- 著者
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福田 宏
- 出版者
- 北里大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2017-04-01
斉次ポテンシャル-1/r^aおよびレナード=ジョーンズ・ポテンシャル1/r^12-1/r^6で相互作用する等質量3体問題の8の字解のモースインデックスを計算した。モースインデックスとは作用の第二変分を負にする独立な変分関数の個数である。モースインデックスの計算は,変分関数を周期Tの周期関数とした場合,コレオグラフィーに限った場合,8の字コレオグラフィーに限った場合の3通り行った。それぞれのモースインデックスを順にN,Nc,Neとする。斉次ポテンシャル系については,ポテンシャルの指数aに応じて,N=4 (0≦a≦0.9966), 2(0.9966≦a≦1.3424), 0(1.3424≦a),そしてNc=Ne=0 (0≦a)であった。レナード=ジョーンズ・ポテンシャル系については,スケール不変性がないために様々な形と大きさの8の字解が存在するが,標準型8の字解とその大きさを変化させて得られるひょうたん型の解について計算をおこなった。周期Tの大きい標準型の8の字解はa=6の斉次ポテンシャル系の8の字解と同じインデックスをもち,周期を連続的に変化させていくとNは0から12,Ncは0から4,Neは0から1に単調に増加してひょうたん型の解に至ることがわかった。この計算結果は9月に応用数理学会2017年度年会で発表した。その発表でのディスカッションをヒントに,2000年にSimoの発見したコレオグラフィーではないが8の字解に非常に近い周期解,H解とモースインデックスとの関係が明らかになった。また,作用多様体のオイラー標数とモースインデックスの関係を検討し,レナード=ジョーンズ系で周期Tが小さい時では8の字コレオグラフィーの関数空間で定義される作用多様体のオイラー標数が0で保存している事を見出した。