著者
安東 奈穂子 池田 大輔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.26-41, 2007-12

個人情報漏洩事件が相次ぐなか,図書館にも,図書館利用者の個人情報やプライバシーに対するいっそうの配慮が求められている。そこで,現在多くの図書館において行われているような,個人情報の取得を半ば当然としたうえで取得後のセキュリティを重視する個人情報管理が,果たして十分な情報保護を実現しているのか検証し,それに対して,画期的な新個人認証システムPersonal IDシステムの下では個人情報管理にどのような変化がもたらされるのかを比較検討する。さらに,当該システムを活用した,図書館利用者の情報主権者としての立場をより尊重した情報取得のあり方や,それに基づく,図書館利用者自らが主導権を握る利用者指向のサービスについて考察する。As incidents of identity theft become more frequent, libraries are becoming more concerned with ways to protect the personal information and privacy of their users. They must begin by asking themselves whether the library's current system of personal information management is really performing adequately, and then consider how it would compare to the way they could manage personal information using the innovative personal authentification system Personal ID. Furthermore, the authors posit that by implementing this new system, more respect is given to the library users who are in the position of controlling information, and this in turn provides a framework for developing user-centered services in which library users are able to take the initiative themselves.
著者
徳永 旭将 池田 大輔 中村 和幸 樋口 知之 吉川 顕正 魚住 禎司 藤本 晶子 森岡 昭 湯元 清文 CpmnGroup
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.14, pp.1-6, 2010-12-09

一般に,前兆現象は突発現象にそのものに比べて非常に目立ちにくく,その開始時刻は曖昧である.従来よく用いられてきた変化点検出法を適用した場合,このような微小で緩慢な変化は見逃されやすい.Tokunaga et al.1) では,Ide and Inoue2) の提案した特異スペクトル分析を応用した変化点検出法 (SST) を,多次元データを用いたアルゴリズム (MSST) へと拡張することで,鋭敏に前兆現象の開始時刻を推定出来ることを示した.MSST は,緩慢な変化も検出できる鋭敏な手法であるが,実データへの適用では誤検出が問題になる.本稿では,突発現象の大まかな開始時刻を予め検出し,さらに検出された時刻の前後で前兆現象の開始時刻と終了時刻を個別に探索することで,誤検出を劇的に減少させることができることを示す.
著者
池田 大輔 安東 奈穂子 田中 省作
出版者
ディジタル図書館編集委員会
雑誌
ディジタル図書館 (ISSN:13407287)
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-8, 2005-03-08

電子図書館サービスの多くは、従来からある図書館サービスを電子的に行うことにより、図書館員が行う作業の効率化や資料への効率的なアクセスを実現するものであり、新たなサービスを提供するものは少ない。筆者らの研究グループは新たな電子図書館サービス構築を目指し研究を進めており、その過程で個人情報を含んだ貸出履歴をサービスに使うことの是非が大きな問題点として浮上した。本稿では、図書館の役割や利用者の個人情報について考察し、新たな電子図書館のサービスによる利便性向上と個人情報保護を両立するモデルを提案する。
著者
池田 大輔 安東 奈穂子 田中 省作
出版者
ディジタル図書館編集委員会
雑誌
ディジタル図書館 (ISSN:13407287)
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-8, 2005-03-08

電子図書館サービスの多くは、従来からある図書館サービスを電子的に行うことにより、図書館員が行う作業の効率化や資料への効率的なアクセスを実現するものであり、新たなサービスを提供するものは少ない。筆者らの研究グループは新たな電子図書館サービス構築を目指し研究を進めており、その過程で個人情報を含んだ貸出履歴をサービスに使うことの是非が大きな問題点として浮上した。本稿では、図書館の役割や利用者の個人情報について考察し、新たな電子図書館のサービスによる利便性向上と個人情報保護を両立するモデルを提案する。
著者
土屋 俊 竹内 比呂也 佐藤 義則 逸村 裕 栗山 正光 池田 大輔 芳鐘 冬樹 小山 憲司 濱田 幸夫 三根 慎二 松村 多美子 尾城 孝一 加藤 信哉 酒井 由紀子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、今後の学術情報流通環境における大学図書館の役割を追求し、大学の教育研究の革新という観点から検討を行うとともに、それを実現するための要件を明らかにし、「2020年の大学図書館像」を描き出すことを目的とした。そのために大学図書館における情報サービス(NACSIS-ILL)と情報資源管理(NACSIS-CAT)の定量的、定性的分析を行い、時系列的変化を明らかにするとともにその要因について考察した。これらを踏まえ、さらにシンポジウムなどを通じて実務家からのフィードバックを得て、「2020年の大学図書館像」について考察した。
著者
安浦 寛人 佐藤 寿倫 松永 裕介 井上 創造 池田 大輔 石田 浩二 馬場 謙介 吉村 正義 ウッディン モハマッド・メスバ 稲永 俊介
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

社会に不可欠になっている「価値」や「信用」を搭載するLSIについて、ディペンダビリティの定義と評価尺度を提案し、その阻害要因の明確化と要因間の関係の解明を行った。また、LSIのディペンダビリティを向上させる対策を提案し、ディペンダブルLSIの設計フローを提示した。独自技術によるICカードを大学の学生証・職員証として発行し、設計から運用まで一貫してディペンダビリティの一万人規模の社会実験を行える環境を実現した。
著者
南 俊朗 廣川 佐千男 伊東 栄典 池田 大輔
出版者
九州情報大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ICT技術の進展を受け図書館は様々な取り組みを行ってきた.Webサイトを開設し外部に向けた情報発信を積極的に行い,Web経由での蔵書検索を可能とし,貴重図書のディジタルデータの公開,電子ジャーナルの充実などを行ってきた.本研究は,図書館における次なる段階として評価情報などを利用した図書推薦システムに着目し,そのシステム要件や運用に関する基礎的な検討を行い今後の実用化への道しるべを与えることを目的に実施された.このような図書推薦システムの実現には,(1)評価情報などの収集,(2)情報の解析,(3)結果の提示,などが必要となる.これらに関する次のような研究を行い,また,その成果を国際会議などで発表した.(1)収集:評価情報への基礎データには,図書館外部情報,図書館サイトで収集された情報,図書館内収集の資料利用データなどがある.この認識の下,特定トピックに関するWebページを収集するトピッククローラーを開発しWebページからの情報抽出技術を研究した.また,RFID技術を利用したインテリジェント書架による館内での図書利用データの収集技術を研究し予備的実験を実施した.(2)解析:図書の評価情報を含む幅広いメタデータを対象とした解析技術を研究した.書評リストや音楽のプレイリストも対象とした.評価データ抽出へ適用するために,大量の項目リストから類似項目を発見する技術も研究した.またインテリジェント書架で収集された利用データを解析し,図書館や図書館利用者にとって有益な知見を得る手法を研究した.(3)提示:図書推薦サービスはそれだけで独立したものではなく,図書館ポータルサイトにおける利用者インタフェース全体の問題との認識の下,検索結果を鳥瞰して提示する技術を研究しWeb情報の統合化に関する研究成果を学内ポータル構築に適用した.これらの研究成果は,今後図書館で普及すると考えられる利用者への個別(Personalized)サービスなどに有効であるものと期待される.
著者
廣川 佐千男 伊東栄典 下司 義寛 Yufeng Dou 池田 大輔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.108, pp.31-36, 2005-11-02

iPodに代表される携帯メディアプレーヤーの出現により音楽業界の状況が大きく変わりつつある。iTMSに登録された個人的プレーリスト群に現れる曲目やアーティストの出現頻度の解析により、相互関連を表す概念グラフを構築する方式を提案する。Portable music players are chaning the music entertainment environment. They can download the music through network. This paper proposes a method for extracting relation and popularity of songs and artists which appear in playlists of iTMS(iTunes Music Store).
著者
池田 大輔 木藤 基樹 馬場 慎也 井上 創造
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.12-16, 2008-10

著者らは機関リポジトリの概念を拡張し,SNSを用いた認証認可基盤上で機関リポジトリやバージョン管理システムなど他のサービスをゆるやかに連携する研究活動支援のモデルを提案し,プロトタイプを開発してきた.このモデルにおいては,様々なサービスとの連携が鍵になる.本稿では,サービスの一つとして写真共有サービスFlickrとSNSとの連携を行ったので,これについて報告する.