著者
江口 忠志 竹之内 盛志 樋口 直史 鈴木 智 長岡 可楠子 砂川 恵伸 八重樫 牧人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.981-988, 2021-05-10 (Released:2022-05-10)
参考文献数
10

62歳,男性.アルコール性肝硬変,門脈血栓症に対してダビガトランを約5年間内服していた.来院2週前より肉眼的血尿,1週前より間欠熱・労作時の息切れが出現し,採血で著明な腎機能障害と胸部CT(computed tomography)でびまん性のすりガラス影を認めた.膠原病・血管炎や感染症と鑑別を要したが,腎生検にて抗凝固薬関連腎症(anticoagulant-related nephropathy:ARN),臨床所見から肺胞出血と診断した.抗凝固薬を内服中の患者の肺腎症候群では,ARN及び肺胞出血を疑う必要がある.
著者
数野 千恵子 織田 佐知子 江端 恵加 松本 雄大 樋口 直樹
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.2097, 2009

<BR>【目的】近年、多種類のミネラルウォーターが市販されているが、その硬度は軟水から硬水まで様々である。これらミネラルウォーターは飲料水の他に、お茶やコーヒー等の嗜好品や調理にも幅広く使用されている。そこで、煎茶とほうじ茶について硬度の異なるミネラルウォーターで調製したお茶が味覚に与える影響を官能検査と、カテキン類、メチルキサンチン類およびアミノ酸類含有量から比較検討した。<BR>【方法】1)試料および試料水:市販の煎茶および焙じ茶について、高純度水製造装置で調製したRO水(硬度:0)の他に硬度:30、58、94、307、700、1468の市販製品を用いて調査した。2)抽出方法:煎茶は80℃に熱した水に茶葉を入れ、篩でろ過した。ほうじ茶は沸騰水に茶葉を入れ、篩でろ過した。3)官能検査:各試料水でお茶を入れ、おいしいと感じた順位を調査した。また、各々のお茶についての香り、色、渋み、甘み、うまみ、飲み易さも併せて調査した。4)カテキン類及びメチルキサンチン類の測定:HPLCにより分析した。5)遊離アミノ酸類の測定:アミノ酸分析システムを用いた。<BR>【結果】煎茶では、カテキン類およびメチルキサンチン類は比較的硬度の低い製品が多く抽出された。テアニンは硬度の差より製品による差の方が大きかった。ほうじ茶は煎茶に比較してカテキン類やアミノ酸の含有量が少ないために、味にほとんど関与していないと思われる。官能検査結果より、煎茶、ほうじ茶ともに、硬度が30~100程度の水で抽出したものが好まれた。煎茶やほうじ茶は硬度が30~100程度のいわゆる軟水を使用したほうがおいしいという結果が得られた。
著者
樋口 直人
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.71-86, 1999-05-31 (Released:2016-11-02)
被引用文献数
1
著者
樋口 直宏
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (教育学) 学位論文・平成24年7月25日授与 (乙第2610号)
著者
中澤 秀雄 成 元哲 樋口 直人 角 一典 水澤 弘光
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.4, pp.142-157, 1998-10-05

1990年代における環境運動の「再生」を理解するためには、1960〜70年代以降の住民運動の軌跡を振り返り、マクロな社会的諸条件との関連で運動の盛衰を把握する視点が必要不可欠である。戦後日本の住民運動を対象にした事例研究の蓄積はかなりの量に達しているが、データソース確保の困難や方法論的不備などにより、個別の運動を越えた、運動インダストリーの盛衰を取り扱った研究は十分に行われてこなかった。また、これまで住民運動の盛衰は主に高度経済成長による「構造的ストレーン」によって説明されてきたが、それだけでは低成長期以降の運動発生や盛衰の地域的多様性を説明することができない。我々はこうした研究上の空白を埋めるべく、1968-82年における地域開発や環境関連の抗議イベントをコード化しデータベースを整備した。このデータベースを利用し、全国レベルにおける抗議サイクル形成の論理と、抗議水準の地域的・時期的な変動を、「構造的ストレーン」変数と「政治的機会構造」変数との比較により検討した。その結果、次の2点が明らかになった。(1)住民運動の抗議サイクル形成にあたっては、構造的ストレーンより政治的機会構造の影響の方が強い。(2)地域ごとの相違をみると、政治的基盤が安定していない保守地域で抗議水準が最も高くなる。これらの知見は90年代の運動の「再生」を理解するうえで、重要な手がかりを提供する。
著者
樋口 直宏
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.103-111, 1995-03-20
被引用文献数
10

本研究の目的は,授業中の予想外応答場面において,教師の予想水準に対する児童の応答の違いによって,教師がどのような意思決定を行うのかを明らかにすることである.教師の予想水準および児童の応答に対する教師の対応行勤にもとづいた予想外応答場面の分析カテゴリーが開発されるとともに,小学校国語科の授業が事例として分析された.本研究の結果は,次の通りであった.(1)児童の応答が教師の予想水準以上の場合には,教師は児童の応答に同意したり,他の児童に指名を続け,指導計画を大きく変更しない.予想水準以下の応答の場合には,教師は児童に意見の修正を求めたり,否定するといった計画の変更を行う傾向がある.(2)予想外応答場面における教師の意思決定には,学習指導案における教師の意図が影響を及ぼす.予想水準以上の応答の場合には,指導計画を変更する必要に迫られない一方,予想水準以下の応答の場合には,児童の応答を教師の解釈に近づけようとする意思決定が働く.