著者
野池 賢二 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.48, pp.45-50, 2003-05-16
被引用文献数
4

蓮根(Performance Rendering Contest)の演奏コンテストに参加するための"Rencon エントリキット第 1 版"の仕様について述べる."Rencon エントリキット"に含まれる,共通の土俵上でシステムを評価するための学習用データのファイル形式,提供するツールの機能について述べる.This paper reports a Rencon-Kit for Performance Rendering Contest. In this paper, we are going to examine an environment on which, the performance of the rendering systems are compared and evaluated. We illustrate the file format to describe the score and performance data and some tools, aiming at the competition of the Performance Rendering systems, which are equipped with learning or reasoning functions.
著者
橋田 光代 野池 賢二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.100, pp.65-70, 2002-10-25
参考文献数
4
被引用文献数
6

本稿では,演奏ルールを与えて音楽に表情を付けた場合と,人間がマニュアルで表情付けを行った場合における各パラメータの与え方の差異について述べる.比較のために,あらかじめ手入力(打ち込み)で作成した演奏事例を用意し,次にその演奏を目標としたルールを考案し,音高,発音時刻,音価のみ記述したStandard MIDI File (以下,SMF)に適用した.今回はショパンの「別れの曲」に記述されている記号情報,楽語について検討を行ったところ,その多くは一般化できるのではないだろうかという手ごたえがあった.This paper describes an analysis of music performance rendering of differences between manual rendering and rule-based rendering. We rendered two types of MIDI sequences; we first made a MIDI sequence by manual with complete expressions, and then made another one by rule-based processing for targeting the manual data. This time the information clearly including a score such as slur, dynamics, and articulations are considered. We could except some of the rules created for Chopin's Etude Op.10-3 would generalize for other pieces...
著者
土橋 佑亮 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.90, pp.31-36, 2006-08-07
参考文献数
11
被引用文献数
4

音楽ジャンルはWeb上での楽曲検索において有力な指標となる.これまで音響信号を用いての様々な音楽ジャンル解析の研究がなされてきたが そのほとんどは様々なパートが混成する音楽を対象していた.本稿では複音からの音源分離が比較的容易なベースパートに注目したジャンル推定を取り扱う.まずスケール リズム 音色の等の特徴量の設定と有効性の考察をし それらを用いてマハラノビス距離 F値最大境界による実験を行う.更にMusic Islandを利用し ジャンルの可視化と島の変化を調べる.マハラノビス距離による音楽ジャンル解析において Metal/Punkでは73% Jazz/Bluesでは80%の認識率を得た.Music Islandにおいては 注目する特徴量に応じて島が変化することを確認した.Musical genre helps us to search for songs on the web. Most of the previous works have focused on audio signal analysis for the pieces composing of various instruments. This paper presents an approach to music genre classification focusing on base part,the fundamental frequency of which is comparatively easy to be estimated. First, the paper describes features regarding scale, rhythm, timber, and examine those validity. Next, this paper describes about twe experiments based on maharanobis distance and one song to multi-genre correspondence. Finally, we illustrated music genre visualization with Music Island based on SOM. Experimental results by using mahalanobis distance show success rates of 78% for Metal/Punk, and 80% for Jazz/Blues. And we confirmed transformation of Music Island depending on each features.
著者
土橋 佑亮 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.90(2006-MUS-066), pp.31-36, 2006-08-07

音楽ジャンルはWeb上での楽曲検索において有力な指標となる.これまで音響信号を用いての様々な音楽ジャンル解析の研究がなされてきたが そのほとんどは様々なパートが混成する音楽を対象していた.本稿では複音からの音源分離が比較的容易なベースパートに注目したジャンル推定を取り扱う.まずスケール リズム 音色の等の特徴量の設定と有効性の考察をし それらを用いてマハラノビス距離 F値最大境界による実験を行う.更にMusic Islandを利用し ジャンルの可視化と島の変化を調べる.マハラノビス距離による音楽ジャンル解析において Metal/Punkでは73% Jazz/Bluesでは80%の認識率を得た.Music Islandにおいては 注目する特徴量に応じて島が変化することを確認した.
著者
福嶋 良平 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1756-1764, 2017-11-15

ビデオゲームの世界観を構築するうえで,Non-Player-Character(以下NPC)にタイプの異なった性格付けを行うことはデザイン上の重要なタスクである.従来,これらの性格付け,それらが表出するNPCの振舞いについては,ゲーム制作者の経験的知識によって実装されてきたが,プレイヤが見出すNPCの性格とは,与えられた制約条件下で最適化が行われた結果,典型化した振舞いに対して付与されたラベルとみることもできる.本研究では,この考え方に基づき,島モデル遺伝的アルゴリズム(以下島モデルGA)を用い,先験的な情報を与えずに個性が表出するNPCの振舞いを獲得する手法を提案する.提案手法を2Dアクションゲームに対して実施したところ,慎重型,積極型などのように解されるNPCの振舞いが獲得された.
著者
岡野 真一 片寄 晴弘 井口 征士
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.67(1997-MUS-021), pp.67-72, 1997-07-20

本研究はモデルにもとづく雨音の生成を目標とし,そのためには()一粒の雨滴の音のモデル()雨滴の落下分布モデルを作成する必要があると考えている.本稿では()についてはサンプル音で代用するものとし,()のモデルを構築して雨音の生成を行った様子を紹介する.またそれについての考察も述べる.アプリケーションの構築には,Sillicon GraphicsのIRIX (SF/Motif,AudioLib等)を利用し,音の生成から出力までを1台でリアルタイムに行えるよう設計している.このモデルは気象学のデータに基づいており,雨量等が変化したときの雨音を生成することが可能である.
著者
野池 賢二 橋田 光代 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.16, pp.25-29, 2003-02-21
参考文献数
7
被引用文献数
3

二つの演奏の表情パラメータ値をモーフィングするツールMortonのWeb版を実装した.Web版MortonであるWebMortonは,演奏表情パラメータ値をモーフィングする機能に加えて,二つの演奏に対するユーザの識別境界を示す機能が組み込まれている.この機能とWeb版になったことにより,誰でも自分の識別境界を知ることができる.演奏表情パラメータ値のモーフィングという新しい考えによるこれまでにない演奏の生成は,単に実験ツールというだけではなく,音楽教育の現場,エンターテイメントの分野での活用が期待できる.
著者
青野 裕司 片寄 晴弘 井口 征士
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J82-D2, no.11, pp.1847-1856, 1999-11-25

本論文では,人間の演奏に反応し即興的合奏を実現するセッションシステムの開発について述べる.本システムの特徴の一つとして,従来のセッションシステムにおいて主流であったMIDI楽器の代わりに,ピアノやギターといったアコースティック楽器を利用する点がある.セッションシステムでは,和音に代表される複合音が入力できること,そして入力された音楽情報をリアルタイムに解析できることが必要である.本システムは,和音構成音のピッチや正確な発音時間といった,詳細な音楽情報は解析の対象としないという制約のもと,楽器音がハーモニックであることを利用した信号処理によって,実時間での和音名の認識を行う.この手法を用いた,3度重ね四和音に対する認識率は,95%を超えることを実験によって確認した.加えて,楽曲の最小反復単位を自動的に抽出する機能をもたせることにより,事前に楽譜を必要としないセッションシステムを実現した.
著者
山岡 晶 風井 浩志 片寄 晴弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第71回, no.コンピュータと人間社会, pp.721-722, 2009-03-10
著者
北原 鉄朗 戸谷 直之 徳網亮輔 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2949-2953, 2009-12-15

本稿では,ユーザとシステムが相互に演奏を予測することで合奏を進行させるジャムセッションシステム「BayesianBand」について述べる.このシステムでは,コード進行をあらかじめ決めておかずに,ユーザの演奏をリアルタイムに予測してコード進行を決定する.ユーザはシステムが決定するコード進行を予測しながら即興演奏をすることで,相互予測に基づくジャムセッションを楽しむことができる.This paper describes a jam session system, called BayesianBand, where the user and system mutually predict each other's performance. Not assuming that the chord progression is determined in advance, this system predicts the user's melody and then determines the chord progression in real time. By improvising while predicting the chord progression generated by the system, the user can enjoy a jam session based on the mutual prediction.
著者
片寄 晴弘 福地 健太郎 寺田 努 松浦 昭洋 橋田 光代
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-6, 2015-02-23

エンタテインメントコンピューティングや音楽情報科学の研究領域においては多数の 「楽しい」 インタラクティブシステムが制作されてきた.本企画セッションでは,福地氏 (明治大),寺田氏 (神戸大),松浦氏 (東京電機大),橋田氏 (相愛大) を話題提供者として迎え,ショーやイベントにおいて一般聴衆に感動してもらうべく楽しんでいただく (=『魅せる』) ことを目標として,インタラクティブシステムをデザイン/使用するにあたっての課題や解決手段に焦点をあてた議論を実施する.
著者
片寄 晴弘 福地 健太郎 寺田 努 松浦 昭洋 橋田 光代
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学]
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-6, 2015-02-23

エンタテインメントコンピューティングや音楽情報科学の研究領域においては多数の 「楽しい」 インタラクティブシステムが制作されてきた.本企画セッションでは,福地氏 (明治大),寺田氏 (神戸大),松浦氏 (東京電機大),橋田氏 (相愛大) を話題提供者として迎え,ショーやイベントにおいて一般聴衆に感動してもらうべく楽しんでいただく (=『魅せる』) ことを目標として,インタラクティブシステムをデザイン/使用するにあたっての課題や解決手段に焦点をあてた議論を実施する.
著者
野池 賢二 橋田 光代 平田 圭二 片寄 晴弘 平賀 留美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.71-76, 2005-02-18
被引用文献数
10

NIME04のデモセッションとして行ったRencon聴き比べコンテストの模様とその投票結果、および、Rencon研究発表セッションの様子について報告する。投票結果の順位について統計的分析を加えた考察も、あわせて報告する。さらに、考慮していくべき課題と、今後の開催予定についても述べる。This paper reports NIME04 Rencon (Performance Rendering Contest) and its paper session held at the International Conference on New Interfaces for Musical Expression. This paper shows the result of NIME04 Rencon with some statistical analysis,and discusses future works.
著者
藤井 叙人 佐藤 祐一 若間 弘典 風井 浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1655-1664, 2014-07-15

ビデオゲームエージェント(ノンプレイヤキャラクタ:NPC)の振舞いの自動獲得において,「人間の熟達者に勝利する」という長年の目標を達成する日もそう遠くない.一方で,ユーザエクスペリエンスの向上策として,『人間らしい』NPCをどう構成するかが,ゲームAI領域の課題になりつつある.本研究では,人間らしい振舞いを表出するNPCを,開発者の経験に基づいて実現するのではなく,『人間の生物学的制約』を課した機械学習により,自動的に獲得することを目指す.人間の生物学的制約としては「身体的な制約:“ゆらぎ”,“遅れ”,“疲れ”」,「生き延びるために必要な欲求:“訓練と挑戦のバランス”」を定義する.人間の生物学的制約の導入対象として,アクションゲームの“Infinite Mario Bros.”を採用し,本研究で獲得されたNPCが人間らしい振舞いを表出できているか検討する.最後に,獲得されたNPCの振舞いが人間らしいかどうかを主観評価実験により検証する.
著者
加藤 博一 片寄 晴弘 真鍋 佳嗣 山口 証 井口 征士
出版者
大阪大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1996

1)インタラクティブアート作成支援ツールの整備使用可能なジェスチャ情報が多ければ,それだけ,作品を作っていく際の自由度がますわけであるが,そのハンドリングはア-ティストのみならずシステム制作者にとっても煩雑なものである.シンタクスがあっていたとしても,CPUの能力や通信バスの許容量を考慮したプログラミングを行わないと,思い通りに動かなかったり,時にはシステム全体がクラッシュしてしまうことがある.我々は,各シーンのトランディションが明に記述できるMAX上のフレームワークHIATを作成した.HIATでは,音響エフェクトに関するパッチ,音像移動などディジタルミキサに関するパッチ,その他にパターン認識パッチ,トリガー生成不応期パッチ,映像系制御パッチを利用することが出来る.2)VRシステム使用時の緊張状態の生理指標による計測の検討定量的・客観的に心理状態を得る手段として,生理指標を用いた手法が確立されつつある.特に,皮膚電位活動及び心拍活動といった生理指標を用いることで,緊張状態を定量的に評価できることが知られている.本研究では,これらの生理指標を用いて緊張状態に影響を与える要因と生理指標との関係を用いて解析を行い,その結果に基づいて人間の緊張状態をモデル化するという試みを行ってきた.Virtual Performer演奏時における生理指標の計測を行い,演奏時における緊張状態が計測可能であることを確認するとともに,パフォーマ-と観客の生理指標を同時計測し,緊張状態の関連性についての検討を行った.
著者
谷井 章夫 後藤 真孝 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.82(2003-MUS-051), pp.19-24, 2003-08-04

ミキシングにおけるエフェクタや音量,音像定位の設定情報が異なれば,同じ音素材を用いても,楽曲の印象は大きく異なるため,的確なミキシングを行うには,高度な技能と経験を要する.そのため,アマチュアがミキシングに取り組んでも意図した結果を得ることは難しい.近年,商用音楽制作において,計算機上のソフトウェアを利用してミキシングが行われることが多くなったが,基本的に,ミキシングエンジニアが旧来のハードウェアミキサーやエフェクターを用いて実施していた作業を計算機上で可能にするものであり,技能と経験の乏しいアマチュアがミキシングを行う上での支援はなかった.本研究では,経験豊富なミキシングエンジニアの持つミキシングのノウハウをテンプレート化しておき,経験の乏しいアマチュアが自分の制作過程で再利用できるシステムを提案する.
著者
小笠 航 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.77-79, 2014-09-12

ここ数年,プロジェクションマッピングの社会的認知が高まりつつある.ただし,プロジェクションマッピングの鑑賞者は,その内容に関与することはできない場合が多い.本稿では,タブレット端末を用い,多人数の鑑賞者が映像の内容やエフェクトにリアルタイムに関与することを可能とするアプリケーョンを提案する.これにより,映像内に複数ユーザによる動きを反映させ,ユーザ同士のインタラクションを実現することができる.映像としてだけではなく,アトラクションとしてのプロジェクションマッピングの機会をユーザに提供する.
著者
長嶋 洋一 片寄 晴弘 井口 征士
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.379-380, 1994-03-07
被引用文献数
3

コンピュータ音楽(Computer Music)の分野では、素材となる「音響」の生成は永遠のテーマであり、情報処理パラダイムや信号処理システムの進展とともに多くの楽音合成方式が研究されてきた。また、非線型力学現象である"Chaos"については多くの研究・応用が続けられており、コンピュータ音楽の領域でもに"Chaos"や"Attractor"に関連した試みがいろいろなアプローチによって行われている。ここには、音楽における基本的なFracral構造が、音楽構造レベル・音楽要素レベルだけでなく、音響素材レベルの段階においても階層化できないか、という根本的な課題がある。本稿では、この非線型力学の手法にもとづいた楽音合成の方式の検討と、具体的なシステム構築の経過報告として、コンピュータシミュレーションによる検討、DSPシステムによるインプリメント、ハードウェアDSP化とりアルタイム制御システム化について述べる。
著者
勝占 真規子 北原 鉄朗 片寄 晴弘 長田 典子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.163-168, 2008-02-09

本研究では,ベイジアンネットワークを用いたコードネームからの自動ヴォイシングシステムについて述べる.ヴォイシングは音楽的同時性(響き)や音楽的連続性(流れ)を考慮しながらテンションや転回形を決定する必要があり,自動的に決定するのは容易ではない.この問題を解決するため,メロディやヴォイシング進行を考慮した事例学習型のコード・ヴォイシングモデルを構築する.メロディ音に音名ごとの占有度を定義することで音の衝突や不協和を避け,またヴォイシングをbottom,middle,topの3要素に分けることで前後の進行を考慮する枠組みを提案する.事例型システムに伴う自由度の拡大に対しては,モデルを細分化することで対処する.システムではこれらを組み込んだ1つのモデルから,尤もらしいヴォイシングを推測することが可能となる.実際にジャズ楽譜から学習したヴォイシング推定モデルを用いて,妥当なテンションや進行のある結果が出力されることを示した.This paper describes automatic chord voicing system using the Bayesian network. Automatic chord voicing is not easy because it needs to decide tensions and inversions by taking into acount interference with musical simultaneity(HIBIKI) and musical sequentiality(NAGARE). To solve this problem, we construct a chord voicing model based on the Bayesian network which taking into acount interference with the melody and temporal smoothness of the voicings, This model includes melody-node which represents the degree of occupancy per pitch notation, previous and next voicing nodes which are separated 3 elements, and our system infers the most likely voicing from the model. Moreover, we divide the model per root tone of chord to solve the degree-of-freedom problem This modeling makes it possible to take into acount both simultaneity and sequentiality at a single inference process. Experimental results of chord voicing for jazz musical pieces showed that our system generated chord voicings that has appropriate simultaneity and sequentiality.
著者
村主 大輔 森勢 将雅 片寄 晴弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-6, 2010-10-07

日本ではカラオケや DTM の普及によって音楽活動がますます一般化され,年間 200 組以上のアーティストがメジャーデビューしている.それに伴い,新たなジャンルや歌唱スタイルが生まれることは少なくない.その一つの例として,ポピュラーソングに沖縄や奄美大島などアーティスト出生地の特色を出した音楽表現のスタイルが近年注目されるようになっている.そこで本研究は,歌唱スタイルが特徴的な奄美大島出身歌唱者の歌い回しに注目し,一般歌唱を奄美大島出身の歌唱者の歌い回しにするシステムの開発を目指す.具体的には,「グイン」 と呼ばれる奄美大島出身歌手の歌唱音声を歌唱特徴の定量的な分析を実施し,その分析に基づいて,一般歌唱に 「グイン」 を付加するシステムの概要と,その動作結果について報告する.The recent spread of "Karaoke" and DTM has been promoting music production more generally, and more than 2 hundreds musicians make their debuts in Japan. This leads emergence of new singing styles. Among them, "Okinawa-style" or "Amami-style" is typical one that has been popular recently. We have been developing an assistance system for designing "Okinawa-style" or "Amami-style" vocal melodies. In this paper, we report acoustic analysis of "Amami-style," especially singing style called "guin" and propose a "Amami-style" singing generator, called "Guin-Resonator."