著者
江間 有沙 秋谷 直矩 大澤 博隆 服部 宏充 大家 慎也 市瀬 龍太郎 神崎 宣次 久木田 水生 西條 玲奈 大谷 卓史 宮野 公樹 八代 嘉美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.322-330, 2016-08-01 (Released:2016-08-01)
参考文献数
10

人工知能技術の「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)」のためには多様なステークホルダー間による対話・協働が不可欠である。本研究では,情報学系研究者のほか情報学の倫理的・法的・社会的問題を考える人文・社会科学研究者,政策系の専門家やSFなど創作/編集活動関係者,メディア,一般市民など多様なステークホルダーにアンケート調査を行った。10年後の運転,育児,介護,人生選択,健康管理,創作活動,防災,軍事の8分野では,全体として運転・防災・軍事分野など「知的な機械・システム」の導入に社会的合意が必要とされる分野の機械化には積極的な意見が多い。一方,ライフイベントにおける意思決定や健康管理など個人選択に委ねられる分野は「人間が主体で機械を活用する」傾向にあった。回答者の専門や価値観,経験によって意見は多様であり,個別の技術導入場面において機械と人間の関係をいかに創造的に組み替えていくかの議論が重要である。
著者
大澤 博明
出版者
熊本大学
雑誌
熊本法学 (ISSN:04528204)
巻号頁・発行日
vol.124, pp.75-91, 2011-11-30

小稿の目的は、生還を期せないとする悲壮な大鳥の覚悟はどのような文脈で発せられたのかを検討することにある。
著者
篠田 孝祐 鳥海 不二夫 片上 大輔 大澤 博隆 稲葉 通将
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

コミュニケーションゲームである人狼ゲームを人工知能における標準問題として考えた場合、どのような課題があり、必要とされる技術要素を検討する。また、この人狼ゲームを、人工知能プログラムが参加してゲームを行う競技会を開催することで、発展が期待できる分野を考察する。
著者
阿部 和子 柴崎 正行 阿部 栄子 是澤 博昭 坪井 瞳 加藤 紫識
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.245-264, 2014 (Released:2015-01-31)
参考文献数
70
被引用文献数
1 1

本研究の目的は,「おんぶ」や「抱っこ」という身近な育児行為の変化とえじこ,子守帯,ベビーカー等の育児用品の変化と現状の検討を通して,近代日本における子育ての変化の過程を考察するものである.「おんぶ」は,子守や家事の必要性から生れた庶民の育児法であり,その起源は,平安時代にまでさかのぼる.それが明治以降わずか150年ほどの間に「労働のためのおんぶ」から「育児のための抱っこ」へ,日本人の子育てのスタイルが変化をとげた.また明治から昭和の初めにかけて,多くの人々にとっての育児用品は日用品の代替であった.だが第二次世界大戦後,特に,欧米の情報や文化が庶民レベルまで浸透し,普及しはじめる60年代に入り育児用品は家庭で作るモノから買うモノ(商品)へと変化する.モノの豊かさは,ある意味で親子の生活を便利にすると言える.一方,それらは自らの子育ての必要感から作りだされたモノではない.現在,他者から提供されるあふれるモノの中で,その使い方さえ教えてもらわなければならないという逆転現象を生んでいる.それがモノにたよる育児へと変化し,もはや商品化されたモノがないと育児が難しい状況である.子どもの成育環境の悪化が叫ばれる昨今,本研究で取り上げた諸事象は,一考すべき問題であろう.
著者
村上 唯斗 野澤 博孝 高橋 純
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45025, (Released:2021-08-03)
参考文献数
18

社会のDXに伴い情報活用能力の育成が求められているが,多くの学校では,能力の育成以前に,関連する指導を実施できているかに課題がある.そこで本研究では,教員が情報活用能力指導の実施状況を把握するための児童生徒を対象としたチェックリストを開発した.「情報活用能力の体系表例」を網羅するような項目の作成,児童を対象とした試行を経て「情報と情報技術の適切な活用」14項目,「問題解決・探究における情報活用」21項目,「情報モラル・情報セキュリティ」9項目からなるチェックリストを開発した.チェックリストを児童を対象に実施し,その結果の考察を担任教員に依頼した.その結果,チェックリストの結果は,教員のもつ知見と組み合わせて考察されることにより,情報活用能力指導の実施状況を把握するために有効であったことが示された.
著者
三浦 義正 矢野 智則 坂口 美織 井野 裕治 角田 真人 Tsevelnorov Khurelbaatar 小林 泰俊 坂本 博次 林 芳和 砂田 圭二郎 大澤 博之 福嶋 敬宜 山本 博徳
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1747-1755, 2018-12-25

要旨●小腸腫瘍の治療前評価における超音波内視鏡(EUS)の役割は,質的診断と腫瘍深度診断であり,内視鏡治療に直結するため重要である.しかし,小腸腫瘍は上皮性腫瘍,非上皮性腫瘍共に発見時に内視鏡治療になる可能性は低いため,臨床でのEUSの使用は限られる.一方,Helicobacter pylori陰性者が増加する中で,十二指腸腫瘍を発見・治療する機会が増えている.特に表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の治療においては,腫瘍のサイズ,形態,リスク・ベネフィットを考慮して治療法を選択するが,EUSは手技の安全性を確保する上で重要である.本稿では,小腸腫瘍に対する診断・治療について,実臨床で比較的遭遇する疾患を中心に解説する.
著者
大澤 博隆
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.1F23, 2018-07-30

<p>本研究では人工知能応用の一つとして、自分のカードが見えない状況下で相手と協力しカードを順番に揃える協力ゲームHanabiを解く。本ゲームでは相手に教えられる情報に制限があり、プレイヤは限られた情報から相手の意図を理解し、自己のカード推測と行動決定を行う。本研究ではHanabiの代表戦略をいくつか検討し、計算機上でシミュレートすることで、エージェント間でどのように協調行動が起きうるか分析した。</p>
著者
稲葉 通将 鳥海 不二夫 大澤 博隆 片上 大輔 篠田 孝祐 西野 順二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

我々は,コミュニケーションゲーム「人狼ゲーム」を行う人狼ゲームエージェントの実現を目指している.人狼ゲームでは,プレイヤーは自分の真の意図を隠しつつ意見を述べる必要がある.本研究では,人間らしく振る舞う人狼ゲームエージェントの実現に有用な知識獲得を目指し,出された意見に対するプレイヤーの行動を同調・反駁という観点から分析を行う.
著者
大澤 博隆 今井 倫太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.5, pp.17-22, 2008-01-22

本研究では,擬人化パーツを用いて人工物を直接エージェント化し,人工物の機能を直感的に提示するディスプレイロボットを提案する.エージェントを介した物体の情報提示手法として,従来では擬人的なエージェントを介してユーザへ情報を伝達する手法が主流であったが,ディスプレイロボットは物体を直接擬人化し,情報の提示者と説明対象を同一にするため,従来手法と比較して,より直感的なユーザへの情報提示が可能となる.本研究では擬人的なエージェントであるヒューマノイドからの機能説明と擬人化した物体からの機能説明を実験で比較した.その結果,ユーザは擬人的なエージェントからの機能説明よりも擬人化された物体からの機能説明をより多く記憶していることが分かった.We propose "Display robot" that anthropomorphize an artificial object directly. Display robot can give users function of object intuitively. Past studies represented information via anthropomorphized humanoid robot or CG-agent. Display robot achieves more intuitive information giving by making information presenter and target object as same. In this study, we compared function presentation from anthropomorphized object and humanoid-robot by experiment. An result says that participants of the experiment remembered more functions in the anthropomorphized object situation than humanoid-robot situation.
著者
高山 周太郎 大澤 博隆
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.3F3OS14a01, 2019 (Released:2019-06-01)

人狼ゲームを対象とした研究は人間との高度なコミュニケーションをとるエージェントの実現などへの応用が期待できる。しかし、人狼ゲームを対象とした非言語コミュニケーションの分析はこれまでほとんどされてこなかった。本研究では、人狼ゲームをプレイする人間のジェスチャーとゲーム結果との関連性を調査する。ジェスチャーに関するいくつかの指標を設け、それを定式化することで、ゲーム中に見られるジェスチャーの定量的評価を試みた。これらの指標のいくつかで、人狼ゲーム中でのプレイヤーの役割が測定出来ることがわかった。例えば、ゲームの勝敗には占い師と狂人がそれぞれどの程度リーダーシップを取っているかに影響を受け、それをプレイヤーの両腕の開き具合で測ることが出来る。
著者
船木 洋晃 佐々木 彬 岡崎 直観 乾 健太郎 深田 陽介 竹下 隆一郎 田森 秀明 野澤 博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回全国大会(2014)
巻号頁・発行日
pp.1K32, 2014 (Released:2018-07-30)

本研究では2013年の参議院議員選挙より解禁されたインターネット選挙を受け、 ツイッター上での選挙運動を分析し、実際の選挙結果との相関を考察する。さら に,特定の候補者に対する当選・落選を期待する言語表現から当選運動・落選運 動を予測する分類器を生成し、各候補者に関する運動の盛り上がりを分析する。
著者
平田 佑也 稲葉 通将 高橋 健一 鳥海 不二夫 大澤 博隆 片上 大輔 篠田 孝祐
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

本研究ではコミュニケーションゲームとして知られる「人狼」をプレイできるエージェントの構築を目指している.人間同士での人狼プレイログから,プレイヤー自身がどのように振る舞うか,他プレイヤーに対してどのような判断を下すのかといった情報を取得し,任意のゲーム状況における行動の選択確率を求めた.これを用いて人狼エージェントを作成し,人間同士でのゲーム結果と似たものとなるか,シミュレーションを行った.
著者
永江 尚義 有澤 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.436-443, 1994-03-15
参考文献数
9
被引用文献数
2

本稿では関数型データモデルに対する新しい検索手法を提案する。関数型データモデルでは、現実世界のデータの意昧を完全かつ特定の物理構造に制約されない平坦な形式でデータベースヘ蓄積するために、単純なデータの二項関係だけを用いて情報をモデリングする。しかし、このような関数型データベースでは膨大なデータが複雑に絡み合うような構造によって表現されるデータ(例えば、文書や図形なぎの階層構造を持つデータ)をそのままの形でユーザに対して提供することはできない。なぜなら、構造を持ったデータもデータベースヘ蓄積する際に単純な二項関係に細かく分解されるため、もともとのデータが持っていた階層なぎの構造情報がデータベース中ではさまざまな二項関係の中に埋没され、明確に区別されなくなってしまうからである、本稿ではデータベース中の二項関係のデータの集合から複合オブジェクトを生成するための構造化オペレータを定義する。このオペレータを用いることにより、データベース中の二項関係には本質的な上下関係がないために、1つのデータベースから容易にさまざまな階層構造を持つ複合オブジェクトを生成することができる。
著者
藤澤 博康
出版者
広島大学英文学会
雑誌
英語英文學研究 (ISSN:02882876)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.27-38, 2012

Since the appearance of Alain Corbin's The Foul and The Fragrant, many studies on the history of senses have been published. Some Shakespearean scholars have just begun to learn from these studies and apply their achievements to the interdisciplinary studies of Shakespeare, along with the study of the topos, the "banquet of sense" in Elizabethan poetry. This essay first glimpses Francois Quiviger's point that "smell was considered an intermediary sense between the corporeal world of taste and touch and the spatial universe of sight and hearing," and that the smell gradually comes to be associated with the brain, which improved its status in the hierarchy of the five senses. As for the importance of sight in the Age of Enlightenment, the essay also mentions Constance Classen's study of the shift in the use of roses from the material of perfumes to the objects of visual appreciation. It never forgets to remind us of Stuart Clark's remark that the sixteenth century English poetry was the rich source of suspicions about the eyes." Owing much to these historians' points, this essay focuses on the representations of the sense of smell in William Shakespeare's The Sonnets and tries to show how this sense functions within the poetry.Next, this essay analyses many sonnets designed to praise the beautiful appearance and virtues of the young man through the sense of sight in The Sonnets. Despite the numerous admirations of him, the poet similarly expresses his anxiety of failing to understand the young man's heart and his disgust at the excessive ornaments and luxurious clothes that take away from the young man's natural beauty. These are the cases, this paper maintains, that prove the poet's disbeliefs in sight.Given this, the essay goes on to suggest that the poet is very confident in what he perceives not through the eyes but through smell throughout the work. For the poet, the young man is the example of the smell by which he can judge everything according to whatever odour it emits. In terms of the advantages of the smell in The Sonnets, this essay chooses the topic of distillation as a typical instance of the poet's distinguishing genuine nobleness from vulgar fellows. We can extract the essence of, say, roses, by distillation. The poet is keenly aware of the mysterious process of the art and makes the most of it to emphasise the difference of the noble nature of the young man compared with others. He also employs the theme as a strategy for running counter to Time' s destruction.Following the discussions about the young man, the paper shifts its focus from him to the dark mistress, the other love of the poet. It calls our attention to the surprising fact that the poet never praises the dark mistress' smell throughout The Sonnets. Although the poet attempts to use the topos of a "banquet of sense" in order to represent her, he later declines it, saying that no senses "desire to be invited / To any sensual feast with thee alone." ('Sonnet 141' 8) Taking that fact into account, this essay argues that it is true that no senses including the sense of smell fascinate the poet, but that 'Sonnet 141' is dramatically successful in completely subverting the poet's evaluation of the dark mistress by making him confess honestly, "But my five wits nor my five senses can / Dissuade one foolish heart from serving thee..." (Sonnet 141' 9-10)Besides the examples that deal with sight and smell, the paper points out that representations of taste and touch in The Sonnets are mainly concerned with the dark mistress, not the young man, and that in those sonnets dedicated to her, the poet does not hesitate to openly express his carnal desire or hopes to touch her while he merely worships or fears the betrayal of the young man in the other sonnets of the work.In conclusion, the essay maintains that sense of smell makes the most of its "intermediary" nature classified just between the high sensorium such as seeing and hearing and the low sensorium like taste and touching and supplements the defects of sight that often fails to perceive the young man's heart. It is true that the poet may oscillate between the high and the low sensoria which the two main masks in The Sonnets, the young man and the dark lady, respectively correspond to. However, he firmly believes in the power of sense of smell in that he can intuitively sense through it what the essence and truth is represented in the form of the young man.