著者
會澤 綾子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0190925a, (Released:2019-10-18)
参考文献数
51

Ashforth and Anand (2003) は、組織の中で複数人によって行われるグループレベルの集合的不正行為 (collective corruption) に着目し、その発生メカニズムについてフレームワークを提言した。そして、組織内で複数人によって不正行為が行われ継続していくことを「不正行為が常態化する (normalized)」と表している。常態化するまでの要因は、(1) 制度化、(2) 合理化、(3) 社会化の三つに分けられる。リーダーシップにより始まった不正行為は組織内で埋め込まれルーティン化することで制度化されていく。そしてその行為は合理化されることで関わる人々の概念を再構成していく。本来であれば誤りに気付くはずの新規加入者も、不正行為を行う組織に取り込まれ社会化されていくため、常態化した不正行為を止めることは非常に難しい。Ashforth and Anand (2003) の提言は、企業における不正行為が組織ゆえに発生し、かつ継続してしまうということを改めて認識することになるだろう。
著者
安藤 聡子 澤 綾子 エドモンズ マチルダ
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.502-511, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)
参考文献数
11

クラリベイト・アナリティクス社が提供する学術情報プラットフォーム「Web of Science」上の引用索引データベース「Web of Science Core Collection」に追加された,新しい引用索引ファイル「Emerging Sources Citation Index(ESCI)」を概説する。同時に引用索引の有用性検討の歴史を振り返るとともに,ESCIと従来のジャーナル引用索引であるScience Citation Index(SCI),Social Sciences Citation Index(SSCI)等との違いやインパクトファクターとの関係,ESCIの登場に伴う最新のジャーナル審査基準および審査プロセスの変更点を概説する。
著者
金澤 綾子 内田 貴之 相原 啓二 蒲地 正幸
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.19-23, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
10

症例は77歳,女性。腰椎固定術後,入院中にショックとなりICUに入室した。入室時は心拍数50 /minの高度徐脈,血圧測定不能の状態であった。採血上,イオン化マグネシウム(iMg2+)2.34 mmol/Lの高マグネシウム(Mg)血症を認め,これがショックの原因と考えられたことから,緊急血液透析を導入した。血中Mg濃度の低下とともに徐脈は改善し,ICU入室3日目にはショックを離脱した。本症例においてはICU入室25日前より麻痺性イレウスの診断で酸化Mg製剤の内服が開始された経緯があったが,血中Mg濃度は徐々に上昇したのではなく,ICU入室当日に急激に上昇していた。この急激な濃度上昇は,イレウスに伴って腸管粘膜からのMg吸収が亢進したためと推測された。酸化Mg製剤の投与に際しては,腸管からの吸収促進の病態がある場合には慎重に行う必要がある。
著者
會澤 綾子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0201009a, (Released:2020-11-17)
参考文献数
14

Ashforth and Gibbs (1990) は、組織が正統性を獲得しようと過度に主張することが、かえって構成員からの正統性を失ってしまうという悪循環を述べており、これを「諸刃の剣 (double-edge)」と定義した。そして、組織が正統性を求めるプロセスを「実質的管理法」「象徴的管理法」に分けたうえで、当該プロセスが実行される局面および当該プロセスを実行するアクターの態度から、諸刃の剣になりやすい条件を提示している。Ashforth and Gibbs (1990) によれば、正統性を「拡充」「防御」する局面では、象徴的管理法になりやすく、アクターが「不器用」「神経質」「大げさ」な過度な主張を行うことで、かえって正統性の低下を生みやすくなる。つまり、手法の選択だけが問題なのではなく、正統性が求められる局面や、アクターの態度によって構成員による正統性の認知は変わりうるということである。構成員による正統性の認知低下は、必ずしも正統性の欠如ではなく、悪循環の結果なのである。
著者
佐久間 幹雄 金澤 綾子 丹羽 麻由美 富山 明俊 柏木 秀樹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.79-84, 2019 (Released:2019-06-14)

これまでの特許情報解析では、出願件数や登録件数を指標として解析が行われてきた。例えば、競合企業の注力技術を解析したい場合、軸となる技術分野を細分化する工夫は様々な視点で行われてきたが、プロットされるのはあくまで「件数」であった。そこで、この研究では、発明者のグループを詳細に解析することにより、特定の技術開発に携わる「人数」を割り出し、特許件数だけでなく、開発者数も含めた総合的な視点で注力技術が探れないか、試行してみた。特に今回は、過去の前例が少ない中国企業における中国特実出願を母集団とした発明者グループ解析を試みたので、その結果とともに、解析における注意点や新たな発見も併せて報告する。
著者
會澤 綾子
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.174-179, 2021 (Released:2021-08-21)
参考文献数
7

In this study, corporate corruptions cases were collected and classified into 17 categories, and we found that the status of submission of third-party reports was focused on specific types of corruption. These specific corruptions have two characteristics: “organizational” and “low clarity of norm deviation conditions.” Thus, they may not be related to a particular person’s ethics or motives, and they are likely to become normal and continue if there is a structural equivalence network. When corruption occurs, the motive could be an issue, but the person involved may be doing it without any special motive. Although there are cases in which organizational wrongdoings focusing on organizational networks are proposed, the discussion is not sufficient, and it can be said that this is an important issue for which organizational factors should be clarified.
著者
竹中 賢治 小林 淳 金澤 綾子 足立 佐知 小田 奨 佐々木 眞悟
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.41-46, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
3

特許情報の分析結果から、商品開発戦略や知財戦略立案に役立つ情報を抽出する際に、「SWOT分析」は、複雑な作業を必要とせず実用性は高い。一方、これら戦略立案事例は、企業内で閉じられて紹介される機会は少なく、筆者らは、具体的な題材を扱い、SWOT分析の実践事例を重ね、その実用性を確認してきた。 そして、近年着目される技術の中から機能性塗料の分野で遮熱塗料について焦点をあて、遮熱塗料に関連して出願された特許情報をもとにSWOT分析を行い、商品開発戦略の創出作業を試みた。戦略創出の検証作業は「塗料」業界大手事業者のK社にあてはめて行った。 特許情報を分析し、「SWOT」情報を得ようとする際、「S(強み)」情報の抽出過程において難しさがあることがわかり、この点の打開策を思考し考察した。強み把握に対する提言をまとめるに至ったので報告する。
著者
會澤 綾子
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.18-31, 2022-12-20 (Released:2023-12-23)
参考文献数
43

There is a case to be made for organizations adopting ethical norms; it has been shown to be seen as legitimate even when it is symbolic. Institutional isomorphism means that the organization type is the same; it does not necessarily mean that the organizational activities are also homogeneous. In this study, I conduct a comparative analysis of the impact of institutional isomorphism and the diversity of organizational activities using the compliance system. The eight companies that were selected vary in size and industry and are isomorphic in terms of their type, but their organizational activities are diverse; these are divided into first-stage activities such as regulations, second-stage activities such as education and training, and third-stage small-group activities conducted at site. Five of the eight companies have brought about changes in their organizational activities in response to past scandals, which are of three types: (1) systems improvement, (2) elimination of misconduct, and (3) company-wide response. However, two of the five companies that had implemented systems development and elimination of misconduct reported yet another incident. The behavior that was reported was not a clear-cut deviation from the norm, and it is highly likely that the individuals involved do not consider their behavior to be deviant or errant. While some corrupt practices are clear violations of the norm, there are others that are difficult to categorize as such and fall into a grey area. Hence, there should be diversification of activities within the organization to prevent a range of corrupt practices, which is possible even in an isomorphic system.
著者
田澤 綾子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.230-233, 2023-06-01 (Released:2023-06-01)

CAS SciFindernはCASが提供する科学情報検索ツールである。世界中の論文・特許,化学物質,反応,物質の規制情報や試薬カタログ情報など,科学に関係する情報を網羅的に検索でき,解析機能も充実している。本稿では,CASが独自に開発したAIベースの先行技術文献を検索する機能Prior Art Analysis,特許の共同出願,共著者,主題などが視覚的にわかるKnowledge Graph,および物質の構造類似性に基づき特許マップを作成するChemscape Analysisの3つの解析機能について紹介する。
著者
會澤 綾子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0170716a, (Released:2017-08-04)
参考文献数
23

Weick (1987) は、高信頼性組織を支える三つの要因 (1) 必要多様性、(2) 信頼性の特徴、(3) イナクトメントについて論じている。複雑なシステムへの対応には限界があるという前提に立ちながらも、個人や組織によって打ち勝つ可能性や、物語を通じた組織文化の重要性を提言するものである。全体を通じて多様性について繰り返し語っていることにも特徴がある。高信頼性組織の研究では、のちにWeick, Sutcliffe, and Obstfeld (1999) やWeick and Sutcliffe (2001) によってフレームワークが構築され、マインドフルネスという概念が提示されるが、Weick (1987) で提唱される多様性はこのマインドフルネスを読み解くキーワードにもつながると考えられる。
著者
安藤 聡子 澤 綾子 エドモンズ マチルダ
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.502-511, 2017

<p>クラリベイト・アナリティクス社が提供する学術情報プラットフォーム「Web of Science」上の引用索引データベース「Web of Science Core Collection」に追加された,新しい引用索引ファイル「Emerging Sources Citation Index(ESCI)」を概説する。同時に引用索引の有用性検討の歴史を振り返るとともに,ESCIと従来のジャーナル引用索引であるScience Citation Index(SCI),Social Sciences Citation Index(SSCI)等との違いやインパクトファクターとの関係,ESCIの登場に伴う最新のジャーナル審査基準および審査プロセスの変更点を概説する。</p>
著者
會澤 綾子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.193-204, 2017-08-25 (Released:2017-08-25)
参考文献数
23

Weick (1987) は、高信頼性組織を支える三つの要因 (1) 必要多様性、(2) 信頼性の特徴、(3) イナクトメントについて論じている。複雑なシステムへの対応には限界があるという前提に立ちながらも、個人や組織によって打ち勝つ可能性や、物語を通じた組織文化の重要性を提言するものである。全体を通じて多様性について繰り返し語っていることにも特徴がある。高信頼性組織の研究では、のちにWeick, Sutcliffe, and Obstfeld (1999) やWeick and Sutcliffe (2001) によってフレームワークが構築され、マインドフルネスという概念が提示されるが、Weick (1987) で提唱される多様性はこのマインドフルネスを読み解くキーワードにもつながると考えられる。