著者
野明 俊道 平岩 賢志 森 光正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83, pp.151-158, 2001-09-06
被引用文献数
1

近年のインタネットの急速な普及によりネットワークサービスはさらにグローバル化しつつあるが、こうした動きの中で車社会の進展のあり方の1つとして自動車が携帯端末に続く情報端末になろうとしている。 このような背景の中で自動車の安全運転をめざす走行支援サービス及びこれに付随する種々の情報提供サービス実現のために、走行環境での情報通信ネットワーク技術(スマートゲートウエイ)の確立が必要となり国家プロジェクトによる技術開発が進められている。本稿では、スマートゲートウエイにおける高信頼通信を実現するためのモバイルネットワーク・プラットフォームを提案する。さらに、モバイルネットワークのアクセス方式として専用狭域通信(DSRC: Dedicated Short Range Communication)を利用する路側システムにおいて、自律分散制御により複数無線通信ゾーンを論理的なサービス提供セルとして連続通信サービスを提供し、広域IP網とのインタワークによりIPサービスを車載端末に提供するためのゲートウエイ方式を提案する。The recent rapid proliferation of the Internet has been promoting global development of network services. One of the features of the development of our vehicular society is that on-board vehicle terminals are becoming a successor to the human-carried cellular phones. Technological development is being carried on as a national project in Japan to establish information and communication network technology which supports user mobility (called "Smart Gateway" for the future vehicle-road communication system) to implement a variety of information services aimed at safe vehicle driving. This paper proposes a mobile network platform to implement highly reliable communications. The authors propose a mobile access node system by ADS (Autonomous Decentralized System) control to provide multiple radio communication zones as logical service providing cells. This system allows "continuous communication services" (uninterrupted and seamless services using short-range communication among microcells) and provides on-board vehicle terminals with IP services by interworking the public/wide-area IP network using DSRC (Dedicated Short Range Communication) for mobile access. For the gateway system, IP gateway management is described. This function manages the IP address given to each on-board vehicle terminal to provide the wide-area IP services to on-board vehicle terminals. Finally, the functional mapping for ITS mobile network platform is described.
著者
森 光三 岡田 粂ニ
出版者
富山大学工学部
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1/2, pp.1-4, 1965-03

The mechanism of the inverter commutation is studied. The circuit is composed of two resistances instead of a transformer. Gate voltage is 2 V, and gate current 3 mA. Capacity of the commutation condenser is 20μF. The voltage of the commutation condenser is calculated and it is shown that the anode voltage of SCR becomes negative, then it cuts the anode current of SCR. When we use as a inverter, a transformer is used instead of two resistances. The transformer has three windings whose number of tums is 300 respectively. The range of the output altemating current is 0--4 A, and the maximum efficiency of the inverter, which converts DC energy to AC energy, reaches 75%. The range of the frequency of AC could bechanged from 20 to 300 c/s in our experiments.
著者
川向 直樹 永森 光晴 杉本 重雄
雑誌
情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2010-IFAT-100, no.6, pp.1-8, 2010-10-28

従来から日本の図書館では日本目録規則 (NCR) に従って目録が作成されてきた.NCR では,図書館資料の基本的な書誌的事項として記述総則が定められ,それを改変したものが図書や楽譜などの個々の資料種別にあわせて示されている.近年,メタデータスキーマ作成において Application Profile という枠組みが提案されている.これは既存のスキーマを再利用する事でメタデータの相互利用性の向上をはかるものである.本研究では NCR の書誌的事項に関する規定の関係を Application Profile の一種としてとらえ直した.そして,記述総則のメタデータ語彙を定義し,各資料種別ごとの Application Profile を作成した.
著者
三原 鉄也 石川 夏樹 豊田 将平 永森 光晴 杉本 重雄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.4M105, 2018 (Released:2018-07-30)

コマはマンガ表現の最も基本的な構成要素である.これまでにマンガ・コミック画像からコマ領域を認識する技術の研究開発は数多く行われているが,多様なマンガ表現に対し,読者にとって妥当なコマを機械的に認識する一般的な手法は未だ定まっていない.そこで本研究ではマンガ画像から機械的に抽出したコマ領域に対しマイクロタスク型クラウドソーシングを用いて正誤判定する手法を提案する.この手法により,従前は困難であったマンガのコマ領域の判定の妥当性とスケーラビリティの両立を実現することが期待できる.
著者
中村 仁美 岩森 光 千葉 紀奈 中井 俊一 木村 純一 常 青 風早 康平
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.238, 2014 (Released:2014-09-12)

近年,我々は,初めて有馬温泉水中の希土類元素(REEs)の定量とともに,Sr-Nd-Pb同位体比組成を得ることに成功した(Nakamura et al., accepted).これは,低温(~500度)で脱水したスラブ起源流体の組成と河川水の混合で説明することができ,スラブ起源流体は非火山域であっても,構造線などの大断層沿いに上昇している可能性があることを示唆する.本研究では,溶存イオン種と濃度,軽元素同位体情報を基に,中央構造線沿いの有馬型温泉水を調査・採水し,標準添加法によりREEs組成を定量分析する.これらの結果に基づき,スラブ起源流体を含む有馬型温泉水の特徴が,非火山域である西南日本から,火山域も含む中部日本にかけて,どのように変化するかについて制約を与える.
著者
吉田 健太 桑谷 立 安本 篤史 原口 悟 上木 賢太 岩森 光
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

Geochemical data from geological samples show compositional trends that reflect the material differentiation and assimilation occurred during certain geological processes. These trends often comprise groups in a multidimensional compositional space and are distributed in real space as geological units ranging from millimeters to kilometers in scale (e.g., Ueki and Iwamori, 2017). Therefore, spatial contextual information combined with chemical affinities could provide fundamental information about the sources and generation processes associated with the samples.However, conventional clustering algorithms such as k-means and fuzzy c-means (FCM) cluster analysis do not fully utilize the spatial distribution information of geologic samples. In this study, we propose a new clustering method for geochemical datasets with location coordinates. A spatial FCM algorithm originally constructed for image segmentation was modified to deal with a sparse and unequal-spaced dataset. The proposed algorithm evaluates the membership function modified using a weighting function calculated from neighboring samples within a certain radius.We applied new algorithm to a geochemical dataset of granitoids in the Ina-Mikawa district of the Ryoke belt that was compiled by Haraguchi et al. (2017), showing that samples collected from the same geological unit are likely to be classified as the same cluster. Moreover, overlapping geochemical trends are classified consistently with spatial distribution, and the result is robust against noise addition compared with standard FCM analysis.The proposed method can be calculated in the “GEOFCM” Excel® sheet provided as supplementary material and on our website (http://dsap.jamstec.go.jp). Geological datasets with precise location coordinates are becoming increasingly available, and the proposed method can help find overviews of complicated multidimensional data structure.
著者
原口 悟 上木 賢太 桑谷 立 吉田 健太 モハメド 美香 堀内 俊介 岩森 光
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

2017年のJpGU-AGU(原口ほか,2017)で、日本国内出版文献に掲載されている地球化学データのコンパイルを行うデータベース「DODAI」を報告した。前回報告以降もデータ収集を継続し、2017年末までに224論文5818サンプルの化学データをコンパイルした。今回、これらのデータ収集を通して明らかになった、「フォーマットの統一」に関連する問題点を以下に3点報告する。1つ目は、化学組成の分析に当たって、多くの「分析装置」による様々な「分析手法」が用いられていることである。主要元素は、1970年代までは「湿式分析」が主流であったが、1980年代に入って「XRF」が急速に広まった。この過程で、従来鉄はFe2+ (FeO)とFe3+ (Fe2O3)を分けて分析されていたのが、全FeOまたはFe2O3に一本化する分析に移行した。現在でも全岩化学組成のFe2+とFe3+を分けて分析する手法は湿式分析だけであり、主要元素をXRFで分析していても、Fe2+だけを湿式分析で分析することが行われている。このような鉄の分析のバリエーションが地球化学データベースに含まれていることには注意を要する。2つ目は、分析される微量元素の組み合わせが分析機関により様々なことである。微量元素の分析は、現在ではXRFの他、ICP-MS等の質量分析装置を用いた方法、INAA等の放射化分析等が使われている。XRFは分析が簡便であるため、多くの機関で主要元素とともに分析が行われているが、分析元素の選択が機関・目的により様々である。ICP-MS, INAAは高精度の分析が可能で、多くの微量元素を網羅的に分析することが可能であるが、全ての元素をカバーする分析を恒常的に実施する例が少なく、データ数が少ない。このため、データベースを利用した多変量解析に用いる元素の組み合わせによっては、解析に使用できるサンプル数が激減することがありうる。3つ目は、研究が行われた時期、および研究者が専門とする分野によって地質の解釈が変化することである。例えば、四万十帯に代表される「付加体」の地質構造は、「付加体地質学」の導入により、形成過程の理解が急速に進んだが、個々の岩体の記載は、付加体地質学導入以前の研究に基づくものと、付加体地質学に基づいた新たな解釈によるものがあり、現在でも両者が混用されている。また、付加体中の海洋プレート起源の火山岩は、弱変成作用を受けているため、「緑色岩」とも呼ばれるが、研究者によって「火山岩」「変成岩」と見方が異なっている。シームレス地質図統一凡例(産総研,2015)のように,これらの見方を統一する試みもあるが,依然としてこのような様々な「解釈の違い」が地球化学データに含まれることはコンパイルを行う上での注意点である。本報告では、これらの「フォーマットの不統一」に関係する地球化学データベースが含む問題を取り上げるとともに、不統一の解消を図る方法について考えたい。
著者
鼻崎 将 古森 光 吉田 直人 米澤 朋子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-4, 2015-01-07
被引用文献数
1

本稿では,壁面へのプロジェクションを用いて,ユーザの歩行状態を判定したうえで,その前方に提示され続ける移動広告システムを提案する.また,背景との相対速度による浮き彫り効果を考慮し,背景画像をユーザの進行方向と逆方向に進めることとした.このことで,広告をより目立たせ,さらに広告の世界観とスピード感を与えることを狙う.このシステムを用いることで,広告への注意をひきつけ,さらに,ユーザの歩行速度変化や方向転換に応じた広告提示位置の内容の変容など,広告とのインタラクションに多様性をもたらすことが期待される.
著者
石原 由貴 森 光洋 室田 ゆう 小鷹 研理
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.380-382, 2017-09-09

Newportらは、現実の指が引っ張られるのと同時に、指が伸びる映像を見せることによって、指が伸縮する感覚が得られることを報告している。本研究では、この方法論を腕の伸縮感覚誘発に適用した新たなインタラクション「Stretcharm」を提案する。具体的には、二人の人間が一本のポールを引っ張り合うことに伴う自重変化を、一人称視点において呈示されるCGの腕の長さと関連づけることにより、これを実現する。
著者
陣門 謙一 神崎 正 三宮 崇 小森 光二 国峯 紀彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.221-233, 1998

本論文は、建設分野の市場の開拓と更新という観点で、21世紀への社会の変化を見据え、第1に「クリーンな、水力エネルギーの見直しについての提言」、第2に「鉄道を利用した廃棄物の広域輸送と処理施設の立地推進についての提言」、第3に「ライフラインの共同溝化による防災都市建設への提言」を行った。本論文では、さらに、第1の「クリーンな、水力エネルギーの見直しについての提言」でエネルギーコスト、エネルギー需給の観点から不安定な今後のエネルギー問題を取り上げ、水力エネルギーの見直しへの提言を行った。本提言では、大規則の堆砂除去技術、水利権の移転、CO2炭素税による財源の確保、水力発電建設技術による海外貢献という視点よりまとめた。第2の「鉄道を利用した廃棄物の広域輸送と処理施設の立地推進についての提言」では、スーパーフェニックス計画と規制緩和について提言した。第3の「ライフラインの共同溝化による防災都市建設への提言」では、共同溝整備理念の確立を提言した。さらに、本論文では、大規模堆砂除去プロジェクトについて取上げ、人工島建設による廃棄物処理の広域輸送と同時輸送した場合の事業評価、その他付帯効果について論ずるものである。
著者
久行 智恵 三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

マンガの持つ意味的な情報を機械的に抽出する研究が行われているが、マンガは絵や記号、文字といった表現が多様に組み合わさった表現であり、そこから意味情報を抽出、利用することは困難である。本研究ではマンガのシーンの自動抽出を目的としてコマの属性をLinked Open Dataに基づくメタデータとして記述し特徴量に変換して機械学習を行い、その結果をマンガ画像と紐付けて提供するシステムを構築した。
著者
山森 光陽 萩原 康仁
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.555-568, 2016
被引用文献数
3

クラスサイズパズルと呼ばれる, 学級規模が児童生徒に及ぼす影響を検討する研究群で一貫した結果が得られない現象が見られる背景には, 学級規模と学級規模以外の要因との交互作用の存在が考えられる。学級編制基準は学級規模のみならず, 学年学級数の多少も決定するため, 本研究では学級規模の大小, 学年学級数の多少及びこれらの組合せによって過去の学力と後続の学力との関係に違いが見られるかを検討した。そのために, 小学校第4, 6学年4月に実施された国語の学力調査得点についての67校分の2時点のパネルデータに, 対象児童が第4, 5学年時に在籍した学年の学級数及び学級の児童数を組合せ, 階層的線型モデルを適用した分析を行った。この結果, 過去の学力調査得点が低かった児童について見れば, 学級数の多い学年で小規模な学級に在籍した児童の方が, 学級数の少ない学年で小規模な学級に在籍した児童と比べて後続の学力が高いといった学力の底上げが見られた。この背景について, 学級規模と学年学級数によって異なる学級の質, 学年学級数によって異なる教師同士の協同による教材研究等の頻度の点から考察した。
著者
安田 つくし 三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
雑誌
じんもんこん2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.255-262, 2015-12-12

マンガやアニメーションを題材とした創作やその交流に端を発する同人活動が急
著者
杉本 重雄 永森 光晴 森嶋 厚行 柴山 明寛 三原 鉄也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

昨年度の研究から、ポップカルチャや途上国の文化財等の文化的コンテンツの利活用性向上には、よく組織化されたアーカイブデータとWeb上の多様なコミュニティ発信情報を横断的・統合的に扱う必要があるとの知見を得た。そのため、アーカイブ横断的・統合的なメタデータ集約技術研究における重要な対象であると判断し、東日本大震災アーカイブに加えてそれらも本研究の中心的な対象として研究を進めることとした。以下、先述の主要研究課題に基いて述べる。課題1:震災アーカイブに関して、第3者による非高品質なメタデータを基礎としつつ、利活用性を高めるための手法が中心課題である。ここでは主題語の共起関係によるメタデータ集約、メタデータから取り出した地域の組織や施設等を表す語に基づく地域指向のオントロジーや地理的実体のLODデータの作成を行い、一定の成果は出したがこれら全体をまとめることは次年度に残されている。文化的コンテンツについては、それぞれの領域で基本的なメタデータ集約のためのモデルを開発し、かつ国際連携も行っている。課題2:津波ディジタルライブラリ(TDL)の研究グループとの連携を進めた。TDLのテキストと前述の地理的実体LODを利用することで過去の災害とのリンク付けに関する研究を進めることができると考えている。文化的コンテンツについては、これまでの成果が、マンガ等を中心としたWebリソースと文化庁のメディア芸術データベースとの結びつけ、国際連携によるモデルの精緻化と発信につながると考えている。課題3:TDLの利用を進めること、デジタルアーカイブネットワーク(DAN)等を利用した実務者と結びつく活動、メタデータ作成や編集におけるクラウドソーシング技術の利用に関わる研究等をコミュニティ連携に関わる研究として進めたいと考えている。また、国内外の研究者との連携、海外発信については想定以上に進んでいると考えている。
著者
森 光
出版者
中央大学
雑誌
中央大学史紀要 (ISSN:09162119)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-41, 2013-03
著者
両角 彩子 永森 光晴 杉本 重雄
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.105(2008-FI-092), pp.1-14, 2008-10-30

近年の情報技術の発展に伴い、マンガ作品の情報の共有・交換が盛んに行われるようになった。筆者らの研究室では、マンガに関する情報を統合的に扱うためのマンガメタデータスキーマを開発している。その一部に、読者が作品の内容を書き表すためのメタデータスキーマがある。本稿はマンガの知的内容を表すことを目的としているため、同心ストーリーの表現手法である小説や映画も参考にする。そこで、 Wikipedia 内に表れるマンガ麹小説の作品記事から 100 件をそれぞれ無作為に抽出し、記述項目について調査した。これらの調査結果および目次テンプレートを参考に、読者が作品の知的内容を書き表すためのメタデータ基本セットを提案する。
著者
松浦 克昌 永森 光晴
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.157-164, 1996-08-15
被引用文献数
2

状態ベクトル分離型カート・ポール系ファジィ制御方式にはハード方式とソフト方式がある。ハード方式はポール系状態ベクトル制御器の働きをポール全位相空間で有効とする方式である。ソフト方式はこの制御器の働きを、ポール姿勢制御効率のよい倒立領域と垂下領域に制限し、2領域外は非制御域としてポールの自然な振る舞いを取り入れる方式である。ハード方式の問題点は制御器がポール全位相空間で頑張るため、無駄なカートの走行を要することである。これに対してソフト方式は無理な状態では制御を止め、ポールの自然な振る舞いを許し、制限域で効率よくポール振り上げ、倒立安定化制御を行うためカートの無駄な走行を生じない。本論文はソフト方式の有効性を数値シミュレーションにより実証し、ソフト方式を用いたカート・ポール系ファジィ制御方式の設計知見を提供する。
著者
小平 優衣 鈴木 啓史 三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014-CH-101, no.8, pp.1-8, 2014-01-18

現在ディジタル環境でマンガを探すには,web 上の情報を参照するのが一般的である.タイトルや著者名などの書誌情報が利用される場合が多いが,マンガの内容や主題,キャラクタ等に関する情報も検索に利用されている.内容に即した検索を行うためには,マンガに関する情報を,マンガの何について説明している情報かを記述したデータとして利用できるようにする必要がある.また,これらの情報は一般的な語彙としてまとめられていないため利用することは難しく,情報共有を促進するためにはマンガの概念をディジタル上で機械が扱いやすくできるように形式化する必要がある.異なるマンガリソース間同士の参照や再利用,効率の良いリソースの生成を可能にするため,共通基盤となるマンガに関する情報を体系化し扱うことを可能にするオントロジーの構築を行った.構築のために Wikipedia のマンガに関するカテゴリ名を語彙として利用し,語彙同士の関係性を定義してオントロジーを構築し,マンガリソース同士を結びつけることで LOD として利用することを可能にした.構築したオントロジーは語彙の追加などの拡張が可能であり,マンガのあらゆる情報に繋げることが可能である.