著者
若林 二郎 森 寿久 住田 侑 石井 一典 川太 徳夫 飯島 隆
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.28, no.10, pp.913-923, 1986-10-30 (Released:2010-01-08)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

原子力発電所の運転形態を従来の基底負荷運転から負荷追従運転も含んだ形に拡大していく必要が高まりつつある。電力系統の負荷は季節変化,日変化,さらにより小さな時間スケールの変動成分よりなる複雑な変化を示し,それに対応して原子力発電所を運転するには新しい制御方策の導入と複数種の制御手段の有機的な統合利用が必要となる。本稿では,現在盛んに開発が進められているこの種技術の実情について、BWR,PWR,ATRの各炉型ごとに要約して紹介する
著者
藤倉 まなみ 古市 徹 石井 一英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.II_177-II_188, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
42
被引用文献数
3

建設発生土の不適正処理が続いており,自治体が残土条例を制定する動きも継続している.本研究では,その課題の明確化と対策の提案を目的とした.収集した不適正処理事例からリスク,経済的動機,現行法の適用限界,パターンを整理し,ISM法による構造モデル化により不適正処理が排出側の構造と受入地側の構造によることを示した.また神奈川県の2010年度場外搬出データを分析し,公共工事の建設発生土は民間工事に比べ,移動距離と搬出先数が有意に小さく,通達の効果があること,市町村の残土条例は,建設発生土の搬入に対して抑止効果も増加効果も認められないことを示した.都道府県の条例を比較検討し,循環型社会形成推進基本法を根拠として排出者責任を具体化する立法が必要であることを示し,そのための具体的な規制内容等を提案した.
著者
武部 玲央 古市 徹 石井 一英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.II_301-II_312, 2013

本研究は,稚内市及び離島を含む計5地域からなる宗谷地域の生ごみとそれ以外の可燃ごみ中の紙・プラ・布・木くず(燃料ごみ)の両方を対象とし,(1)既設バイオガス施設利用とごみ燃料(RDF)化施設の新設による地域循環圏シナリオを構築し,(2)コスト,リサイクル率,最終処分量を評価軸とし,現状の焼却施設更新シナリオと比較した場合の改善効果を解析し,実行可能な地域循環の構築例を示すことを目的とした.生ごみについては利尻・礼文島からコンテナ–フェリー輸送で稚内市の既設バイオガス化施設に運搬し,燃料ごみについては全ての地域からコンテナ輸送(またはコンテナ–フェリー輸送)し,稚内市で集中的にRDF化し,旭川市の既設製紙工場で利用するシナリオの改善効果が高いことを示した.
著者
石井 一郎 平舘 亮一 東畑 郁生 中井 正一 関口 徹 澤田 俊一 濱田 善弘
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.91-107, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
19
被引用文献数
2

2011年東北地方太平洋沖地震により,東京湾岸に位置する千葉県浦安市では液状化現象で戸建住宅などの建築物やライフライン等に甚大な被害が発生した。浦安市内の被害が大きかったエリアにおいて,地震後にボーリング,サウンディング等の地盤調査を実施して,土質構成および土質特性を詳細に把握した。その結果,埋立砂質土層および沖積砂質土層の一部で土砂の噴出を伴う液状化が生じ,建築物やライフライン等が被災したことを確認した。本稿では,これらの液状化被害が生じた地盤の情報をできるだけ詳細に記述するとともに,表層地盤の土質特性および埋め立て時の排砂管吐出口の位置と建築物や下水道施設の液状化被害との関係を考察した。また、繰返し非排水三軸試験から得られた液状化抵抗比を求めた結果,原位置試験と土の物理特性から得られる液状化抵抗比と良く整合した。
著者
石井 一洋
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.55, no.174, pp.329-336, 2013 (Released:2018-01-26)
参考文献数
47

Generally combustion of premixed mixtures is divided into two modes; deflagration and detonation. These two modes have completely different properties and can be easily distinguished from their travelling speed and propagation mechanism. If a mixture is ignited by a weak ignition source, a deflagration wave is obtained. Under appropriate conditions, a deflagration wave accelerates, resulting in an abrupt transition into a detonation wave. This type of detonation initiation is referred to as deflagration to detonation transition, DDT. In this paper, one-dimensional depiction of DDT phenomena is made, which is followed by the milestone visualization of onset of detonation by Urtiew and Oppenheim. Some reviews are focused on DDT in a smoothed tube and in an obstacle laden tube, including recent progress in these fields. Mechanism of detonation initiation is mentioned on the basis of new findings in numerical works.
著者
福本 二也 古市 徹 石井 一英 蛯名 由美子 花嶋 正孝
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.101-110, 2000-03-31
被引用文献数
1

近年, 最終処分場の建設が, 地下水汚染への不安, 立地選定への疑問, そして事業主体への不信感等を抱く住民の反対により困難になっている。その対策の一環として, 平成9年の法改正により生活環境影響調査および調査結果の住民縦覧が義務づけられた。しかし, 生活環境影響調査だけでは問題の解決にはならず, さらなる情報公開と計画への住民参加が望まれている。本研究では, 中立的な立場において, 地形地質条件に着目した立地選定手法を現実の処分場立地事例に基づき構築し, さらに住民参加を取り込んだ立地選定プロセスのシステム化を行う。さらに別の住民反対が生じた立地選定事例を通じて, 本プロセスの構成方法と有効性を検証した。その結果, 立地選定を行い, 同時に適切な情報公開や説明会等の住民参加を行うことが, 情報公開不足によって生じる住民反対, あるいは住民反対の拡大を予防し, 住民理解の促進に資することを示すことができた。
著者
香阪 絵里 古市 徹 石井 一英 谷川 昇
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第17回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.405, 2006 (Released:2006-10-20)

近年、畜産経営の急激な大規模化により増大した家畜ふん尿の処理が困難になり、野積み・素掘りなどの不適切な管理が増えている。野積み等は、家畜ふん尿の河川への流出や地下水への浸透などにより水質汚染を招く恐れがあるため、早急な解決を図る必要がある。しかし、実際に家畜ふん尿が環境に与える影響は不明確な部分が多く、窒素汚染の因果関係に基づいた対策が求められている。そこで本研究ではA川の現地調査を基に、家畜ふん尿による河川・地下水の窒素汚染解析モデルを構築し、因果関係を定量的に示した。このモデルでは、土地利用に応じて家畜ふん尿が堆積された牧場敷地または堆肥が散布された牧草地から、表流水、地下水を経由して全窒素が流出すると考えた。結果、牧場敷地からも牧草地からも同程度に地下水経由で河川へ流出していること、表流水より地下水の方が河川水質形成の寄与が大きいことを示した。
著者
野嶋 新斗 石井 一洋
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.21, pp."10907-1"-"10907-2", 2015-03-20

In this study, operating conditions of a rotating detonation engine with internal mixing has been studied. Hydrogen and oxygen are supplied separately from gas storage tanks and mixed in an annular combustion chamber. The mixture is initiated by a spark discharge placed at the chamber wall surface. As a result, a strong deflagration after ignition is initially generated in the combustion chamber. The experimental results show that the following stages are involved to achieve stable propagation of the rotating detonation : i) a deflagration wave moves to the downstream, ii) a DDT process occurs in the downstream, iii) a detonation wave propagates in the upstream direction, iv) a rotating detonation is stabilized in the combustion chamber.
著者
石井 一夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.964-969, 2014-08-15

次世代シーケンサーの実用化により,ゲノム配列情報の大量産生が日常的となっており,臨床情報とゲノム情報を結びつけた医療ビッグデータの利活用の促進が期待される.これにより,ヘルスケア分野において革命的イノベーションが起こり,先端医療技術,先端医療情報の社会一般への還元が進むことが期待される.本稿では,これら医療分野に置ける特に,ビッグデータ利活用の現状を医療と技術の両面から概説し,特に,原因が不明でエビデンスに基づく有効な診断法の存在しない精神神経系疾患への展開について紹介する.
著者
若林 二郎 森 寿久 住田 侑 石井 一典 川太 徳夫 飯島 隆
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.28, no.10, pp.913-923, 1986
被引用文献数
2

原子力発電所の運転形態を従来の基底負荷運転から負荷追従運転も含んだ形に拡大していく必要が高まりつつある。電力系統の負荷は季節変化,日変化,さらにより小さな時間スケールの変動成分よりなる複雑な変化を示し,それに対応して原子力発電所を運転するには新しい制御方策の導入と複数種の制御手段の有機的な統合利用が必要となる。<BR>本稿では,現在盛んに開発が進められているこの種技術の実情について、BWR,PWR,ATRの各炉型ごとに要約して紹介する
著者
長崎 暢子 篠田 隆 田辺 明生 石井 一也 油井 大三郎 酒井 啓子 清水 耕介 井坂 理穂
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、近年再評価されつつあるガーンディーに関する文献購読、史資料調査、および現地調査(インドのアフメダーバード、ワルダー、イギリスの大英博物館、南アフリカのダーバンなど)を行い、ガーンディーの歴史的役割の重要な一端(非暴力的な紛争解決)の詳細とその影響を明らかにすることが出来た。具体的には、彼は、当時の南アフリカに存在した紛争(人種差別)を非暴力的に解決する「方法としての非暴力」をこの時代に編み出し、それによって有色人種(インド人 & 中国人)に対する白人の人種差別の一角を崩すことに成功したのである。のみならず、この方法は、北欧、中東(イラン)の紛争解決、米国の人種差別反対運動にも影響を与えた。
著者
石井 一成
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.220-235, 1999-09-16 (Released:2017-04-08)
参考文献数
26

Population genetics theory of molecular evolution under a fluctuating environment was reviewed. Taking the Parity Model (a two allele model under a two state Markov environment) as a prototype model, a comprehensive picture of the stationary evolution under a joint effect of mutation, stochastic selection and random genetic drift due to a finite population size was studied both on the evolution rate and the genetic polymorphism. Besides the neutral mutaion model and the slightly deleterious model as its special cases, this model has a fluctuating evolution case where the evolution rate is approximated by the environment fluctuation rate. General formulas of evolution rate were given for the weak mutation limit and the infinitely large population case. Formula of the index of dispersion of substitution numbers was given for arbitrary jump Markov process model of wild type adaptive state. Power series solution method was developed to calculate the stationary distribution of the replicon frequency for the Parity Model.
著者
石原 咲子 石井 一洋 片岡 秀文
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.56, no.178, pp.355-363, 2014 (Released:2018-01-26)
参考文献数
18

For deflagration to detonation transition (DDT), several explanations on initiation have been given. Nevertheless, the knowledge on DDT is still insufficient for predicting where and when detonation occurs. In order to improve the reproducibility, an ethylene oxygen mixture was ignited forcibly by spark discharge behind an incident shock wave near the wall. The process of flame development was visualized by Schlieren imaging and analyzed by drawing several wave element trajectories on the shock waves ahead of the flame. As a result of varying the timing of spark discharge, detonation initiation was promoted as the boundary layer Reynolds number Reign increases. For Reign of more than 5.0 × 106, DDT was caused at 45 ± 10 μs. The processes of flame development were classified as Mode 1 and 2, which denote Reign of less than transition Reynolds number and more than it, respectively. Although the times for detonation initiation were markedly different in Mode 1 and 2, it was found that the both flame developments were similar. The accelerated flame near the wall propagates in upstream direction along the wall, resulting in approaching the shock wave front. This makes the shock stronger by coalescing of numerous compression waves. As the strengthened shock compresses the unburned gas, the flame was more accelerated, so that at the position where the flame front reached the shock front detonation initiation occurred. The difference of flame development between Mode 1 and 2 was observed in the initial stage in particular in the early 20 μs. Detonation initiation was caused at the position where following three conditions were satisfied: (1) A local Mach number reaches 2.4. (2) The flame front approaches and reaches the shock front ahead of it. (3) A concavity is generated on the flame/shock front, compressing the unburned gas coming into the point.
著者
石井 一夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.190-191, 2022-03-15

機械学習を,アルゴリズムをきちんと理解した上でゼロからプログラミングして実装してみたい方は少なくないに違いない.本書はそのような野心的な読者の夢を叶えてくれるかもしれない.本書は,回帰分析,分類モデル,カーネルモデル,ニューラルネットワーク,強化学習,教師なし学習など,機械学習の全般的な分析法について,原理的なことから丁寧に説明し,Pythonでの実装を示している.分かりやすさを優先して数式的な記述や説明を省いたりせず,Pythonのソースコードについても丁寧に説明されている.機械学習の中身やプログラミングの実装に関し,ブラックボックスな部分が少ないという面で,お薦めの書籍である.
著者
藤岡 潤 青柳 誠司 石井 一久 関 啓明 神谷 好承
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.676-682, 2001-04-05
被引用文献数
1 5

A 6-DOF articuiated robot (PUMA 560) is calibrated by using a taser tracking system according to the multiple positioning method and the effectiveness of this system is certified. A method which calibrates only angle parameters is newly proposed, since there is a possibility that true values of length parameters are directly measured by some other methods. The relationship between sensibility index and the number of measurement are simulated and it is inferred that 10 random measurements with fixed orientation is enough in case of calibrating only angle parameters and 20 random measurements with random orientation is enough in case of calibrating both angle and length parameters. The combination method which obtains length parameters by the joint axis estimating method and calibrates angle parameters by the multiple positioning method is experimentally developed. The accuracy of the combination method and that of the normal multiple positioning method are experimentally investigated. From the results, the effectiveness of the strategy of how to select parameters, number and pose (position and orientation) of measurement, which is mentioned above, is experimentally confirmed. The accuracy of 0.12mm is achieved in wide area and this value is better than already reported ones about PUMA 560.