著者
池澤 優 近藤 光博 藤原 聖子 島薗 進 市川 裕 矢野 秀武 川瀬 貴也 高橋 原 塩尻 和子 大久保 教宏 鈴木 健郎 鶴岡 賀雄 久保田 浩 林 淳 伊達 聖伸 奥山 倫明 江川 純一 星野 靖二 住家 正芳 井上 まどか 冨澤 かな
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、欧米において成立した近代的宗教概念とそれに基づく宗教研究が、世界各地、特に非欧米社会においてそのまま受容されたのか、それとも各地域独自の宗教伝統に基づく宗教概念と宗教研究が存在しているのかをサーヴェイし、従来宗教学の名で呼ばれてきた普遍的視座とは異なる形態の知が可能であるかどうかを考察した。対象国・地域は日本、中国、韓国、インド、東南アジア、中東イスラーム圏、イスラエル、北米、中南米、ヨーロッパである。
著者
池澤 優
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は死をめぐる宗教学的視点からのアプローチ、死者儀礼、死者崇拝、死生観などについてどのような研究がなされているか、全体像を把握することを可能にするような資料の整理を、できる限り偏らない統合的な視点から提供することを目的として開始された。本年度が研究の最終年度に相当する。本年度は前年度から引き続いて、資料の収集とその整理を行ったが、特に最終年度であることに鑑み、研究成果を報告書の形にまとめることに力点を置いた。本研究は、その目的に従い、二つの課題が設定されている。一つは、様々な研究分野・方法論における現在の死の状況に関する議論を広く収集し、それをビブリオグラフィー化すると同時に、各文献が基本的に生と死についてどのような見方を内包しているかを整理する作業である。研究報告書の第一部と第二部がそれに相当する部分である。第一部は本研究によって収集・整理した文献のビブリオグラフィーであり、第二部はそれらに対して行った整理の、いわばサンプルである。これらによって、死にかかわる宗教学的研究として、どのような文献が存在するのかを検索し、それらがどのような性格のものなのか、広く現在の研究状況を把握することが可能になっている。本研究のもう一つの課題は、様々な文化における死および死者に関する宗教的な現象・行為・観念の事例を収集し、人類文化全体として、それがどのような構造を持ち、またどのような可変性を持つのかを俯瞰できるような整理を試みることである。当然のことながら、単独の研究者が多くの文化に関してこの作業を行うことは不可能であり、先ず、研究代表者が専門とする文化について、一種のサンプルを提供するのが現実的である。研究報告書の第三部がこの部分に相当する部分であって、中国の古代から中世にかけて、死者の在り方がどのように変化していったか、それが何を表していたかを論じた。本研究担当者の視点が基本的に宗教学というディシプリンからのものである以上、本報告にも一定のバイアスが含まれることは否めないであろう。しかし、宗教的な死生観が死後の存続や他界の信仰といった表面的な特性によってのみ捉えられるべきではなく、死という破壊を有意義なものに変換するすることにより、生をも有意義なものにする営みでもあったこと、それ故に我々にとっても看過することのできない現代的な意義を有するものであることを示すことができたと思う。
著者
池澤 優
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.103-128, 2004-03-31
著者
池澤 優
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:02896400)
巻号頁・発行日
no.30, pp.1-10, 2012

2010~2012年度文部科学省科学研究費補助金基盤研究 (B) 「宗教概念ならびに宗教研究の普遍性と地域性の相関・相克に関する総合的研究」 (研究代表者 : 池澤優) 課題番号 : 22320016 報告書
著者
池澤 優
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.13-29, 2007-03-31

本稿は,一般に生命倫理(学)と呼ばれている分野に対し,宗教学の側からどのようなアプローチが可能なのか,あるいは宗教学的な(宗教学らしい)生命倫理学というのは可能なのかを論じることを目的にする。現に宗教学の分野から生命倫理に対する言及が数多くなされている中で,改めてこのような設問をすること自体,奇異に感じられるであろう。実際,本稿は著者が生命倫理に対してどのようなスタンスを取るのかという極めて個人的な思索を綴ったものであり,根本的に論文と呼べるものではない。もう一つ断っておかなければならないのは,本稿の関心は"ものの考え方"に集中しているために,特に具体的な問題を扱わないということである。生命倫理上の特定の課題について何らかの主張を行うつもりはないし,明確な結論を出すつもりもない。これも奇異に感じられるかもしれないが,明確な主張や結論を出さない生命倫理へのかかわりが可能か,というのが本稿で追求したい試みである。分量上の問題から上下二篇に分け,上篇では各国における生命倫理の言説を類型化し,それを通して文化比較を行う可能性について論じる。下篇では,生命倫理が文化を反映するという現象がなぜ起き,それが何を意味するのかを論じたい。
著者
池澤 優
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:02896400)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.131-142, 1986-02-25

前回は主な中国古代宗教の学説を概観したが,今回は殷代に時代を区切って見てみたい。殷代の第一次資料としては所謂「甲骨卜辞」があるが,無論資料はそれにとどまるものではなく,青銅器やその鋳銘・土器・玉器・宮殿や墓葬などの遺構といった出土資料のみならず,多くの文献の質料価値もまた高いものがある。ただ問題はそれらが別の面の宗教的観念を表わすために,統一的に把握するのが難しいことである。また,古代王朝の性質上,全てが宗教に関係し,もし殷代宗教の全貌を述べるとすると殷代史の著述と変らなくなる。結局,おもしろそうな事項を選び,卜辞を資料とするものに限って概観する他はない。
著者
池澤 優
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:02896400)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.96-104, 1985-02-25

【研究ノート】
著者
渡邉 義浩 大上 正美 辛 賢 稀代 麻也子 池澤 優 小島 毅 竹下 悦子 高橋 康浩 安藤 信廣 池田 知久 三浦 國雄 仙石 知子 石井 仁 堀池 信夫
出版者
大東文化大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

漢魏文化の国際的研究を行い、『魏晉南北朝における貴族制の形成と三教・文学』を刊行し、『中国新出資料学の展開』 を 2013 年 8 月に刊行する予定である。 後者は、新出土資料についての情報提供、読解・解釈・実証などの基礎的な工作に加えて、将来の両国、ひいては世界における中国出土資料研究のさらなる発展を図るために、出土資料研究について今後に遺された課題を明確に意識することを目指して行われたものである。
著者
月本 昭男 佐藤 研 山我 哲雄 市川 裕 澤井 義次 鎌田 繁 池澤 優 河東 仁
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究はユダヤ教,キリスト教,イスラム教における神観につき,比較宗教史的観点から、4.で述べるように、四つの側面から実証的総合研究を行った。そのうち、(1)「古代ユダヤ教における一神教成立の解明」については、下ガリラヤのテル・レヘシュ遺跡発掘調査により、古代イスラエル最初期の宗教に関する実証的なデータが発見され、成果の一部はV国際宗教史会議(トロント大学、2010年8月)および「国際ガリラヤ会議」(立教大学、2011年5月)で公表した。(2)~(4)の課題の研究成果については、以下の報告4を参照されたい。