に憲法擁護報告書を検討すると、違った結果に到達する。憲法擁護報告書は器物損壊事件を1996年まで暴力事件に分類してきた。ところが、1997年の報告書からは別の方式を採用している。つまり、もはや器物損壊を暴力事件として取り扱っていない。従来方式で、つまり一貫性のある統計処理にもどると、暴力事件は減少傾向にあるとはいえない。特に、1998年は大副に増えていることが分かる。極右暴力を含め、ドイツの状況は関係者が安堵できる状況からは程遠いのである。
著者
池田 一成 杉森 光子 川崎 一輝 黒川 博 錐本 忠市
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.653-658, 1992
被引用文献数
1

Twelve children who developed active tuberculosis even after receiving isoniazid (INH) chemoprophylaxis were seen at Tokyo Metropolitan Children's Hospital from 1982 through 1991. All cases received INH more than 9mg/kg/day, except for one case in which the amount of INH administered at the referring hospital was unknown and Streptomycin was administered together with INH. The age of starting INH prophylaxis ranged from 2 months to 13 years, and the age at which clinical symptoms and/or laboratory evidences of active tuberculosis were first manifested ranged from 4 months to 18 years. Five patients developed active tuberculosis after the completion of chemoprophylaxis and patients during chemoprophylaxis, with the first presentation ranging from primary complex (seven), chronic pulmonary tuberculosis (two), tuberculous meningitis (two), and tuberculous pleuritis (one). None of the Mycobacterium tuberculosis resistant to INH was isolated.<BR>Reviewing these patients, eleven cases had at least one of the following factors: (1) age less than two years old (2) infectious sources expectorated more Mycobacterium tuberculosis (3) delay in starting INH. Above factors should be considered in initiating INH chemopro phylaxis and subsequent follow-up of the patients.
著者
池田 一成 杉森 光子 川崎 一輝 黒川 博 雉本 忠市
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.607-612, 1992
被引用文献数
1

We evaluated the clinical and laboratory findings of tuberculous meningitis admitted to Tokyo Metropolitan Children's Hospital from 1980 through 1991 retrospectively. They consisted of 26 patients (14 boys and 12 girls), and their age ranged from 4 months to 11 years. Seventeen patients were under 3 years of age. Mortality rate was 4% (1/26), and there were 13 patients with sequelae on discharge from the hospital, and 12 patients without any sequelae. The period to recover normal CSF findings was relatively long. Some cases which did not seem to respond well to chemotherapy at the initial stage, recovered from meningitis without sequelae. This suggests that it is not necessary to change the chemo therapy at the initial few weeks of therapy. The risk factors of poor prognosis were age less than 2 years, decreased level of consciousness on admission, convulsion, CSF protein more than 70 mg/dl, and CSF glucose less than 20 mg/dl. Tryptophan reaction was not always positive. Chloride in CSF was not so important to diagnose tuberculous meningitis in children. For the proper diagnosis of tuberculous meningitis in children one should consider several factors such as tuberculin skin test, family history, chest X-ray findings and CSF study.<BR>BCG was inoculated in six children (three patients were under one year old and the rests were older than 4 years). In three patients under one year old BCG was seemed to be inoculated after Mycobacterium tuberculosis infection, and apparently not effective to prevent tuberculosis meningitis. We conclude that BCG vaccination is necessary in early infancy to prevent tuberculous meningitis.
著者
三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-8, 2011-11-15

近年、ディジタル化、ネットワーク化したマンガの制作と流通が定着しつつある。こうしたディジタルマンガは内容の構成要素を他の要素や外部の実体と結びつけることができる柔軟性を持ちうることが特徴のひとつである。しかしディジタルマンガの多くは紙媒体の様式のマンガをページや書籍単位でファイル化したものであり、登場人物や場面、コマというような内容に関する要素を電子的実体として参照できないため、他の実体との関連付けが困難である。本研究では、ディジタルマンガの構成要素をメタデータとして記述するため、ストーリー構造及び平面表現を構成するビジュアル構造についてのメタデータモデルを提案する。また、これを用いたツールとして、作品のへのコメントを付加可能なディジタルマンガビューワおよびディジタルネームエディタについて述べる。Digital manga - publishing and reading manga on the Internet- is gaining broader acceptance. An advantage of digital manga is the flexibility to make links from its component content to another component and external entity, e.g., linking a character to a scene or to another book. However, in the case of scanned manga, it is difficult to link an internal content such as a character and a scene to another entity because not all internal components are identifiable as a digital entity whereas physical components such as a page and a book are obviously a digital entity. Conventional metadata models for digitized book s lack functions to describe those internal entities. This paper, proposes a metadata model for representing not only the physical components but also the internal components of digital manga focusing on story and visual structures. This metadata model is designed not only for building flexible reading environment but also for efficient production of manga. This paper shows a digital manga viewer for users to share their comments and tweets and it also a storyboard for digital manga called "digital manga name editor".
著者
高浦 勝義 河合 久 有本 昌弘 清水 克彦 松尾 知明 山森 光陽
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究では、従来の標準テストに代わる新たな評価法としてのポートフォリオ評価(portfolio assessment)に着目し、その理論的検討を行うとともに実践レベルにおける具体化方策を探ることを目的にした。その結果、理論面においては、問題解決評価観なる新たな評価観を提唱し、このもとで(1)指導と評価の一体化、(2)自己学習力の向上及び、(3)保護者等外部への説明責任に向けた評価という3つの評価のねらいを同時に、かつ統一的に実現するための基本モデルを開発した。また、実践レベルにおいては、これら(1)〜(3)の基本モデルの具体化のために、公立小・中学校からの研究協力を得ながら、すべての教科、道徳、特別活動において「生きる力」より導かれた評価の4観点(「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」)を基にルーブリック(rubric)を含む単元指導計画を作成するとともに、授業と評価の実際に取り組んだ。
著者
杉浦 光夫 森 光弥 丹羽 敏雄 片山 孝次 大槻 真 笠原 乾吉
出版者
津田塾大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

1995年12月9日-12日,津田塾大学において、20世紀シンポジウムを行った。講演者および講演題目は次の通りである。20世紀数学の種々の局面をとらえた興味ある講習が多かった。11月9日13時00-14時 杉浦光夫(津田塾大)ヒルベルトの問題から見た20世紀数学、14時10分-15時10分斎藤利弥(河合塾)ポアンカレのAnalysis Situs.15時20分-16時20分松本幸夫(東京大)基本予想をめぐって、16時30分-17時30分三宅克哉(都立大)類体論とイデ-ル.11月10日 10時-11時 高瀬正仁(九州大)数学史家としてのアンドレ.ヴェイユ,11時20分-12時10分(河合文化研)20世紀数学基礎論の成果と展望、13時30-14時30分齋藤正彦(放送大)超準数学の理想A. RobinsonからE. Nelsonへ、14時40分-15時40分、高橋陽一郎(京大数理研)カオスを巡って、15時50分-16時50分宮野悟(九州大)計算量理論の誕生とその展開11月11日 鹿野健(山形大)解析学が数論してもたらしたもの、11時10分-12時10分堀田良之(東北大)簡約群の表現論における幾何学的描像、13時30分-14時30分佐武一郎(中央大)代数群と保型系数、14時40分-15時40分吉沢尚明(岡山理大)Radon変換の概念の発見と展開、15時50分-16時50分金子晃(東京大)コンピュータ・トモグラフィの歴史-数学者は何故ノ-ベル賞を取り損ねたか-、17時-18時足立恒雄(早稲田大)-フェルマークからヴェイユまで、11月12日 10時-11時小田忠雄(東北大)20世紀における代数幾何の発展、11時10分-12時10分上野健爾(京都大)20世紀代数幾何学-重複度と交点数をめぐって-、13時30-14時30分飛田武幸(名城大)ゆうぎの解析、14時40-15時40分再評価期の確率微分方程式、山田俊雄(立命館大)、15時50分-16時50分池田信行(立命館大)終路空間上の微積分-確率解析とFeynmanの経路積分-、17時-18時山口昌哉(熊谷大)20世紀の数学について、(これらの講演は「20世紀の数学」という題で日本評論社より出版される。)
著者
杉本 重雄 逸村 裕 佐々木 秀康 永森 光晴 原 正一郎 池内 淳 上保 秀夫 阪口 哲男 新保 史生 鈴木 誠一郎 柊 和佑 森嶋 厚行 吉村 和真
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

ネットワーク環境におけるコンテンツ情報基盤に関する総合的取組として(1) ディジタルアーカイブの連携性向上のためのメタデータスキーマレジストリ技術(2) 図書館,文書館等における頑健なディジタルアーカイブのためのメタデータモデル(3) ディジタルマンガ等の新しい形態のコンテンツのためのメタデータモデル(4) これらを総合的にとらえたディジタルアーカイブ間連携等の課題に関する研究を進め, 公開シンポジウム等の機会も通じて, ネットワーク環境におけるディジタルアーカイブの相互運用性, 利用性向上のための情報基盤に関する知見を得た。
著者
徳永 信弘 篠原 央 大西 英胤 別所 隆 栗原 博明 森 光生 郭 宗宏 片田 夏也
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.2824-2826, 1991-11-01
被引用文献数
16

異時性に両側発生した閉鎖孔ヘルニアの1例を経験したので報告する. 症例は85歳の女性で右大腿内側部痛を主訴に整形外科を受診したが腹部単純 X 線写真で鏡面像が認められ入院となった. 保存的治療にて改善傾向なく右 Howship-Romberg sign 陽性のため右閉鎖孔ヘルニア嵌頓の術前診断にて開腹された. 同症例は術後21週目に嘔吐と上腹部痛が出現し腸閉塞の診断で再入院となった. 入院後今度は左大腿内側部痛を訴え再開腹が施行され左閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断された. 閉鎖孔ヘルニアの異時性両側性発生の報告例は本例を含め4例で, いずれも術後6か月以内に対側の閉鎖孔ヘルニアを発症したと報告されている. 閉鎖孔ヘルニアの開腹手術の際には対側の閉鎖管を検索すること, およびその対処が必要であると思われる.