著者
石川 亮太郎 小堀 修 中川 彰子 清水 栄司
出版者
日本不安障害学会
雑誌
不安障害研究 (ISSN:18835619)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.54-60, 2013-08-31 (Released:2014-01-31)
参考文献数
16

曝露反応妨害法を用いた認知行動療法は,強迫性障害に対して有効な治療法とされている。一方,行動実験(Behavioural Experiments)とは,対象者の不合理な信念の妥当性を実験的手法によって検証する技法であり,強迫性障害に対して有効であると指摘されている。われわれは,複数の加害恐怖に関する症状を持つ,強迫性障害の1症例に対して曝露反応妨害法と行動実験を用いた,全12セッションからなる認知行動療法を行った。その結果,強迫性障害の症状得点(Obsessive Compulsive Inventory)はセッションを経るごとに減少し,本症例に対する認知行動療法の有効性が示唆された。特に行動実験は,脅威的状況に曝露することなく,強迫性障害を維持させる信念を変容させるのに有効であったと考察された。
著者
福西 一浩 石川 亮
出版者
一般社団法人 日本歯内療法学会
雑誌
日本歯内療法学会雑誌 (ISSN:13478672)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.31-36, 2019 (Released:2019-02-15)
参考文献数
8

Abstract : In 1972, Simon et al. classified endo-perio lesions into five patterns based on etiology. However, just the concept was presented, without details directly leading to treatment strategies. Here, we report the case of a 36-year-old male with furcation lesion. Although the lesion was preoperatively diagnosed to have been caused by periodontal disease, it was considered that endodontic lesions were intricately involved based on the treatment process and results. The involved tooth was a double-rooted tooth. The electric pulp test result was positive, but the tooth had both vital and non-vital root canals which made diagnosis difficult before surgery. Additionally, the spread of periodontal lesions to the lateral branches of non-vital root canals complicated the situation. This case highlights that endo-perio lesions cannot always be accurately diagnosed before surgery, but reviewing the treatment results and continual evaluation of the etiology would help improve the success rate of treatment.
著者
石川 亮太
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

朝鮮開港後から韓国併合の前後まで、日朝漁民の紛争事件について可能な限り事例を収集し類型化したうえで、その背景や経緯を掘り下げる。研究方法としての特徴は次の2点にある。(1)日朝両側の文献史料の対照。双方からの紛争の記録を比較するマルチ・アーカイブ手法を採用し、立体的に史実の復元を図る。(2)現地のフィールドワークによる文献史料の検証。水産業のあり方は現地の人文・自然環境に応じて極めて多様であったことに鑑み、紛争の現場を実際に訪れ、文献史料の記述を現地の環境に即して検証する。その際、民俗学・人類学や地理学などの隣接分野の成果を参照し、それらの研究者の協力を仰ぎながら分析の深化を図る。
著者
宮下 達也 須川 修身 和田 義孝 石川 亮 川口 靖夫
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.13-19, 2012

火災を早期消火するためには, 棒状放水された水の軌跡や挙動を予測し, 火災源に効率良く消火水を供給する必要がある。本研究は, 二次元の簡易計算モデルを構築し, 放水シミュレーションによる放水特性の解析を行った。モデルの構築にはM P S 法を基盤として用い, 粒子径にRosin-Rammler 分布を適用することで, 水塊が飛行中に分裂する挙動を再現することができた。また, モデルの妥当性を定量的に評価するため, 放射流量3.7 L/min(圧力0.05 MPa)の小規模放水実験を実施した。最大射程・最大射高(放水軌跡)及び着水域(Footprint あるいはLanding Zone)に落下した水の分散分布を実験とシミュレーションで比較した結果, 4% 以下の誤差で良く一致した。
著者
石川 亮 楠見 雄規
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.47-53, 2000-01-20 (Released:2011-08-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

2000年末に本放送開始が予定されているBSデジタル放送では, 通常の映像・音声の放送に加えデータ放送サービスが行われる.本稿ではマルチメディアデータ放送サービスを実現するためのサービス方式について解説する.
著者
仲田 翔太 石川 亮太 佐藤 靖徳 高橋 勉
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.88, no.906, pp.21-00369, 2022 (Released:2022-02-25)
参考文献数
17

A prediction model of the fluid force on a cylindrical blade driven by the Necklace vortex is developed and verified by experiments when the yaw angle is given. Based on the measurement results of the velocity ratio of blade and wind velocity and the fluid force coefficient at zero yaw angle, a prediction model for the relationship between the rotation angle of the cylindrical blade and the fluid force coefficient considering the yaw angle was derived from the analysis of the two-dimensional velocity components acting on the cylindrical blade. The validity of the predictive model was demonstrated by experimental verification. From the comparison, it was found that there was a time delay in the formation and disappearance of the Necklace vortex. Based on the experimental results, the characteristics of the fluid force acting on the cylindrical blade were classified into five angular regions and based on the characteristics of the effective velocity ratio considering the yaw angle, the classification was made into 12 angular regions. Depending on the yaw angle, wind speed, and rotational speed of the blade, all of these regions may appear or only some of them may appear. Therefore, the yaw angle characteristics of the cylindrical blade wind turbine driven by the Necklace vortex are very complicated.
著者
石川 亮 柴田 直哉 幾原 雄一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.74-78, 2023-02-01 (Released:2023-02-01)
参考文献数
17

収差補正レンズ技術の商用化により,物質の局所構造を原子レベルで解析できる走査透過型電子顕微鏡はさまざまな分野で必要不可欠なツールとなった.しかし,得られる情報は観察方向に投影された2次元構造であり,物性を担う格子欠陥などの3次元構造を原子レベルで観察することはいまだ困難である.本稿では,新世代の収差補正レンズにより実現した大収束角照射を用い,一軸に沿って3次元構造情報を取得する深さ断層法の最近の進展について紹介する.
著者
石川 亮
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.241-248, 1982 (Released:2012-09-28)
被引用文献数
1 1

筑波大学附属図書館における, TULIPS (Tsukuba University Library Information Processing System) は昭和55年度末に導入された汎用データベースマネージメントシステムを用いて本格的に動き出した。1) TULIPSの構造と業務ファイル, 2) ファイル内容とレコード構造事例, 3) 業務プログラムとファイルの関連などについて, その概要を述べている。
著者
猪飼 國夫 石川 亮 本多 中二 板倉 直明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.42, no.14, pp.90-97, 2001-12-15
参考文献数
15
被引用文献数
13

微視的モデルに基づく渋滞解析用道路交通シミュレータを構築するとき,自動車の運転動作のモデリングが重要となる.しかし,人間の運転動作を精緻に表現しようとすると多様な要素やあいまいで定性的な情報を考慮しなくてはならず,単純な微分方程式や統計式でモデルを構築するのは困難である.本論文では,ファジィ推論を導入したネットワーク構造で,様々な要素を取り入れたすり抜け運転動作モデルや踏切り横断運転モデルを構築する.道路上の駐停車車両などの障害物を回避して進行するすり抜け運転状態は渋滞の大きな原因となるが,本論文では構築したモデルを用いて複雑なすり抜け運転状態を計算機上でシミュレートし,いくつかの渋滞現象を解析する.また同様に踏切りでの渋滞の解析や運転者の個人特性の相違による渋滞への影響を調べる.そしてこれらのシミュレーションを通じてシミュレータでのネットワーク構造モデルの有用性を示す.In constructing a road traffic simulator for congestion analysis based on a microscopic model,the modeling of driver's behavior becomes important.However,expressing a driver's behavior precisely and in detail involves consideration of a variety of factors and ambiguous and qualitatie information.Consequently,it is extremely difficult to build models using simple differential equations or statistical formaula.In this papaer,we propose using a network structure based on fuzzy inferences to build models that contain many factors for simulating drivers maneuvering around obstacles or across railroad crossings.Such maneuvers as driving around obstacles,for example vehicles parked or stopped on the roadside,can be a cause of traffic congestion.The models thus build are used to simulate such complex maneuvers on a computer in order to analyze some cases of traffic congestion.Moreover,we have also build models for analyzing congestion occurring at railroad corossings and for investigating some effects on the congestion due to variations between the tensdencies of individual drivers.With these simulations we will demonstrate the usefulness of network-structured models.
著者
六反田 豊 森平 雅彦 長森 美信 石川 亮太
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

朝鮮半島における主要河川の一つである漢江を主たる対象として、高麗および朝鮮時代において、人々が河川という水環境といかなる関係を築き、またそれがどのように変化してきたかを検証するために、関連資料の収集をおこなうと同時に、5回にわたり漢江流域での現地踏査を実施した。そして、その結果を、関連する文献情報とともに資料集にまとめて刊行した。また、日本国内の研究者と勉強会や意見交換の場をもち、水環境史研究の課題や方法についての認識を深め、朝鮮史研究における水環境史の構築のための研究基盤を形成した。
著者
田中 輝和 的野 春樹 石川 亮 我妻 壽彦 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.287, pp.49-56, 2003-08-27

ミリ波は雨,霧,塵,炎等を透過する.またあらゆる物体から熱輻射によるミリ波が放射されている.これをイメージング技術に応用すると,火災時の物体のイメージング,噴煙火山の観測,衣服の下の武器や爆発物等の検知が可能になる.我々は35GHz帯パッシブ・イメージング装置を開発しており,そこでは,高感度,低雑音,広帯域のデバイスが要求される.本論文では,実時間観測を可能とするイメージングアレイの平面構造受信素子に装着する広帯域検波回路の設計と実験について述べる.広帯域に亙って整合をとるために,通常のテーパー線路型整合回路の設計手法に改良を加え,8GHz (23%)の整合帯域をもつ回路の開発に成功した.またこの回路を実際にアンテナ・受信回路一体型の受信機へ応用して,ミリ波帯パッシブイメージングを行った結果を示す.